2013.12.17      隠す・隠さない

街中で時々眼帯をしている人を見ます。眼科医としての職業的性分ゆえか、眼帯が目に飛び込んでくると、気になって仕方ありません。多くの人は、腫れや充血を気にしてのことのことだと想像しますが、隠されているために症状や原因の想像力も膨らんでしまいます(他の部位も同じですね)。一般に、「結膜炎」や「めんぼ・ものもらい」など細菌やウイルスの感染が原因の病気は、眼帯等で覆わないほうが衛生的です。

ところで、時には、治療の必要から眼鏡をかけて、片眼を隠しているお子さんもいます。まだ上手く視力が出ず、潜在する視機能を引き出す訓練をしているのです。当院の小さな患者さんたちも「海賊ごっこ」などという名目で、時間を決めて遮蔽(アイパッチ)を頑張っています。今までは、普通の絆創膏のようなアイパッチしかありませんでしたが、色違いの洗い替えができる布製のものや、最近では柄や色が選べる絆創膏タイプも発売。医療の分野にもおしゃれが広がってきています。

隠さないといけない場合は隠さないといけませんが、隠さなくても良いことは隠さないでも良い(カミングアウト)時代になってきていますね。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事 眼に関すること

鉄錆ですよ     2013.12.10

日曜日は休日診療所の当番医でした。季節柄、内科小児科の患者さんが多く、眼科は静かに時が過ぎていきました。それでも、自転車で転んで目を打撲したとか、ボールが当たった、急に目をこすったら腫れてきた、などなど、急患らしい患者さんが来院されました。前日何か入っているので救急病院に行ったが取れなかったという患者さん。診察してみると茶目(角膜)に鉄片が刺さっておりすでに錆びていました。「鉄が刺さってますよ」こういうときは、眼科医の腕の見せ所。茶目(角膜)は中央は0.5ミリ周辺部でも0.7ミリの厚さ。顕微鏡下、慎重さが要求されます。麻酔の点眼をして特殊な針でガリガリガリガリ、錆をきちんととることが大切。最後はドリルで仕上げることも。鉄片も錆もきれいに取ることができ、眼帯をして帰ってもらいました。日常の診療とは違う、たぶん2度と会わない患者さんとの出会いの休日診療です。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2013.12.3   花壇を楽しんで

今年も残すところ1か月となりました。12月は当院の花壇が一番輝くとき。クリスマス仕様に様変わりします。今年はオレンジのリボンが主流のちょっと大人の雰囲気です。来院された患者さんの目の保養になれば、という当院からの「お・も・て・な・し」です。おもてなし=ホスピタリティですが、この語源と同じに病院=ホスピタル、ホテルがあるそうです。ハード面だけでなく、ソフト面でおもてなし(明るい笑顔、丁寧な診療)を日々心がけ、毎朝の朝礼では、スタッフが気づいて改善できることは「今でしょ」と報告しています。患者さんが当院に来られて笑顔になって帰られることが、わたしたちへのプレゼントだと思っています。笑顔こそ「倍返し」で投げかけたいものです。

カテゴリー:クリニックに関すること

2013.11.26      「軽い」胃炎

院長にとって晩秋の定例行事?は人間ドック。今年も受けてきました。「ドックで何か見つかったら嫌だから受けない」という知人もいますが、何かあるなら早く見つかったほうがいいと思っています。いつものように尿検査、身長体重から採血、心電図などなど。最後の関門は胃カメラです。以前バリウムを飲んで造影検査をした後に大変苦しい思いをしたので、その代わりに胃カメラを受けています。これはこれで、最初の麻酔のゼリーから始まり、ファイバーを飲み込む時などとても苦しいのですが、喉元過ぎれば…で検査終了。バリウムに比べて後に引かないのが長所です(個人差があります)。さて、例年「軽い胃炎がありますね」「どうすれば?」「刺激物とストレスに気をつければいいですよ」良いのか悪いのか。でもそれ以上の検査も薬も必要ないなら、それほど気にすることもない定例の口上だと受け取ることにしました。それにしても「軽い」結膜炎「軽い」近視などなど、ふだん院長も軽く「軽い」を連発しているような。深刻なら「軽い」って言わないですから安心してください。ただしアドバイスは守ってくださいね。

カテゴリー:公センセの日常の出来事

2013.11.19         探検ウォーキング

好天の日曜日、伊賀上野で旅行会社企画の謎解きマチ探検に参加してきました。伊賀上野の城下町をキーワードを探し散策、散策。ヒントが書いてあるので、地図を見ながらあっちへこっちへ。キーワードを4つ書き並べると一文になり、それを頼りにまた別の場所で情報を入手。これを何度か繰り返し、忍者文字も解読(ヒントあり)し、やっとのことで答えをゲット。その間3時間弱。童心に帰り、町をあちこちと歩き良い運動になりました。忍者の格好をした子供たちを見て、10年ほど前に家族そろって来たことを懐かしく思い出しました。その時はお城と忍者屋敷だけでしたが、今回散策をしてみて、城下町も風情があってよいと新発見。謎解きのご褒美(景品)は、かた焼きせんべい1枚。大垣のみそせんべいに勝る硬さ(お土産用には木槌つき)ですが美味しかったです。楽しみながらのウォーキング。企画ものお勧めです。

カテゴリー:公センセの日常の出来事

2013.11.12   その方法でいいんです

「この前、目薬点した後に目がしらを押さえとったら、友達に『おかしなことしとるねぇ』て言われたんだけど、本当に私おかしなことしとるんかねぇ?」と60代Oさん。目薬を点眼した後は、目がしら(涙の通り道)を押さえ、5分ほど(なかなか5分は長いですが)目を閉じましょう。治療効果を高める方法です。なぜ、目がしらを押さえるかというと、まずは、目薬が涙の通り道を通って流れてしまわず目に効くようにするため。点して苦い目薬などもありますが、押さえることで避けられます。また、押さえることで涙点から鼻涙管(鼻に通じる管)を介して全身へ行き、副作用の原因となるのを回避できます。点してすぐのまばたきも、目薬を排出させてしまうのでよくありません。Oさん、それでいいんです。それにしても、60代ともなれば、人前で点眼、内服などおもむろに出して自分の病気をオープンにしてしまうのでしょうか?前回の病気自慢といい…まだ未知なる世界です。


カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2013.11.5        病気自慢

ひとまわり年上の友人が同窓会に出席した時のこと。「病気自慢しよう」の呼び掛けに出て来る、出てくる。「胃癌ってつい最近言われて」と始まれば、「私は○年前に乳癌で手術したわ」「私は胃癌で胃をとったわ」「私は子宮癌で子宮とったわ」「ヘルニアでコルセット無しでは歩けないの」などなど、次々に病気の既往が出てきたそうです。一巡して言い出しっぺの人には安堵の表情が。自分だけがと思い詰めて気持ちが、他の人も色々あることを知ったことで受け入れられたのでは、と友人。診察の場で、治療に苦慮する病気や治らない病気を診断することもありますが、患者さんが病気を受け入れられるようケアするのもこれからの時代求められることだと思います。それでも界隈で病気自慢談義は弾むでしょうが。院長自身も最近友人知人との別れの言葉は「健康に気をつけようね」が定番になってきました。そのうち病気自慢も話題に上る日が…?

カテゴリー:公センセの日常の出来事

2013.10.28    Happy eye アプリ

スマートフォンに替えて約2年、当初は目新しくて毎日触っていました。教えてもらったり、気になるアプリをダウンロード。無料だからとあれこれ入れていたら、たまる一方です。実際よく使うアプリは3つくらい。たまりっぱなしのアプリを消去しました。いつか使うかも…はそれこそまたその機会にダウンロードすればよいことだし。と言っていたら、また新しいアプリを見つけました。緑内障患者さん用の点眼お知らせや緑内障豆知識クイズ(スタッフがトライしたところ全問正解でした)、緑内障の見え方体験などもあります。アラームが鳴らなくてもきちんと点眼の習慣化している患者さんは多いはずですが、緑内障診断後1カ月で40%が治療中断しているというデータもあります。毎日点眼を続けることが大切です。iPhone専用のアプリですが、「Happy eye」でダウンロードしてみてください。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2013.10.15    待合室の薔薇

先週は岡山で開催のロービジョン学会に参加してきました。この学会では、眼科医だけでなくコメディカル(眼科に関わる医療従事者)や教育関係者、視覚障がい者も多数参加されています。視覚からの情報が80%と言われる中で、残った視覚、もしくは視覚以外の感覚を生かしてよりよい生活を目指す手助けになる方法、手段を考えていきます。患者さんの何か不安なことに耳を傾けることからロービジョンは始まります。

岡山と言えば、思いだされるのが研修医の頃担当していたYさんです。遠く岡山から来院され、奥様も近くのホテルで宿泊され中睦まじいご夫婦でした。緑内障により視力・視野もずいぶん悪くなり、何回かの手術でも回復まではいかなかったのですが、当時は、ロービジョンという言葉も頭になく、ただただ眼圧を測ってお話をするだけでした。研修医の私に会うのをとても楽しみにしてくださり、それだけが少しお役に立てたことです。そして美術教師だったYさんが「見えていたときに描いたものだけど」とくださったのが、待合室に飾ってある薔薇の絵です。薔薇の絵を見るたび「初心忘れず」と戒めるとともに、今は亡きYさんのお顔が浮かびます。

カテゴリー:公センセの日常の出来事

2013.10.8     散瞳(さんどう)検査をうけてみる

当院のクリニックの花壇もコスモスが咲き乱れ、金木犀の香りとともに秋を感じさせてくれます。

さて、以前から明るいところでミジンコのようなものが見えていた院長。「虫が飛んでいるみたい」「細かい糸くずが見える」などと来院される患者さんは多く、そのたびに茶目(瞳孔)を薬で大きく(散瞳)して眼の奥(眼底)をぐるりと観察します。心配ないもの(老化とか)がほとんどですが、中には網膜剥離や眼底出血など病変がある場合も。近視も強いし放置は医者の不養生ともなりかねないので、意を決して某病院へ。「上を向いて、右上、右…」と360度観察。これがひどくまぶしいのですが、ふだんは自分が診察している身ゆえ、指示どおりにするのも医師にとって優良患者。眼つぶしのような光のシャワーが終わり「心配ないよ」にやれやれでした。帰路、天気の良い日だけにまぶしさは最高潮。通常は、明るい所では瞳が絞られまぶしさを軽減させますが、薬の作用で絞りが働かずまぶしいまま。せっかくの休診日、楽しみにしていたデパートの大北海道展もスルーして帰ることに。時々瞳孔を大きくする検査(散瞳検査)をした後、平気で車で帰ったという強者の患者さんがおられますが、検査後の運転は絶対しないでくださいね。貴重な散瞳体験でした。

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること
  • カテゴリー

  • 最近のエントリー

  • カレンダー

    2025年5月
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031  
  • アーカイブ

  • タグ

先頭に戻る