2020.3.31 ハリネズミかイノシシか

食器の展示や売り場を見るのが好きな院長です。

子供たちが小さい頃は、童話や戦闘物のキャラクター柄もありましたが、子供の成長とリフォームを機に処分。

今は、大部分が白の洋食器、オープンストック(いつでも単品から買足しが出来るロングセラーシリーズ)で統一されています。

美的センスに乏しいので、白は何にでも合って、盛り付けに手間取りません。

食洗器にかけられることも、時短家事の最優先事項。

和食器・漆器の出番は、手洗いを考えると、心に余裕のある時に…となります。

 

先日、近くのお店の食器売り場を散策。

目に付いたのは、横向きのイノシシ柄の小皿と小鉢。

白地に紺の線で小さなイノシシが3種類、柄になって描かれています。

紺の線で描かれたイノシシ、紺で塗られて中に白抜きのあるイノシシ、輪郭の中全て紺の縦線で塗りつぶされているイノシシ。

院長は、好きな動物(飼いたいとは思わない)が数種類あり、そのうちの一つがイノシシです。

すぐ隣にブタがあったのですが、全く心惹かれず。

 

食器を買う時は、慎重になる院長ですが、値段がとても手頃だったのと、サイズが小さく(直径10センチほど)スペースを取らないと判断。

チョコやクッキーを入れるおやつ用にぴったりだわ、と購入。

 

さて、家に帰って、小皿と小鉢を洗おうとして、裏を見ると『ハリネズミ』と書いた小さなシールが。

『?』

財布からレシートを出してみると、『プレート(ハリネズミ)』『ボウル(ハリネズミ)』の印字が。

『これって、ハリネズミだったの!?』

 

家人に買ってきた小皿と小鉢を見せます。

『この動物、何だと思う?』

『イノシシでしょ?何で?』

かくかくしかじか…

『まあいいじゃん!イノシシに見えるんだし…』

 

後日、もう一度、そのお店に行って、店員さんに尋ねます。

『これって、何の動物でしょうか?』

『少々お待ちください。(皿をひっくり返して)ハリネズミですね』

『そうですか…』(それはずるい~)

 

家人のみならず、もう少し広げて確認します。

『何に見える?』

『イノシシ』

『違うの。ハリネズミなんだって』

『え~!?そうなんですか!?』

 

院長周囲は、イノシシ派が圧倒的(10人中8人)。

ハリネズミと答えた2人にびっくりです。

今回購入したハリネズミがイノシシに見えるのを院長独断検証。

イラストのハリネズミの針が楔形で針を連想しにくい(イノシシの毛並みに見える)。

白地に描かれたハリネズミは、針部分(胴体)と頭部分の境がなかった(よくよく見ると、紺地の方は境目があるようにも見えるが)。

前足・後ろ足の幅が広く描かれ、走っているように見えるので、ハリネズミのちょこちょこした感じより猪突猛進のイノシシをイメージしてしまう。

 

いずれにしろ、食器のイラストレーターはハリネズミを描き、購入者(院長)はイノシシと信じて購入。

気付かなければイノシシのまま。

それでも、使う度に、ハリネズミVSイノシシと柄を見てしまう院長です。

 

描いた人と見る人の捉え方の違い…

 

そういえば…当院のマスコットキャラクター『あんこうちゃん』も。

看板にも診察券にも、描かれているアレです。

当初『くじら』のマークとよく言われました。

『違うんです、あんこうです。ちょうちん(イラストでは☆)が付いていますよ』

『でも、海の上に浮かんでいますよね~』

『ハイハイ、確かに』

 

院長小学6年生時の自作のイラストです。

当時、芸能人のサインを真似て、自分のサインを描くのが流行り、その一環で、自分のマスコットキャラクターを作ったような…(その後、一度もサインする機会はありませんが)。

卒業文集の裏表紙のカットに採用されました。

『あんこうちゃん』はその頃から、進化成長せず今に至ります。

突っ込みどころ満載ですが、これも見方は自由です。

ハリネズミのこと、言えません。

 

自分にとっては、イノシシの小皿と小鉢。

おやつタイムに大いに活用したいと思います。

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カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事

2020.3.24  MCIって?

先日、『名古屋市もの忘れ検診』について告知したところ、検診を受けられる方が増えています。

当院まで、ほぼ自力で通院。

受付後、視力検査をし、時には視野検査や画像検査もしてから診察。

この間、必要事項だけでなく、何気ない会話が成立している眼科の患者さんは、しっかりされている方が多いように思われます。

 

『もの忘れ検診』のパンフレットを見せると…

『うん、うん。気になってたのよね~最近、良く忘れるし』

『大丈夫だと思うけど、受けて、確認してみようかな~』

『私より、お父さん(夫)の方が心配なのよね~』などなど、様々な反応がありますが、概して検診意欲あり。

もちろん、なかには『結構です!大丈夫です!』ときっぱりと拒否、もしくは『そのうちに…』との先延ばしの返事もありです。

 

難しいことは何もなく、簡単な質問に答えていくだけです。

同居家族の方が、医療者より検診を受けられる方のことを良く知っていることが多いので、夫婦・家族などで質問に答えることも有意義です。

 

『今いるところはどこですか?』

『はせこうさん』(はせ川こうクリニックは結構短縮で呼ばれています。院長を示す場合もあり)

『緑区兵庫』(近所だと地名までわかります)

名古屋市。日本。地球。など、どれも正解です。

 

『一人で買い物出来ますか?』

『いつも嫁さんが買い物してくるから、一人で買い物なんかしたことないな』こういう答えもあります。

 

『入浴は一人で出来ますか?』

『当たり前じゃない。誰かと一緒なんて、お父さん(夫)とでも嫌だわ~』

 

想像を超えた返答が他にも多々…

 

生活に関する質問は、検者や配偶者・家族との関係も垣間見えて、更に世間話的に広がりが出ます(検診後)。

そういった一連の検査結果を集計し、判定します。

 

『認知症の低下は認めない』

『認知機能低下の可能性あり』

『認知機能低下がある』

 

いずれかの結果を伝えます。

『検診受ける前は、ドキドキだったわ~』

少しでも認知機能低下がみられれば、精密検査を推奨します。

 

積極的に検診を受けられる方、80歳近くになっても仕事を持っておられる方は『認めない』傾向にあります(当院調)。

 

『もし認知症だったら怖いから、受けない』と乗り気でない方があります。

実は、いきなり『認知症』になるのではなく、その手前には『MCI:Mild Cognitive Impariment 軽度認知障害』が存在します。

正常な状態と認知症の中間です。

 

アルツハイマー型認知症の原因物質アミロイドベータは、アルツハイマー型認知症を発症する20年位前から蓄積されていると言われています。

MCI(軽度認知障害)の段階でも、脳内にはかなりのアミロイドベータが蓄積しています。

しかし、MCI(軽度認知障害)の時点で早期発見することで、適切な対策や治療で発症を遅らせられる可能性があります。

そのためMCI(軽度認知障害)の早期発見が重要なのです。

 

これは、緑内障でも言えます。(←話は飛びますが、眼科専門医からのメッセージ)

患者さんが、見え方の異常を自覚して来院された時には、中期から末期になっていることがほとんどです。

他の理由で来院されても、リスクや怪しいサインがあれば、緑内障の精密検査を勧めます。

緑内障の前段階の『前視野緑内障』の病態も、注目されています。

40歳過ぎたら、緑内障(前視野緑内障)に注意!

 

早期発見すれば早期治療が可能です。

気軽に検診受けてみませんか。

 

こちらもご覧ください

名古屋市もの忘れ検診

カテゴリー:眼に関すること

2020.3.17 全盲デュオの演奏会

全盲二人組による小さなコンサートを聴いてきました。

主催は愛知県保険医協会女性医師・歯科医師の会。

 

バイオリンは29歳の稲葉さん。

バイオリンは5歳から。

 

ピアノは37歳の国枝さん。

ピアノは7歳から。

 

二人とも『未熟児網膜症』により失明したそうです。

 

『未熟児網膜症』とは…

網膜血管(目の奥の血管)は胎齢30週で完成するのですが、未熟児で生まれて、母体から外界へと環境が急変すると、まだ若い(弱い)血管が異常に増えて、悪さをします。

治療をしても、場合により網膜剥離を起こします。

周産期医療の進歩で、超低体重児も生存率が向上していますが、重症の網膜症も増えています。

現在、小児の失明原因の1位です。

 

そして、二人は『就労継続支援B型』施設からの派遣です。

 

『就労継続支援B型』は…

年齢、体力などの面で、雇用契約を結んで働くことが困難な人が、軽作業などの就労訓練を行うことが出来る福祉サービスです。

受給者証が発行されると、作業により生産された製品やサービスの出来高に応じて工賃が支払われます(事業所による)。

得意なことを就労に生かせないか…と考えていたところ、二人の得意分野の音楽に目を付け『DUO ABBEY』というデュオを結成したそう。

 

『メヌエット』『ユーモレスク』からアラジンの主題歌『ホールニューワールド』など、全12曲。

 

稲葉さんのこだわりのせいか、バイオリンの絃の調整で、開始が遅れたり、中断することもありましたが、それは想定内のようで、ピアノの前で、稲葉さんの声がかかるまでじっと待っていた国枝さん。

バイオリン側のステップ2回が曲の開始の合図です。

 

最前席の院長は、二人の表情、指の動きをじっと見ていました。

ピアノを弾く指は、何回も鍵盤から離れるのに、一度も間違えずに指は動き、曲が続きます。

弓を弾く位置、弦を押さえる位置も、ぶれたりしません。

 

点字用の楽譜はほとんどないそうです。

音楽を聴いて、それを自分で音階にして、楽器で再現。

曲は自分の耳だけで暗記して演奏します。

盲人は、他の感覚、特に聴覚は大変発達・鋭敏になると言われていますが、さらに、優れた音楽的才能があるからこそ、成せる技です。

また、一人で弾くだけでなく、相手と合わせるのは、より難しいことだと思います。

 

目を閉じて聞いていれば、目の見えない人達が奏でているとは想像もできない、心に響く素晴らしい演奏でした。

 

障害を持っていても、持っていなくても、人の価値は変わりません。

 

それぞれの出来ること・得意なことを発揮できる社会に。

 

『DUO ABBEY』の活躍を期待します。

 

良い音楽を聴き、心落ち着かせた院長でした。

ふだん『動』が多めの院長ですが『静』の時間も大切にしたいです。

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2020.3.10 スワンがネズミ

東京の勉強会が終了、会場を後にする時にふと浮かんだのは『シュークリーム』

その時、浮かんだA店のシュークリームは、はるか昔の憧憬から呼び起こされたもの。

 

スマホを検索して、場所を確認。

会場から東京駅のほぼ直線上にありました。

電話をすると…出ない。

もう一度電話しても出ない…。

不定休とあるから、休業日?

でも、日曜だし?(普通、ケーキ屋さんって日曜日営業だよね?)

3度目の正直でかけ直すと、長い呼び出し音の後に受信。

『あの~スワンのシュークリームありますか?』

『あと、一つだけあります』

『予約したいのですが。スワンのシュークリームひとつだけ。今○○(地名)なので、すぐ向かいます』

 

スワンのシュークリームは、名の通り、スワン(白鳥)の形をしたシュークリームです。

お菓子作りに夢中になった院長10代の頃に、雑誌で紹介されていたシュークリーム。

『東京』のA店の気品あふれる『スワンのシュークリーム』の写真は、その当時、田舎の小娘にとっては非常に憧れのお菓子として目に焼き付いたのでした。

自分で何回か作ったシュークリームは、素人ゆえの技量のせいか、野暮ったいものでした。

 

会場から地下鉄を乗り換え、探していたのでは、時間が読めません。

この際、タクシーに乗って、住所を伝えます。

お店の前で停車してもらい、はやる心でお店に入ります。

先客が一人、会計中。

『先ほど、お電話した、スワンのシュークリームの長谷川です』

あれ?ショーケースにスワンが一羽。

これは、他のお客さんの予約用?

店員さんは、もう閉じられた箱を持ってきて『会計お願いします』

電話で値段は聞かなかったけれど、ひとつ450円(税別)。

お高い!?が、これって東京価格?

 

さて、ウキウキで新幹線に乗り込みます。

列車が動き出してから、ホットコーヒーとともに、ティータイム。

忘れていたのに、急に思い出して何十年前に憧れたお菓子とご対面!

箱を開けると…

ネズミの形をしたシュークリームが!

『えっ?何?』

呆気にとられるって、こういうこと!?

 

頂点に達した期待が、奈落の底へ。

 

店員が、スワンとネズミを間違えて?箱に入れてしまい、間違いのまま客(院長)の手に渡ってしまいました。

一般的に、ケーキ屋さんでは、客に購入予定のケーキを見せて『○○ケーキ〇個、○○ケーキ〇個…以上でよろしいでしょうか?』と確認させるのに、このお店ではありませんでした。

もう新幹線の車中。

今更、返品交換にも行けないし。

スワン・スワン・スワン…と思って食べよう!

でも、ネズミがスワンになりません。

 

外見も中身も違います。

美味しいには違いないけれど…

 

東京出張最後のお楽しみだったのに…

しばらく根に持ちそうな、残念なティータイムでした。

カテゴリー:公センセの日常の出来事

2020.3.3 障がい者スポーツ医

今年はオリンピックの年です。

そして…パラリンピックの年!

障害を持っても、尚、各種スポーツで頂点を目指すスポーツマンの祭典です。

 

『健康スポーツ医』

『視覚障がい者用補装具適合判定医』を持つ院長。

この流れから、次なるものは…と、『障がい者スポーツ医』の資格取得の講習会を受けてきました。

 

『障がい者スポーツ医』は、障がい者のスポーツ・レクリエーション活動に必要な医学的管理・指導・支援する立場にあります。

パラリンピック競技チームの帯同に必要な資格でもあります。

また、全国障がい者スポーツ大会の帯同も。

 

『障がい者スポーツ』と言っても、障がいの部位によって特性も大きく違います。

 

全国障がい者スポーツ大会では…

身体障がい・知的障がい・精神障がいに大きく区分されています。

さらに、身体障がいは、肢体不自由・視覚障がい・聴覚障がい・内部障がい(呼吸器・心臓・消化器・腎臓など内科系)に区分されています。

各障がいごとに、その原因や病態・スポーツをするにあたっての医学的特性や留意すべき点などを、学びました。

自分の専門科目については、かなり熟知していますが、それでもスポーツ指導となると大変難しい…

専門外の科目については、はるか昔の学生時代の上書き保存。

連日ハードなカリキュラムでしたが、非常に新鮮でした。

 

『ゴールボール』と『車椅子バスケ』の体験実習もありました。

 

『ゴールボール』は視覚障がい者のスポーツです。

アイシェード(目隠しのゴーグル)をして、音の出るボールを転がし、ゴールを狙います。

1チーム3名制です。

指導してくれる選手たちの自己紹介では、『生まれつき見えなくて…』『〇歳くらいで見えなくなって…今は、視野がこんな感じです』など多様な症状。

話を聞いて、きっとこの病気なのだ…と推測できるのは眼科医ならでは。

ゴールボールは、昨年の眼科学会での体験があるので、要領はわかるものの、真っ暗の世界は不安でいっぱい。

相手への声掛け、自分がどう行動するかなど、声での意思疎通のみになります。

 

『車椅子バスケ』は、その名の通り、車椅子でプレイするバスケです。

通常の車椅子ではなく、バスケ用の特注です。

ハの字に車輪が傾き、非常に軽量、スピードも出ます。

ぶつかってもガードがあるので安全です。

まず車椅子で自由自在に動く練習をします。

いかに腕で上手く漕ぐかが、速さの秘訣です。

 

にわかチーム(受講医師たち)に2名の選手が加わり、いきなり対戦。

選手たちのスピードの速いこと、速いこと。

もたついているその他大勢は置いて行かれ、早々とボールをドリブルしてゴール下へ。

受講生たちにボールをパス、シュートするチャンスをくれるのですが、車椅子からゴールにシュートするのは、困難極まります。

チャンスは与えられても、ちっとも届かない…

車椅子バスケは、脊髄損傷の人が多いので、下肢に力が入らす、上肢・腕の力が必要になります。

女子だと、ゴールシュートできるまでに1年くらいかかるそうです。

肢体不自由になって、初めてバスケを始めた人がほとんどだと聞き、驚きでした。

 

パラリンピック開催の目的は

『できない』ことに着目するのではなく『どうすればできるか』の視点に立って創意工夫すれば可能性が広がることを気づかせ、社会を変えること。

 

車椅子陸上競技選手のハインツ・フライ選手の言葉

『健常者はスポーツをした方がよい。障害者はスポーツをしなくてはならない』

 

リオ2016 パラリンピック 『Yes,I can』

YouTubeで検索してください。

きっと世界が広がります。

 

こうした小さなことから『障がい者スポーツ医』として働きかけていきます。

 

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