2021.4.13 知らんがな

次男が長男に帽子(キャップ)を買ってきました。

親からより弟からもらうほうが断然喜ぶ長男。

次男は、キャップ好きで、いくつか持っているようです。

スポーツ以外の日常用のキャップは、若い人にはオシャレなアイテム?

なぜか、別ブランドのキャップを母(院長)にもくれたことがあります。

ゴルフ用ではなさそう…

ジムでキャップを被って筋トレしている若い子たちを真似してみました。

若い世代に人気のブランドと言うこともあって、若いスタッフたちからは『かっこいいですね!』(お世辞でも嬉しい)

しかし、室内での帽子着用にはいまだ抵抗感ありのオバサン(院長)に継続は無理でした。

 

喜んで弟からもらったキャップなのに、何日も下駄箱の上に置いたままです。

ある日の可燃ごみ収集の朝。

ごみ袋に家中のごみを集めます。

どんなに小さくても、ひとつでも多くのごみを入れたいのが主婦の心情。

長男の新品キャップのシール(牛乳パックに付いているアルミの宣伝シールみたいな)が目に留まりました。

『ものぐさな〇(長男)は、こんなシールを取るのも面倒で被らないのか!?』と思い、ごみ集めの一環としてシールを剥がしてごみ袋へ。

 

数日後。

『帽子のシール剥がしたの、母さんやろ?』

『そうよ、剥がすのも面倒で被らないかと思って』

『違うって!あのブランドは、シールつけたまま被るのがオシャレなんだぞ!』

『え~!!!知らなかった。ごめん。シール剥がしたら被れないの?』

『シールなしだと価値が半減する!せっかく〇(弟)が買ってくれたのに!勝手に人のもの触るな!』

そんな大事なシールだったの~

タグと同等だと思って剥がしたのに…

 

次男に話すと、そのブランドは設立は古いものの、若い世代に最近人気で、ブランドのシールを貼ったまま被るのがオシャレらしい。

知らんがな。

長男の怒りは収まらないけれど、次男は、母の行為に『まあ、仕方がない。今度から子供のものは触らないように』と忠告。

『剥がして被っている人もいるし…まあ、放っておけばいいんじゃない』

 

長男がそのキャップを被ったところは見たことはありませんが、車に置いてあるので、気に入っているよう。

 

一連のエピソードをポロリと話すと、『ごみの日の話、あるあるですよ~』と慰めてくれる主婦層スタッフです。

 

それでも気になっていたので、そのブランドのお店へ行ってきました。

長男と同じキャップも売っていました。

若い男性スタッフにシール有無での着用を聞くと、やはりシールを付けたまま被るのがブランドの証明みたいなキャップだそうです。

なるほど~

でも、知らんがな。

自分のキャップを買ってシールだけ長男に渡そうか…

適当に選べばいいと思っていましたが、いざ、自分が被るとなると、悩みます。

これだ!と思えるものがなかなか見つからないのです。

鏡に映るキャップを被るオバサン(院長)はどれもイマイチ…

さんざん悩んで、イニシャルのにすることに。

レジに持っていき、シールを息子にあげる旨を言うと…

『このキャップのシールは、息子さんの帽子のとは違いますよ』

そうなの?

『じゃあ、同じシールのついているキャップの中で、20代の子が好きそうなのを選んでください』

『あっちのシールのキャップは、デザインにこだわる人が多いので、お母さんが勝手に選んで渡したら、また怒られますよ。今度、息子さんと一緒に来られて、気に入ったのを買ってあげたほうがいいですよ~』

力が抜けてしまいました。

長男への和解の方法を水面下で探っている母。

息子は母の心『知らんがな』でしょうけど。

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2021.3.2 グリーンにライトアップ

明日はひな祭り。

クリニックの受付には、院長と同い年ながら、年を取らない美しいお雛様とお内裏様が、患者さんをお迎えしています。

 

さて、来週3月7日から13日は、2021『世界緑内障週間』です。

日本緑内障学会では、緑内障の認知と啓発に向けて、2015年から各地のランドマークをグリーンにライトアップする「ライトアップ in グリーン運動」を、世界緑内障週間に合わせて展開してきました。

当初は、公共施設や大きな病院でしたが、今年は、一般の医療機関へも参加呼びかけがありました。

緑内障学会員の当院も参加表明。

3月7日から13日は、当院の花壇の木々がグリーンにライトアップされます。

当院の花壇のライトアップは、11月後半からクリスマスバージョンを、その後オーナメントを外して2月初旬まで実施しています。

花壇の花々は年中、季節に合わせてアレンジされています。

3月のイルミネーションは、特別な1週間です。

 

ライトアップ色のグリーンは、当然、緑内障の緑に起因します。

白内障は、かなり進行すると、瞳が白っぽく見えることから『白』がつくのだろうと想像できますが、緑内障の『緑』は?

なかなか、想像がつきません。

 

遡ること、紀元前4~5世紀頃に古代ギリシャのヒポクラテスがある目の病気を「地中海の海の色のように青くなり、やがて失明状態になる」と記述しています。

これは、急性緑内障発作の症状と考えられます。

隅角が狭い人が、突然、眼圧の急上昇をきたし、角膜が膨隆・浮腫を起こします。

その目を診察するときに、透明性を失った角膜を通して暗い眼底を見るので、目は青緑に見えたのではないかと考えられています。

西洋人の青い瞳がゆえの記述だと思われますが、描写はきれいだけれど、とっても怖い病気です。

 

急性緑内障発作は、現代でも発症します。

元々隅角(ぐうかく)が狭い人の隅角が閉塞することにより、急激に眼圧が上昇、眼痛・頭痛もひどく、失明することもあります。

遠視の強い人は、隅角が狭いことが多いので、要注意です。

眼科医による隅角検査で、発作が起こりやすいかどうかわかりますし、もし起こりやすい傾向があれば、対処法はあります。

隅角が狭かったり、閉塞していたりすると、禁忌となるお薬や検査があります。

 

さて、40歳以上の20人に1人が罹患しているとされる(多治見疫学調査)緑内障は、日本人の中途失明原因疾患の第1位となっています。

日本人の多くは、眼圧が正常範囲内で隅角が広い(前述の緑内障発作は起こさない)正常眼圧緑内障です。

40歳過ぎたら、緑内障の定期検診をお勧めします。

近視はリスクが高まるので、近視の強い人は40歳以下でも検査をお勧めします。

 

初期の自覚症状はほとんどないため、気付いた時の受診でかなり進行していた!という状態で見つかることもあります。

緑内障の診断技術や治療法の進歩により、早期(自覚症状がない時期)に発見し治療を継続すれば、失明に至る可能性は大幅に減ってきています。

治療はしつつも、視野・視力に自覚症状がないまま一生を送れるように!が、眼科医の目標です。

 

そんな思いの『ライトアップinグリーン運動』です。

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2021.2.9  人間ドック

毎年秋に受ける人間ドック(ドック)をキャンセルしていた院長。

『がん検診を受ける人が前年比3割減に伴い、受診者の減少で1万人以上のがんが未発見』という調査結果を知り、すぐに再予約。

 

ドックの前日もしくは数日前から節制をする人も多いと思いますが、普段の自分の身体の調子を確認するのがドックです。

普段の診療でも、受診数日前だけ内服や点眼をしっかりするとか、節制をして、診察や血液検査に臨む患者さんがいますが『ありのまま』が大事。

院長も、その辺りは心得ているので、前日は普段通りの夕食、アルコールもいつも通り。

 

ドックの朝の絶食は、朝食ガッツリ派としてはつらいところですが、その分昼食が楽しみです。

検査着に着替えると、『全部お任せします~』の受け身に転身。

いつもは診療する能動的な立場なので、逆な立場は新鮮でちょっと楽しい体験です。

もちろん、病気の検査ではなく、健康人の人間ドックだからこそですが。

 

眼底検査では、昔は、高血圧や動脈硬化の程度を主に判定していましたが、近年は、緑内障の早期発見に力を入れて判読されています。

眼科検査項目は、自院(自分)でもできますが、被検者の立場を年に一回体験するのも勉強になります。

 

いつものように、緊張感高まる胃カメラ。

経鼻胃カメラは、経口よりは楽になったものの、ドック項目の中では唯一苦手。

毎年、自分より年上と思しき男性医師が担当。

なのに、現れたのは、30代小柄で可愛い女性医師。

専門医取って間もないくらい?

看護師さんに背中をさすってもらうくらい、毎度の苦行ですが、いつもより気分的に楽だったような…

説明もわかりやすく丁寧でした。

まだ若いけれど(経験浅そうだけど…)…と同性、同業でも少々先入観があった院長です。

きっと、自分もその年代の頃、患者さんに思われていたことでしょう。

どんどん経験を積んで、エキスパートの道を進んでください!応援しています!と、先輩オバサン医師からのエールです。

 

さて、お楽しみのお昼。

ランチタイムまで時間があったので立ち寄ったスーパーで目に留まったのはいちご。

ふんだんにいちごを使って、フルーツサンドを作ろう!

いちご・キウイ・サンドイッチ用食パン・生クリーム(もちろん動物性)購入。

生クリームを砂糖と泡立て軽いホイップクリームを作ります。

薄いサンドイッチパンに、クリームをたっぷり塗布。

丸ごといちごをカットしたときに美しくなるよう並べます。

間にキウイも。

 

銀座Sのフルーツサンドが浮かびます。

初めて食べたのは、ちょうど胃カメラの女医さんくらいの若き日。

眼科専門医として少し自信がついてきた頃。

きれいに並んでいる一口サイズのサンドイッチ。

上品に散りばめられた果物とクリームのコントラストにうっとり。

S(もどき)バージョンも作成。

 

さて、包丁で切り、お皿に並べてみると…

『映え』って、こういうことね~

三角に切って果物を前面に押し出す今風の映えバージョンと、果物が控えめに顔を出す老舗バージョン。

おやつとスイーツ、同じようだけどニュアンスの違いみたいな。

 

絶食明けなのと、具が軽いだけあって、どんどん行けます。

こんなに思う存分フルーツサンドを食べたのは初めて。

しかし…

食べた気がしない。

肉が食べたい!

結局、肉を焼くことに…

甘いものだけで満足出来たあの頃の私は何処に?

そして、ドックの結果は如何に?

 

 

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2021.2.2  2週間前

今年は2月17日。

日本気象協会による名古屋のスギ花粉飛散開始予測日です。

昨年の飛散が少なかったため、昨年比では、東海地方は非常に多い予想です。

とはいえ、例年よりはやや少ない予想です。

 

昨年からの流れで、マスクは風邪や花粉症の時だけでなく、常用する習慣になっている私たち。

この流れで行くと、何もしなくてもよいのか?と言うと、やはりスギ花粉症対策・治療は必要になってきます。

 

花粉症患者さんは鼻と眼に症状が現れることが特徴です。

アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎。

アレルギー性鼻炎の3大症状としては、『くしゃみ』『鼻汁(はなみず)』『鼻閉(はなづまり)』。

アレルギー性結膜炎の主訴は『掻痒(かゆみ)』

その他、『充血』『違和感(ゴロゴロ)』

いずれも、日常生活の質(QOL)を落とす不快な症状です。

 

今年も最新の花粉症についての勉強会。

もちろんオンラインです。

 

周知されてきましたが、花粉症の対策は、花粉飛散日前に!発症前に!が基本になっています。

『初期療法』と言います。

飛散開始日は、花粉がある一定量以上飛散する日なので、飛散開始日以前でも、ムズムズしたりかゆくなる人はあります。

当院の患者さんも、花粉症レギュラー(毎年花粉症で来院)の方は、1か月~2週間前に来院されます。

 

眼科なので、主に目の症状の訴えが多いのですが、鼻炎の併発ももちろんあります。

最近は、ステロイドの鼻噴霧薬が発症を遅らせることがわかってきました。

ただし、誤った使用方法で、眼圧が上がってしまったという報告もあるので、眼科での眼圧チェックは必要です。

 

眼科では、まずは、抗アレルギー薬の点眼を処方します。

スギ花粉飛散がどんどん多くなって、症状が出た時点で開始するよりも、飛散開始の2週間前から点眼するほうが、症状が軽く抑えられます。

自覚がないうちの『初期療法』です。

 

また、例えば、1日4回処方の点眼薬を、かゆみが出たときに4回点眼するよりも、かゆみが出ていなくても間隔をあけて4回点眼することで、かゆみのコントロールができます。

かゆみなどの症状がひどくなってからより、症状のピーク前に使用することが肝心です。

抗アレルギー点眼薬で効果がない場合は、ステロイド点眼薬を処方します。

ステロイドは、とても良く効くのですが、時にステロイドで眼圧が上がってしまう人がいるので注意です。

眼科医は、ステロイドを処方したら、必ず眼圧チェックをします。

他科でステロイドを処方されていて、いつのまにか眼圧が上がって緑内障になっていた…という悲惨な症例もあります。

もし、他科でステロイドを処方されていたら、たとえ、薬が効いていても、眼科医に眼の所見と併せて眼圧チェックをしてもらうことをお勧めします。

 

マスク常用の毎日。

花粉症予防には一役かっていますが、それでも発症してしまうもの。

くしゃみをしたら白い目で見られる昨今。

『花粉症です』のお知らせバッジも市販されているそう。

世知辛い世の中ですが、検討の余地も…

あらぬ疑いをされないように、早めの対策を。

でも、くしゃみだって赤い目(充血)だって、花粉症と診断されているなら、白い目を跳ね返したっていいんです!

 

今なら、2週間前ですよ!

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2021.1.26  サンギョーイ

産業医1年生の院長です。

出務日が近づくと、産業医関連の本を読み返し、前回の振り返りをして、当日のシュミレーション。

ハンドブックを持参するあたり、研修医1年目の初めての外勤(アルバイト)のよう。

外勤先で一人診療のとき『何かあったらどうしよう?』と心配が大きかったのですが、産業医1年目の今、『何かあっても、何とかなる(出来る)でしょう』の心持ちなのは、医師としての長い実務経験・知識から体得したものだと思います。

 

いつも少し早めに到着する院長。

職場のスーパーをひととおり、お客として巡回します。

広くてきれいな店内です。

お値打ち品も多々。

インフォメーションコーナーで取り次ぐように言われています。

『あの~本日〇時に〇店長さんとお約束した産業医の長谷川ですが…』

担当のオバサン(院長と同年代)は、声をかけてきたオバサン(院長)を見て『少々お待ちください』

早速、内線電話をかけ始めました。

『サンギョーイのハセガワさんが店長に面会です』おそらく事務所とのやり取り。

しばし、傍で直立不動の院長。

『え~!?センセイなの?わかりました』

きちんとした身だしなみの正体不明なオバサン(院長)は、『サンギョーイ』という意味不明な会社?の営業ではなくて『産業医』だったのね~

やっと漢字変換できた!って顔で『今、事務の者が来ます』

 

安全衛生委員会の議事についての質疑や、健康診断結果の精密検査のフィードバック、従業員の健康管理など色々チェックします。

店長さんだけでなく、事務やそのほかの業種からの相談も受け付けます。

 

職場巡視も毎回。

惣菜コーナーでは、揚げ物を調理するので、床が油で滑りやすくなります。

滑り防止のついた長靴を履いての作業です。

掃除はしていても、床は滑りやすいので、マットが敷いてあるとのこと。

薄くてテロテロなので、もう少し厚めのほうがいいかも…

新品をみせてもらうと、結構しっかりしています。

使い捨てなので毎日替えるルールを徹底してから、マットの種類を変更するか考えることに。

 

大量の揚げ物をするので、油が飛びます。

『コロッケはまだいいけれど、唐揚げは皮や脂身からずいぶん油跳ねがくるんですよ~』とパートのオバサン(アラカン)。

コロッケの時は、指が油面に触るくらいまで近づけて落とすと油跳ねが少ないという秘訣も。

主婦でもあるオバサン(院長)としては、その技に驚嘆!

しかし、オバサン(パートさん)の肘から下は腕まくり状態。

『肌に油跳ねしませんか?』

『そうなのよ~』と、見せてくれたのは、小さないくつかのシミ。

勲章?の火傷跡。

『袖おろしたほうがいいのでは…』

『そんなことしていたら、他の事しにくいし、面倒だし…だもんで、揚げるのは若い子にはさせられへんわ~私らみたいな年ならいいけどね~』

『よくない!よくないですよ!』とオバサン(院長)。

実は、使い捨てアームカバーは常備されていました。

ナイロン製なので、毎回使用してみて、油温に耐えないようなら、材質を検討することにしました。

 

眼科診療をしていると、鉄の研磨で鉄片が目に入ったとか、溶接焼けで目が痛くなった患者さんが来られます。

職場で、防護眼鏡やシールドを義務付けれているにも関わらず、面倒でつい装用していなかった…とうパターンがほとんどです。

 

今回も、職場のルールはありましたが、現場で徹底されていなかったようです。

 

帰宅後、職場巡視報告書を書き上げます。

良好な点も改善すべき点も指摘。

今回の業務も何とか無事終了です。

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2021.1.19  ぬくもりは伝わる

とても寒くて雪が降りそうな午後、往診に向かいました。

本日は70代後半Aさん(男性)宅。

半身まひで通院困難になったため、緑内障継続治療の依頼です。

Aさんとは、1年ほどのお付き合い?があるのですが、寡黙な方なので、ほとんど私生活は謎です。

部屋の調度品や、机の本から、以前は会社の経営者だったよう(推測)。

『こんにちは』と声をかけて、スタッフと二人で部屋に入ります。

 

『あれ?先月より少し痩せられた?』と思いつつ、いつも通りの手順で診察。

『目、お変わりないですよ。眼圧も落ち着いていますよ』

『そう。良かった。今日は、先生の指、冷たかったね~』

『え!?あっ!?すみません、失礼しました!』

 

学生時代の病院実習の時、教わったこと。

患者さんを診察(触診)するときは、手を温めておくように。

この一言は、医師になってからもずっと守っていることです。

眼科医なので、患者さんの体(お腹や胸・背中など)に触れることはないですが、眼(まぶた)は毎回。

診察の前には、手指の曲げ伸ばしやこすり合わせをして、指先の体温を上げておくのは習慣になっています。

その日も、指先をこすり合わせていたはずなのですが…

 

『今日は、本当に寒いんだね。先生の指から感じたよ』とAさん。

それから、癌で数年前に亡くなった奥様のこと、静かだったお正月、1週間前に吐血してずっと絶食だったこと…など、ぽつりぽつりと話してくださいました。

患者さんの病気に関連することは、尋ねますが、プライベートのことや世間話的なことは、患者さんからお話しされれば聞きます。

 

Aさんとの距離がぐっと近づいたように思いました。

 

医師としての手指は、診療のためだけでなく、患者さんと心を通じさせる大事なツールであることを再認識。

ぬくもりは伝わります。

通じます。

 

『おねえちゃん、診察代は、そこの机にあるから』

院長と同年代の同行Bスタッフのことを、いつも『おねえちゃん』と呼ぶA さん。

Bスタッフも手慣れた様子で『はい、確認しますね~』

 

外はますます冷え込んできました。

『なんか今日、良かったですね~』とBスタッフ。

心にはぬくもりをもらい、帰途につきました。

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2021.1.12 煮詰める・煮詰まる

当院の鏡開きは、今年も院長自作のぜんざいで。

スタッフみんなで楽しみました。

手前味噌ですが、じっくりと煮えた小豆そのものの味が生きている!が売りのぜんざいです。

お餅との相性は抜群!

開業以来、他人様に唯一お披露目できる一品になっています。

 

『いつも手間暇ありがとうございます』『美味しかったです!』『ごちそうさまでした!』などなどの声が院長へのお年玉。

 

昨年はYouTubeを見る機会が多く、ぜんざいも炊飯器や圧力鍋で作れるレシピを知りました。

『放ったらかし』がキーワード。

確かに手間は格段に少ないのです。

 

従来(院長)のやり方だと…

十勝小豆のより分け(形が不ぞろいなのは取り除く)

浸水(一晩以上)し、浮いた小豆は取り除く

1回目に、豆のしみ込みがよくなり皮も破れにくくなるように、びっくり水(冷水)を入れて温度を下げ、再び沸騰してから弱火で煮る

ざるにあげ、流水で洗い、あく抜きをする

再び、新しい水を入れ30分くらい煮る

小豆の柔らかさを確認、砂糖を入れる

甘味が小豆になじむよう、人肌まで冷ます

豆が柔らかくなるまで煮る

仕上げに塩ひとつまみ

 

書き出すと結構な手間だと思いますが、結局、今年も従来の方法で作りました。

 

普段の院長の生活は、常に、時間との勝負で過ごしてきました。

今もそう。

育児がなくなり、家事も減り…それでも、分単位で計算して行動する癖は抜けません。

自分の優先しなければいけないこと、したいことを上位にしたら、あとはいかに時短・手抜きをするか。

なのに…ぜんざいです。

どうして小豆は煮るのか…小豆缶で代用しないのか…

スタッフの期待もありますが、小豆を煮る行為が好きと言うことが大きい。

小豆を煮る一連の行為は、自分にとってのカタルシスになっているのではないかと思います。

小豆のことだけを考えて、無心に、作業をする。

柔らかな炎のぬくもりと、静けさの中の小さなぐつぐつ音。

優しい甘さのぜんざいの出来上がりとともに、自身の心も落ち着いていきます。

ぜんざいセラピーと名付けてもいいような…

 

この法則?を見つけ、先日『タルトタタン』にも挑戦してみました。

『タルトタタン』とは、フランスのタタン姉妹のアクシデントから生まれたお菓子です。

リンゴのパイを作るのに、間違えてタルト生地を敷かずにオーブンへ。

焦げるような匂いに気づき、慌ててタルト生地をかぶせて焼いたところ、美味しいタルトになっていたという逸話があります。

この話を知ったのは、高校生の頃読んだ洋菓子の由来の本から。

想像は膨らみましたが、岐阜はおろか、名古屋でも食べられるお店はありませんでした。

5年ほど前、ピカソやヘミングウエイが集ったパリのカフェ『ドゥ マゴ』の伝統を受け継ぐカフェが渋谷にあり、創業当時からの『タルトタタン』が名物であることを知りました。

思い立ったら…の院長。

プロが作る本物の味に30年以上の時を経て出会いました。

 

砂糖と無塩バターでキャラメルを作ります。

8等分にし砂糖をまぶしたリンゴを投入して、キャラメルと和えます。

あとは、ぐつぐつ煮ます。

汁気がなくなったら、冷まして、パイシートをかぶせてオーブンへ。

見た目はいまいちですが、やや焦げたキャラメルがマゴで食べた味に近いように思いました。

 

火にかけて煮詰めることで、自身の頭も煮詰まる(まとまる・終局に向かう)ことがこの年になってやっとわかってきました。

一年に何回か、自分に必要な時間です。

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2020.12.1 女医なんですけど…

糖尿病の3大合併症は、『神経』『眼』『腎臓』の障害です。

眼科医は、糖尿病の患者さんに眼合併症が出ていないか、出たらどうするかを考えながら診療をしています。

『HbA1C(ヘモグロビンAワンC)はいくつでした?』(糖尿病のコントロールの指標になる値です)

毎回、尋ねます。

即答する人、血液検査の結果や糖尿病手帳を提示する人、『まあまあだね~』『いいんじゃない』『忘れた』『最近採血していない』など色々です。

眼の合併症では、一番は、網膜出血です。

点状の小さな出血が数個から多数に。

白い点状の斑点が数個から多数に、ベターっとしたものに。

悪い血管が生えてきて、破れて出血を繰り返したり、前方にも出血したり…

軽症の場合は、糖尿病のコントロールをしながら、経過観察です。

進行すると、レーザーで網膜を焼いたり、目の中に注射をしたり、大掛かりな手術をすることになります。

重症化すると、悪い血管が茶目にも生えてくるので、眼圧が上がって、緑内障を引き起こします。

また、白内障も進行しやすいです。

 

数年前から通院中の糖尿病のAさん(70代男性)。

院長:『HbA1Cいかがですか?』

Aさん:『○○(値)上がってしまって、薬が追加になりました』

院長:『あれま~!おやつとか結構食べてます?』

Aさん:『おやつは食べないです。ご飯も1日2食だし…』

院長:『アルコールはいかがです?』

Aさん:『まあ、それは毎晩ですね~焼酎をね。内科の先生には、やめろって言われるけど、これが楽しみで生きているからね~』

院長:『そうですか…1日のお楽しみですもんね~どのくらい飲まれますか?』

Aさん:『いつも3杯かな。水割りかお湯割りだけどね』

院長:『いつもより少し薄目に割るとか、たまに1杯減らすとか…は出来そうですかね?』

Aさん:『そうだね~…』

眼の合併症もなく、視力良好なことも確認。

 

Aさん:『ちょっと聞きたいことがあるんですけど…』

院長:『何でしょう?』

Aさんが話し始めたのは、下半身のお話。

ふむふむ。はい、はい。

Aさん:『糖尿病と関係ありますか?』

院長:『糖尿病による神経障害の影響が大だと思いますよ。加えて、加齢も。糖尿病のコントロールをしっかりして。それから泌尿器科かな…。Aさん、こういう話は内科の担当の先生に話したほうがいいですよ。眼科医より』

Aさん:『そうだけど…(病院の)担当医は女医さんなんで、こういう話は…』

院長:『(目が点!)Aさん、私も女医なんですけど…知ってました?顔、見えてますよね?』

Aさん:『…そうなんだよね~こう先生も女医さんなんだけど…違うんだわ。とりあえず、糖尿病治療頑張るわ。聞いてよかった』

Aさん、すっきりした顔で診察室を退出されました。

 

『女医なんだけど…』の後は?

オバサン(内科担当医は若き女医?)だから?

ちゃきちゃき・サバサバしているから?

医師として、かかりつけ医としての経験と信頼がそうさせたなら大変うれしいことです。

 

名前では男性に間違われますが、見た目で間違われたことはありません。

オバサン院長は、性差を超えて頼りにされる、チャーミングな医師を目指しています。

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2020.11.24 加齢と色覚

先月東京で開催予定の臨床眼科学会はWEBで開催。

約1か月にわたり、14会場4日分の講演を視聴することができます。

 

最近は、高齢化に伴い、人生100年時代に備えるべくの眼科的話題も。

 

一般に『色覚異常』(今は、色の特性ともいう)は、生まれつき網膜(もうまく・目の奥)の視細胞の錐体(すいたい)3種類のうち、どれかがうまく機能していない状態を言います。

世間一般では、赤と緑の区別がつかない、わからないという俗説ですが、実際には、そのような重症型はほとんどありません。

院長も医学を学ぶまで、色覚異常とはそういうものだと思っていました。

小学生の頃に読んだ少女漫画で、ヒロインの好きになった相手が色覚異常(赤と緑を間違う)で結婚をゆるされない…子供に遺伝してしまうから産めない…という悲しい恋のお話を読んだ記憶があります。

その時、初めて色覚異常という言葉を知ったのでした。

医学の勉強をしなければ、いまだに、先入観があるかもしれません。

 

先天性の色覚異常のほとんどの人は、自覚がないまま、支障なく生活しています。

生まれつきで、進行することはありません。

学校の色覚検査をで見つかっても、色の見分け方による注意事項を説明すれば、別段困ることはありません。

また、学校では、誤認識しやすい色の配慮をしてくれます。

ただし、少ないのですが進学制限や職業制限もありますので、自分の特性を知っておくことも大事です。

 

さて、色覚異常は、先天性なので、自分には関係ない…と思う人がほとんどですが、後天的(後から起こる)色覚異常もあります。

網膜や視神経の病気、脳の病気・心因性など、原因は様々です。

病気により起こり、左右眼で程度が違うこと(先天性は両眼同じ)や、自覚があることが後天性の特徴です。

 

白内障も後天性の色覚異常を起こすとして話題になってきています。

加齢性白内障(俗にいう白内障)は特別な病気ではなく、しわと同じように加齢で発症する病気です。

 

白内障が進行してくると、少し黄色味がかったサングラスをかけているように感じます(程度により違いあり)。

また、加齢により、瞳孔が小さくなり、光が入りにくくなるので、若年者より暗く感じます。

スマホの画面の明るさを、院長と息子たちのを比べると歴然。

よくこんな暗い画面で見えるね~と驚き、自身の加齢を感じます。

逆に、息子たちからは、まぶしくないの?と聞かれます。

まだ白内障発症とまではいかないまでも、水晶体(すいしょうたい)の濁りは少しずつですが進んでいることを実感します。

 

気が付かずに、日常生活に支障をきたすようになると要注意です。

例えば、紺と黒の靴下を間違える。

シャツの黄ばみに気付かない。

階段の一番下の境目が(暗くて)分からず、踏み外して転倒。

予防法としては、明るいところで確認する癖を。

階段は、電気を明るくしたり、一番下の段に、目立つテープを貼ると予防になります。

また、ガスの炎の一番先の高熱の部分の青色が見にくくなり、思ったより炎の高さを短く感じ、着火事故につながることもあります。

 

後天性の色覚異常(色の見え方の変化)は、進行します。

原因は様々ですので、色の見え方に変化を感じたら、眼科医にご相談ください。

 

最近、内側が黒布地のバッグは避けるようにしている院長。

狭く暗い空間では、取り出したいものをすぐ出せず、ぐずぐずしてしまいがち。

 

暗い環境・小さな対象物・くすんだ色は間違いを起こしやすくなります。

すべての色覚異常に気を付けるポイントです。

 

が、せっかちなオバサン(院長)も気を付けないといけません。

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2020.10.27  しゃがんでます?

『今日は、違うスクワットもやってみましょう』

パーソナルトレーニング継続中の院長です。

ルーティンでやっているのは、ブルガリアンスクワット。

片足で立って、もう片方の足先を後ろのベンチにかけます。

片方の足でスクワット(上体を下げ、太ももを水平まで落とす。またもとの位置に戻す。繰り返し)。

初めて指導を受けたときは、自重でも、翌日の筋肉痛は半端ないものでした。

ですが、今では、両手にかなりの重量のダンベルを持ち、スクワット。

毎回限界まで追い込まれます。

 

さて、今回の『ゴブレットスクワット』は、胸あたりでダンベルを両手ですくうように持ち、下半身を下ろしていきます。

太ももと床が平行になるまでしゃがみます。

何回もしゃがんでは立ち…15回3セット。

『そういえば、最近しゃがむことがないですね。トイレも洋式だし…学校のトイレも洋式化しているし…』しばし、雑談。

『僕たちの頃は、まだ、和式トイレだったんですけどね』とトレーナー(30代)。

『しゃがまないと、特に下肢の運動機能が落ちてしまいますね。日本の和式トイレは、知らないうちにトレーニングになっていたんですよ~』もう一度お手本を見せるトレーナー。

 

そんな折、しゃがみ込み動作が運動指導で獲得できるという整形外科学会での報告が、スポーツ医(院長です)の目に留まりました。

しゃがみ込み(和式トイレ姿勢を想像)が困難な健常成人に1か月間運動指導をすると、しゃがみ込み可能になった報告の続報のようです。

閉脚しゃがみ込みが出来なかった小中学生に、医療機関で運動指導を行なった結果、最終継続率24%、成功率50%だったそうです。

運動は、前屈や片足立ちなどから、股関節可動域訓練、タオルギャザーやスクワットなど全然難しいことではありません。

しゃがみ込み動作は、上肢外傷歴(転倒によるもの多い)と関与が大きいので、転倒リスクにも大きく関与しています。

しゃがみ込めるということは、多彩な運動機能が良好であるということです。

 

就学児健診が始まりました。

今どきの5~6歳児は、和式トイレを見たこともない子もかなりいることでしょう。

しゃがみ込みトイレの最初で最後は『アヒルのおまる』?

しゃがみ込み動作の運動指導が必要な時代に??

昭和生まれの院長は、ため息です。

昔、店先でしゃがんでいた不良?たちも、知らず知らずのうちに筋トレになっていたのね~(最近見ませんね)

 

便利な世の中になって、無意識に筋トレになっている動作・作業も少なくなりました。

意識して、豊かな老後のためには、筋トレを。

転倒予防に『貯筋』(なかなか貯まりにくい…)に励む院長です。

 

公衆トイレに和式があったら、健常者は率先して使いましょう。

ちょっぴりですが、筋トレです。

カテゴリー:使用しないでください 公センセの日常の出来事
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