2013.4.2 突然見えなくなった

まとまった時間が取れたので、気になっていた映画を見に行きました。久しぶりの巨大スクリーンに釘付け。ハラハラドキドキこの先は…と突然視界がぼやけてしまいました。前方も周囲も見えない!一瞬何が起こったのかわからない状況で、何かが頬に付いている感覚に、そっと触ってみるとコンタクトレンズがはらり。画面をじっと見つめすぎて目の表面が乾き過ぎ、ソフトコンタクトレンズがポロリと両眼同時に外れてしまったようです。使い捨てのコンタクトレンズは、外れてしまえば形状が変わり再使用は出来ません。常備しているはずの眼鏡、眼鏡…とカバンの中をまさぐるものの、見つかりません。その日に限ってバッグを取り替えたため入れ忘れていました。もう、映画どころではありません。英語のセリフだけが響き画面が見えない状態を1時間半続けるのは…。とにかく退出せねば…と手探りで階段を下り出口へ。途中何回か転び、ようやく劇場外へ。それでも比較的強度の近視眼の院長は、どこに何があり、何が書いてあるのか見えず、係りの人に手を引いてもらう始末。助けられながら、無事家にたどり着きましたが、何しに行ったやらという日でした。いつも鮮明に見えている状態で、前兆なく突然見えなくなると、パニックに陥ること。見えない不安と不便。非常に貴重な体験と思いたいです。何時でもコンタクトレンズの予備(最近はスマートな携帯用もあり)や眼鏡は常備しましょうね。

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2013.3.27 ちょっと仙台まで

東北大学でロービジョン(目の不自由な方のための)外来を見学、担当医からお話を聞く機会があり仙台へ。「今の状態から少しでも見えるようにする(病状に特化したメガネを処方したり、残っている視野を使って見る訓練)こと。そして今後の病気の進展を予測し将来を見据えたアドバイスをすること。眼科医だからこそ出来ることです。」仙台には「NPOアイサポート仙台」という目の不自由な方とその家族を支援する団体がありそちらも見学してきました。このNPOはもともとは仙台市が視覚障害者のための支援に取り組み、その結果派生した団体なので、行政(福祉)・眼科医療・教育などの連携がとても密接です。名古屋市にはまだそのシステムが確立されていないので、いつかは眼科医として達成したい目標です。

高校以来続く文通相手にも再会。震災前に購入した自宅マンションを訪問。「マンションも大揺れ。新幹線の線路が曲がっていてねー。はるか向こうの茶色の更地は津波が来たところ」などと説明を受けると、まったく平時の仙台に見えましたが、体験者にとっては激動の2年だったのだと実感。震災後すぐに飛んでいけなかったので、元気な姿を確認し感激も一塩でした。帰りの空港では、最終登乗ギリギリでアナウンスされるという始末。小さな飛行機だったので飛行機待機場までダッシュ。日頃のランニングが役に立ち定刻通り出発となりました。最初から最後まで駆け足の「ちょっと仙台」でした。

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2013.3.19 目を取り出して…

連日「本日の花粉予報」は「非常に多い」。患者さんも「かゆい」「ショボショボする」「目をグリグリしてしまう」(挙句、ひどく充血したり腫れたり)など。院長も「そうそう、わかるわかる」と共感しながら診察。アレルギーの点眼にも、作用の仕方、強弱、さし心地など色々あるので、患者さんの状態や性格(これもポイント)を診ながら処方しています。それでも改善がない場合は、ステロイド点眼を処方することも。正しく使用すればよく効きますが、眼圧が上がったりする副作用もあるので、眼科医の管理下限定で使用の目薬です。そして用法を守りましょう。飲み薬を効かないからといって何回も飲まないのと同様に。「目を取り出して洗いたい」ほどの訴えに花粉症発症以前の院長は?でしたが、花粉症患者でもある現在は、その気持ちわかります。目は取り出して洗えませんが、人工涙液を1.2滴入れ目の中の花粉や汚れを流すのは一案です。水道水は涙の大切な成分まで流してしまうので、緊急時(目に何か入った時など)以外の洗眼はお勧めできません。

さて、「目を取り出す」正確には「眼球摘出」ですが、検眼希望の方が亡くなられた時、ご遺体から眼を取り出すのは、当時眼科研修医の仕事でした。夜中、たった一人で山深い町村へ出向き、迅速に大切な眼球をご遺体からいただき、クーラーボックスを抱え帰路に。その後角膜移植が行われ、誰かにその光は受け継がれるのでした。

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2013.3.12 マラソン再び  そして花粉症

数日前から気温も一気に上昇。アレルギー性結膜炎の患者さんも一気に増加です。

昨夏思い立ってランニングを始め、怪我に泣きつつ半年弱で初フルマラソン完走。ゴール時はこれで走ることから開放される!とホッ。しかし記念ランになることもなく、その後ランニングは生活に欠かせないスポーツとなった院長です。3月10日第2回名古屋ウイメンズに再びエントリー。この1年は、体験本は卒業して、スポーツ医学も勉強し、こつこつ自主トレーニング。花粉症であろうともマスクをつけての練習は実を結び、苦しいだけの前回と違い、楽しさも感じた大会でした。他ランナーのカラフルなウエアを見比べたり、Tシャツから出身地を想像したり。沿道の応援にも少しは応えたり。視覚障害ランナーも何人か見かけました。視覚障害者の伴走者、救護のゼッケンをつけた走るドクターを横目に、今は自分が走ることだけで精一杯ですが、いつかそういう余裕ができたらとも思いました。

フィニッシュの後は…一日中スギ花粉に暴露したため、かゆみと涙でコンタクトレンズは曇り、くしゃみの連発。鼻水もズルズル。イケメンのタキシード隊から完走記念品を受け取ったのに、顔ぐしゃぐしゃでは「美ジョガー(女性ランナーの別称:美女とジョガーの造語)」どころではありません。

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2013.3.5     バリアフリー絵本

3月4日付の某新聞に「点字つき絵本」の紹介がありました。点字だけでなく、絵の部分にも凹凸があるそうです。「さわやかめいろ」「ノンタン じどうしゃぶっぶー」「こぐまちゃんとどうぶつえん」(懐かしい!)が今年2月に刊行されました。健常者は視覚から大部分を経験し、記憶します。最初から見た事がないものをどうやって記憶するのかは、とても難しいことだと思います。生まれつき全盲の青年のテープ起こし作業を見せてもらった時のこと。あまりにも音声パソコンでの変換が早くて驚きました。例えば、「はせがわ」→「長谷川」と変換するとき、「長い谷の川」と音で確認して変換終了。しかしこちらの羨望の眼差しが見えるかのように、「僕は、谷も川も見たことがないし、ましてや漢字を見たことがなかったので、ここまで出来るようになるには大変でした」と。視覚以外の感覚とそこから得た記憶をフル稼働しての結果です。健常者の目隠し体験は、既に見えていたものを記憶していての手探りにすぎません。見えない子も見える子も、子供も大人も共有していけるバリアフリー絵本。触覚で絵本を楽しんではいかがでしょう。

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2013.2.26 初・つけまつける

「目を大きく見せよう」「目力アップ」の宣伝とともに増えてきたと感じるのは、まぶた、まつげのトラブルです。アイプチだけでなく、マスカラ、まつげパーマ、エクステ(自まつげに人工まつげを接着させる増毛)、つけま(つけまつげの略)など。「パーマ」や「エクステ」では、薬液が目に入ったりアレルギー反応を起こしたりで、茶目(角膜)に傷が出来ることも。そんな場合は激痛を伴って涙・涙で来院です。「アイプチ」や「つけま」は瞼の荒れや腫れ。「マスカラ」はダマが入ってゴロゴロしたり、脂肪腺を塞いでばい菌が入ったり。当初は「エクステ?」「つけま?」と言葉も知らない院長でしたが、この手のトラブルも経験を積み、「治療と指導」にあたっています。

そして…「いつかは体験せねば」と、ついに「つけま」にトライしました。スタッフお勧めのデザイン(毛の長さや並び)。接着剤は天然ゴム由来で。見るとやるとでは大違い。説明書を読み、ネット動画で確認、スタッフのアドバイスの下、「付けたり、取ったり」。これが意外にも大変難しいのです。世の女性たちのあの完璧さはどこから?まつげに付いた接着剤は頭ジラミの卵のように思いつつ(以前は時々診ました)十数回練習。少しは上手くなりましたが、集中したせいか、目は疲れるし肩は凝るし、少しばかりまぶたが痒いような…「いけない、しなくていいことまで経験しそう…」パッチリ目は魅力的ですが「一回やればいいわ」というのが正直な感想。頭の中は「つけまつける♫」の歌が流れっ放し。今後の診療にまた一つお役に立てれば。

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2013.2.19     まだ現役?

スギ花粉飛散開始というものの、先週末からの寒さに飛ぶものも飛ばず…です。先週末はロービジョンの勉強会に参加してきました。ロービジョンケアにおいては、眼科医療だけで完結(治る、終了)できるものではなく、医療と福祉、教育、行政とのつながりが強いため、多方面の知識がより必要に思われます。今回は障害者総合支援法の改訂や学習障害対応など…。勉強会の後は、懇親会。熱い意見交換で大いに盛り上がりました。医師の世界は、60代現役は当たり前、その先もエンドレスのようです。まだまだ若い部類に入る院長は、もっともっと勉強せねば、と会を後にしました。ホテルにチェックインしたのは午後10時半過ぎ。ふだんは朝食、部活のお弁当と日曜日でもゆっくりできませんが、大いに朝寝坊、上げ膳据え膳。

チェックアウト後、強風に耐えかね、タクシーで最寄の駅まで。「お泊りゆっくりできましたか?女の人は、家だとやることたくさんありますからね~」と年配の運転手さん。「ええ、ご褒美ということで。明日からまた仕事頑張ります!」「えっ!お客さん、まだ現役ですか?」と意外そうな一言。これは何を意味するのか、気になってしまいました。上京スタイルで乗車したので「有閑マダム」かと思いきや、実は「お局様」だった!?この年格好なら「ハイソな奥様」か「おひとりさま」というのが、一般的な分類なのでしょうか。

 

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2013.2.12     きれいに撮ってます

まだ少ないとはいえ、スギ花粉が飛び始めましたね。点眼、点鼻、内服等まだ今からでも遅くないですので、ぜひ対策を。症状が出てからよりは、ひどくなるのを抑えます。スギ花粉症の院長は、現在まで欠かすことなく(かなり意識して)100%!の服用率です。だんだん春らしくなるのは嬉しい反面、花粉症のことを考えると、家の中で過ごす時間が多くなってきます。新聞をゆっくり…日曜日の某新聞の短歌のコーナー。短歌は詠むことはできませんが、読むことは好きです。「春が来て 喜び踊る 花粉たち 私の身体 ステージにして」たぶん花粉症患者さんの歌。花粉をそのように捉える意外性。秀歌ですが、想像すると、ムズムズしそうなのは、自身が花粉に強い嫌悪感があるからでしょう。

さて、当院では、患者さんへご自身の眼の状態を説明するために、デジタル撮影をすることがあります。「写真撮りますね」と言ったら、「きれいに撮ってちょーね」と患者さん。顔と間違えてる?「これぞ、いかにもアレルギー性結膜炎」の所見。お示しすると、「何これ、気持ち悪ぅー」と反応。医学的には、バッチリ綺麗に撮れているはずなのですが。

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2013.2.5       母娘4代

「赤ちゃん診てもらえますか?」と問い合わせがあります。目であれば、0歳から何歳まででも診察いたします。先日、生後数ヶ月の赤ちゃんが来院。中学生の時からの患者さんであるYちゃんは、もうママに。Yちゃんのお母さんTさんも患者さん、初診時は40代。「月日が経つのは早いですね」と感慨もひとしお。そして、お母さんのお母さん、Yちゃんのおばあちゃんも患者さんです。お母さんとおばあちゃんは、姓が違い、また別々に来院されていたので、母娘とは数年間気が付きませんでしたが、ある時の診察室での話から、T家の家系がすっと繋がりました。母娘4代の診察の機会を得たことは、まだ中堅の部類に入る開業医にとってはとても嬉しいことです。AさんとBさんは親子で、BさんとDさんは兄弟姉妹で、AさんとEさんはご夫婦で、AさんとFさんは知り合いで…などなど、院長の頭のカルテには、患者さんたちの家系図や繋がり、エピソードが沢山です。

さて、息子たちの学校、交友関係もしっかり把握できそうなものですが、なかなかそうはいきません。それぞれの組も担任も友人もうろ覚えのため、しばしば混同。患者さんに対するより、わが子への関心が低いのか…母親としてはいい加減ですね。

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2013.1.29     そろそろ花粉症…

今年の花粉飛散は例年より多いと環境省の報告。飛散開始予想は2月中旬ですので、そろそろ予防対策を。先週から、「少しムズムズして」と毎年のスギ花粉症の患者さんがちらほら来院されます。「スギ花粉まだ、飛んでませんけどね~。予防薬は使いましょう。」と、自身も花粉症の院長。少しだけ春めいた先週木曜日、木々の芽の膨らみも感じながらランニング。その晩、いきなりひどい鼻水、くしゃみ。「生体の勘・反応は、あなどれず」。スギ花粉症を発症してまだ数年、2年前のスギ当たり年にひどく苦しんだ状況がよみがえります。早速、内服、点鼻、点眼開始。今回は、点鼻薬の説明書もしっかりと読み直し、適切な噴霧法を学習。用法に従っているせいか、また気温の低い日々が続いているせいか、現在のところ、快調です。花粉症対策のマスク、コート、眼鏡などの新製品も続々。試してみる価値はありそうです。これからの季節、院長もマスク仕様でランニング。息苦しいも、トレーニングと思って我慢、我慢。「そうまでして、走らないといけないの?」って言われそうですが。

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