2024.12.3  人もワイン?!

11月第3木曜日はボジョレーヌーボー。

ボジョレーの新酒ワインの解禁日です。

 

20年以上前の大学院生の頃。

JRから金華山の岐阜城が見えると間もなく岐阜駅。

岐阜城は、懐かしさ(故郷)とともにエールをくれるシンボルでもあり。

木曜日は、大学病院の緑内障外来を担当し研究もして、ふらふらになりながら一目散に家に向かいました。

幼い子供たちは頑張って起きて待っています。

翌日は自院の診療です。

 

現在よりもずっとバタバタの毎日でしたが、それでも、大学院を経て医学博士を取得したときは感無量。

実際には、博士号取得後の恩恵よりも、博士号を取る過程で勉強・研究したことが大きな収穫となりました。

 

大学病院の緑内障外来は、進行した緑内障患者さんや、手術前後の患者さんなどでいっぱい。

クリニックでは経験しないような症例も多く経験。

これも眼科医として知識と経験の財産となっています。

そして、途切れることなく新しい知識を得ることもスムーズになっています。

 

 

最近、重症化する緑内障のタイプがわかってきました。

進行が速い患者さんとは…

1,高眼圧

開放隅角緑内障では、眼圧が1mmHg下降するごとに、進行リスクが10%減少。

正常眼圧緑内障では眼圧を30%下降により約8割が進行抑制された。

2.落屑(らくせつ)症候群

落屑とは、加齢により瞳孔周囲に付くふけのようなものです。

落屑緑内障は平均的には正常眼圧緑内障より進行が10倍速い。

3.睡眠時無呼吸症候群

眼圧が低くても進行しやすい(肥満・加齢・男性は発症要因となる)。

 

 

QOLが低下する患者さんとは…

1.中心視野障害がある

日本人に多い正常眼圧緑内障は中心視野障害を生じる頻度が高い。

強度近視の正常眼圧緑内障は早期から中心視野障害が生じやすい。

 

まだ20年前にはわかっていなかった知見です。

多くの症例・論文の積み重ねで新しいことが分かってきます。

 

さて、当時は今よりもボジョレーヌーボーの売り出しが盛んでした。

11月の第3木曜日の大学院の帰りには、必ずお勧めのワインを買って帰りました。

新酒だけあって、渋みもなくフレッシュ感があり、普段飲まない院長でも飲みやすかったです。

 

いつの間にか普段飲むようになった院長。

そしてボジョレーヌーボーも買わなくなりました。

好みは重くて渋みのある辛口赤ワイン。

ちなみに赤ワインは緑内障発症率を下げる傾向ありと言われています。

今日の一日に『お疲れ様!』

 

最近読んだ終活をテーマにした小説。

75歳の主人公が、高校1年生の時の憧れの女子に、終活と称し再会の機会を図ります。

再会した彼女は、初々しく清楚な女子高生はどこへやら、苦労の人生を経て同居の嫁の悪口を話しまくる婆になっていた、という始末。

親しい知人にその落胆を話します。

しかし落ち着いた先は…

『昔は、えぐみも渋みもなくて複雑さもないライトボディのワイン。

今のほうがずっと面白い。

意地も悪いし策士だけど、それが人間の複雑さになっていた。

まさにフルボディ』

 

なるほど。

楽しいことも悲しいことも、嬉しいこともつらいことも、たくさんの経験をすることによって、自分というワインが熟成されるのだと思えばこの先も乗り越えられそう。

目指せ、最高のフルボディ!です。

澱(おり)も溜まるくらいに!

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

 2024.11.26  目の神様in奈良&愛知

始めは偶然知った目の神様も、だんだん、目の神様巡りが旅のテーマのひとつになっています。

患者さんから『目のお寺、好きなんですか?』

と、聞かれることがあります。

好きか嫌いか?と聞かれれば、好きでお参りしているのですが、寺社仏閣に対して『好きです』は何ともミーハーみたいで答えるのに躊躇します。

一眼科医の興味…ですが、信心を持っての参拝客には失礼な答え。

地元のお寺で毎週お経を習い(子供会単位で!)、家でも仏壇に手を合わせお経を読んで育った院長。

医師になるまでは、何事も御仏が助けてくださると信じていましたが、医学(科学)の道を進むうちに何でも祈願祈祷で良くなることはない事実も目の当たりに。

ほとんど無宗教に近い現在でも、それぞれの寺社仏閣にご利益に至るゆかり話に興味はあるし、足を運び参拝することに意義があると出かけています。

 

今回は、奈良・壷阪(つぼさか)寺。

ここは以前『近鉄三昧・阿呆列車』で吉野への通過駅です。

 

せっかくなので法話も聞ける日を選びます。

橿原神宮からの電車は混んでいましたが、飛鳥で多くの人が下車。

壺阪寺下車客は数人。

小さな駅から1時間に1本のバスに乗り込み高取山の中腹へ。

 

壺阪寺は、眼病封じのお寺で、歌舞伎『壺阪霊園記』として有名だそう。

今から300年以上昔、座頭の沢一は条坊お里と暮らしていた。

お里は午前4時になると床を抜け出していた。

もしや、好きな男でも…と問いただすと、この3年壷阪寺の観音様に朝詣でをしていた。

沢一は自分も観音様にお参りを始めたが、盲目ゆえに不遇な暮らしをさせていると思い身を投げた。

それを知ってお里も身を投げてしまう。その夫婦愛に、観音様の霊験で二人は助かり、沢一の目が開眼した。

 

真偽はともかく、エピソードを知ることも『へ~』

 

ここでは、お守りや数珠だけでなく、目薬や目薬の木飴・せんべいなども売っていました。

目薬の成分は確認して、お守りとせんべいをいただきました。

 

また、別の日。

灯台下暗し。

愛知県にも目の神様があることを知る院長。

知多の『めがね弘法』大智院。

眼鏡をかけている弘法大師です。

安政7(1860)年、目の不自由な浅吉翁が身代大師に祈願したところ、目が見えるようになった。

代わりに大師の左眼が傷つき、以来、翁の残した眼鏡をかけられるようになったとのこと。

 

現代は、目の病気があったり目が見えなくても、黒い眼鏡をかけることはなくなりました。

しかし、昔は、黒い眼鏡をかけている事=視覚障害者のイメージでした。

黒い眼鏡と白杖が目の見えない人のイメージとなっていました。

 

黒い眼鏡は遮光の意味と、表から眼の状態を隠すために使われてきました。

 

めがね弘法の眼鏡も眼病(もしくは怪我)を隠すためと思いますが、今の人が見ればサングラスをかけた弘法に見えます。

最近は丸い眼鏡が流行っているので、今風に見えないこともないです(罰当たり)。

 

ちょうど、めがね弘法大祭の日。

眼病平癒・健眼長寿の加持祈祷がされていました。

○○(住所)の○○(名前)の○○(目の病気)と祈祷の声がリズムよく流れてきます。

つい病気・病名で祈祷されている人のことをしばし想像する院長。

ちゃんと眼科もかかっていますよね?!

ここでも目薬・目薬の木のお茶・先見(先がよく見える)飴が売られています。

 

目の神様に『へ~』を見つけに参拝する罰当たり?な院長です。

もちろん患者さんの眼病治癒祈願をしています。

■目の神様シリーズはこちらからご覧ください

目の神様in 鎌倉

目の神様 in平泉

目の神様 in 仙台

やりなおしたい?

初めての御朱印

身代わりどじょう

目の霊山

余呉へGO,GO

鎌倉好き

医者も祈願する!?

 

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2024.11.12  小学校に上がる前に

今年度の就学時健診も全て終了。

院長と就学児童の年齢差はどんどん広がっていくばかり。

仕事では赤ちゃんや子供と多く接しますが、私生活では大きな子供たち(息子)ともなかなか接点がない院長。

長く通院されている同年代の患者さんからは孫の話題も出てきて、そういう年頃なのね~と気付かされます。

 

就学時健診では、視力(ABCDで判定)・眼位・目の病気の確認を。

再検査を促したり、アドバイスも。

 

視覚は成長とともに発達します。

出生直後は光覚弁(明暗が分かる)くらいでも、生後3か月で0.05、1歳で0.2~0.3、2歳で0.4、3歳で1.0に達すると言われています。

3歳児健診で1.0が理想。

ですが、個々の発達やその時の機嫌により、眼科要精査になる子も多々。

受診用紙を持って来院した子供さんには、成長・発達がゆっくりで上手く視力検査が出来ないのか、早急に眼鏡などの治療をすべきかを判断し、方針を決めます。

視力検査は練習も有効なので、家でやり方に慣れること・眼科に慣れることも大事です。

 

就学前の子は、大人のように視力検査表で測定するのは苦手。

多くの中からひとつを見分けるのが苦手なのです(読み分け困難)。

そのため、ランドルト環という切れ込みがある丸い輪っかをひとつずつ見せて測ります。

 

3歳児健診で、就学時健診で受診用紙をもらって来院した患者さん。

以来ずっとお付き合いの患者さんもいます。

当院開院27年なので、〇〇ちゃんと呼んでいた患者さんも、今では立派な成人。

○○さんと呼びますが、記憶の中に小さな○○ちゃんがいます。

 

検査をして、斜視・弱視があれば、治療用眼鏡や訓練を行います。

強度の遠視・近視・乱視も眼鏡の適応になります。

軽度の遠視で裸眼視力が出ている場合は、本人が見えにくそうな時があるかがポイント。

子供はピント合わせの力が強く、視力検査は良好なことが多いです。

しかし、ピント合わせの緊張もずっと続くわけではなく…集中できなかったり、見づらくなったりすることがあります。

その場合は、今が一番遠視が強い状態(年齢とともに減少)なので、しばらく(数年)眼鏡をかけることにします。

 

調節麻痺剤を使って近視と診断されれば、回復はしません。

現在、近視抑制効果があると言われているのは、オルソケラトロジーと低濃度アトロピンです。

進行抑制効果(近視が強くならない)は期待できますが、近視をなしにすることは出来ません。

また、それ以外にも近視をなしにする治療はありません。

教室の後ろの席で黒板の字が見にくくなるのは0.7(屈折度数も重要)。

それより下がれば眼鏡を考える時期です。

最近では、一部の例外を除き、原則的には完全矯正にします。

緩めに矯正すると、近視進行しやすくなります。

 

遠視や近視の検査・治療など、時代とともに変化しています。

医学分野では特に、過去に常識だったことが、数年で非常識になります。

その変化に対応した知識と技術と機器を獲得し患者さんに還元がモットーの院長です。

小学校に上がる前に、気になることは解決しましょう!

 

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2016.11.1 就学時健診にて

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2020.5.26 ステイホームで見すぎちゃう

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2023.6.20 何しに台湾? その1

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2023.10.24 見える!

カテゴリー:眼に関すること

2024.10.29 またまた島医療

南の離島医療を見学して以来、南に行ったら北もいつか…と思っていた院長。

北海道の北端の島、利尻島と礼文島。

利尻島には病院が一つ、小さな診療所が二つあります。

礼文島には有床・無床診療所が一つずつ。

国保組合立と北海道立の公立医療機関です。

 

気になれば動いてみる!の院長。

今回も、見知らぬ相手(病院・診療所)に見学依頼の電話とメールを送ります。

就労に興味もしくは希望のある若手医師ならいざ知らず、年季の入った開業医が何故?と思われるのは承知の上。

自分の思いを伝えます。

 

利尻・礼文島行き決行。

 

院長は、学生時代に利尻島と礼文島に行っています。

当時全国大学生協が企画した北海道一周ツアー。

札幌発着10日間で、バス・フェリーと宿泊食事代全て込みで10万円だったような。

全国からの大学生と相席・相部屋で各地を回りました。

 

さて今回は、人生もう一度の利尻島と礼文島。

礼文島の診療所は、有床の割と大きい診療所です。

3代目の所長となるM先生は、お父上も2代目診療所長で僻地医療に尽力されてきた先生です。

一時は一緒に働いておられましたが、お父上は引退され、今はM先生(息子)が切り盛りされています。

地元で育って地元の医療を守る…理想的です。

しかも、現代風に自身の研鑽で島外に出るときは、代わりの医師が来るシステムを確立されています。

 

礼文島の澄海(スカイ)岬は、中島みゆきの‘銀の龍の背に乗って‘のPVが撮影された場所とのこと。

‘Dr.コトー診療所‘の主題歌。

最西端・与那国島のDr.コトー診療所ロケ地と最北端・礼文島スカイ岬でのPV。

どちらの地にも立った自分。

不思議な感覚。

 

利尻島は病院なので、常勤医が4名います。

うち一人は島の国保の診療所に出向しています。

常勤医師は、利尻島と縁もなく、それでも何かのきっかけで来島、離島医療を担っています。

事務長も島とはゆかりのないひとで、札幌から単身赴任です。

公立病院経営強化プラン白書を見せてもらいました。

元SEだけあって分析がきちんとされており、大変分かり易い資料でした。

 

島の著しい少子高齢化により、病院の経営も深刻になります。

外来患者の増加はあまり期待できないとのこと。

入院機能があることにより、一般急性期~回復期~慢性期~終末期と幅広い対応をしていかないといけません。

医師の確保(医師の働き方改革に乗っ取った)や看護師の確保(島外からの派遣が多い)。

事務長の立場からすると、税金の補填があると言っても、僻地・離島の医療は経営上も難題がたくさんあります。

 

眼科は、稚内から月に1度。

与那国島と同様全て予約制です。

休日診療所程度の装備しかなく、視野計もOCTもあればいいのに…と思いますが、患者さんの数を考えれば導入できません。

 

離島は与那国島もそうでしたが、島外へ出るには交通費などの補助があります。

利尻島から一番近い稚内へフェリーで1時間40分。

札幌には飛行機で50分。

 

それでも緊急時は、ドクターヘリ・防災ヘリ・自衛隊ヘリで搬送。

手続きに時間がかかるそうですが、その遅れについて患者さんからのクレームはないとのこと。

離島での医療は、患者さんの覚悟も必要です。

 

最北と最南の島の医療を垣間見て…

院長は、今直接行動は出来ないけれど、自分で行って・見て・知って良かった!

いつかは、離島にお手伝いに行けることがあるかな…

 

食堂の旬(夏)のうに丼は1万円!

う~ん、1,300円の海藻ラーメンを選んだ院長です。

 

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2023.4.25  八重山にとって…

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2024.10.22 白内障、またなるの?

当院は白内障手術は実施していませんが、白内障の患者さんは多くいらっしゃいます。

白内障のほとんどは加齢によるもの。

(先天性や外傷性・アトピー性など他にも原因はありますが)

白内障は水晶体の濁り。

前から見ると黒目の部分。

横から見ると紡錘形です(院長は、小学生の頃、給食に出たローヤルゼリーを思い浮かべます)。

水晶体が加齢に伴い少しずつ濁ってきます。

 

眼鏡をかけても運転に支障がある

日常生活に支障がある

などの自覚があれば、白内障の手術を勧めます(免許基準に引っ掛かる場合は、自覚がなくても積極的に勧めます)。

 

自分では不自由を感じない。

眼科医から見ても生活に支障ないようだ。

周りがやっているから、やらないといけないのかなぁ?

などの人には、積極的に手術を勧めません。

 

白内障手術の適応時期はほとんど患者さん主体で決められます。

 

さて、時に聞かれるのが

『白内障手術しても、また(白内障に)なるの?』という質問。

 

白内障の手術では、水晶体を取り除き(吸引)、眼内レンズで置き換えます。

水晶体は、前後透明な袋状の膜で覆われていて、前面の膜だけを切り取り、袋状に残した膜に人口レンズを挿入します。

後面の膜はそのまま残します。

術後何年かして、後面の膜が濁ることがあります。

すると視力低下を起こします。

これを『後発白内障』といいます。

レーザーで濁った部分を破ることで、視力は回復します。

 

一般の白内障と後発白内障。

どちらも白内障ですが、機序が違います。

また白内障手術を受けた全員が後発白内障になるわけではありません。

70~80代では、約1割に白内障が後発白内障が起こると言われています。

 

白内障手術後よく見えていたのに視力の低下を感じたら、眼科できちんと検査を受けましょう。

後発白内障が原因であれば、レーザー治療で改善します。

 

こんな話をざ~っとすると

『ほお~そうなんかね~』(理解してもらえたでしょうか?)

『聞いてよかったわ~』

 

このように、類似した名前の病気や治療法は誤解していることが多いもの。

やはり、目の前の医師に直接聞いてみることが一番正確で責任ある回答だと思います。

 

10月10日は目の愛護デー。

子供の近視進行予防から、中高年の眼病の早期発見まで、眼科医は啓発も行っています。

院長は日本眼科学会のアイフレイルアドバイスドクターでもあり、先日ピンバッジが送られてきました。

緑内障啓発月間のグリーンリボンと同様に、しばらくブルーのアイフレイルのバッジをつけようと思います。

 

ネットでの知識。

メールやラインでのやり取り。

それもいいけど、やはり対面で情報や知識を得たい。

面倒でもコストがかかっても、学会に行く、レッスンを受ける、気になる所に足を運ぶ…

その場で『へぇ~』を感じたい昭和生まれの院長です。

患者さんが『へぇ~』を発するような診療をしたい昭和生まれの院長です

アイフレイルアドバイスドクターにご相談を!

 

 

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カテゴリー:クリニックに関すること 眼に関すること

2024.10.1 日本緑内障学会

人間、リアルでないと実感がわかないし、有難みも減ります。

どんなことも時間とお金をかけて行くからこその価値はある!

自分の年齢を考えると、実体験を増やして意識して自身に刺激を与えないと!

ということで、積極的に学会現地参加し勉強することにしている院長です。

 

今回の緑内障学会は姫路で開催。

行ったからには、前席で聴きたい講演は全て聴くがモットー。

会場の臨場感は、現場でこそ。

 

今回は、特に手術に力を入れて聴きました。

緑内障治療はまず点眼→レーザー→手術(点眼→手術のことも)です。

一生点眼治療のみで…が理想ですが、病状により異なります。

緑内障の2大手術(アプローチ)は、院長が研修医の頃に確立されました。。

緑内障治療黎明期の時代、緑内障専門の医局に在籍したことで、当時の新手術をたくさん勉強させてもらいました。

当院では手術をしませんが、患者さんを手術目的で紹介するときに、術式を思い浮かべることはします。

2大手術は、更に派生し、より簡便な手技・より侵襲の少ない手技・軽症例への手技・最重症例への手技など、どんどん新しい方法や技術が開発されています。

新しい術式により奏功した症例報告が多く発表されると、しばらくすると合併症の報告も発表されます。

どんな手術もメリットもあればデメリットもあります。

検証を繰り返して、患者さんにとって最善の術式が選ばれます。

既に2年前に解禁になった術式も、大いに議題に上がっていました。

今は、手術のビデオも見られるので、本当に勉強になりました。

 

先日の某学会で知り合ったA先生とも再会。

たまたま挨拶がご縁で、約3時間も話し込んでしまった2人。

一回り上のとてもバイタリティー溢れる女医さんです。

その際に、新しい視野計(アイモ)の話になりました。

既に世界標準型の視野計(ハンフリー)が2台ある当院。

導入するか迷っていたのですが、A先生の実際の使用経験(その後学会発表も)に推されて決断。

 

アイモ(imo vifa)は、両眼開放なのに片眼ずつの視野検査が出来ると言う画期的な視野計です。

通常は、検査しない眼を遮蔽します。

また、厳密な明るさの暗室で検査をしないといけません。

顎台にしっかり顎を固定させないといけません。

また、初期モデルよりかなり改善されたとはいえ時間を要します。

これらのお悩みを改善・解決したのがアイモです。

実際、患者さん(特に高齢者)には好評で『すごく楽だった』『視野検査が憂鬱でなくなった』などの評価をいただいています。

 

A先生と出会い親交を深めることになったのも学会が縁。

公私とも人生の先輩からもらうエネルギーは刺激過ぎる~

院長(私)まだまだひよっ子です。

 

姫路は穴子料理が有名だそう。

穴子料理専門店へ。

穴子の刺身・白焼き・かば焼き・だし焼き・ひつまむしなどなど穴子尽くし。

ふだんは鰻派の院長(名古屋は穴子より鰻)は、初めて穴子を堪能しました。

遠くに姫路城がライトアップされてとても幻想的。

気分良くなって、レジ横のお土産用焼き穴子も購入。

息子たちが帰省した時の肴に出そうっと。

 

ホテルに戻り、先ほどのお土産の穴子のパッケージの裏を何気なく見たら…

’穴子:ベトナム製…’

しかも、製造地は愛媛県の表示が…

『えっ!?名物の穴子って国産(兵庫産)じゃなかったの?』

一気に酔いがさめた院長。

私達は地場産を食べたのか?

レジ横のお土産、買わなければ考えることもなかった…

世界穴子産地問題?は、お土産でなく宿題です。

 

 

 

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2024.8.27   大家好(こんにちは)! 

台湾から帰国後、早速中国語の先生を探し始めた院長。

2023.6.20  何しに台湾 その1    2023.6.27  何しに台湾 その2

日本在住25年の中国人A講師に巡り合いました。

A先生は大学で教鞭を取りながら、私塾も運営されています。

 

個人レッスンを快諾。

中国語学習が始まりました。

院長の教材は、第2外国語選択の大学生たちと同じテキスト。

教科書を読み、理解し、問題に答えるが基本。

テキストは毎日音読(老化予防になる)し、課題も先生に確認してもらいます。

この発音は良い、これはいけない…と指摘され、『再度再度…』の繰り返し。

なんで私、中国語始めちゃった?と自問することも。

 

それでも、『大学生より頑張っています』と褒められ、『毎日中国語』の日々。

自分の教養時代を省みても、授業は単位を取るだけのものだった(今、非常に反省)から、その頃よりは相当真面目です。

ただ加齢ゆえ、記憶力の顕著な低下を実感。

丸暗記が出来なくなっています(意味づけがないと覚えられない)。

毎日何ページもの英単語のテストをクリアできた高校生の頃の自分が羨ましい…

 

最近は、診察での言葉かけを中国語でも出来るように…と、原稿?を院長が作り、先生が中国語版にし、付いて読む練習も。

『ここに顎を載せてください』

『眼圧を測ります』

『眼底(眼の奥)を見ます』などなど。

日本語バージョンはお手の物ですが、A先生には初めての医学用語(日中とも)。

眼圧=目の硬さと言うと、『目は柔らかいのに硬いことがあるのか?』と驚かれ、一般人の感覚を新鮮に感じることも。

院長は目の模型で説明(日本語オンリーでしか無理です)。

今度は先生わくわく『初めて知りましたね』

 

指導は厳しいですが、経歴も生き方も非常にリスペクト出来る先生。

先生の期待に応えるべく頑張って勉強する毎日。

 

ある日のレッスン後、『語学研修に中国行きませんか?』のお誘いが。

私塾の生徒有志と共に、毎年中国へ研修旅行に行っていたそう。

今回は、新型コロナ以降初の催行。

通常のクリニックのお盆休みを越えてる…

『仕事があるから無理です』

と断ったものの…(前回に理由は明記 2024.8.6   YaYa(あの夏の日を忘れない))、

チャンスは今!ということで、研修旅行に参加することに。

 

当日空港に集合してびっくり。

院長最年少です。

残り8人は前期高齢者の面々。

しかし、中国語学習歴は10年以上に及び、仕事で中国に行った・大学で中国語を専攻した…など強者ぞろい。

院長最年少にして、中国語力も最低です。

 

参加者の多くは顔見知りで『ガオダオ』とか『シャンティアン』とか呼び合っています。

何?ニックネーム?

『長谷川さんはチャングゥチュアンだね』

みなさん、お互い中国語読みで呼び合っていたのでした。

高島・山田…なるほど。

 

今回の行き先は、敦煌・トルファン・ウルムチ。

過去最遠、みんなのリクエストで企画。

いきなりのシルクロード!

 

中国ビザは非常に厳しく、ほぼ丸裸にされた気分。

上海から入国です。

指紋押取(初めて!)必要で、入国検査も厳しく、生徒(日本人)のスーツケースは既に出揃っていました。

やれやれ。

さらにバスで約1時間移動し、国内線空港から敦煌に到着したのは深夜。

 

翌朝のホテルの朝食。

早速色々試してみます。

教科書で習った各地の朝食を思い出し…

豆乳に揚げパン(北方)

ワンタン(南方)

お粥・焼売・蒸餃子など(広州)

他にも多種多彩のお料理が。

 

表記と料理の内容とを比べながら、『へ~』の連発。

 

『チャングゥチュアン、集合時間だよ』

以後、先輩方に引っ張られ、助けられの旅が始まります。

 

 

 

 

 

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2024.7.30 目の神様in 鎌倉

鎌倉はお気に入りの場所のひとつ。

コロナで久しく遠のいていました。

 

時間の出来たある日、そろそろ…いま鎌倉?

いざ鎌倉!

 

新横浜から在来線に乗り換え。

北鎌倉駅を通過すると、毎度♪縁切寺♪のメロディーと‘ビブリオ古書堂の事件手帖‘の物語がよみがえります

今回は時間がないので北鎌倉はパス。

 

今回のミッションは、『目の神様in 鎌倉』詣で。

鎌倉には本覚寺という目の神様(お寺)があります。

このお寺でお守りをいただいた(待合室にあります)のが、院長の目の神様巡りの始まりです。

今回は、別の目の神様に向かいます。

 

長谷駅近くの御霊神社です。

観光客で賑わう通りを中に入って数分。

江ノ電線路沿いにあります。

踏切の前に立っていると、江ノ電が通過します。

江ノ電と踏切向こうの神社が一緒に写る一枚を撮ることが出来ます。

江ノ電好き&目の神様好きのダブルを叶える写真を撮ることが出来ました(ミーハーです)。

 

後三年の役で活躍した鎌倉権五郎景正公が、初陣で右目を矢で射抜かれるという、致命的な傷を負ったにもかかわらず、相手をい倒して戦を勝利に導きました。

景正を祀る御領神社は、眼病平癒の神様としてご利益があるとされています。

 

目を矢で射抜かれる…かなりのスピードで偶然にも目を射抜いたとなれば、かなりの眼球破裂?

細い短い釘だと、眼球破裂せずに眼球に刺さったままのこともあります(釘が刺さった患者さんの診察歴有)。

想像する弓の太さとスピードだと、眼球破裂どころか脳内に刺さった可能性大です。

致命的な傷に間違いありません。

失明に至ったに違いありません。

それでも戦を続行して勝利に導いた武将。

眼科医の想像をはるかに超えています。

 

そんなことをあれこれ考えていてはご利益をいただけません。

きちんとお参り。

いつもながら患者さんの眼病平癒と、院長の眼科医としての向上を祈願。

お守りもいただきました。

 

大仏様も相変わらずの優しいお顔。

江ノ電からの海も毎度テンションが上がります。

行きたいところは色々ですが、毎回時間の都合でスポットを絞ります。

 

何回も行く場所もあれば、御霊神社のように初めての場所も。

 

三男が小学生の時に一緒に行った長谷寺の近くのアイスクリーム屋さん。

受取った直後にポトリと落とし半べその息子に、もう一度アイスを作ってくれたお店はもうありません。

でもそこを通るたびに、あの日のことがよみがえります。

鎌倉の中でも長谷が好きなのは、大仏様や長谷寺だけでなく、あの頃の思い出の確認が出来るからかもしれません。

 

家人がクラゲに夢中になり家でも飼育していた頃、一緒に行った江ノ島水族館。

海月よりJelly fishが合うね~と言いながら、色々な種類のクラゲを見たことがよみがえります。

とっくに我が家からクラゲはいなくなりましたが。

 

鶴岡八幡宮で大吉が出るまで引き続けた知人。

一回り上の彼女は、今でも私を導いてくれます。

30年近いお付き合いが出来ている私こそ大吉!?

 

その知人と泊ったホテルを抜け出し、海岸をひとり朝散歩。

向こうからもひとり散歩の年上女性が。

おはようございます!の挨拶から始まり観光について立ち話。

何気なく電話番号(当時はショートメール)交換して以来、季節の便りをやり取り。

 

新しいことを見つけつつ、回想もする鎌倉。

いま鎌倉?そう、いま鎌倉!いざ鎌倉!

脳内の思い出箱『鎌倉』にまたひとつ思い出追加、上書き保存です。

■目の神様シリーズはこちらからご覧ください

目の神様 in平泉

目の神様 in 仙台

やりなおしたい?

初めての御朱印

身代わりどじょう

目の霊山

余呉へGO,GO

鎌倉好き

医者も祈願する!?

カテゴリー:公センセの家族・恩師・友人など 眼に関すること

2024.7.2  虫が飛んでる?

『虫みたいなものが見えるけど、手で払っても消えないんです』

『空を見たら、糸くずみたいなものが動くのが見えるんです』

『白い壁に、点々が見えるんです』

このような訴えで来院される患者さんはかなり多いです。

『何か病気ではないか?』

『網膜剥離では?』

などと心配されて来院されます。

視力や眼圧と言った一通りの検査や問診の後、両眼の瞳を開いて、目の奥を観察します(散瞳検査)。

 

瞳が開いたら、患者さんに上下左右8方向を見てもらい、院長もダイナミックに動き周辺まで観察します。

これで、病気か否かが分かります。

 

飛蚊症による病気は

1.網膜裂孔・網膜剥離

網膜(眼の奥)に穴が開いたり、そこから網膜が剥がれている状態です。

程度に応じてレーザー治療や手術を勧めます。

2.硝子体出血

眼球の中身は、硝子体というゼリーのようなもので満たされています。

糖尿病や高血圧・外傷などで眼底に出血が起こり、その血液が硝子体にも流れることで起こります。

少量の場合は自然治癒もありますが、原因を調べ手術になることもあります。

3.ぶどう膜炎

ぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)に炎症が起こり、血管から硝子体に、炎症が及ぶことがあります。

入院になることが多く、炎症を抑えるために、内服や点眼薬で治療します。

 

病気でないと判断すれば、患者さんに『安心してください。心配ないです。気にしないでくださいね』とまず一言。

それから、虫みたいなものが見える(飛蚊症 ひぶんしょう)原因をお話しします。

 

光が目の奥に入っていくと、網膜で光やモノを感じます。

硝子体は透明なゼリーのような物質ですが、何らかの原因で濁りが生じると、その濁りの影が網膜に写り、目の動きとともに浮遊物のように見えます。

これが飛蚊症です。

 

原因としては、生来と加齢によるものがあります。

胎児のときの硝子体の血管の名残が、生後も残存していると飛蚊症として感じることがあります。

(一般には、眼球完成時に胎児のときの硝子体血管は消失する)

これは、健康な目でも起こる飛蚊症なので気にする必要はありません。

 

多いのは加齢によるものです。

加齢により、硝子体はゼリー状から液状に変化し収縮して網膜から剥がれます(硝子体剝離)。

また、強度近視の場合は、硝子体剥離が早期に起こり易く、若くても飛蚊症を自覚することが多くなります。

 

きちんと検査をして、異常がなければ不安になる必要はありません。

急に、いつもと違うたくさんの数の浮遊物が見えたり、視力が低下したり、見えない部分が出た場合は、すぐに検査を受けてください。

 

最近は、飛蚊症に対してのレーザー治療を行う施設もあります。

硝子体の濁りをレーザーで紛糾します。

ただし、自費診療です。

気になって仕方がないと言う人は、試してみてもいいかもしれません。

 

院長も強度近視で、時々、ミジンコみたいな浮遊物が見えます。

生理的な(病気ではない)飛蚊症だから、慣れるしかありません。

『おっ!ミジンコが出てきた、出てきた』

積極的治療(自費)を受ける気はありません。

加齢と上手くつきあう覚悟の院長です。

 

 

 

 

カテゴリー:眼に関すること

2024.6.18  目薬の温泉

『え~!?』

思わず声を上げたのは、目の温泉・眼病に直接効く温泉を見つけたから。

目の神様を拝むべく、全国を行脚中?の院長ですが、温泉があるとは!

 

鎌倉時代より700年の歴史。

目の温泉として伝わる神秘の源泉。

 

上杉謙信好公の隠れ湯として。

江戸時代からは『目の温泉』として遠路より数多き人々が訪れる地。

 

白内障・眼底出血・ドライアイ・眼精疲労などなどに効能があるそう。

 

上信越高原国立公園に位置する貝掛温泉です。

 

見つけたからには、眼科医としては(?)行くしかない!?

 

新潟県の越後湯沢が最寄り駅です。

といっても、ここからが遠い。

バスは1~2時間に1本しかありません(しかも国道沿いにバス停)。

タクシーでぐんぐん山道を上り、国道を外れると、車一台やっとの道に入り温泉に着きます。

 

いかにも秘湯というたたずまい(日本秘湯を守る会)。

建物も古めかしく、しかし清掃が行き届いています。

 

 

お風呂場に行く長い廊下を歩いて行くと…

著名人の色紙。

ゲゲゲの鬼太郎がお風呂に浸かっているフィギュア。

お薬師様の祭壇。

そして、某老舗眼科病院の3代前院長寄贈の眼球断面図も。

シュレム氏管とかチン氏体とかの表記も。

眼球の構造や機能の詳細は、この30年くらいで大きく進歩し解明されてきました。

が、既に遥か昔(院長生まれていない時代)に、専門用語があったことを知ると、先達たちへの畏敬の念に打たれます。

 

気分が高まったところで?入湯です。

 

『正しい目の洗い方

1.手で湯をすくい、目を大きく開き、湯に浸します

2.少し慣れたところで、まぶたを閉じて開いて繰り返し、約1~2分がおススメ』

 

湯口から温泉が出ています。

そのお湯をすくって目を洗うと効能があるらしいのですが…

 

眼科医の院長、目は洗わず、静かに温泉を楽しみました。

他にも、神経痛・腰痛・冷え性・五十肩・病後回復に効能があるそうなので(院長該当しないが)、精神の安寧には効果がありました。

木々に囲まれた静寂な温泉に浸かって『幸せ~』

 

昔(院長生まれる前)は、抗生物質の点眼がなかったため、眼科医でさえ結膜炎の場合、ホウ酸水で目を洗うしか治療がありませんでした。

無色透明で無臭の貝掛の湯はメタホウ酸を多く含み、目薬の湯そのもの。

50年以上前でさえ、目を洗うことが治療とされていたなら、江戸時代はなお、目の温泉の効能は絶大だったと思われます。

 

湯上りに、売店を覗くと

『目薬はないの?』と別のお客さん。

『以前は売ってたんですけどね~今は取り扱ってないです』

院長も気になっていました。

明治時代には、販売許可を得て目薬を販売していたそうです。

ホウ酸で洗う(もしくは点す)ことが、唯一眼病治療だったことが偲ばれます。

 

現在では、多種の抗生物質点眼を処方することが出来ます。

点眼回数だけ守れば、洗眼しなくても治ります。

 

また、目を水(湯)で洗うことは、涙液層のバランスが崩れるので、良くないということもわかりました。

眼科医も、『プールの後は水道水でよく目を洗いましょう』から『人口涙液を数滴さす方がよい』『洗眼をまめにすることは良くない』などと言うようになりました。

涙の成分もわかってきたので、水ではなく、涙と同成分の人口涙液を勧めています。

 

目の温泉に入りながら、変わらないもの(温質)と変わるもの(眼病治癒)を考えます。

眼科医になってからのわずか30年余でも、眼科学は大いに進歩変化。

でもご利益を求め入湯する気持ちは変わりません。

感謝。

 

こちらもご覧ください

2022.10.25 目の日に目洗い

 

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