2024.1.16 時間制限

昨年のクリスマスシーズン、久々に知人とデート。

『何がいい?』

『たまにはお寿司はどう?』

『いいね!』

いいね、と言ったものの、普段回るお寿司どころかパックのお寿司がメインの院長。

街中はよく知りません。

ネットで検索。

一流どころ?がラインナップ。

せっかくだし…と、本店が☆獲得のお寿司屋さんの名古屋店を予約。

『特上ランチコース予約しました!』

『楽しみ!』の返事。

テンション上がります。

 

さて当日。

カウンターに通されるや否や、担当?の板前さんに告げられました。

『コース最後までで1時間でお願いします』

『えっ!?どういうこと!?』

2人で顔を見合わせます。

『クリスマスの時期は1時間の時間制にしてもらっています』

『聞いていませんよ(ネットにも明記無し)。コース内容に関わらずですか?』

『そうです』

何てこと!

 

『お飲み物、何になされますか?』

入店するまでは、まずは生ビール!と飲む気満々の院長でしたが、

『制限時間1時間なら飲むのやめておこう』と知人。

突き出しの小鉢が終わると、先ほどの板前さんが握りを出してきます。

『トロです』

このお店は赤身から始まりみたいです。

その後『ヒラメです』『イカです』…

『ブリです』さすがに…院長『どこのブリですか?』

『えっと…ちょっとお待ちください』

隣の板前さん(先輩)に聞いています。

『富山です』

まあ、そんなとこでしょうね…でも、富山のどこか聞きたい。ブリの産地も漁港も色々あるんだけどな…

そのうち『北陸のイワシです』

『北陸のどこですか?』

『北陸です』

いやいや…『北陸って言っても富山県、石川県、福井県がありますよね。北陸のどこですか?』

『そこまでは…』

その後は、何が出ても尋ねる気になれなかった院長。

院長の外食の楽しみのひとつは、料理人さんやスタッフから料理や食材にまつわる色々な話を聞く(知る)ことです。

 

知人と話が盛り上がっていると…

『あと残り15分ですので、巻物と赤だしとデザートをお出ししていいですか?』と聞かれました。

全部食べ終わってお会計の時間を見たら、制限時間1分前。

院長に比べ、怒りの閾値の高い知人でさえ『回転ずしのほうがましだったね~』

 

1時間の時間制限があることを知っていれば、予約をしなかった私たち。

ましてや特上ランチコースなど。

オバサン達は、多少贅沢しても、ゆっくりとした時間と空間、おもてなしを期待していたのに…

 

板前さんも残念でした。

上達の道は、自分の扱う商品・ものをしっかり熟知してこそ。

ただその日に出ている魚を握るだけではないはず。

これは、自分たちの仕事にも言えることだと思っています。

医師は、患者さんより知識も技術もあるのが当然です。

スタッフも、自院に関する情報、目に関する知識は患者さんより多くないといけないと、日々勉強しています。

患者さんに聞かれたら、返答できる能力が必要です。

 

『なんかすごく慌ただしかったね』

『絶対反面教師だね!ゆっくりお茶しよ~』

『そうだね~』

制限時間1時間の高い勉強代!

 

回らないお寿司屋さんに行ったのに、客(私たち)が回らせられました。

 

 

*来週の『公センセの部屋』はお休みです。

 

 

 

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2023.10.24 見える!

秋の学校視力検査、就学時健診が始まりました。

学校での視力検査は、ABCDと4段階で判定しています。

A 1.0以上

B 1.0指標が見えない

C 0.7指標が見えない

D 0.3指標が見えない

眼科での視力検査のような詳細な値は示されません。

 

それでも、学校生活を送る上での目安になります。

A 教室の一番後ろからでも、黒板の字がよく見えている。

B 後ろの方でも黒板の字はほとんど読めるが、近視の始まりの可能性が高い。

C 後ろの方では、黒板の字が見づらく、近視になっていたり他の病気があるかも。

D 前の方でも黒板の字ははっきり見えていない可能性があるので、眼科で診察対処を。

 

就学時健診時は、初めての場所(小学校)のせいか、泣いたり緊張している新一年生も見受けられます。

院長は必ず就学時健診の際に、目の病気の有無と視力検査の結果を伝えます。

B以下があった場合、程度に応じて、もう一度(速やかに~就学までに)視力検査を受けるよう勧めます。

 

結果を聞いて、子供に『○○ちゃん、目悪かったの!?』と聞くお母さん。

子供からしたら『知らんがな~』

小さな子供に視力低下の自覚はありません。

『たまたま緊張していただけです』

『視力検査が理解できてないんだと思います』と、受診する必要はないと言い張るお母さん。

悪い結果は信じたくないけれど、再度眼科で検査して問題なければよいし、何か見つかれば就学に備えて対処することが出来ます。

 

学校からの受診のお勧め用紙を持参される患者さんたち。

Dでも『見えている』『困っていません』と言う人もあります。

見えるは、その人の感じ方もあるので、はっきり見えてなくても『見える』と言うのは事実です。

ただし、学校生活に支障ないように必要な(はっきり見える)視力が必要とされています。

免許を取るにも、自分の『見えている』では通らないのと同様に。

 

視力検査で受診された時、子どもは、ピント合わせの力が強いため、通常の屈折検査では正しい状態(近視?遠視?乱視?また程度)が分かりません。

そのため検査用点眼薬で毛様体筋の緊張を取り、正確な屈折程度を確かめます。

 

点眼薬で近視に出れば、間違いなく近視で、回復は見込めません。

 

当院でも行っているオルソケラトロジーは、初めて近視と診断された時にスタートするのが好機です。

もちろん近視と既に診断された方にも適応です。

コンタクトレンズを付けて就寝、起床したら外す。

昼間は裸眼(1.0~1.2)で生活できます。

特に水泳や接触スポーツ・バレエなどの習い事にも安心です。

 

当院のオルソケラトロジーの患者さんたちも、良好な視力で学校生活を楽しんでいます。

もちろん定期検査をしっかりし、院長が責任を持ってフォローしています。

 

親(大抵母親)が、コンタクトの管理をすることになります。

母と子のスキンシップが朝晩出来る(せざるを得ない)ので、母子のスキンシップは遥か昔になってしまった(息子たちは成人)院長としては羨ましい限り。

朝起きてコンタクトレンズを外したら、子供が『見える!』って言ったんです。

お母さんからの嬉しい報告。

 

次男はアトピーがひどく、一時期、毎晩処方された軟膏を指に塗って、布で巻き、その上にネットをかぶせていました。

『最後に帽子(ネットをそう呼んでいた)被せようね、帽子並んだね(5本指)~良くなるといいね~』で終了。

面倒な時もあった指の治療も今となっては懐かしい思い出です。

 

オルソケラトロジーも、きっと母子(主に母)の良い思い出になるはずです。

 

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2023.6.27 何しに台湾?その2

 

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2023.8.1    おかげさまで26周年

今年は、ツバメの巣が2回もカラスの攻撃に遭い、卵や孵ったばかりの雛も餌食にされてしまいました。

壊れかけの空になった巣の周りを、2羽のツバメが飛び回るのを見るのがやるせない院長でした。

もう今年は来ないかも…とあきらめていた頃、ツバメの雌雄が巣を修復して卵を産みました。

今度こそは…と、毎朝晩、巣を見上げ、落下物(糞・虫それ以外)を確認する日々。

ようやく、小さな雛が5羽顔を出すように。

よしよし…と思ったのも束の間、修復した巣は手狭だったせいか、一羽落下していました。

まだ産毛が生えそろっておらず、息も絶え絶え。

可哀そうですが、見届けるしかありませんでした。

 

その3日後。

またもや、雛が1羽落下。

3日前の雛よりは、産毛はあるものの、羽も短くも揃い始めています。

当然飛べません。

何とかせねば。

 

息子に連絡。

ふだん母のお願いにはほぼ耳を貸しませんが、今回は迅速対応。

ツバメの生態・人の手での育て方などを調べ、ミルワームを買ってきました。

小さな鉢にティッシュを敷き、ピンセットでミルワームを1匹づつ。

お腹がすくときは、大きな口をパクパク開けて吞み込みます。

お腹一杯になると餌に見向きもしません。

これを30分ごと。

息子は2日間どこに行くにも連れて行き世話をしました。

『赤ちゃんの世話って大変やな~Pちゃん(雛の名前)可愛いから出来るけど』

ちょっと~

そっくりそのまま、子育て中、母(院長)があなた(息子)に向けてた言葉ですよ!

ツバメの子育てより大変だったんだから!!!(親ツバメエサ探し・運びも大変だけど)

2日後、巣に戻して無事に生育。

兄弟ツバメの中では一番小さいせいか、最後まで巣に。

兄弟に数日遅れて、やっと初立ち。

『飛んだよ~』

孫(いないけれど)を見守る祖母と父親みたいな、母と息子のしばし穏やかな時間を雛が提供してくれました。

 

ところで、先日某メーカーの担当者が代わりました。

担当のTさんは、以前にも当院担当。

懐かしさで話が弾みます。

『あの頃は、息子さんたちを保育園にお迎えに行ったこともありましたね~』

開院当初は、子供がまだまだ小さくて、保育園のお世話になっていました。

診療状況で、どうしてもお迎えに間に合わない時には、面会に来ているメーカーさんたちにも助けてもらいました(良き時代でした)。

Tさんにもお世話になっていたのね~改めて感謝です。

一人で何もできない雛のような息子たちは、お陰様で、今度は親ツバメになれるほど成長しました。

 

お陰様で、当院も26周年を迎えました。

患者さんとの出会い、そこから得た眼科学の知識と経験の引き出しはかなり多くなっていると思います。

①医師が診療し指針を示す(事実に基づき診断・治療方針を決める・経験値も有用)

②患者さんが治療方針を遵守する(点眼回数・期間を守るなど)

恐らく①②が守られていれば、病気は快復または小康状態を保てます。

上手く結果が出なければ①に戻ります。

20年以上定期的に通院されている緑内障の患者さんの多くは、進行が抑えられています。

 

何年かぶりに来院される患者さんには『思い出して来院してくれてありがとう』

定期的に来院される患者さんには『いつも頼ってくれてありがとう』

『こんにちは!○○さん』から始まり『お大事になさってください』の〆の後の、声に出さない言葉です。

 

今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

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2023.7.11  さようなら 桃のスープ

桃が店頭に並ぶようになりました。

そろそろ『桃のスープ』を食べに行かないとね~

恒例行事?のひとつ、でした。

 

4月の初め、件(くだん)のレストランからお知らせが届きました。

5月末で閉店の旨。

突然でびっくり!

37年8か月の営業を、70歳を機に閉業することにしたとのこと。

後継者不在。

体力と仕事のアンバランス。

色々考えての決断とのこと。

 

オーナーの今後はまだ未定だそう。

中途半端よりも、退路を断って今後を考えるのもあり。

70歳、人によってとらえ方は様々だと思います(まだ70歳未知の世界の院長です)。

周囲を見ると、開業医師のほとんどが診療を続けています。

また、勤務医でも、定年後新たな職場で、何かしら医療に関わっている人が多い様に思います。

特に、院長の知っている限りで女性医師面々は、とても元気。

お手本とすべく、『あの年齢でもまだまだ行ける!』と確認・確信・安心しています。

もしかしたら女性のほうが、切り替え(仕事・家事・趣味など)が上手く、貪欲なのかもしれません。

自身も、自分より若い女性には『あの年齢(院長の年齢・年代)でもまだまだ行ける!』と希望を持ってもらえるモデルになれたらな~の願望あり。

 

さて、早速予約。

電話越しで、対応スタッフも『残念なことですが…』と。

 

初めてこのお店に連れて行ってくれた家人と。

急だったので子供たちは参加せず。

最初(30年くらい前)と最後は、めでたくもカップルで。

満席です。

いつも飲み物をサーブしてくれるウエイターも『淋しいことですが…』と、お勧めのビールを紹介してくれます。

安定した美味しさ。

でもまだ桃のスープの時期ではありません。

もう一度味わいたかったな~

最後に飲んだスモーキーなドイツビールは、このお店での最後の思い出になりそうです。

 

6月のある日、帰り際に患者さんが『センセイ、桃のスープのお店、閉店してしまったんですよ。ご存じ?』と。

昨年、桃のスープの拙話を読んでくださり、足を運ばれたそう。

その後も出かけたときに、閉店のニュースを知ったとのこと。

院長のエッセイ(公センセの部屋)も多少反響があるようです。

 

さて、そうはいっても桃のスープを味わいたい。

何とか再現できないものか…

大体の味と大体の材料で何回かトライ。

なかなかいける…と感じた(あくまでも個人的な感想なので、レストランはもっと本格的な材料かもしれません)レシピは…

桃1個

ヨーグルト100cc

生クリーム(動物性)100cc

砂糖 大匙1

全部ミキサーにかけます。

それだけ。

生クリームを入れると上品になります。

 

おそらくレストランの3~4人分。

いつも人の分を欲しがるほど大好きな桃のスープ。

今回はひとりで存分に。

美味しいけれど、何か違う。

シチュエーションと、もう少し欲しい!という塩梅の量が、レストランではうまく計算されているのだと思います(繊細な味の違いはもちろんですが)。

 

院長はまだまだ引退の予定はありません(オバサンだけど、まだ脂が乗っている(眼科医としてです)と思っている)。

今回、レストランの閉店をきっかけに、人生の来し方行く末について、ふと考える院長でした。

 

さようなら、桃のスープ。

脳内思い出箱にしまっておきます。

 

*来週7月18日の『公センセの部屋』はお休みです。

 

 

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2023.6.13  近視進まないで~

オルソケラトロジーの近視抑制効果が証明されてきた近年。

医学は進歩し、医師の頭も上書き保存の連続。

親が近視なら、子も近視になるのは仕方がない。

親と同程度の近視になるのは仕方がない。

眼科医(院長)でもそう思っていました。

成人になった息子たちには申し訳ないが、当時はわかってなかったんだもん!

 

当院もオルソケラトロジーを導入しました。

今回は、よく尋ねられるQ&Aを。

 

Q1:近視抑制治療は何歳から始めて何歳までくらい続けますか?

A1:近視になった時が一番のタイミングと考えられます(学校検診で初めて用紙をもらった時など)。

ただし、自覚がないことが多いので、ためらうことも多いと思います。

次は、視力が低下(近視進行)して、眼鏡を処方しようかどうかの段階。

眼鏡をかけて経過を見たいか、オルソケラトロジーを始めるかを考えましょう。

治療を早く始めるほど、最終的な近視度数を抑えられると考えられています。

眼軸長(眼の奥行)の伸びと身長の伸びはある程度相関すると言われています。

一般には、眼軸長の伸びが落ち着く15歳(中学卒業)くらいが目安です。

もちろん、高校生以降も続けることに問題はありません。

 

Q2:30センチ以上離して、正しい姿勢で読んだり見たりすると目に良いのは本当ですか?

A2: 文部科学省の『児童生徒の環境に留意してICTを活用するためのガイドブック』から。

視距離は30センチ以上

背中を伸ばす

目線は画面に直行する角度に近づける  など。

シドニーの研究では、30センチより短い距離で読書すると、近視化を促進すると報告されています。

また、スマホなどの20センチの近業は、両眼で融像(左右の目でひとつに見る)できるギリギリの距離なので、視覚負荷が大きいことが分かっています。

ですので、近用時最低30センチは必要な距離です。

 

Q3:明るい部屋で読書をすると目に良いのは本当ですか?

A3:紙媒体の本を読むときは、室内光が明るい方が、読書速度の低下や眼精疲労の惹起を軽減します。

また、スマホやパソコンの場合、外の輝度と画面の輝度に違いがありすぎると、視線を移動したときに、順応の切り替えが必要になり、眼精疲労を起こしやすくなります。

ですので、室内照度は画面の輝度と同程度にすると疲れにくいと考えられます。

 

Q4:30分ごとに休憩すると目に良いのは本当ですか?

A4:労働衛生学的には、デジタルデバイスを用いた近業時に、眼精疲労を軽減するために、20-20-20ルール(20分近業作業→20秒作業中断→20フィート(6M)より遠方視)が推奨されています。

さらに、子供は1日2時間の屋外活動も推奨されています。

オーストラリアの研究では、30分程度の近業後休息を入れることで、近視抑制効果があることが示唆されています。

 

Q5:スマホ、テレビ、ゲームは目に悪いのは本当ですか?

A5:最近では、単なる近業時間の長さではなく、一定以下の視距離で行われる近業時間の長さが、近視発症の原因として重要視されています。

スマホや携帯型ゲーム機では十分な視距離を取ることが難しいのです。

中国のスタディでは、両親の近視の有無に関連なく、すべての生後1歳以内の乳児はスクリーンタイムを避ける必要があると結論づけられています(遺伝だけでなく環境も重要)。

生後8か月までは眼軸長は劇的に伸長するため、3歳まで屈折値の変動が非常に大きいので、視機能に大きな影響を与えます。

 

これから成長する小さな患者さんのために近視進行抑制のお手伝いします。

学校健診の紙をもらったら早めの受診を。

 

過去の記事もぜひご覧ください

寝押しのイメージ

2023日本眼科学会総会

 

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2023.4.11 2023日本眼科学会総会

春は日本眼科学会総会(日眼)の季節。

昨年は、恐る恐る現地に出向いたのですが、今年は解禁!?

やはり会期中1日でも現地に足を運びたい院長です。

今回も現地聴講・ライブ視聴・オンデマンドと3体制。

院長は平日ライブで視聴し、週末東京へ。

 

土曜日は新幹線移動中にスマホでライブ視聴。

ライブ講演時間に合わせて新幹線を選びました。

途中、恒例の?アイスクリームを注文時、イヤホンを落としエライ(大変な)ことに。

 

まんべんなく聞くのは後日オンデマンドで。

 

『近視』は最近とてもホットな話題です。

当院でもオルソケラトロジーを開始したので、特に気にして学術的な情報を集めるようにしています。

眼軸長(眼の奥行)の伸長が近視進行の要因です。

眼軸長が伸び、近視が進行すると、緑内障を始め様々な目の病気の罹患率が上がります。

中高年以降に目の病気になりやすいということです。

緑内障は慢性的かつ進行性なので、今の緑内障治療をもっても回復・改善はしません(院長も緑内障を専門としていますので、悩みどころです)。

近視進行させないためには、眼軸長を伸ばさなければいいのだ!

というのが、今の近視予防の主流的な考え方です。

 

オルソケラトロジー

低濃度アトロピン点眼

二重焦点レンズ

以上が最近効果があると報告されている方法です。

 

オルソケラトロジーを施行した眼とそうでない眼では、明らかに眼軸長の伸びに差が出ています。

目はとても小さな臓器なので、1mm伸びると約3D(ジオプター)近視が進行したことになります。

発表では、弱度近視から始める方が、効果が大きいとのこと。

 

低濃度アトロピンも、近視になる以前の0度数やわずかな遠視の状態から開始すると、近視の発症を抑制したという報告がありました。

 

いずれも保険外診療ですが、試してみては、と思います。

そして、息子たちも院長似の強度近視にさせてしまったことを母としては少々悔やみます。

もっとも当時は、眼軸長と近視の相関関係がはっきり解明されていませんでしたが。

もう成人しているので、スマホやタブレットの視聴時間や距離を言っても聞く耳を持ちません。

せめて、毎年、母(院長)の定期検査を受けて~

 

その他、最大限聴いて終了。

 

今回のお楽しみはM先生とのランチです。

ある分野ではとてもエライ(偉い)先生。

お姉さんのような素敵な先生です。

3年前の学会で一緒のホテルに泊まる予定でした。

予約の件でラインしたら『HP読んだ?新型コロナで現地開催なしになったって』

 

3年分の話が弾みます。

3年間色々あった過去から現在、そして今後の展望まで。

『オルソケラトロジー始めたんです』

『うちは、もうとっくに始めてるよ』

あれま!?毎度、眼科の知識・情報をもらいます。

 

食後『江戸城付き合って~』

皇居ってこと!?

おもむろに取り出したのは、日本100名城スタンプ帳。

かなりの数のスタンプが。

『そうなのよ、はまってるの』

皇居=皇居ラン(以前マラソンにはまっていた時は上京したら走っていた)のイメージの院長。

ゆっくり歩くのも良い気分です。

城石を見て『切込接やわ~』とはしゃぐM先生。

城石の解説をしてもらいます。

スタンプを押して、江戸城制覇!?

 

犬山城と名古屋城は既に印が。

岡崎城・長篠城・岐阜城・岩村城・松阪城はまだとのこと(←100名城と知らない無知な院長)。

学会以外にも会える機会が増えそうです。

 

今回も、現地参加だからこそのお楽しみありの学会でした。

 

 

 

 

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2023.3.14   今日にかぎって~

気分転換にデパ地下巡りをするのが好きな院長です。

デパ地下と言えども、街に行くには違い無し(緑区も名古屋市ですが)。

気合が入ります。

THE お出かけ、です。

 

さて、職業柄指輪をする習慣がありません。

微生物学の授業や、オペ室での手洗い指導で、いかに指輪(と指の間)に雑菌が多いかを繰り返し叩き込まれた医学生は、仕事中は決して指輪をしません。

結婚指輪でさえ。

指輪の習慣がないので、せっかくのお出かけでも指輪無しで行くことがほとんど。

若い時は、人並みに、指輪を買うのももらうのも嬉しかったし、もちろん婚約指輪と結婚指輪は特別です。

しかし、結婚生活30年弱でそれらは何回日の目を見たのやら…

ということで、最近になって物は使ってこそ!(先を考えるとジュエリーに申し訳ない)と思うようになりました。

 

ある日のデパ地下巡りに。

少し前に買ったワンピースにイヤリングとネックレス、指輪も。

ふだん選ばない指輪を今日は選んでみました。

誰かと会うわけではないのですが、街に行く気合です。

 

その日のデパ地下の催しコーナーは大人気のお菓子。

通常並ぶことは極力避けるタイプですが、長蛇の列の最後尾に並びます。

始めは商品さえ見ることが出来ないのですが、少しずつですが前進。

ショーケースが見え始め、具体的に何を買うかを決定。

あと4~5人先が自分の番です。

何気なく指輪の石を触りながら、じっと待ちます。

少し前に進んだ時、左手の薬指を見ると、空洞の指輪が!

一体何が!?

ついさっきまでは、緑のオパールが埋め込んでありました。

この指輪は、新婚旅行先のオーストラリアで家人が買ってくれたもの。

誕生石の可愛いファッションリングでした。

すぐ下の床を見てみるも、それらしきものは見つからず。

その場でしゃがんで探してみる…

とか

『すみませーん!指輪落としたので、ちょっと動かないでください!』(昔、ハードコンタクトレンズを落とした人は、このように叫んでいました)

とかは、もうオバサン(院長)勇気がありません。

上の空で品物を買った後も、しばらく下ばかり注視。

おむすびころりんみたいにどこへ行ったの?

おい、お~い。

 

終了後の清掃できっと見つかるはず、と信じて、デパートの遺失物係へ。

今も連絡がないということは、もう拾われたか捨てられたかは不明です。

小さいので、ごみの中で見分けがつかなかったのでしょうか?

 

多くのものの中からひとつを見つけるのが困難なことは、大人でもあります。

 

子どもの場合には顕著で、視力検査時の『読み分け困難』と言います。

通常、視力検査は、視力表を用い『どちらの方向に開いていますか?』と、どんどん尋ねていき視力を決定します。

しかし、視力が未発達な子供は、多くのものの中から一つのもの(指標)を選び出すことが困難なので、通常の視力検査がうまく出来ません。

そのため、ひとつだけCの指標(ランドルト環指標)を見せていくと、すらすらと答えてくれます。

 

オパールの石を落とした瞬間から

『どうしてなの~今日にかぎって~♫』(DESTINY 松任谷由実)のフレーズがリフレイン。

 

思い出の中には存在する!(と、前向きに)

空洞の指輪の先に未来を見ましょう(と、前向きに)

それでもまだまだ『どうしてなの~今日にかぎって~♪』と流れています。

 

*来週21日(祝)はお休みします

 

 

 

 

 

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2023.2.14 とっさの一言

早速、フロアーバレーボールの練習見学日を決めた院長です。(前回より続く)

いつも訪問する際には、相手の情報を予備知識として入れておきます。

 

フロアーバレーボールとは…

・コートの中に立てるプレイヤーは前衛3名と後衛3名の6名。

・前衛プレイヤーはアイマスク(アイシェード)を着用して目隠し。

・スタートのポジションがあり、ポジション番号が振られる。ポジションはローテーションにより試合中変わる。

・ローテーションは前衛と後衛それぞれ、ネットに向かって左方向へずれる。

(一番左は一番右にずれる)

・3打以内に相手のコートにボールを返す。

 

HPやYouTubeで一通り知識が付きました。

見学チーム(ドリーム・ラブ・ワールド)のYouTubeも見つけたので、視聴しておきます。

 

さて当日、指定された体育館へ。

10名以上のメンバー。

先日のAさん、Bさんを含めて全員自己紹介。

自身の病気を言う人も、残存視力や視野を言う人も。

院長が眼科医だからこその紹介かもしれませんが。

晴眼者のCさん(メンバー及びコーチ)や、ボランティアサークルの大学生も参加します。

 

練習が始まります。

後衛は、晴眼者及び軽度弱視者が担当。

前衛は、アイマスクをしているので誰でもOKですが、メンバーの数によっては、全盲・弱視者が担当になる事が多いです。

後衛プレーヤーが、サーブを打ちます。

すくい投げのサーブですが、これが結構速くて強いのでびっくり。

 

2打目(トス)は、後衛が受けることも、前衛が受けることも。

前衛は、視覚障害のハンディキャップが大きいので、後衛がボールの位置を時計方向で知らせたり、拍手をして(音で)知らせます。

ゴールボールと違い、鈴が入っていない(中学校までは鈴入り)ので、目隠しだと探すのに大変です。

3打目のアタック(これも下投げ)も、選手によっては結構速くて強い!(キャプテンのボールの勢いはすごい!)

当然ですが、素手なので痛そう。

 

前衛の3人が中央で並んで待機しますが、後衛の『オープン!』の指示で、左右の端に広がります(カーテンみたい)。

後衛は、ボールの動きを見て、前衛に的確に指示。

前衛は、後衛の指示(聴覚のみ)で素早く反応します。

 

この日は、隣の半面で高齢者の卓球クラブの練習が。

見学の院長でさえ、ピンポンの音が気になっていたのですが、尋ねるとやはり。

晴眼者以外、日常生活では白杖使用なのに、コートの中では白杖なし、声・音だけでプレイします。

雑音(卓球クラブの音)が多く、その日の練習はやりにくかったそう。

 

ミーティングで、メンバーの一人DさんがAさんの斜め後ろに。

『Dさん、どこだー?俺、視覚障害者だから見えないんだよな~。まだ、健常者だと思っているから(中途視覚障害)~』

『僕も視覚障害者です!』とDさん。

メンバー大笑い。

院長笑っていいものなのか…

 

終わり際、『来月県大会があるんですけど、チームドクターになってもらえませんか?』

えっ!?

『は、はい。わかりました』

とっさの一言。

サークルといえども、チームドクター拝命。

返事をしてから重責に気づきます。

まぁ、これも何かの縁、頑張ります!

 

それにしても、30年近く前にも同じシチュエーションが。

知人の知り合いと3回目の食事時、『チームドクター』の代わりに『結婚…』の下りを言われました。

とっさの一言は同じ。

(帰宅してから、とっさの一言の重みに気づいた次第…)

何の縁なのか、お陰様で現在まで一緒にいます。

 

 

 

 

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2023.1.17 リンゴのバカー!自分が馬鹿。

ある日、スマホのカメラの背面カバーが欠けているのに気付いた院長。

落とした?ぶつけた?記憶にない…

新機種に買い替えてまだ数か月。

ショック!

粗相をしたことを隠す子供のように、何故か誰(家族)にも知られてはいけない、言わないでおこうと決めました。

(何も悪いことをしていないし、自前で購入しているのに…)

カメラを囲うフレームの一部分、目立たないと言えば目立たない。

カメラのレンズ中心にはかかっていないので、カメラ機能にも支障ありません。

しばらくそのままにしておいたところ、何となく亀裂が広がっているよう。

何とか食い止めねば。

考えたのは、セロハンテープでの補強。

細めに切って、囲んで終了。

 

またしばらくすると、テープがめくれかけてきました。

またまた補強。

テープを貼っているうちに、窓ガラスのひびをテープで止めて補修している家を連想してしまいました。

 

地下鉄に乗るたびに、対面の乗客のスマホに目が行くようになったのもこの頃。

スマホ全体ではなく、背面のガラスケースにテープなどを貼っている人はいないかな?

『泣く子はいね~が?』みたいに『テープ貼ってる人はいね~が?』と、観察。

結果、皆無。

 

おしゃれして地下鉄に乗っているのに、手にしているのはテープでツギを当てたようなスマホ。

惨めな気分から解放されるには、ちゃんと修理するしかない!

 

決めると早い院長。

お店はなかなか予約が取れないので、リンゴさんに連絡。

『背面のカメラのひび割れですが、修理お願いします』

『12,900円です』

『わずかなこのひび割れがそんなに高いんですか!?保障に入っているのに!』

『保障に入っているからその価格です』

は~

新品の同機種が送られてくるので、バックアップ諸々をして、交換返却をするようにとのこと。

ゆっくりやろう…と思う間もなく、すぐ新しいスマホが到着。

配送業者が引き取りもしてくれるのですが、こちらは全く準備が出来ておらず。

 

さて、社会的立場  母(院長)>>息子

経済力 母>>息子

知識 母>>息子

図式の我が家ですが、ことスマホ関係に於いては、母<<息子。

不測の事態に対処できない可能性もあり、息子にお願いせざるを得ません。

平常、お願いする機会・回数は圧倒的に母少なし。

息子のお願いばかり聞く母です。

何か言われる覚悟で事情を話します。

 

旧スマホ(現在使用中)を触りながら

『母さん、何処が壊れてる?全然問題ないぞ』

『えっ?だって、ここのテープ貼ってあるとこ』

『これは、俺が貼ってやった保護ケースが割れているだけ。ほら(ケースをはがして)、新しいのと変わらん』

ガーン!!

『キャンセルできるか聞いてみる!』

『ダメだと思うよ、小さな店じゃないんやで』

『やってみる!』

リンゴさんへ連絡。

実は壊れてなくて、新品にもまだ何も触っていないこと等々。

自分の非を認めつつ、ひたすら下手に丁寧に品よく…(オバサン、粘ります)

 

結果…

『一度申し込んだらキャンセルは出来ません』

『12,900円で新しいスマホを手に入れたということです(交換で)』とのこと。

いらんがな!

『リンゴのバカー!自分が一番馬鹿だけど』

送り返すスマホをぶつけたい気持ちを理性が抑えた院長です。

『母さん、わからんのに行動するな。まずは聞けよ。そのうちオレオレ詐欺にひっかかるぞ~』

(今回は詐欺ではありません。院長の不注意)

息子、マウント取っているのか、優しいのか!?

立場逆転。

 

高い勉強代でした。

トホホ…

『リンゴに払うくらいなら、俺にくれた方がよかったのに』

 

 

 

 

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2022.11.29  赤ちゃんの涙

私生活では、赤ちゃんのいる日常からずいぶん遠ざかってしまった院長です。

ただし、眼科診療をしていると、赤ちゃんの患者さんも受診されます。

乳幼児・学童期になるともっと。

小児科ほどではないにしろ、子供と関わることが多い科と言えます。

 

生後まもなく片眼(もしくは両眼)から、涙と目やにが出る赤ちゃんがいます。

心配になって来院されます。

涙が目(涙点)から鼻に抜ける排水管(涙道)が詰まっている病気であることがほとんどです。

先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく)という病気です。

新生児の6~20%に発症と言われています。

 

しかし、生後12か月までの自然治癒率は96%と報告されているので、心配しすぎる必要はありません。

基本は経過観察(放っておけばいいということではない)。

 

目やにが出る場合は、抗菌点眼薬を処方します。

粘性や膿性など目やにの性状を見て。

漫然と使用していると、抗菌点眼薬が効かない菌(耐性菌)が出る可能性があります。

これは、鼻涙管閉塞に関わらず、すべての病気で抗菌剤を使用する際、注意すべき点。

目やには湿らせたティッシュや綿でそっと拭き取りましょう。

 

涙嚢(るいのう)マッサージが有効な場合もあります。

涙嚢(目頭のやや下内側)から小鼻に向かって、指で圧をかけます。

5~10回を1日2~4セット。

この時、マッサージをする人の指は爪を切って清潔にしてから。

涙の排水菅(鼻涙管)の一番下の詰まっているところに圧が加わるように。

 

約半年ほど経過を見ても開通しないようなら、プローピング(細い針金ようなものを挿入して詰まりを取る)をします。

最近では、涙道内視鏡での治療も可能になりました。

 

先天性鼻涙管閉塞診療の最新のガイドラインのまとめです。

 

ガイドラインは変化していきます。

専門家によって、多大な論文が検証され、信頼のある(推奨する)検査・治療が決定されます。

全て出所がはっきりしているものです。

私たち眼科専門医も、その都度熟知して診療にあたりたいと思います。

 

生後間もなくは、赤ちゃんは、まだわんわん泣いても涙を流しません。

生理的な(目の表面を保護する)涙だけが分泌されています。

3~4か月で神経系が発達してくると、感情による涙も出るようになります。

生理的な涙の分泌低下、または蒸発が早くなってしまうのがドライアイです。

 

三男出産1週間目で復帰した院長。

赤ちゃんを診療するたびに、患者である赤ちゃんは泣きます。

この泣き声に授乳中の母(院長)は反応。

乳汁分泌ホルモン・オキシトシンの働きでおっぱいが。

診察室で赤ちゃんの泣き声を聞くたびに反応した院長です。

今では笑い話ですが。

 

息子たちの泣く声を聞かなくなってどのくらい?

次の世代の赤ちゃんの声を聞く日が来るのかしら?

『孫が生まれました』の報告を聞きながら思います。

 

 

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