2023.4.18 毎晩飲んでるの

午後のホテルのラウンジにて。

頼んだケーキが来てほっと一息。

『最近目が…』

このワードが聞こえて院長の耳はダンボに。

その元は、と見ると…距離が離れた隣席から。

 

『最近目が見にくくなったわ、よく見えてたのに』

『私も。

それで白内障手術したんよ。

よく見えとったけど、何やら痛うなってこの前眼科に行ったら花粉症と言われたわ。

何や目薬ぎょうさんもらってさしとるわ』

『そんなになるなら、手術せんでもいいね~』

はんなり京都弁のご婦人2人。

ここは京都。

 

Aさん(仮)は白内障で視力低下。

恐らく、近視はなかったよう(もしくは遠視)。

Bさん(仮)は白内障手術をした。

よう見えていたけど…に続くのは視力に関することだと思うけれど、痛みを感じた。

痛みはかゆみと同義語(特に子供)なので、痛いのはアレルギー症状の痒いに類似した表現だったかも。

ぎょうさんもらった、ということはアレルギー点眼意外にステロイド?ドライアイ?眼精疲労?の点眼か?

手術せんでもいいね~は短絡過ぎです。

全員がBさんになるわけでなく、個人差あり。

と、脳内で眼科医解説。

念力がないので、AさんBさんには届きません。

 

A『うちな、毎晩飲んでんねん。もう10年も20年も生きへんから我慢することないわ~って』

えっ!?ビール?ワイン?さすが、ホテルでお茶するご婦人たち!

ということは80歳超?

B『そや、私なんて4種類も飲んでるで。飲まんと寝られんの』

多くない?ビールから始まって4種類?日本酒4銘柄?ワイン4銘柄?

A『あんた、そんなに飲んでるの?私は2錠と言われてるけど1錠毎日やわ』

B『私は、精神科でも内科でももらってるの』

何?睡眠薬の事!?

A『まあ、寝られへんの我慢するより、飲んだ方がいいもんな~』

そっちの話でした。

 

それから夫の介護の話に移ります。

Aさん夫は介護施設に入院。

毎週手料理を持っていくそうです。

良い牛肉を炒めたり煮て、付け合わせにマッシュポテトや青野菜。

A『夫は耳が遠くて聞こえへんけど、いやや~と思わず、会えると思っていくんよ』

B『えらいわ~』

A『いい人やったから。まだ死んどらへんけどな。できるだけやれることはね~』

 

Bさん夫も入院中。

医師だったようです(患者さんのためによう尽くされはったね~のAさんの言葉より)。

A『私も最初は一人で寂しかったけど最近は慣れたわ。時々淋しくなるけどな』

B『私も慣れんとな。今夜は、息子が来てくれる』

Bさん夫入院は最近のよう。

 

A『人によって幸せは違う。

ひとのこと羨ましがってもきりがないなぁ。

いろんな人に左右されんよう生きたいと思ってんねん。

もう遅いけど』

B『そんなことないわ~』

 

帰り際

B『あんた明るいわ~』

A『アホやで~。あんたも明るいわ』

B『うちに帰ったら暗いわ』

B『楽しかったわ~もっと早くに会えばよかった』

A『また会お。夏過ぎたら』

B『それまで頑張るわ。ほんま、ありがと』

A『こちらこそ、ありがと』

 

とっさに取り出したメモに書きなぐった文字。

巷の人生訓。

所用と同じくらいの収穫でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2022.4.12 白内障と認知症

新聞の旅行広告に加え、週刊誌などの広告も欠かさずチェックしている院長です。

週刊誌を購読する習慣もなく、喫茶店に入って読むという習慣もないので、見出しだけで勝手に想像しています。

”眼の老化「白内障」の手術で「認知症発症リスク」は30%低減”

ある日の週刊誌の広告見出しです。

いつもならサ~っと流し読みですが、職業柄、ん?

今月の眼科学会誌でこのような内容を読んだばかり。

 

眼科学会では、高齢化に伴う眼科医療について常々検討・論議されています。

週刊誌の詳しい内容はわかりませんが、出版業界としては、目を引くような見出しやワードが読者の関心を引き売り上げにつながります。

健康関連の一般向け書籍でも、タイトルはびっくりするほど気を引きますが、内容は大したことがなかったり、医学的根拠に乏しいことも多々あります。

体験談が多いのも特徴です。

院長なりの学会誌に基づく解釈をしたいと思います(→院長コメント)。

 

まず、健康寿命を脅かす3大要因は、認知症・メタボリック症候群・フレイルです。

 

#高齢者の健康状態の特徴とQOL(生活の質)を調査する疫学研究(藤原京スタデイ・奈良県65歳以上約2900人参加)において…

視力不良を0.7(運転免許必要視力)未満とした時

視力良好(0.8以上)群では認知症5.1%

視力不良(0.7未満)群では認知症13.3%

視力が悪いほど認知症が増加していた。

 

#視力不良(0.7未満)群では、認知症のリスクが2.9倍高かった。

 

→白内障は加齢に伴い必発の病気です。

矯正視力0.7が視力不良のひとつの目安です。

 

 

#白内障手術既往群(668名)と非手術群(2096名)の2群で分析を行ったところ、視力の要因と関わらずMCI(軽度認知機能障害=認知症の前段階)を2割程度防げることが分かった(藤原京スタディ)。

 

→まずはMCI の早期発見が大事だと思われます。

名古屋市では65歳以上対象に物忘れ健診を実施しています。

当院でも実施していますのでお問い合わせください。

 

#80歳以上では、白内障手術を受けていない眼は、手術を受けている眼よりも優位に視力(0.7)が悪い。

 

→80歳以上だと、白内障手術をした眼のほうが、白内障手術をしていない眼よりも有意に矯正視力がよくなっています。

白内障手術をした眼は、眼鏡で矯正すれば視力が出る。

白内障手術をしていないと、眼鏡で矯正しても思うように視力がでない。

80歳未満だと、両者に有意差は出ていません。

 

→80歳未満だと、白内障手術をしなくても、眼鏡で良好な矯正視力が出れば、白内障手術を慌ててする必要もありません。

80歳以上だと、眼鏡よりも白内障手術をしたほうが、良好な視力が出やすいということです。

 

 

今すぐにでも認知症予防に、白内障手術を受けたほうがいいの?と心配されるかもしれません。

白内障は、多くは加齢による水晶体の濁りなので、しわのように多少に関わらず出現してきます。

矯正視力や裸眼視力で運転など支障がなければ、急いで手術する必要はありません。

多くは、眼科医のほうから手術適応のタイミングで声を掛けます。

もちろん視力がよくても、見え方の質にこだわられる方は、早めに受けることも可能です。

 

テレビや週刊誌の見出しで慌てず、眼科医にご相談ください。

 

 

 

カテゴリー:眼に関すること

2021.9.7 赤毛のアンと緑内障

ステイホームが続くようになって、院長の読書熱も復活。

新刊も読みますが、児童文学や古典も気になるように。

 

さて、先日書店で見つけた『赤毛のアン』

何十年かぶりに、同じ訳者(改定あり)の文庫シリーズが目に留まりました。

 

もう一度読みたい!

いつか読もうと思っても、老眼・ドライアイに加え、集中力の欠如が起こりうる現実。

読むなら、今!

 

赤毛のアンシリーズは、『赤毛のアン』から始まって『アンの思い出の日々(上・下)』まで全12巻。

今では大人買いです。

 

『赤毛のアン』

孤児院のアンは、グリン・ゲイブルス(物語の場所)の独身のマシューとマリラ(兄妹)に引き取られます。

アンは11歳、マシュー60歳、マリラは50代。

美しい自然の中で、多くの人と関わりながら成長していくアンの物語です。

アンの年齢に近かった少女(院長)は、アンを中心に物語に夢中になっていましたが、いまやマシュー・マリラと同世代。

冷静になって様々な立場で読む自分がいます。

 

 

さて、このお話の中で、マリラは、度々頭痛を起こします(以下原文抜粋)。

 

『~頭痛のせいなんだよ。

近ごろ、しょっちゅう痛むのさ、眼の奥のあたりがね。

スペンサー先生は眼鏡のことばかりやかましく言いなさるけど、いくら眼鏡を変えてもちっともよくならないんだよ。

6月の末に島へ有名な眼科医が来るから、ぜひ見てもらいなさいと先生が言いなさるんだが、私もそうしなくてはなるまいと思うのさ。

読むのも縫うのも不自由でね。~』

 

『~あの眼科医が、明日、町にみえなさるから診てもらって来いと言いなすったんだよ。~

私の目に合ったメガネをつくってもらえばありがたいことだよ。~』

 

マリラは眼科医に診てもらいます。

『~もう読書も裁縫も、眼に負担がかかることは一切やめなさいって。

泣くのもよくないんだとさ。

それで先生のおっしゃる通りの眼鏡をかければ、これ以上悪くなるのは食い止められるし、頭痛も治まるだろうって。

そうしなければ、半年のうちに目が全く見えなくなるっていうんだよ。~』

 

少女(当時の院長)は気にも留めず読み進めたのに、眼科医(院長)の今、その部分で停止、考察。

マリラは、緑内障を患っていたのではないか…

 

緑内障には隅角が広い開放隅角緑内障と狭い閉塞隅角緑内障があります。

閉塞隅角の患者さんは、何かのはずみに、隅角がより狭くなると、眼圧が上がります。

遠視の人が多いです。

うつむいて作業をすることで(特に暗いところで)、隅角がより狭くなり、眼圧が上がります。

そこそこ上がると、眼が押されるような疲れ・痛みや眼精疲労、頭痛が起こります。

ただし、姿勢によって、改善されるので、眼から由来するとはなかなか気が付きません。

また、加齢により白内障になることで、隅角が狭くなりがちです。

何かの拍子で、隅角が閉塞してしまうと、急激な眼圧上昇と激しい眼痛・頭痛を起こします。

頭の病気かも?と思っていたら、眼の病気だったという『緑内障発作』です。

 

マリラは、中等度以上の遠視で、慢性閉塞隅角緑内障だったのではないか…というのが、院長の見立てです。

頭痛・眼精疲労など、小さな眼圧上昇を繰り返した結果だったのでは。

すでに、視野欠損(自覚の有無は別として)もあったのではないでしょうか。

 

現代だったら、マリラに手術を勧めます。

 

100年以上前、作者のモンゴメリは、どんな病気を想定して描写したのでしょうか?

赤毛のアンで、眼の病気に出会うとは…

 

1巻目にして、足踏みをしてしまった院長。

全巻制覇まで、ゆっくり読み進めていこうと思います。

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2021.2.16 まぶしいヘッドライト

夜の運転時、ヘッドライトがまぶしい!

そう訴えられる患者さんは少なくありません。

目の病気が原因で、夜間の運転時にまぶしさを感じることはあります。

代表的なのは、白内障です。

多くは加齢によるものですが、外傷やアトピーなどでも起こります。

もともと透明なレンズ(水晶体)が濁ってくる病気で、濁りの程度や部分により入ってくる光の方向が広がり、目の奥(網膜)にきれいな像が映りにくくなります。

 

次に、ドライアイです。

目の表面(角膜)を覆う涙のカバー力が悪いため、表面が凸凹になることで光が散乱しやすくなります。

目の乾きの自覚もあるため、ショボショボします。

また、ある時点(瞬間)の視力は良いのですが、凝視していると目の表面が乾いて視力が低下してくるのも特徴です。

 

緑内障も、眼圧がある程度高くなると、まぶしさを感じます。

また、視野欠損がある場合も、かすむ感じが起こります。

 

コンタクトレンズやメガネが適切な度数でない場合もあります。

特に、中年以降(院長世代です)やデスクワークで、やや遠方視力を落として日常のコンタクトやメガネを使用している場合は、夜間運転用にコンタクトの上からの補正眼鏡や運転に特化した眼鏡をお勧めします。

 

他にも、まぶしくなる病気は色々ありますが、その人に目の病気があるのか、あればどうするか、を診るのが眼科医です。

 

とはいうものの、最近の車のライトはまぶしくなったように思います。

LED化が進んだことも原因のようです。

LEDによってライトの色温度が高くなり白く見えます。

若かりし頃、ブンブン飛ばしていた時代の車は、やや黄色がかったハロゲンランプでした。

 

ハイビーム推奨もまぶしさを感じやすくなっています。

ハイビームにすることで遠方の歩行者などを早期発見でき、事故を回避できる可能性が高まった報告があります。

とはいうものの、ハイビームはまぶしい。

光を直視しないように。

安全な範囲で、視線をわずかに左下に向けることで、まぶしさが緩和した報告もあります。

 

また、対向車が近づいてきたとき、後続車に近づくときにはロービームに切り替えを。

相手にも光を直撃させないように。

 

院長も、若いころは、夜間の通勤(病院からの行き帰り)や夜出発のドライブなど、全然問題なかったのですが、近年は夜間の運転はほとんどしません。

仕事柄1日中眼を酷使。

更にストレスをかけたくないと思うのは、やはり加齢!?

夜は、身体(眼も)も心も明日の活動のために休んで充電する時間です。

高齢者の患者さんの多くが、昼だけの運転にしているのは、無意識の生体防御反応かも。

 

それでも、夜間運転をしないといけない業種の方々もたくさんいます。

夜間は、昼間より眼も神経も疲れやすくなります。

『まぶしい』が気になるようであれば、目の病気の有無も確認をお勧めします。

カテゴリー:眼に関すること

2020.12.1 女医なんですけど…

糖尿病の3大合併症は、『神経』『眼』『腎臓』の障害です。

眼科医は、糖尿病の患者さんに眼合併症が出ていないか、出たらどうするかを考えながら診療をしています。

『HbA1C(ヘモグロビンAワンC)はいくつでした?』(糖尿病のコントロールの指標になる値です)

毎回、尋ねます。

即答する人、血液検査の結果や糖尿病手帳を提示する人、『まあまあだね~』『いいんじゃない』『忘れた』『最近採血していない』など色々です。

眼の合併症では、一番は、網膜出血です。

点状の小さな出血が数個から多数に。

白い点状の斑点が数個から多数に、ベターっとしたものに。

悪い血管が生えてきて、破れて出血を繰り返したり、前方にも出血したり…

軽症の場合は、糖尿病のコントロールをしながら、経過観察です。

進行すると、レーザーで網膜を焼いたり、目の中に注射をしたり、大掛かりな手術をすることになります。

重症化すると、悪い血管が茶目にも生えてくるので、眼圧が上がって、緑内障を引き起こします。

また、白内障も進行しやすいです。

 

数年前から通院中の糖尿病のAさん(70代男性)。

院長:『HbA1Cいかがですか?』

Aさん:『○○(値)上がってしまって、薬が追加になりました』

院長:『あれま~!おやつとか結構食べてます?』

Aさん:『おやつは食べないです。ご飯も1日2食だし…』

院長:『アルコールはいかがです?』

Aさん:『まあ、それは毎晩ですね~焼酎をね。内科の先生には、やめろって言われるけど、これが楽しみで生きているからね~』

院長:『そうですか…1日のお楽しみですもんね~どのくらい飲まれますか?』

Aさん:『いつも3杯かな。水割りかお湯割りだけどね』

院長:『いつもより少し薄目に割るとか、たまに1杯減らすとか…は出来そうですかね?』

Aさん:『そうだね~…』

眼の合併症もなく、視力良好なことも確認。

 

Aさん:『ちょっと聞きたいことがあるんですけど…』

院長:『何でしょう?』

Aさんが話し始めたのは、下半身のお話。

ふむふむ。はい、はい。

Aさん:『糖尿病と関係ありますか?』

院長:『糖尿病による神経障害の影響が大だと思いますよ。加えて、加齢も。糖尿病のコントロールをしっかりして。それから泌尿器科かな…。Aさん、こういう話は内科の担当の先生に話したほうがいいですよ。眼科医より』

Aさん:『そうだけど…(病院の)担当医は女医さんなんで、こういう話は…』

院長:『(目が点!)Aさん、私も女医なんですけど…知ってました?顔、見えてますよね?』

Aさん:『…そうなんだよね~こう先生も女医さんなんだけど…違うんだわ。とりあえず、糖尿病治療頑張るわ。聞いてよかった』

Aさん、すっきりした顔で診察室を退出されました。

 

『女医なんだけど…』の後は?

オバサン(内科担当医は若き女医?)だから?

ちゃきちゃき・サバサバしているから?

医師として、かかりつけ医としての経験と信頼がそうさせたなら大変うれしいことです。

 

名前では男性に間違われますが、見た目で間違われたことはありません。

オバサン院長は、性差を超えて頼りにされる、チャーミングな医師を目指しています。

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2020.11.24 加齢と色覚

先月東京で開催予定の臨床眼科学会はWEBで開催。

約1か月にわたり、14会場4日分の講演を視聴することができます。

 

最近は、高齢化に伴い、人生100年時代に備えるべくの眼科的話題も。

 

一般に『色覚異常』(今は、色の特性ともいう)は、生まれつき網膜(もうまく・目の奥)の視細胞の錐体(すいたい)3種類のうち、どれかがうまく機能していない状態を言います。

世間一般では、赤と緑の区別がつかない、わからないという俗説ですが、実際には、そのような重症型はほとんどありません。

院長も医学を学ぶまで、色覚異常とはそういうものだと思っていました。

小学生の頃に読んだ少女漫画で、ヒロインの好きになった相手が色覚異常(赤と緑を間違う)で結婚をゆるされない…子供に遺伝してしまうから産めない…という悲しい恋のお話を読んだ記憶があります。

その時、初めて色覚異常という言葉を知ったのでした。

医学の勉強をしなければ、いまだに、先入観があるかもしれません。

 

先天性の色覚異常のほとんどの人は、自覚がないまま、支障なく生活しています。

生まれつきで、進行することはありません。

学校の色覚検査をで見つかっても、色の見分け方による注意事項を説明すれば、別段困ることはありません。

また、学校では、誤認識しやすい色の配慮をしてくれます。

ただし、少ないのですが進学制限や職業制限もありますので、自分の特性を知っておくことも大事です。

 

さて、色覚異常は、先天性なので、自分には関係ない…と思う人がほとんどですが、後天的(後から起こる)色覚異常もあります。

網膜や視神経の病気、脳の病気・心因性など、原因は様々です。

病気により起こり、左右眼で程度が違うこと(先天性は両眼同じ)や、自覚があることが後天性の特徴です。

 

白内障も後天性の色覚異常を起こすとして話題になってきています。

加齢性白内障(俗にいう白内障)は特別な病気ではなく、しわと同じように加齢で発症する病気です。

 

白内障が進行してくると、少し黄色味がかったサングラスをかけているように感じます(程度により違いあり)。

また、加齢により、瞳孔が小さくなり、光が入りにくくなるので、若年者より暗く感じます。

スマホの画面の明るさを、院長と息子たちのを比べると歴然。

よくこんな暗い画面で見えるね~と驚き、自身の加齢を感じます。

逆に、息子たちからは、まぶしくないの?と聞かれます。

まだ白内障発症とまではいかないまでも、水晶体(すいしょうたい)の濁りは少しずつですが進んでいることを実感します。

 

気が付かずに、日常生活に支障をきたすようになると要注意です。

例えば、紺と黒の靴下を間違える。

シャツの黄ばみに気付かない。

階段の一番下の境目が(暗くて)分からず、踏み外して転倒。

予防法としては、明るいところで確認する癖を。

階段は、電気を明るくしたり、一番下の段に、目立つテープを貼ると予防になります。

また、ガスの炎の一番先の高熱の部分の青色が見にくくなり、思ったより炎の高さを短く感じ、着火事故につながることもあります。

 

後天性の色覚異常(色の見え方の変化)は、進行します。

原因は様々ですので、色の見え方に変化を感じたら、眼科医にご相談ください。

 

最近、内側が黒布地のバッグは避けるようにしている院長。

狭く暗い空間では、取り出したいものをすぐ出せず、ぐずぐずしてしまいがち。

 

暗い環境・小さな対象物・くすんだ色は間違いを起こしやすくなります。

すべての色覚異常に気を付けるポイントです。

 

が、せっかちなオバサン(院長)も気を付けないといけません。

カテゴリー:眼に関すること

2019.6.11 活性酸素と抗酸化物質

ここ数年、夕食時は、ワインをグラス1杯いただきます。

『今日もお疲れ様!』と自分をねぎらい、赤ワインのポリフェノールで一日の疲れを帳消しに。

あらゆる面でオバサンを自覚し、老化を予防する『抗酸化成分』を、積極的に摂るようになった院長です。

 

眼の病気も、加齢に伴う『白内障』『加齢性黄斑変性症』などは、『酸化』が関与していると言われています。

 

『抗酸化成分』は、活性酸素を除去するのですが、そもそも『活性酸素』とは?

 

生物の身体は、細胞の集まりで出来ています。

その細胞の中に、ミトコンドリアという小器官があります。

呼吸で体内に入った酸素を利用して、生命維持のためのエネルギーを生み出します。

その時に、副産物である『活性酸素』も出します。

 

『活性酸素』は、高い酸化力(例えば鉄錆は酸化で起こります。錆びるイメージ)を持ち、良い働き・悪い働きをします。

良い作用としては、体内に侵入した細菌やウイルスを撃退します。

一方、過剰に発生した『活性酸素』は、細胞膜を破壊したり、DNAを傷つけたりすることで、病気の発症を促進します。

 

とはいうものの、細胞は、『活性酸素』だけでなく、活性酸素から身を守る『抗酸化“酵素”』も同時に産生しています。

食事から摂取できる『抗酸化成分』も『活性酸素』を減らします。

 

若い時は、『活性酸素』と『抗酸化酵素』のバランスが取れています。

肌はツヤツヤ、弾力があります。

病気もめったにしません。

さて、加齢により、『抗酸化酵素』を産生する機能が衰えてくると、『活性酸素』>『抗酸化酵素』となり、老体となり、病気にかかりやすくなります。

 

ずっと昔から、『活性酸素』も『抗酸化酵素』もあったはずですが、近年の解明によって、脚光を浴びるようになりました。

そして現代は、『活性酸素』が発生しやすい環境にあります。

ストレス

紫外線

放射線

加齢

感染

高血糖(食べすぎ)

激しい運動

たばこの煙

化学物質

ブルーライトなどなど。

どれもピンからキリまでですが。

 

院長は眼科医なので、目に特化すると、目は直接光(紫外線や放射線)にさらされることが多いので、『活性酸素』が発生しやすい部位と言えます。

実際、酸化ストレスは、眼の病気の一因であることが明らかにされています。

 

眼科的治療(点眼薬や注射・手術)も行いますが、日々の生活での養生も大事です。

『活性酸素』が発生しやすい環境を極力回避するのも一理です。

また、加齢により、体内で作られる『抗酸化酵素』の量が減るため、意識して『抗酸化成分』を摂ることも一理です。

ポリフェノール・カロテノイド・ビタミンC・ビタミンEなどを食事から摂りましょう。

 

よりしっかり摂るには、サプリメントもあります。

『眼科治療以外で、予防に何かできることは?』と思われる方は、ご相談ください。

眼科では、病気ごとに特化した成分が配合されたサプリメントも扱っています。

 

さて、本日も一日の終わりにグラス一杯のワイン、楽しみです。

 

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2018.7.3 サングラスどう?

某新聞に、保健体育の教員から『授業や運動会に教員のサングラスの着用は、なぜ禁止?』という投稿がありました。

『教師も生徒も、健康面から使用してもいいのでは?』

『教師としてふさわしくない。生徒の細やかな状況が見えない恐れがあるのでは?』

『改善策を話し合って、柔軟な対応が必要ではないか?』

など、最初の投稿に対して新たな投稿が掲載されました。

白内障・紫外線への目の影響の研究第1人者の金沢医科大学教授の見解は『かけた方が良い』。

紫外線の強い沖縄県西表島では、子供でも紫外線による病気(瞼裂斑)を高率に発症しており、現在は2~3割の生徒が、透明なサングラスを着用しているそうです。

 

通常の生活で、多少の紫外線を浴びるくらいなら、眼には問題はありません。

しかし、長時間の紫外線を浴びると、肌と同様、眼も影響を受けます。

茶目(角膜)の横の白目(結膜)が盛り上がる瞼裂斑や、白内障、黄斑変性症などを引き起こす可能性があります。

それらを予防するためには、サングラスはお勧めです。

 

実際、学校や職場で、『サングラス着用を認める』という診断書を書くこともあります。

 

『サングラスの色は濃い方が良いですか?』

よく、患者さんから聞かれます。

色と紫外線カットは、関係ありません。

『紫外線カット率』が問題で、数値が高いほど性能が優れています。

色が濃いからと、紫外線カット機能のない(低い)レンズを使用すると、瞳孔(黒目)が開き、より多くの光(紫外線)を取り込むことになってしまいます。

現在、レンズの色はグレー系・ブラウン系・グリーン系・ブルー系・イエロー系・クリア系(透明)と豊富です。

自分の好みや、肌なじみなどで決めたらよいと思います。

サイズは、出来るだけ大きい方が、紫外線をよりカットします。

 

また、紫外線の量によって、レンズ濃度が変化する『調光レンズ』や、水面・路面・氷雪面からの乱反射(ギラギラ)をカットする『偏光レンズ』もあります。

院長は、ゴルフやランニング時は、スポーツメーカーの偏光レンズを着用しています。

運転時には、少し洒落たサングラスを。

どちらも、眼鏡店で選びました。

紫外線防止対策なら、雑貨店より眼鏡店で、質の良いレンズを購入されることをお勧めします。

度入りレンズの場合は、眼科で処方します。

 

紫外線と目の関係も周知され、屋外活動時のサングラス(紫外線カットメガネ)着用が当たり前になるといいですね。

 

 

 

 

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