冬季オリンピックも終わり眼科医として思うこと。
『あれっ?!最近(近年)雪目(ゆきめ)の患者さん来ないな~』
雪目とは、雪眼炎(せつがんえん)とも電気性眼炎とも呼ばれ、単的に言えば目に生じたやけどです。
雪眼は、目が雪に反射した紫外線に当たり過ぎると、黒目(角膜)や白目(結膜)に炎症が起きます。
雪は、白いため太陽からの紫外線を強く反射する特性があり、スキーやスノーボードを楽しんだ人が翌日『目が痛くて…』『目がショボショボして…』と来院されることが以前は多かったのです。
雪眼が周知されるようになってきたのか、はたまたスキーやスノーボードをする人が(こうクリニックの周りでは)減少しているのか…
そういえば20年くらい前にインターハイ目指していたY姉弟はどうしてるかな。
今回、院長は自分が雪眼になった貴重な体験をしました。
南極は当然紫外線が強いので、顔中に日焼け止めを塗り、フェイスマスク、帽子、耳当て。
眼鏡でほぼ過ごした院長は、目隠し帽の開いた部分にゴーグルを装着。
このいでたちで、野外活動をしていました。
その夜はちょっとお洒落をする夕食の日、私の素顔をスタッフ(外国人です)に見せたいと朝からコンタクトレンズを装用。
野外活動に出かけました。
眼鏡なしの素顔の写真を撮ってもらうためにゴーグルも外し、チーズ!
真っ白な雪、氷河、ペンギンなどコントラストの素晴らしいこと。
つい見とれて、ゴーグルをつけずにそのまま活動していました。
その晩、目がショボショボする、ゴロゴロ、痛い症状が出始めました。
これが雪眼の症状なのね…実体験。
本来は、眼科医が細隙灯顕微鏡で確認診断するのですが…
船医さんはいたけれど、眼科はよくわからないだろうし…
自己診断治療開始、持参の点眼薬にて約1日で改善しました。
雪眼は、一般には雪のある場所にいたことが原因ですが、他にも原因があります。
強い太陽の照り返しは、アスファルトや海岸の砂浜でも起こります。
夏に部活を一日中していたとか、海水浴に行った後も同様の症状を起こします。
特に野球部・サッカー部の子たちは、一日中屋外で活動しているため、充血やショボショボで来院されます。
もはや、スポーツ用ゴーグルをしたほうが良い時代だと思います。
吉本新喜劇では池乃めだかさんの皆既日食(めだかさんは小さいので、前面に大きな人が立つと見えなくなる)が有名(ファンしか知らない?)です。
実際の皆既日食で太陽を直接見るときも強い紫外線を浴びないため、ゴーグルをして観察しましょう。
また、溶接現場でもよく起こります。
産業医(院長も一応産業医です)がいれば、職場安全管理にてゴーグル装用での作業を徹底させていると思います。
『ゴーグルつけて溶接しましたか?』の問いに『つい、面倒で…』と答える患者さん。
眼はとても痛そうです。
溶接の光の中の紫外線は、角結膜炎(黒目・白目)も起こしますし、皮膚炎も起こします。
また、可視光は網膜障害(目の奥)を起こすこともあります。
意外に、この職業の患者さんは、注意喚起してもあっけらかんとしていることが多いです。
ホントに怖いんですから~
スマホで撮った写真は、素人が撮ってもコントラストがはっきりしていてとてもきれいでした。
でも、この旅行中、スマホをいつも携帯していたのは日本人だけだったような。
雪眼にならない程度に、思い出は自分の目に・心に。
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今年はスギ花粉が非常に多く飛散しています。
スギ花粉症持ちの院長にとっては、久しぶりの当たり年です。
自身は、目の症状はなく鼻に出るタイプ。
くしゃみ鼻水鼻詰まりがここ数日で一気に悪化し苦しい思いをしています。
(院長が鼻声なのはそのせいです)
院長がここまで悪化したのは…
初期療法を今年は開始しなかったこと。
初めて花粉症症状が生じて以来、気を付けていたのは、たとえスギ花粉症が生じたとしても最小限・生活に支障がない程度にしようとするための治療。
スギ花粉が本格飛散する少し前から、抗アレルギー点眼薬や内服を開始すると、アレルギー反応が抑えられます。
もちろん、花粉の曝露を控えることや、花粉を室内に侵入させないことも大事です。
名古屋ウイメンズマラソンはいつも3月初めの日曜日。
10数年前にマラソンに打ち込んでいた院長は、花粉症対策(内服・マスクも付けて)しての練習・本番。
自己ベスト(4時間19分)を最後に勝手に勇退?した院長ですが、花粉症のためには良かったのかも⁈
例年2月初旬から内服の院長ですが、今年の2月は夏の地域・しかもスギどころか植物もない地域を旅していたので油断していました。
結局帰国してから辛い思いをしています。(ちなみにスギ花粉症は日本特有で、英語圏では牧草(hay)が主です)
目に来る人、鼻に来る人、どちらにも来る人とも初期療法は有効ですが、今年は時すでに遅し。
症状が出たら、速やかに受診しましょう。
毎年、ほぼ変わらず1年に1~2度来院の患者さんと再会するのもこの時期。
子供の患者さんの成長ぶりを見るのは嬉しいですが、結構アレルギー性結膜炎症状がひどくなってから。
しかし、前回の点眼薬が効いているなら(効いたから1回だけ受診)、もしくは変えた点眼薬が効いているなら、所見が大きく変わらない場合同じ点眼薬を処方します。
帰宅時の人口涙液での眼洗浄や、生活指導も併せて。
一昨年、アレルギー性結膜炎に点眼薬ではなく、軟膏(塗り薬)が発売されました。
先日勉強会があり、再度機序使用方法について確認。
1日1回まぶたに塗るとかゆみが軽減する。
大体決まった時間に1日1回塗ります。
まぶたを通して、結膜(まぶたの裏側)に浸透していき、かゆみを抑えます。
1日1回で簡便である、目薬が上手くさせない人にはいいと思います。
小児にも可能です(が、12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は未実施)。
また、目のかぶれや目の腫れには効果がありません。
その場合は、別の軟膏を処方します。
軟膏=まぶたの炎症に効くというイメージが先行する中、新発想の薬です。
アレルギー性結膜炎への効能はほぼ同じですが、化学構造や作用機序・点す回数・刺激などで異なります。
そこに患者さんの特性も加わってきます。
所見の程度・かゆみの感じ方・性格・年齢など。
新しい薬はどんどん発売されますが、新しければ良いというものではない。
目の前の患者さんに合った薬、というのが大事。
新しい薬は処方する価値はありますが、現状が安定していれば、変えずにというのが院長のスタンスです。
また、時にはステロイド点眼薬の追加が必要なこともあります。
これも眼圧上昇など副作用の有無を確認し、対処できる眼科医だからこその処方になります。
鼻づまりとガラガラ声で筋トレに行ったら、『花粉症の時は無理しないでお休みしてください』
しばらくおこもり生活。
おうちでドラマ三昧⁈WBC観戦⁈楽しみます。
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ランニング(マラソン)をしていた頃。
まっすぐ走っていたら突然小さな子がぶつかってきました。
前を見て走っていたので、当然子供2人と小型犬を連れた女性が歩いているのは見えていました。
が、突然ドン!
『ひあ~!』と声を上げたのは私。
『大丈夫ですか?』と尋ねるものの、子供たちは何もなかったように駆けていきました。
女性と犬もそのまま散歩を継続。
『大丈夫ですか?』と聞かれなかった私は『痛っ!』と立ち止まり。
それからは走れません。
整形外科を受診すると右足首の捻挫。
走っているときに子供や犬の存在は確認していたけれど、まさか飛び出して来るとは想定外。
オバサンランナーが走ってくるの、見えてなかった?
よく子供の飛び出しによる交通事故のニュースを聞きます。
注意力が大人より未熟なこともあると思いますが、視野も成人に比べ狭いのは事実です。
正常成人では、左右150度上下120度。
子供(6歳)では左右90度上下70度。
視野が狭いため、気づくのに遅れる可能性があります。
また興味や関心のあることに集中してそちらを安全より優先してしまう(いわゆる視野が狭い)ことも要因。
ぶつかってきた子供も、きっと目の前の興味のあることが優先で、遠くから走ってくるオバサンランナーに気づかなかったに違いありません。
リールに繋がれながら走っていた犬も。
子供に怪我がなくてよかったけれど、自分は怪我してしまった(2か月ランニング中止)。
以後小さな子供がいたら前方要注意警報。
そして小型犬は苦手になってしまいました。
親はもちろん一般の成人も子供の視野の特性を知っておくことは有用です。
眼科医である院長は、ふだん病気による視野障害の有無や進行を確認しています。
視力も大事ですし、視野も大事です。
視力も視野も急激に変化しなければ、患者さんは自覚しません。
運転免許の視力よりずっと下回っているのに、自覚がないまま運転している人もいます。
眼鏡で矯正できるなら正しい眼鏡処方をしてもらい(直接眼鏡店ではなく眼科がベスト)ましょう。
また、眼科を受診すれば、他の病気があるのかもわかります。
視野検査では正常でも、眼球運動が衰え、加齢とともに運転時の視野も狭くなりがちです。
運転免許においては、視力が重視されますが、眼科医の立場からは視野も大事です。
視野障害は、目の動かし方でもカバーできることもあるので眼科医にご相談ください。
昨年知人からもらったプレゼント。
上質な紙の3年連用日記。
10年日記を2クール続けた後、日記を書くのを止めた院長。
楽しいことも書いたけれど、辛いことや怒りもたくさん書いていた自分に嫌になり、過去との訣別。
日記は付けない、過去は振り返らない。
でも久しぶりに素敵な日記帳をもらい、心機一転『プラスのことを書く日記』と位置づけ、書き始めることにしました。
良い事ばかりあるわけではない毎日。
でも、一つぐらいは些細でも良いことは見つかる。
その日の良いことを考えるのは幸せホルモン(オキシトシン)が分泌されるし、良いことを探す・思い出すのは加齢により物理的にも精神的にも視野の狭い人にならないようにと自戒を込めて。
嫌なことや腹が立つこともありますが、書くなら捨て紙。
まだまだメモ程度の日記ですが、まず1年書いてみようと思います。
物事をしっかり見よう、視野を広く。
目だけでなく心もそうありたいです(まだまだ…)。
昨年大晦日に無事篠座神社の眼御守が届きました(ほっ)。
手紙とともに。
『中略~大神様の尊い御神徳がかがふりますようご祈念申し上げ、右、取り急ぎお届けのご挨拶といたします。』(原文ママ)
今年一番の御守は篠座神社の眼御守。
クリニックの診療だけでなく往診もする院長は、常々老後の生活のことも考えてしまいます。
往診は、老後についても転ばぬ杖を学ぶ場でもあります。
『テレビが見にくい』往診先での訴え。
眼鏡で調整できそうです。
『眼鏡を処方しましょうか?』
『でも、たくさんあるからいらない』
テレビは小型サイズ。
テレビの位置を前にするか、椅子を前に持っていくかの提案に『でも、ここから見たい』
眼科医、力及ばず(というか説得できず)『もう少し様子見ましょうか…』としか。
別の個人宅では、ベッドで基本生活されていますが、大画面のテレビが設置されておりニュースや娯楽を楽しみにしておられました。
そんないきさつで、院長も自宅テレビを新調。
以前のもそこそこの大きさでしたが、思いっきり大画面に。
テレビの視聴時間は1日30分弱でしたが、大画面になったことで今までスマホで見ていた番組もテレビで見るようになりました。
ソファーはずいぶん後ろに移動。
でもこれなら、もっと年老いても、万一ベッドの生活になっても情報はクリアに得られそうです。
室内の電球も変えました。
介護施設では暖色が使われています。
暖かみはありますが、施設の入居者より若い院長にとっても暗く感じ、この明るさの下で本を読んだり書きものをする気にはなれません。
ムードよりも明るさが重要。
若い人とは感じ方が違い(白内障などで)より暗く感じるので、むしろより明るくした方が活動的になります。
(活動的を施設は求めていないのかもしれませんが)
LED仕様にしたこともあり、以前よりずっと明るくなりました。
少しムードのあった部屋も、明るくなったことで最初は戸惑いましたが、すぐ慣れました。
蛍光色ばかりでは味気ないですが、活動する場はメリハリをつけ明るくすると、読書も書き物もしたくなります。
明るくしたことで、汚れも気になるようになり、今年は毎日10分掃除を課すことにしました。
クリニックの通路階段も変えました。
階段は幅も広く問題ありませんが、人感式のライトは反応が悪くなっっていたので総入れ替え。
加えて、階段のステップには黄色い蛍光テープを貼ってもらいました。
緑内障で下方が見えにくい患者さんには、踏み外し防止でお勧めしていたのですが、実際に体験すると、階段のヘリがはっきり確認できるので上りも下りも安心できます。
スタッフは全員院長より年下なので、その恩恵はもっぱら院長だけかもしれませんが。
30代の頃には50代のライフスタイルの体験記やエッセイを読み、40代の頃には60代の…の自身としては、未来(老後)の生活を考える・想像することは、悲観よりむしろ楽しいことです。
年上の知人たちの活躍・行動を含むライフスタイルはまさにお手本。
今年も人生について、老後について学ぶこと多いだろうな~
昨年は多くの若い知人と縁が出来ました。
若い人の感性に触れることで、年下からも学ぶこと多し。
会いたいなぁと思われる人に。
話したいなぁと思われる人に。
『しない』のではなく『する』と決めよう。
老後へのグレーゾーンを行く院長。
未来(老後)を少しでも明るく!
今年もよろしくお願いします。
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眼科医なのに?目の神様詣で・目の神様巡りを趣味(罰当たり)とする院長。
今回は福井県大野市の篠座(しのくら)神社です。
篠座神社は、717年の創建と伝えられており、神域一帯が湧水地となっています。
大己貴大神(おおなむちのおおかみ)が「目の病気に効く霊水を与えた」という伝説があり、「篠座目薬」と言われて遠方から水を汲みに来る人も多いとのこと。
門から本殿に入るまでには、木々の小道になっており神妙な気持ちになります。
どれくらいの参拝客が…と期待しながら歩いていくと、他には1組。
あれ?
御霊泉が竹筒から湧き出ています。
眼をこの水で清めて眼病治癒を願ったようです。
ひしゃくもおいてあり、眼を清めるときは左目→右目の順が良いそう。
洗い流すことは、感染源の細菌やウイルスを減少させたり、異物を除去したりするのには最も基本的なことです。
抗生物質もなく、もちろん外科的な手法もない時代には(なにせ1000年以上前!)、唯一の眼病の治療方法だったのでしょう。
慢性的な病気(白内障・緑内障・黄斑変性症など)は平均寿命から考えてほとんど発症に至らず、ほとんどが急性的な病気(結膜炎やものもらい・何かが目に入ったなど)だったなら、洗い流す効果もあったことは否めません。
むしろ、原点なのかも。
医学の進化に伴い、眼科医が患者の目を洗うことはほとんどなくなりました(酸アルカリが大量飛入の時くらいか)。
抗生物質の点眼薬も何種類もあります。
眼を洗いたければ、水道水でなく人口涙液を勧めます。
でも1000年後にはどうなっているのでしょうか?
眼のお守りは必ずいただきます。
社務所に行くと…あれあれ、○御守、△御守…一か所だけ空になっている…
ん?!眼御守がない!
『眼御守が欲しいのですが…』
『すみません、今売り切れていまして…入荷しましたらお送りします。ここにお名前・住所・電話番号を。先にお支払いください』
眼御守…恐るべし。
ダントツに人気?があるようです。
参拝者が少ないなどと侮れません。
御守が売り切れ!
そんなことある?
御守は後日郵送されるのを楽しみに待つことにします。
大野市は、とても辛い大根おろしを合わせた『越前おろし蕎麦』が有名。
この地のお蕎麦を食べるのは2回目です。
郡上の病院に赴任していた若かりし頃。
郡上踊りが有名な地で、院長も地元の仲間に入れてもらい踊りに加わりました。
お陰様で、郡上踊り保存会からお免状を(上手に踊ると認定される)。
その実力(というほどでもない)が買われてか、ある日、大野市まで郡上踊りの披露・普及のキャラバン隊に加わりました。
郡上から国道158線を走り大野市へ。
踊りの前に食べた名物のおろしそばの辛かったこと!
当時20代だった院長は、保存会のオジサン・オバサンたちが平気で『美味しい、美味しい』と一気に食べるのにびっくりしました。
今回辛いだろうな…と口にしてみると、『あれ?!そんなに辛くない!』
加齢により味覚が鈍になったのか、『酸いも甘いも噛み分ける』と言うように、辛い(つらい)経験もその後たくさん経験したからこそ辛い(からい)も和らいでいるのかも。
大人になったな~(今更言う?)
あの時には想像もしなかった、楽しいことも良いことも、悲しいことも苦しいことも経験した人生。
まだまだ続く…
年始にさすがに御守り売り切れ中はないはず。
今頃増産体制!?
年始までに届くことを祈らなきゃ(かれこれ2ヵ月…)。
良いお年をお迎えください。
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→目の霊山
→鎌倉好き
読んだ本の舞台へ…今風に言えば聖地巡礼。
新聞で太宰治の作品『津軽』に関する記事を見た時、以前『津軽』を読んだことを思い出しました。
弘前・青森・ねぶた祭・ストーブ列車・特急しらかみの旅・酸ヶ湯温泉など過去何回かスポット的に訪問している青森県。
『津軽』を読みながらJR津軽線で北上、北端の竜飛岬までが今回の弾丸旅。
2022の災害で蟹田以降は運休のまま。
乗り合いタクシーで北上します。
はるか向こうに北海道が見える竜飛岬は、歌の通り北の外れです。
津軽の三厩(みんまや)地区の描写は、文学碑にもあります。
風が強く竜飛岬・階段国道・文学碑以外は読書の時間。
さて、帰りに少し時間があったので、『津軽』にも地名が出てきた大鰐温泉へ。
弘前からほど近い温泉町です。
津軽藩の湯治場として栄えた街です。
真っ先に向かった先は、湯魂石薬師堂(ゆだまいしやくしどう)。
結構有名だと思っていたのに、誰もいませんでした。
津軽藩主津軽為信が、難治の眼病を患った。
ある晩、夢の中に薬師如来が現れ『大庭の茶臼山公園下から湧き出る温泉で目を洗えば治る』とのお告げがあり、そのお告げに従って葦原を探させた。
大石の下から熱湯が湧いているのを発見し、その温泉で目を洗ったら、難治の眼病が治ったとのこと。
為信は大変喜んで、そこに薬師堂を立てたとのこと。
ワニの口から熱い湯が出ており、触ると『熱い!』
体温よりかなり高い温水による滅菌効果があったのでしょうか?
難治の眼病と言っても、温泉水で改善するくらいなら、前眼部眼病変だったのか??
ともあれ、眼病に対するご利益はあるようです(お守りはない)。
温泉水を出すワニはずっと見てても飽きません。
足湯(ぬるめ)に浸かりながら口から温泉を出すワニを見ていると『ワニの涙症候群』が浮かんできた院長。
目の前のワニは口から温泉、昔勉強したのはワニの目から涙。
『ワニの涙症候群』とは、顔面神経麻痺から回復した患者さんが食事中に涙を流す、顔面神経麻痺合併症のひとつです。
発症から6~9か月後に出現し、頻度は3.3%。
ワニは食事中に泣くという14世紀の古い物語や、ワニが獲物を食べるとき偽善的な涙を流すという伝承から由来するとか。
顔面神経障害後の再生神経線維が、回復過程で、顎下腺から涙腺へと間違って誘導された結果、咀嚼や味覚刺激の際に、唾液分泌の代わりに涙液分泌が起こると考えられています。
患者さんに遭遇したことはないけれど、記憶の片隅に勉強したことが残っていました。
もう一度呼び起こして勉強できたのも、医学生時代の下書きがあるから。
さて、足湯だけでなくご利益のあるお風呂に入らねば。
駅前に大浴場や売店完備のコミュニティセンターがあるものの、やはり此処は公衆浴場に入りたい。
地元民の御用達、老女たちの中に入っていきます。
『やっぱり温泉は良いね~』
大鰐もやしも名物。
温泉水で生育する売り切れ必至のもやし。
大鰐もやし公認のもやしラーメンを食べます。
1本1本が『1本でも、もやしです!』と主張するくらいのシャキシャキです。
津軽を旅しながら『津軽』を読み切り、前回とは違う読後感。
新しい本を読むのも楽しいけれど、再読もまた楽しいと思うこの頃。
思いがけず見つけた眼に効く温泉。
最後は、青森名物『味噌カレー牛乳ラーメン』で〆。
スポットで出かけるのは非効率と思われがち。
でもスポットだからハードル低く、飛び出せ日常!が出来ています。
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→目の霊山
→鎌倉好き
今年も小学校の就学時健診シリーズ開幕。
当たり前ですが、子供たちと院長との年の差は広がるばかり。
実際、同年齢での患者さんが6歳の孫(新患)を連れてくることも。。
小学校は違っても担当校で流れはほぼ同じ。
視力測定の後、眼科健診があります。
視力A(1.0指標)より下のB~Dの場合は、程度に応じて視力の再測定を勧めます。
健診は眼位・前眼部の異常の有無を診ます。
ある児童の外斜視(目が外向き)を指摘したのですが、母親は今まで気づいていませんでした。
一緒に生活していても元々そうだと思い気づかないこともあります。
その意味で、健診の意義はあります。
視力再検査のお勧めをした後、親子の会話はほぼ同じ。
『ほんとに見えなかったの?』と詰問する保護者。
『…』答えようのない児童。
事実に対して子供に詰問したとしても何の解決にもならないし、むしろ子供も責められているだけで、返答に困るのでは…
子育てを終えたからこそ、その会話に痛々しさを感じます。
親は、自分の不満・不安(予想外のこと)を子供にぶつけているのではと…
自戒を含めて。
子供が自分の予想・期待と外れるほど詰問口調になっていました。
兄弟でも色々なタイプがあり、性格に合わせてのり方褒め方育て方望ましいことも、巣立ってからやっとわかった、という始末。
今後は、悩めるお母さんたちに自分の体験から少し楽になってもらえたら、と思っています。
不安といえば、眼科に来られる患者さんで多いのは『目が赤い』
自分で気になることもありますが、人に言われて来院ということも多いです。
『大丈夫?目赤いよ』
他人の一言は親切そうで、結構相手を不安に陥れるような気がします(診療の場で)。
自身が気になっての来院でさえ、赤い(充血)は眼科的に病気であるのは半数くらいです。
結膜の下の毛細血管が太いだけでも充血しているように見えます。
また毛細血管が集まっていると充血しているように見えます。
市販では毛細血管を収縮させて白く見せる点眼薬もありますが、眼科医はお勧めしません。
毛細血管の太さや密度は当然個性があります。
『悪くないですよ。心配ないですよ』と安心してもらうのも眼科医の仕事。
治療しなければならないのは、結膜炎・アレルギー・さらに強膜炎やブドウ膜炎など。
この場合は赤いだけでなく、他の症状も出ます。
そのほか、緑内障治療の点眼薬でも目が赤くなることがあります。
目が赤くなる(薬によるが最大2時間程度)ことを処方前にお話しします。
本人はその副作用も承知で点眼しているのですが、周囲から『大丈夫?目赤いよ』の声に続けるのが不安になる場合もあります。
軽はずみに相手の体の変化について尋ねることは避けたいものです。
時々『出来物が気になる』『目が赤い』『目が白い』『目が黄色い』の訴えも。
『いつからですか?』
鏡を見て気づいた、気になった。
一通り診察をしても特別病的な所見は?
『正常ですよ。病気でないですよ』と患者さんの目を強拡大で映します。
『これです』示されるのは、涙点や涙丘といった元々あるもの。
赤い場合は、毛細血管が集まっていたり太かったり。
白い場合は、角膜の老人環(ろうじんかん)だったり。
黄色い場合は、瞼裂斑(けんれつはん)だったり。
責任をもって診断治療するのが医師ですが、安心を還元するのも医師の務めだと思っています。
ネットや非医師は責任がありません。
校医当初の就学時だった子が、今は就学時の子供を連れて来ます。
地域にかかわり続けていられることに感謝です。
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緑内障の患者さんにとって眼圧は気になります。
眼科医はもっと気になります。
当院では緑内障患者さんには毎回院長が測定した数値を伝えています。
眼科雑誌にあった外国の論文の紹介。
『心理ストレスが緑内障患者の眼圧に与える影響』
ストレス負荷をかけた群とストレス負荷をかけないコントロール群を設定し、眼圧変化を比較検討した研究。
緑内障(原発開放隅角緑内障)患者39例。
21例にトリア社会的ストレステスト(TTST)という強いストレス反応を誘発するテストを仕掛けます。
例えば、病院での採用面接用スピーチの準備を10分以内でするよう指示。
白衣を着た面接官の前で採用面接用スピーチを5分間行うよう指示。
1022引く13の数を順に口頭で回答し5分以内に終了するよう指示。
計算を間違えたら最初からやり直し。
これらのテスト終了40分後にこの試練は研究のためと明かされます(ドッキリみたい)。
テスト前後で不安スコア、眼圧、血圧、心拍数、唾液検査。
コントロール群はストレス負荷群が与えられた指示に取り組んでいる間休憩。
この結果、ストレステスト実施直後の眼圧は、ストレス負荷群では右4mmHg左4.2mmHg上昇した。
コントロール群は右0.9mmHg左0.8mmHgk上昇した。
ストレスを掛けられた群は有意に眼圧上昇があった。
ストレス負荷群の6割が眼圧4mmhg以上上昇というのがこの研究の注目すべき点。
(4mmHg上昇というのは緑内障診療においては大きな意義あり)
40分の休憩後、ベースラインと同様の値に低下した。
一過性とはいえ、心理的ストレスは優位な眼圧上昇をもたらすことを初めて前向きにした貴重なスタディと評価されています。
血圧と同じように、眼圧も日内変動や日日変動や季節変動があります。
一喜一憂するのは良くありません。
しかし、緑内障は眼圧の変動幅が大きいほど進行しやすいと言われています。
診察での眼圧はもちろん重要ですが、眼圧が落ち着いていても進行する場合、日内変動が大きい場合もあります。
また眼球運動により緑内障が進行しやすいという報告もあります。
内転(眼球を内向きに動かす)すると他方向の動きより視神経の変形(画像レベル)が起こった。
また外転(眼球を外向きに動かす)すると他方向の動きより眼圧上昇が大きかった。
では眼球運動を制限すれば緑内障は進行しないのか?
実際眼球運動を制限する手術は報告されています(現実的ではないですが)。
緑内障を進行させないためには、日々ストレスを回避すればいい?目をあまり動かさない方がいい?などと短絡的に考える必要、実行する必要はありません。
これらはまだある研究の報告の段階にすぎません。
大事なことは、自分の病気・病期を知り、きちんと処方された点眼薬を遵守、定期的に診察を受けること。
心配なこと、気になることは目の前の主治医に尋ねること。
眼科医と緑内障患者さんの目標は、一生見え方に困らないQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を維持することです。
変わらないのは良いこと。
変化があれば経過次第で対応します。
何十年もお付き合いの患者さん。
頼っていただき有難いことです。
応えるためにまだまだ勉強しないといけない院長です。
今年の緑内障学会は神戸。
新神戸からシャトルバスで会場に向かいます。
三宮バスターミナルを経由した時ふと思い出しました。
小学生の息子たちと甲子園に行った夏休み。
三宮で何が原因か怒った長男がダーッと脱走。
下の2人に待つように言って、ずいぶん追いかけて捕まえた記憶が蘇りました。
同時に品川駅でも同様のことがあった記憶まで。
『あの時のこと覚えている?』とLINE。
息子から『覚えてない、でも逃げてばっかの人生だったな~(笑)』の返信。
さて今回も様々な話題が。
緑内障点眼はかなり出そろっていますが、新薬も近く発売されます。
一方、現在主流で使用している点眼薬の新たな副作用も報告されました。
副作用が出て、その後機序が解明されていきます。
副作用があるから使わないということではなく、効能優先にしつつも止めるべき副作用に気づくことが大事です。
『処方する薬が絶対ではないので、何か自分に合わないと思ったら必ず言ってくださいね。そこから、また策を考えるので』
院長がいつも伝えることです。
画像の読み方もどんどん進化してきています。
特に日本人は強度近視の緑内障が多いので、画像は定型的でないことが多くなります。
40歳以上で5%強、70歳以上では10.5%の緑内障発症率。
強度近視だと7.3倍緑内障に罹りやすくなります(だから子供を強度近視にさせない治療が注目)。
緑内障の罹患率が高まってきたこと、平均寿命が延びていることから、ロービジョン対策も課題となってきています。
『緑内障患者が社会で活躍するための問題と対策』がシンポジウムで、『緑内障のロービジョンケア』が学会賞企画教育セミナーで企画されました。
視覚障害者補装具認定医師であり、アマチュアロービジョンバレーのチームドクターでもある院長。
そして、日々の診療でも、見にくさを訴える患者さん、視野進行が進む患者さんに対して出来ることを考えています。
近年のロービジョン支援に対して劇的に変化したのは、スマホアプリの進化による充実です。
高齢者は健常者でもうまくスマホを活用できない人も多いのですが、取り合えずスマホを持つところからです。
スマホのアプリはどんどん進化しており、例えば
ヒトやモノをカメラで認識する『Seeing AI』
目的地までルート案内をしてくれる『SHIKAI』
カメラをタグに向けるだけで内容を読み取れる『ナビレンス』(万博で体験可)
点字ブロックを専用アプリで読み取ると読み取った方向に応じて音声案内を聞くことが出来る『コード化点字ブロック』)金沢市で体験可)
など、検索すると視覚障害用アプリはかなり多く開発されています。
また、足からの振動で目的地に行くことが出来る靴のセンサーも考案されています。
目の病気を治すのも眼科医ですが、ロービジョンの人たちの支援をするのも眼科医です。
目の前の患者さんの視機能低下による困りごとを知り理解し、出来ることをアドバイスするにはより多くの知識や情報が必要。
恩師にも再会。
70歳を超えても診療手術勉強に精力的。
永遠に追いかけていく立場の院長です。
特別公演は山中伸弥先生。
今回もiPS細胞をめぐる素晴らしい講演を聞くことが出来ました。
学会参加はモチベーションアップ、自分の課題も見つかります。
逃げないこと・続けることの重要性も。
いつか息子も分かってくれるといいな~
『これから(の人生)は逃げないように!』と返した母(院長)でした。
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来週(14日)の公センセの部屋はお休みです
前回の続きです。
マサイのドクターは世襲制で、55のマサイ村を管轄。
半年に1度キリマンジャロ山に行き、薬効のある木をロバに引かせて持ち帰ってくるそう。
すべてが治るわけではないことは院長(医師国家資格有)でなくても自明ですが、現代でもこの治療が成立していることに文化の違いを強く感じました。
サファリの動物と同様、生まれる命・なくなる命、助かる命・助ける命がはっきりしている(はっきりせざるを得ない)現状(文化と医療水準からそうせざるを得ないのでしょう)。
日本の医師が診ているのは、小児科を除き、ほとんど加齢・高齢化とともに増加する病気です。
高血圧・糖尿病・高脂血症・癌しかり、白内障・緑内障・加齢性黄斑変性症しかり。
白内障以外加齢に伴う病気はマサイ族の医師からは出ませんでした。
ケニア人の平均寿命は64歳(2024)、マサイ族は45歳くらい。
加齢に伴う病気が発症するより寿命が早く尽きてしまう。
ケニアの現在。
『いつお迎えが来てもいい』『そんなに長生きしたくない』診療の場でよく聞く声。
日本人の平均寿命は女性87歳男性81歳(2024)。
長生きが新しい問題も起こしている日本の現在。
マサイ族でなくても、一般人も公的病院は機能しない(よくストライキが起こる)ため、高い私立病院にどうしてもの時は受診するそう。
ふだんは、薬草や薬局で薬を買い自分で治すとのこと。
もっとも公立病院医師の月給は約20,000円、警備員と同額だそう。
医療体制の充実はまだまだのようです。
ちなみに3日間でガイドとドライバーに支払ったチップは各60ドルずつ(相場らしい)。
日本人のクラウドファンディングで建てられた小学校を見学します。
がらんとした一部屋に20人くらいの小学生が座っています。
大きい子も小さい子も赤ちゃんみたいな子も混じっています。
案内役の青年が、歓迎の歌を歌うと説明します。
歓迎の歌は…なんと日本語で『翼をください』
こうやってはるばる来る日本人のために、一生懸命覚えたのでしょう。
真っ黒な瞳・白目そして肌とのコントラスト。
みんなの目はとてもキュートで活き活きしています。
机は卓球台みたいなもの。
壁にはアルファベットが貼ってあります。
学校に行きながらもお手伝いもしないといけません。
教育を受けることは大切、広い世界へ羽ばたく子がここにいるはず。
もちろん、素足にサンダル、牛糞で作った家で生活し、マサイ族の文化を守る人もいるはず。
(実際マサイ族でも村を出て都会で生活仕事をする人もいるそうです)
あれば便利だけれど、モノや情報などどこまで必要なのか?
モノも情報量も多ければ幸せなのか?
どこまで清潔や快適にこだわるのか?
院長も昭和から生きてきて、子供時代から生活はずいぶん変わりました。
(つい昭和あるあるを回顧してしまいます)。
しかし2025年の現在、マサイ族の生活様式にはびっくりしました。
マサイ族でない人たちの生活(歩いて移動が多い、物乞い、トタンの家や市場など)も然り。
無くてもより良く生きている人々がいると言うこと。
束の間のケニアで感じたことは、日常の日本では感じえなかったこと。
有意義なカルチャーショック!
『Sante サンテ(スワヒリ語でありがとう)ケニア!』
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