2023.8.8 冷凍庫を変えただけで

猛暑の中、産業医の出勤日です。

さすがの暑さに、本日はシャツとパンツ・スニーカー。

 

スーパーの店内に入ると、すっーと汗が引きます。

そのまま店内を進み、スライドドアの前で店内に向かってお辞儀、バックヤードに入ります。

スーパーやデパートの店員さんが、バックヤードの入退の際にお辞儀をしているのを見たことはあるけれど、当然したことはなかった院長。

産業医になって、スーパーに出入りするようになり、入退時のお辞儀にも慣れてきました。

 

事務所に入ると、院長より若いと思われるスタッフAさんが『センセイ、細い~』

Aさんよりは細いのは事実ですが、か細くはありません。

華奢だったのは遠い昔で、今は筋肉質になっています。

『センセイに言われて、お昼菓子パン買うのやめたけど、なかなか体重減らないわ~』

 

年に一回、スタッフの健康診断結果を見て、就労可能かどうかを判定します。

産業医着任初年度は、張り切って、肥満が要因でいくらか健診結果に異常が出ている人たちにお話をしました。

『体重あと○○キロ落としたら、血糖値下がるはず』

『毎日30分歩いたら、体重も血圧も下がりますよ』

『お昼ご飯を総菜コーナーで買う時は、炭水化物中心ではなく、たんぱく質意識して』などなど。

Aさんも指導対象だったのです。

お昼ごはんに菓子パンをやめただけエライ!

 

『運動もしたほうがいいですよ~』

『はい、週に何回かは歩くようにしてます』

『その調子!あとは筋トレとか…家の中でもスクワットとか…』

早速ブルガリアンスクワットを事務所の椅子に片足載せて披露します(本日パンツなので)。

『え~そんなの無理!足が開かない!』

『その場合は、足を前後に開け(自分の出来る範囲で)体を上下させることから始めてみて~』

オバサン院長ですが、いつもは左右12キロずつのダンベル持ってのスクワットです。

『センセイ、若~い!』(お世辞でも嬉しい~)

 

 

さて、いつものように安全衛生委員会。

他店の労災。

50代女性:お客さんに呼ばれてレジに戻る際に、床につまづき転倒、膝の骨折。

作業場・店内・構内では走らない、慌てないと再通達。

お客さんに何か言われたら焦って…と行動した結果の骨折ではやりきれません。

他に推測の域を出ないのですが…とコメント。

もしかしたら、つま先を挙げる筋肉・前脛骨筋(ぜんけいこうつきん)や足裏の筋肉・足底筋群(そくていきんぐん)の筋力低下もあるかも。

つまずかない・つまずきそうになっても耐えられる足の筋力は重要です。

足の筋トレもしましょう。

 

いつものように巡視を。

霜取りとかアブソーブドソックスとか、冷凍ケースからの漏水が度々問題になっていたのですが、遂に冷凍ケースが刷新されました。

縦型でそれぞれスライドドアがついています。

旧冷凍庫よりも商品の種類も多く陳列可とのこと。

野菜・パスタ・冷凍麵・夕食・簡単調理・アジアン・スナックなど、扉の前に表示されており、探しやすく新商品を見つけるのも楽しそう。

売り上げは、同年比較で最大1.7倍、ほぼ1.2倍とアップしたそうです。

冷凍庫が縦長タイプになっただけで!?

見やすさ、新しさ、実際の商品の多さで、院長も全部チェックしてみたい…と思うほどです。

水漏れによる転倒のリスクもなくなり、これに関しては労災発生ゼロになるはず。

 

巡視終了、本日の業務も終了。

お楽しみの?新冷凍庫の新商品を探して帰ります。

 

*8月15日の公センセの部屋はお休みです。

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 産業医

2023.5.23   労災発生

水田地帯を電車は走っていきます。

田植えの時期。

子どもの頃は身近だった風景なのですが。

名古屋に暮らし、地下鉄ではわからない景色・変化。

 

今日もローカル電車に乗って職場(産業医)のスーパーへ。

 

事務所に入って早々、先月からの報告をもらいます。

『とうとう労災が起こりまして…』

ついに…

他店の労災ニュース報告書を見るたびに、店長の『当店では今月もゼロでした』に安心していたのに…

 

70代女性。

場所は、魚売り場(のバックヤード)

清掃時、ホースで水を流し、その後魚油などのグリストラップ(排出溝)の掃除をしようとしたところ、滑って転倒。

瞼を切って縫合することに。

けが自体は大したことにならず幸いでした。

グリストラップ清掃中のため、長靴の底に若干ぬめりがあり、通常より滑りやすくなっていたのでは、と推測されます。

今後、水を撒く前に、グリストラップの清掃作業をするよう、順序を変えました。

 

労災報告には、原因・発生状況と原因分析(管理上の要因・物的要因・人的要因)・再発防止対策を記すようになっています。

書式を見て、ヒヤリハット報告書にも使えると思いました(真似しよ~)。

 

気温も上がり、温度管理の徹底も喚起。

冷蔵ケースは、上からエアカーテン(冷気)が下に向かって流れ、手前の吸入口に吸い込まれていきます。

この繰り返しで、商品の冷却が保たれます。

また、平置きの冷凍ケースでは、ロードラインのメモリがあり、これを越えて商品を積み上げてはいけません。

ロードラインオーバーは、ずっと品温が高い危険な状態ということです。

ケースと品物の高さによって、何段までなら積み上げOKか決まります。

吸入口を塞ぐような商品の陳列もいけません。

 

商品の温度管理が不完全になるほか、電気代の上昇や冷ケースの故障にも直結します。

 

安全衛生委員会が終わると、巡視です。

今日の議題を念頭に入れて、冷ケースを見ます。

ロードラインOKか?吸入口OKか?

『こういうのは、いけません』と店長。

袋うどんが、前面の吸入口を塞いでいます。

お客さんが、商品をかき回した形跡。

きれいに並べ直します。

 

乳製品の袋詰めも、前面の吸入口を塞ぐように置いてありました。

 

冷凍ケースでは、おそらく下の商品を取ったため、隣の冷凍商品が高く積まれていてロードライン超え。

 

巡回中だけでも、そこそこ見つかります。

商品を整列するも、お客さんが手に取れば乱れ、再び直す。

この繰り返し。

商品をきれいに陳列された状態に保つことは、スタッフのまめなチェックが必要です。

院長も、地元のスーパーに行ったら、吸入口も商品が置かれていないか、ロードラインが守られているかの視点で見てみます。

手に取った商品を戻すときには、きちんと元の場所へ。

お客心得です。

お客さんが気を付けてくれれば、スタッフの手間も少なくなります。

スタッフの手間や品質管理のため、縦型の冷凍ケースも搬入予定です。

 

冷蔵・冷凍ケースに重点を置いた今回の巡視。

職場のチェックをしながら、目に入って来る商品の数々もチェック(心の中で)。

鉄板焼きハンバーグ(パッケージからして美味しそう…)

今川焼カスタード(チョコもいいな~)

現場用語も、新商品も目新しいことだらけで、毎回、社会見学の小学生みたいな院長(一応産業医)です。

新しい知識と、気になった商品をお持ち帰りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:産業医

2023.4.4  しまとらライン

スーパーの産業医の仕事も慣れてきた院長です。

 

事務所に入ると、『あれ?いつもの席にいつもの人がいない』

いつも早めに到着する院長ですが、中の雰囲気も少し違います。

間もなく入ってきた見知らぬオジサン(向こうも見知らぬオバサンて思ったはず)。

『産業医さんですか?今月から赴任してきた店長の○○です』

店長交代です。

産業医をして知ったのは、スーパー業界の店長は転勤が多いこと。

結構短いスパン(この業界では普通)で転勤があり、単身赴任のことも多くあります。

関西からの赴任。

聞くのは赤みそと醤油の濃さ。

 

さて、いつもの安全衛生委員会が始まります。

先月の全店舗での労働災害の報告と、自店舗ではゼロだったことが強調されます(何より)。

議事録一通りとヒヤリハットの報告。

その中で、冷凍ケースからの水漏れの話が。

ミートペーパー?初めてのワード。

後から巡視で確認、確認と。

 

毎回の店内巡視です。

出入り口付近には、テープで囲みがあり、囲み内にかかるように物品が置いてありました。

『これはいけませんね~』

と、段ボールをどかす店長。

『しまとらライン内には物を置いてはいけないです。出入りや緊急時に危ないので』

しまとらライン?

黒白線模様テープで囲ってある箇所と、黒黄線模様テープで囲ってある箇所があります。

バックヤード通常の出入り口は黒白、外部への搬出入口は黒黄。

黒白テープ=しま馬

黒黄テープ=とら

合わせてしまとらラインと言うよう(たぶん)。

黒白はともかく黒黄は特に注意を引きます。

 

うちのクリニックでも見た…

駐車場に電灯が設置されています。

陽が落ちると自動点灯する割と大きな電灯です。

ある日の夕方、車が電灯にぶつかったと患者さんから連絡がありました。

駐車場の隅に設置されているのですが、よく見えなかったとのこと。

電灯の柱はこげ茶色。

夕暮れ時は見にくいこともあるのかも?(その一件だけでしたが)と、柱に黒黄のテープを巻いてもらいました。

以後は、一度もトラブルがないので、役に立っている(目印になっている)のだと思います。

 

冷凍ケースが一台故障中。

霜取りの熱線が弱くなっていたり、排水が詰まっていたりと原因は色々。

老朽化に伴い定期的に買い替えです。

ケースを移動するわけにいかず、冷凍ケースの下にはアブソーブドソックスが。

水漏れを吸収する靴下型の給水グッズです。

このワードも馴染みになりましたが、担当したばかりの頃は?

ミートペーパーは、肉売り場にある肉の汁気を吸い取る大きな巻き取り紙です。

ロールを適当に切れば、雑巾代わりにもなりそう。

またまた、うちに欲しい…

 

このスーパーは、通路がとても広いです。

以前は、通路にお値打ち品コーナーがたくさんあったそう。

お客さんは、お値打ち品ばかりに目が行って、通路両側の利幅が大きい商品を見ずに素通りしてしまうことが多かったそうです。

お値打ち品ではなく、通路に整然と並んでいる商品こそ、スーパー側からは買ってほしい品々。

 

子どもが小さいうちは、宅配を利用し、スーパーではお値打ちコーナーへ。

今は、大人だけ(子供も成人ですが)で人数もスリム化し、スーパーやデパ地下でうろうろして何か買うのが楽しみになっています。

ちょっといいモノを買ってもいいよね~と思いつつつも、お値打ち品コーナーのチェックは怠らず。

スーパー愛好者の院長にとって、この職場は、毎回新発見です。

 

 

 

カテゴリー:産業医

2023.1.24  ロボ発熱

始業前に、スーパーの入り口の掲示板に貼ってある『お客様の声』を読む院長。

今日も産業医(帰りはお客)としてやってきた職場のスーパー。

 

例えば…

ゴミ箱の設置についての苦情・提案(家庭から持ち込む人がいる)

レジの横入りについての苦情

セルフレジ台に水がたまっていたので商品が濡れてしまった

パックが甘くて、中身が飛び出してバラバラだった

店内が寒すぎる

などなど。

怒りのあまり、『ふざけんな!』とか『本部にも報告する!』と書いている人も。

匿名なので誰かかは不明ですが、お客様に違い無し。

店長は、それぞれの声に真摯に回答しています。

 

中には

とてもいい感じ、頑張ってください!

とか

○○パン大好きです。パンは○○(当スーパーのベーカリー)と決めています!

と嬉しい声も。

 

当院は小さなクリニックなので、患者様の声カードは設けてありません。

そのためか院長が、苦情や提案を受けることが多いように思います。

もちろん、お褒めやエールも。

スタッフが受けた場合も院長にすぐ報告が来ます。

事実を確認し、お詫びするべき事項はする。

改善すべき点あれば善処する。

ただし、現時点でクリニックとして無理・不可能で受け入れ難いことについては、説明し了承をしていただく。

苦情を聞く事は嬉しいわけはないですが、話しやすい院長であることは、有難いとも考えています。

気になる事を何も言わずに帰られるより、何でも言っていただけることで、患者さんとの距離は縮まると思っています。

今の時代、かなりアナログですが。

 

 

さて、先月他店舗で、台車に引っ掛かり転倒骨折と言う労災事故が発生。

視界に入らず引っ掛けたよう。

あの大きな台車(ペットボトルなどの飲料ケース用)が目に付かなかった!?

視野は大丈夫か?

などと考えながら巡視。

 

『どうやって引っ掛けたのでしょう?』

『台車も色々な種類がありますよ』

菓子パンのケースを乗せる台車。

軽い野菜を載せる台車。

魚を載せる台車、など。

手押しがなくても台車と言うそうです。

用途に応じて大きさ、重さも変わっていきます。

特に、ほぼステンレスの枠組みだけの台車は、ケースが載っていない場合、骨組みのみです。

『これはうっかりしていると引っ掛かり転倒するわ~』

対策としては、使用後は速やかに定位置に戻す。

ケースの段が低い、もしくはケースがない状況を作らないことです。

 

実は、買い物かごがたくさん積んであるのも同じ理由なのだそうです。

買い物かごが少ないと、お客さんの視界に入らずつまづいたりする恐れがあるそう。

院長も、スーパーに行くたびに、買い物客数に比してカゴが高く(多く)積んであることに気づいていましたが、その理由を知って納得。

 

 

惣菜部門では、寿司ロボの調子が悪いとの事。

少し熱を持っているようです(ロボットも発熱?)。

寿司ロボは、上から酢飯を投入すると、下に10個の握りとして出てくるというもの。

それぞれにネタを載せて握り寿司の完成です。

そういう仕組みだったのね~

総菜部門には、家庭にない珍しい調理器があり、『ちょっと欲しい…』と思うことも。

(そんなに握り寿司食べる?やっぱりいらんわ~)

 

もうすぐ節分。

恵方巻と合わせて、握り寿司は売れ筋商品となります。

ロボットも治療(修理)してもらい回復なるか?

 

スーパーに並んでいる握り寿司を見るたび、寿司ロボを思い出す院長です。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 産業医

2022.11.22  通常勤務可

産業医出務の日。

年に一度の会社の健康診断結果が出揃いました。

就労判定の時期です。

産業医は、分厚く束ねられた健診結果を見ていき、『通常勤務可・要自己管理・要就業制限・要事業場管理・要休業・要産業医面接・判定保留』のいずれかに区分。

 

院長担当の職場(スーパー)は、肥満気味の人が多い傾向です。

よって、高血圧や脂質異常・血糖異常もそこそこ。

既に加療中の人はいいとして、毎年異常を指摘されているのに、受診せず放置のツワモノも。

血圧が160!

即刻受診して~と念じながら、受診勧告書を作成します。

 

0.3とか0.4で、裸眼視力低下を指摘されている人も。

矯正視力の記入がないので、自分の視力が悪いことに気が付かず運転しているのかもしれません。

『裸眼でも免許更新できた~』眼科医は要眼鏡と思っても、試験場で通ってしまうことがありますが、危険です。

 

健診の目的は早期発見・早期治療。

健診結果だけですぐに病気と言うわけではないので、必ず医療機関を受診しましょう。

また、病気だったとしても、その日がこれからの人生の中で一番軽い状態と考えれば、治療を開始して良かったというもの。

 

ちなみに、視神経乳頭陥凹拡大とか視神経線維層欠損のコメントが出れば、緑内障の検査してね~と言うことです。

緑内障は、40歳以上で発症率約5%(多治見スタディ)ですが、自覚がないことがほとんどです。

むしろ、見にくい(視野欠損)の自覚が出た時点では、中期~後期になっていることが。

コンタクト作りに来ただけなのに…の患者さんにどれだけ緑内障(疑い)が埋もれているか、日々の診療で実感しています。

 

今年も全員『通常勤務可』に。

ただ、もっと運動したほうがいいです。

店内だけでは、歩いていると言っても運動にはイマイチ。

あとは、菓子パンや惣菜弁当が好きな人が多いので少しセーブを。

 

店内を巡回します。

これから1年で最も繁忙なクリスマス・年末商戦です。

クリスマス用菓子や料理・お餅やおせちなど、院長の感覚としてはかなり先取りですが、会社の気合を感じます。

いつものように店内とバックヤード。

鍋特集コーナーについ目が行きます。

その数約50種類!(目視で計算)

見やすいレイアウトで、つい見入って買いたくなってしまいます。

(院長もつい帰りに数種買いました。重かった…)

水濡れ対策にタオルやクロスをいつも帯同。

台車にも設置。

出入り口にも図入り付きで設置。

整理整頓されていてとても気持ち良いです。

指摘することなし。

 

鍋の素をリュックに入れて、駅まで戻ります。

いつもは駅から大きな道を右折左折右折。

帰りはいつもと違う小道で曲がってみます。

路地は生活感があふれていて好きです。

建物や駐車してある車や自転車、洗濯物などきょろきょろ見ながら歩く院長です。

オバサンだから不審者には見えないと信じて…

 

古い商店街に出ました。

靴屋さん・本屋さん・カメラ屋さんなど懐かしい。

お客の気配は何処もありませんが。

店先に柿が売っていました。

近づいていくと、お好み焼き屋さん。

おやつに食べていこう。

イカを選びました。

何と160円!?

薄い生地にほぼキャベツ、イカ2カット入りのお好み焼きです。

店内は院長ひとりだけ。

こうしてかつての商店街もだんだん淋しくなっていくのでしょう。

途中パン屋さんも見つけたので次回に。

 

仕事(産業医)ですが、プチ旅気分で今日も無事任務終了。

もちろん帰宅後は、職場巡視報告書を仕上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 産業医

2022.10.4 パーマで幸福

色々な資格を取得すると、それらを維持・更新するための勉強も必要になってきます。

 

先日は、午前10時から午後5時15分までみっちり、産業医の講習会。

産業医の職務や労働衛生など、毎回、多岐にわたり学びます。

まだまだひよこの産業医(院長)は、毎回、『へ~っ!』(感嘆)連発。

新しいことをインプットすると、嬉しい!得した!気分。

 

講義の中で、初めて聞いた『ポジティブメンタルヘルス』

働く人が、心も体も健康な状態で快活に働き、生産性の向上や組織の活性化を目指すということです。

 

不調への対応が主眼の『メンタルヘルス』に対して、自己肯定感や幸福感で仕事に活力が出る『ポジティブメンタルヘルス』

 

ネガティブなことがなくなれば、ポジティブなことが起こるのか?

そうではないよ。

ポジティブなことは、意識しないと増えないよ。

 

病気がなければ、健康?

身体だけ?心は?社会的には?

健康の意識が必要だよ。

 

よりポジティブな情動を持ち、

仕事と愛する人により深く関わり、

より良い関係を築き上げ、

自身の存在に意義と目的を見出し、

達成と熟成に至る

これこそがWell-Being(幸福)!

→以上はテキストからなので難しい…

 

『心身だけでなく社会的な健康もあってのWell Being(幸福)』と院長解釈。

 

Well-Beingの5つの要素は、PERMA。

P :Positive Emition(前向きな感情)

E :Engagement(物事への積極的な関わり)

R :Relationship(良い人間関係)

M :Meaning(人生の意義の自覚)

A :Achivement(達成感)

 

PERMAは、Pがピラミッドの一番底辺にあり、だんだんステップアップしていきます。

P ポジティブな感情と言うものを知り、気づき、体感し、増やしていく(嬉しい!面白い!楽しい!など)。

 

E 物事へ積極的に関わり、時間を忘れて没頭できる。

 

R 他者に援助を受けたり、与えたりできる。

 

M 人生の意味と意義は何か考える。

 

A 何かを達成する、熟練していく感覚を。

 

まったく、個人ごとの事のように思えますが、産業医の世界では、従業員の健康と企業の収益性を結びつける『健康経営』という考え方です。

さらに、PERMAを実現できるような職場を目指すことを『健康&幸福経営』と言うのだそうです。

 

企業は、どのような働き方であれば、従業員の幸福度が増して、やりがいを感じるか?

そのために仕組みや制度を検討していきます。

そこに産業医も関わります。

 

なんか難しい話になってしまいましたが、印象的だったのは『ポジティブなことは、意識しないと増えないよ』と言うこと。

『思考は現実化する(ナポレオン・ヒル)』と言う名著があるくらいですから。

 

院長も、若い頃より、ポジティブに物事を考えられるようになりました。

そして、患者さんにも、データや経験を基に前向き思考になるよう、お話することを心がけています。

ネガティブに考えるのは、危機管理に優れているとも言えます。

しかし、そればかりだと、Well Being(幸福)は少なくなります。

診察後、『元気になったわ~』と、帰られる患者さんを見送り、自分も嬉しくなります。

同時に、スタッフにもPERMAを達成できる職場を目指していくことが、産業医をしている院長の目標でもあります。

 

PERMA(パーマ)でWell Being(幸福)。

 

自身も振り返る、有意義な講義でした。

 

来週の『こうセンセの部屋』はお休みです。

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 産業医 未分類

2022.9.27 切れたほうが良い

スーパーや家電量販店のテーマソングは、覚えやすい歌詞とリズムで体にしみ込んでいきます。

産業医の職場であるスーパーの店内に流れる音楽も、職場に足を踏み入れる前から脳内に流れてきます。

 

今日も少し前に到着。

事務所に行く前に、『お買い得品はないかな~見つけものはないかな~』などと、お客であり、巡視もする産業医です。

 

安全衛生委員会では、床の水漏れの指摘があり、業者の手配をすることになりました。

会終了後、床を見ながら歩くと、修繕してある個所がいくつか。

就業前のお客気分の巡視では、気が付きませんでした。

まだまだ甘い…(自分)

床の水濡れでは、昨年、担当店で、お客さんが滑った事例が。

以後、台車にも、すぐ対応できるタオルを設置することになり、全店実施になったとのこと。

ヒヤリハットの事例報告とその対策がセットになり、良い効果を生み出しています。

 

 

毎月、全店の労働災害ニュースも配られます。

幸い、今月も担当する店舗では労災事故は発生せず。

全体では、今月も転倒が多くを占めています。

滑ったり、つまずいたり、踏み外したり。

 

次が切創です。

パン作業場で、安全ガードを使用せずスライサーを使用し切創。

こういう事例を聞くと、医師と言えども、ぞっ~とする院長です。

実際に、後から巡視して確認します。

こういうことね~と納得、スタッフさんに注意喚起。

 

野菜果物を切る包丁も注意です。

昨年、かぼちゃ包丁を新しくしてもらったのですが…

店長『包丁、よく切れてる?』

スタッフ『いい感じです。ときどき研いでいますし』

産業医(院長)『砥石でですか!?』

スタッフ『そんな大変なこと出来ませんよ。電動研ぎ機です』

店長『切れる包丁より、切れない包丁のほうが事故が起こり易いですからね』

スイカ、かぼちゃ、白菜での切創事故が多いようです。

 

 

先日、我が家にやってきた甥っ子。

甥『公さん、包丁見せてもらってもいいですか?』

院長『どうして?』

甥『ぼく、包丁研ぐのが趣味なんで…』

いつも使っている包丁を3本(最近買ったペティナイフとパン切包丁以外)出します。

甥『料理してます?』

院長『毎日料理してますよ!』

甥『相当切れ味が悪いですね~よくこんなんで料理してましたね~』

確かに、最後に研いだのはいつ?っていうくらい昔。

加えて、スパッと切れる包丁は怖いと思っていました。

メスは、スパッと切れないといけないし、スパッと切ることに何の躊躇もない院長ですが…(プライベートでは怖い)

 

リュックから砥石を出して、ベランダで水を流しながら作業すること数十分。

甥『研ぎ終わりました!』

院長『ありがとう!』

甥『切れ味、全然違うと思いますよ』

トマトをスライスしたらスパッ!キャベツの千切り、サクサク。

料理の腕が上がったようです。

包丁の切れ味って大きい。

店長の『切れる包丁より、切れない包丁のほうが事故が起こり易いですからね』が響きます。

甥のTくん、ありがとうね~

 

 

今月は台風シーズン。

台風接近時に売れるもの・売れないもの、台風通過後に売れるもの・売れないものリストについて、資料を元に店長から説明。

売れるものは、発注量・陳列方法に注意。

売れない物はロス注意。

物品リストだけでなく、その理由も書いてあるので、勉強になります。

お刺身、台風接近時に食べたいと思わないよね~

墓花は、台風接近時に墓参りに行かないもんね~などなど。

 

 

今回も、仕事ですが、新しく珍しい(院長にとって)ことをget。

スーパーの音楽は、職場を出てもしばらく続きます。

駅までの帰り道は♪♪♪。

行きも帰りも♪♪♪。

恐るべし、スーパーのテーマソング。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの家族・恩師・友人など 産業医

2022.8.9  仕事が回りません

『8月は上半期で一番忙しい時期です』

産業医を担当しているスーパーの店長さん。

土用の丑から始まり、夏休みのレジャーやお盆の集まりなど、お客さんの購買力がアップ。

スーパーの売り上げもアップを狙います。

『忙しい時、余裕のない時に労働災害は起こりやすくなります』

 

コロナ禍と繁忙期が重なり、残業時間も増えているようです。

各部門とも新規アルバイトやパートさんを指導し、仕事を任せられるように…とお願いする店長さんは、自分(院長)の姿が被ります。

 

安全衛生委員会は、会社側(産業医もこちら側)と労働者側の何人かのメンバーで構成されています。

 

惣菜部門より出たのは『暑いです!』

当然、火を使い調理をするので、巡視していても室内温度はかなり上がっています。

加えて、総菜部門に隣接する壁面に室外機が設置されているので、さらに室温上昇です。

『こまめに水分を摂ってください』産業医(院長)。

『室外機は移動できないですよね~』(と、店長さんを見る)

後は…

『ちょっと触っていいですか?』

制服の生地が化繊です。

自宅用ではないので、火傷予防にも長袖着用が望ましいのですが、これでは暑いわ~

『惣菜部門だけでも、化繊から綿100%に出来ないでしょうか?会社全体の問題になるかもしれませんが…』と、店長さんに提案を依頼(報告書も提出)。

 

各部門から、気になる事を挙げてもらいます。

 

安全衛生委員会の後は、いつもの巡視。

巡視時も、スタッフに何か気になる事がないか尋ねるようにしています。

 

『品出しで腰が痛くなるんです~』と、パートのオバサン(以下パートさん)。

『しゃがんで持ち上げるようにすると良いですよ』産業医のオバサン(院長)(以下産業医)。

『そんなことしてたら、仕事が回りませんよ』(パートさん)

回る仕組みを考えないと。

腰にやさしい運搬の仕方を定着させないといけないわ~

『まあ、コルセットしてるからまだましですけどね』(パートさん)

『コルセットで腰の負担は減るけれど、腹筋と背筋を鍛えると良いですよ』(産業医)

『朝から晩まで仕事して、家帰ったら、またやることだらけだから、そんな暇ないですよ』(パートさん)

オバサン(産業医・院長)アドバイスするも、オバサン(パートさん)手強し。

自身は腹筋・背筋を鍛えてから腰痛とは無縁になったのですが、普及活動は困難を極めそう…

スポーツ医の立場からも…腰痛予防だけでなく、腹筋背筋を鍛えると姿勢がよくなります(若見せ効果もあると思う)。

まずは、自重の腹筋を1回から。

慣れてきたら、負荷をかけたり、腹筋の部位に分けてトレーニングしたり…(メニュー色々実行中)

 

さて…『そんなことしてたら、仕事が回りませんよ』のセリフ、当院でも時々聞きます。

サンダーなどの研磨で鉄紛が目に刺さり来院されます。

すごく早いスピードで目に飛入するので、一瞬の出来事です。

院長は、専用の針やドリルで丁寧に鉄粉や錆(数日経つと錆が出る)を削り取ります。

『保護眼鏡付けてましたか?』の質問に、

『そんなことしてたら、仕事が回りませんよ』と答える患者さんの多いこと。

職場のマニュアルは、労働災害を回避し安全に仕事をするための指南書なので、守りましょう。

 

店長さんと巡視中に、鮮魚コーナーで。

『刺身は、厚すぎても薄すぎてもダメで、ちょうどいい厚さがあるんです。そういうことも研修受けるんですよ』

なるほどなるほど。

水産部門Aさん(安全衛生委員)作のお造りはお値打ちで美味しそう…

買って帰ろっと。

そんな余裕も出てきた産業医です。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 産業医

2022.5.17 コロコロチェック

ホームのベンチでデパ地下のお弁当を食べるオバサン(院長)。

ローカルな人気(ひとけ)のない駅でなら許されよう…旅気分です。

いやいや、旅ではなく、産業医の職場(スーパー)に向かいます。

 

職場巡視は毎回。

『今日は、品質管理トレーナーによるチェックが始まっています』

『品質管理トレーナーさん?ぜひ、お会いしたいです』

どんな人だろう?

厳しそうなオジサン?いや、お兄さんか?

などと、想像して現場に向かいます。

『初めまして。品質管理トレーナーのAです』

『初めまして。産業医の長谷川です』

あれ?目の前には小柄でふくよかな優しい感じのオバサン(失礼・院長に近い年代ということでご容赦)。

巡視を中断して、衛生検査に立ち会わせてもらいます。

品質管理トレーナーとは、店内の衛生管理や食品事故(異物混入や原産地事故、期限事故)回避のために特化したスタッフです。

呼称は様々ですが、他の会社等でも同様の役職があるようです。

 

事前に日にちが決まっている1回目と、2回目の抜き打ち検査があります。

今回は1回目。

そういえば、先ほどの巡回先の持ち場でも、今日の検査に備えて前日いつも以上に清掃したとの報告を聞いたところでした。

どんな怖い人かと思いきや…

 

『さっきも、一人、手洗いの仕方が不合格だったんですよ』とAさん。

居合わせたパートさんとは顔馴染みらしく『そうだったよね~』

手洗う場の前には、『手洗いのタイミング』が掲示。

食品を扱うだけに、細かくしっかり明記されています。

また、手洗いの手順がイラストで描かれて貼ってあります。

汚れや細菌が付着しやすい、または洗い残しが起こりやすい箇所、爪ブラシの使用方法なども。

Aさんが手洗いの手本を見せてくれます。

医師としては当然知っていることですが、Aさんの滑らかな手洗い技?に見とれて、初めて手洗いを見学する医学生の気分でした。

(医学生の実習で手術室入室時、手洗い指導があります。しっかり洗ったと思っても、教官に指導されます。洗い直しのことも)

 

『コロコロチェックは、今のところ、みなさんOKでしたね』

『コロコロチェックですか?』

我が家にもあるような粘着テープ付きのコロコロが出てきました。

調理場に入るスタッフは、シャワーキャップ(素材は化学繊維で上等。使い捨て)を被り、その上から使い捨ての帽子を被ります。

髪の毛は先に被るキャップに入れ込み、さらに帽子で頭を固定します。

『B(そばにいたパートさん)さん、コロコロチェック、もう一度してみてください』

まずは、帽子を被った頭をコロコロでなぜます。

次に顔周りを。

両肩、両腕、両袖口、腹、背中という順にコロコロを滑らせていきます。

わずかなホコリや異物も持ち込まないようにの徹底ぶりです。

『背中はお互いやりやっこするんですか?』

『一人でできるよう、柄が少し長くなっています』

なるほど~確かに、我が家のより長い。

特注品?

 

それ以外にも…

引き出しに物を入れすぎていないか(引っかかるほど入れると支障をきたす)

シンクの錆はないか(あればきちんと落とす)

水産部門のまな板の前の衝立の裏に鱗が飛んでいないか(50センチはありそうな衝立の裏にも小さな鱗を一つ見つけました。調理の時に飛ぶようです)

その他色々Aさんのチェックポイントは厳しい!

ほんわかした感じ…は、仕事となると一転!

産業医(院長)も非常に勉強になりました。

次回からの巡視に活かします!

 

 

 

 

カテゴリー:産業医

2022.3.22  春色の~

『春色の汽車に乗って海に連れて行ってよ~』(赤いスイートピー)

陽気なある午後、思わず口ずさんだ曲。

この歌が流行ったころは、まだ乙女の院長。

おねだりしたら叶えてくれる誰かがいつか現れるかも!?と甘い歌声を聞きながら夢見がちに思ったものです。

あれから〇十年。

今や、何処に行くのも一人で行けるし、何なら連れて行ってあげますよ!のスタンス。

 

今日は、職場(産業医)のスーパーに。

駅から職場までは、口ずさむのにふさわしい長閑さがあります。

 

今月から新店長。

店長は1~2年程度で異動があり、しかも、各部署100人超のスタッフを把握しなければいけないのでなかなか大変です。

 

安全衛生委員会に出席です。

各部署のヒヤリハットと対応策。

例えば…

 

*水産部門では、氷水だけが滑る原因と思われているけれど、魚脂も滑る原因となっている

→早急に床の塗り直しをすることに。

 

*冷凍ケース下の霜や水濡れ予防のタオルが敷いてあるが、タオルの裾を客のつま先で踏んでしまい転倒の恐れがある

→吸い取り専用のソックス(absorbed sock)を導入

(本当は冷蔵ケースを買い直せばいいのですが、予算上、先延ばし)

 

*雨天時の床の水濡れの掃除が遅いと転倒の恐れがある

→気が付いたらすぐ拭く

→広範囲の場合は、足元注意の標識(増設)を立て、グリーンキーパー(清掃業者)に連絡

 

*惣菜で使用した廃棄油脂を1週間貯めておく屋外の貯留庫(その後産廃業者に)周囲の油のべたつきが多く転倒の恐れあり。

→貯留庫周辺に人工芝を敷いた

 

*有事に備えて避難経路の拡大

→商品の陳列方法を考えて、通路をさらに拡大(元々かなり広い店内で通路も広々なのですが)。

出入り口付近のカート置き場の見直し。

 

などなど。

 

『以上で、本日の安全衛生委員会を終わります』新店長。

ちょっと、ちょっと…

『店長さん、私からもちょっといいですか?』

『あっ、先生!どうぞ。お願いします』

私(産業医)、忘れられてた?

今回、男性スタッフばかりの出席だったから、紅一点(公だけに…)で目立っていたはずなのに!?

それとも、前職場の産業医(男性)は無口だったのか?

今日の会議で気づいた点、巡視等で気が付いた点、昨今の新型コロナウイルス予防の話など手短に発言します。

 

院長は、産業医や学校医を兼務していますが、委員会では、必ず発言するようにしています。

『特にありません』と答えるのは、職務を全うしていないようで、気が引けます。

毎回、何か変化はあるはずで、事実(問題点)と解決法(改善法)をセットで考えるようにしています。

 

新しい店長さんやスタッフと一緒に、良い職場環境作りのお手伝いが出来たらと思います。

 

 

駅までの帰り道、陽気に誘われて回り道をしてみました。

途中で、ウナギの寝床みたいな駐車場の奥にパン屋さんが。

そろそろとドアを開けると『いらっしゃいませ!』の若夫婦の声。

クリーパンをひとつ購入。

駅のベンチで、おやつタイム。

春色のクリームが優しい。

小さなお楽しみ(変化)に満足し帰路につきました。

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの想い 産業医
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