2018.10.16 臨床眼科学会2018

臨床眼科学会に参加してきました。

目という小さな球体ながら、眼科の学会だけで、部位別(角膜とか網膜とか)病気別(白内障とか緑内障とか)診断・治療・研究など細分化されているのですが、今回は最大規模な学会です。

会場は、東京国際フォーラムに加え、年々規模が大きくなったためかJPタワーも。

 

東京駅から会場に行く途中には、はとバス乗り場。

ツアーを楽しみ人たちが、たくさん並んでいます。

知人と上京して、はとバスの『ホテルの夕食とニューハーフショー』ツアーに参加したことを思い出します。

はとバスでなかったら、足を踏み入れることのない世界でした。

また、乗りたいな~(つい、パンフレットをもらってきました)

 

当たり前ですが、会場は、眼科医・眼科医・眼科医…

エスカレーターにゆっくり乗る二人組の女性は、明らかに80歳越えです。

その年になっても、学会に行き、勉強する女医。

つまりは、まだ現役?

感服しました。

 

一方、ベビーカーを引いた若い女医さんも。

最近は、大きな学会では、託児室が臨時に開設されます。

第1号が出来た時に、院長も、息子を預けて参加したことを思い出しました。

あの時は、ベビーカーでなく、おんぶ紐で来たな~

ホテルの部屋にも、ベビーベッドを置いてもらって。

産後1週間で復帰・現在に至るオバサン女医(院長)が、心の中でエールを送ります。

 

たくさんの演題や講演があるので、予め、自分で聴講プログラムを作り、広い会場を移動します。

最近は、ポスター展示は、パソコンで見ることが出来、効率もアップしました。

学会の短い期間で、インプットされる量は相当なものです。

帰って、整理して、アウトプット出来るようにせねば。

 

書籍コーナーにも立ち寄ります。

名古屋にも大きな書店はあるのですが、眼科関連だけで何十冊という規模は、学会場だけです。

今回、医学書籍なのに、衝撃的なタイトルだった本は『7年前の常識は現在の非常識 眼科診療の最新標準』という本。

『私、大丈夫かしら?』不安になって、買ったばかりの本を、休憩椅子に座って読み始めます。

しばらく読み始めたところで、『変遷も今の常識も知っていることだった~良かった!』

かと言って、安心は出来ません。

専門分野や、関心の強い分野ではないところは、要確認です。

もし、7年間眼科医を休んでいたら、この本のタイトル通りなのかな?

 

医師の働き方の問題が話題になっています。

女医の育休・子育てとの両立など、働き方改革も進んでいますが、日進月歩の医療の世界。

子育て中も、勉強は休まず、少しでも医療に関わり続けてほしいと思います。

『女医』(医師)って、華やかではなく、『気力・体力・知力』あって当然の、地味・地道な職業ですから(私見)。

私も、80歳相当の女医さんたちを目標にします!

 

学会は、非日常の世界で、たくさんの刺激を受ける絶好の機会。

また、日常診療頑張ります。

 

■学会に関する過去の記事はこちら

日本臨床眼科学会2017

光栄です

日本臨床眼科学会

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの想い 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2018.10.9 誕生日ドライブbyスタッフ

夏の終わりの、次男との『伊吹山ドライブウエイ』からの帰り。

次回は、雑誌で見た『びわ湖バレイ』へ行きたいな、と言ったところ

『今度は、父さん(夫)と行きゃぁ~』

夫と行くのも楽しいのですが、イマイチ盛り上がりに欠けそう。

 

ということで…

『誕生日プレゼントのドライブ、どこか行きたい所ありますか?』のスタッフの問いかけに

『びわ湖バレイが気になってるんだけど…(あくまで謙虚に)』

『大津ですか…ちょっと距離ありますね~検討してみます』

そして前日。

『明日はびわ湖バレイに行きます。いつもより早い出発です』

ヤッホー!

 

当日は、8人乗りのワゴン車で出発。

渋滞を回避して、なんと2時間で目的地到着。

 

『びわ湖バレイ』は、滋賀県大津市にある二つの山にまたがるレジャー施設です。

山頂には、広大な湖を望むウッドテラス(びわ湖テラス)が階段状に設置されていて、絶景を楽しめるのが売り。

まずは、ロープウエイで山頂へ。

搭乗者は、平日、曇天(雨ぱらり)のせいか、『こうクリニック一行(20~50代)』と『○○旅行御一行(60代以上の男女)』のみ。

山頂には『恋人の聖地』もあるというのに!?

ロープウエイから見る眼下の絶景に『きゃ~』『すご~い!』『写真、写真』

この乗り合わせなら許される黄色い声。

 

天候には恵まれませんが、山頂のウッドデッキから見る、雲の合間からの眺望に満足。

ここ(打見山1108m)から少し凸凹道を歩き、笹平(1063m)へ。

びわ湖テラスのもう一つの目玉、蓬莱山(1174m)を目指します。

『リフト組は、先に行って山頂で待っていてください。リフトで上がる人は手を挙げてください』

『は~い!』『は~い!』

いつもの3人(院長含む)以外はリフト組。

『お先に~』と上っていくリフトを見送り、徒歩で山頂目指します。

冬は、スキーのゲレンデ仕様の斜面。

歩いているうちに、妄想が。

ゴルフ場にいる自分。

打ち上げばかりのフェアウエイだったら、左足上がりばかりの斜面でどう攻めたらいいのだろうか…

私のアイアンじゃ、何打かかる…などと考えていたら、頂上。

 

ロープウエイ乗り場より約170m上から見る景色は、またまた素晴らしい!

雑誌のような抜群のお天気ではなかったけれど、大満足でした。

 

昼食の後も、また、お楽しみの場所へ。。

近江八幡にある、デパートにも入っているバームクーヘンと和菓子のお店。

一見、美術館のような造りです。

ランチビュッフェを堪能したのに、おやつの時間と称して、出来立てのバウムクーヘンを喫茶室で。

まだ生温かくて、ふんわり、あっさりしています。

『男性(夫とか彼とか)だったら、デパートで買えばいいじゃん。わざわざ、近江八幡まで行かなくても。って言います』

『そうそう、わかる、わかる』などなど、ガールズトークはここでも全開。

 

往路復路、院長を意識して、70年代80年代の選曲でのドライブ。

青春時代を懐かしんでいると…

『私もこの曲知ってますよ』

『ホント!?すごいね!』

『母が聞いてました』

『…』(私達ってそういう年なのね~と頷きあった若干名)

 

年代も様々ですが、わいわい、楽しい旅行になりました。

嬉しい誕生日プレゼントでした。

スタッフに感謝です。

特にドライバー3人は、お疲れ様でした。

ありがとう!

 

 

 

 

 

 

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2018.10.2 目薬が減らない

処方した点眼薬は、回数や性状によって、無くなるおおよその目安があります。

おおよその目安よりも、ずいぶん早く無くなってしまう患者さんは、結構います。

多くは、1回1滴でいいのに、2~3滴点眼してしまう場合。

また、点眼液の容器や性状により、1滴量が多くなってしまう場合もあります。

 

一方、とっくに処方した点眼薬は無くなっているはずなのに『目薬がまだあった』と、言われる患者さんも結構います。

『ちゃんと点していましたか?』と尋ねると『ちゃんと点していました』と、返答。

『そうですか…』と、うなずくものの…

こういう場合、圧倒的に多いのは、点し忘れです。

『ちゃんと』は、一体どの程度なのか?

 

例えば、アレルギー性結膜炎で1日4回点眼の場合。

4回は出来なかったけど1~2回は点した。

やめたけど、また痒くなったから(ちゃんと)4回点している。

 

例えば、緑内障で1日1回点眼の場合。

夜点すのだけれど、仕事で遅くなったり、飲み会があるときは、点せないこともある。

でも、点せるときは、点して、ギリギリまで使っていたら、こんなに期間が開いた。

一応1日1回は(ちゃんと)させている方だと思う。

 

などが、実情。

処方通り、点せていないことは、推測できるのですが、否定はせず…

 

さて、もうひとつ、眼薬が減らない理由があります。

点眼薬は、ボトルを押して、薬液を目に入れます。

この時、眼に触れると、スポイトと同様な仕組みで、涙液がボトルの中に逆流してしまいます。

そうなると、見かけ上、量が減らないことになります。

外界に触れている涙の中には、目やにや、ホコリなども含まれており、それらを含んだ涙液が、ボトルに逆流すると、点眼薬は汚染されてしまいます。

時には、濁ってしまうこともあります。

実際、濁った点眼薬の中から、目やにや、まつ毛、衣類の繊維や化粧品の粉が検出されています。

 

混入を防ぐためには、点眼薬の先を、眼から離して点眼しましょう。

やや上を向いて、下まぶたを下げて、点眼液を下まぶたの中に狙って点すと、わりと上手く点せます。

点眼補助グッズもあります。

 

最近は、ペットボトルも飲み切らないなら、口を付けたまま飲まないように言われています。

数日置いておくと、残った飲料水の中に、唾液や口中由来の細菌が増殖するからです。

 

点眼薬は、ペットボトル飲料以上に、使い切るには時間がかかるものです。

処方用法、点眼方法をしっかり守りましょう。

 

 

 

 

 

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2018.9.11 そのカラコン大丈夫?

カラーコンタクト(カラコン)を希望される患者さんが増えています。

中学生の6%、高校生の5%(20人に1人)がカラコン装用というデータもあります。

 

以前、女性のテレビ出演者が、『カラコン無しの姿は、誰にも見せられない』と発言していました。

『裸眼恥ずかし~』とも。

とうとう顔すっぴんと、裸眼(裸の眼と書きますが)が、同レベルになってしまった?

 

眼科医としては…

目はそもそも裸眼が良いに決まっています。

一敏刺激に敏感で、一番外部からの情報を得られる器官です。

普通(着色されていない)のコンタクトレンズでも、装用しないで済めば、しないに越したことはありません。

コンタクト装用にて、目に負荷をかければ、裸眼より、何か病気が起こる可能性は高くなります。

 

さて、カラコンには、普通のコンタクトレンズよりも、色々と問題があります。

 

まずは、色素です。

カラコンは、中心部(見るところ)は透明ですが、周囲に着色されています。

眼科で処方するレンズは、大手メーカーのきちんとした製法(レンズの中に色素をサンドする)で作られています。

しかし、雑貨店やディスカウントショップで売られているカラコンの中には、表面に色素が着色されているものがあり、綿棒で擦ると色落ちしてしまうこともあります。

色素が落ちて、角膜(茶目)に付着してしまったり、上皮(皮)がめくれて傷を作ってしまうこともあります。

また、傷から細菌感染を起こしやすくなり、より重症化することもあります。

 

次に、酸素不足による影響です。

カラコンはどれでも同じではなく、素材・酸素透過性・厚み・サイズ(直径・カーブ)により、眼への影響度が変わります。

これを確認してカラコンを使っている人は、まず、いません。

眼科医は、熟知して、患者さんに安全なレンズを勧めます。

眼科医の処方なしに入手できる市場には、粗悪品もあります。

 

最後にフィッティング(装用具合)です。

当院では、新しい種類のコンタクトレンズを処方するときは、必ずフィッティングを確認します。

個々の眼のカーブに合わせて、最適なサイズを決めます。

同じサイズのカーブでも、メーカーによって、フィッティング差があります。

ですので、同じサイズだからと、違うメーカーのコンタクトレンズを、診察なしで買うことはお勧めしません。

特に、カラコンは、同じカーブでも、普通のレンズよりややタイト(きつめ)になります。

 

コンタクトレンズは高度管理医療機器(副作用または障害が生じた場合、生命や健康に重大な影響を及ぼすもの)です。

そのために、毎年、管理者の眼科医は、研修を受けています。

 

『カラコンしたい!』と思ったら、まずは、眼科医にご相談を!

 

 

 

 

 

 

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2018.8.21 早く無くなるのは?

眼科での治療は、主に点眼薬を使います。

結膜炎のように短期間のみ点眼薬を使う病気もあれば、白内障・緑内障のように長期にわたり続ける慢性の病気も。

 

新薬の開発が著しく、より効果的な点眼薬が開発されていますが、粘性があったり、濁っていたりと、見た目や点し心地に特色のある製品もあります。

 

ある点眼薬を処方している患者さんから

『他の薬に比べて、無くなり方が早いのだけれど…』という声。

『濁っているし、粘度も高いからかもしれませんね~』と答えたものの、その後何人かから同様の声を聞きました。

 

調べてみると

A社の粘性のない透明な点眼薬①(アレルギーの薬)では、1滴量が30㎕、1本分で160滴下可能です。

同じA社の粘性があり濁っている(懸濁)点眼薬②(緑内障の薬)では、1滴量が33㎕、1本分で140滴下可能です。

 

B社の粘性のない透明な点眼薬③(アレルギーの薬)では、1滴量が45㎕、1本分で111滴下可能です。

A社①とB社③は、容器の違い(硬さやデザイン)が大きいかと思われます。

どちらも、良いアレルギー点眼薬ですので、患者さんに応じて、処方しています。

 

ちなみに、目の中に入れられる容量は、20~30㎕なので、1回1滴点せば、十分目に行きわたります。

これを2~3滴、点眼時に点すと、早く無くなってしまいます。

 

さらに、A社②のような、懸濁液は、使用前に容器を振る必要があります。

この時、激しく振ったり、逆さまにすると、キャップを開けた時に、中身があふれることがあります。

そうすると、早く無くなってしまいます。

優しく、左右に振ってみてください。

また、しっかりキャップを閉めないと、液体が固体化して、キャップねじ部分に隙間を作り、液漏れをする可能性もあります。

実際に、液漏れをする患者さんの点眼薬の不良品の有無を、メーカーに確認したところ、キャップ閉めが甘かったことがあります。

患者さん、院長ともに納得しました。

 

そういえば、ドレッシングなど調味料の類も似ているような…

ゴマドレッシングのような粘度があるものは、ついボトルに力が入り、多めにかけてしまいがち。

ノンオイルドレッシングは、逆に出すぎないよう、静かに振り入れます。

穴の大きさ、ボトルの硬さなどもメーカーによって違うはず。

冷蔵庫から出して、並べて、比較検討するのも楽しそう。

実際、『早く無くなるんですけど…』という声が、お客様相談センターにあるかもしれませんね。

 

 

 

 

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2018.8.7 おかげさまで21周年

『おかげさまで21周年』の食事会をしました。

肉食女子の院長が選んだのは、お肉。

しかし、女子感もたっぷりのお店です。

 

既に用意されていた、インスタ映えする野菜の盛り合わせに

『きゃ~可愛い!』

 

まずは、それぞれのドリンクにて『乾杯!』

その後、恒例の一言挨拶です。

各人が仕事に対して思っていること、感じていること、振り返りなどなど、話してもらいます。

新しく入職したスタッフが、『院長の働き方(一応ワークライフバランス)を目指して働きたい!』と言ってくれたのには、嬉しくなりました。

結婚しても、出産しても、働き続けてね~と、エール。

そのためには、働きやすい体制を整えることも院長の務めです。

 

しばし歓談となるのが通常ですが…

○○会と名のつく、懇親会や食事会などは、おおよそ年長者や役職者が中心になって話が盛り上がるので、新参者や下々の者、口下手の者は会話に参加できず、ただ黙々と食べるしかない…という経験から、当院の食事会では『会話の全員参加』です。

 

全員に、美味しい食事と楽しい会話を味わってもらいたい!

とうことで、『お題』について、順に話していく方式が定着しました。

 

まずは『最近やめたこと』

 

院長は、あるアーティストの曲を聴くことをやめました。

CDも処分。

若い頃、すごく好きだったのに、最近聴くと歌詞が陳腐。

この歳(いいオバサン)になると、こんなシチュエーションあり得ないとか、経験則で自分流に歌詞を解釈してしまいます。

『若い時は、詞を考えずにメロディーがす~っと入ってきたんですけどね~』と、同世代スタッフ共感。

 

その後、順にそれぞれ『やめたこと』を披露(告白?)。

それに対して、院長はじめ、あちこちから突っ込みや追加発言が。

会話が広がります。

 

次のお題は『(こんなことしてるの、するの、なるの)私だけ?』

またまた、それぞれ『私だけ?』を披露。

 

院長は、深呼吸すると、ワンピースが上がってしまうことを告白。

筋トレによる胸筋の盛り上がりのせいか、姿勢のせいか、服が上に引っ張られるので、こそっと下げます(服のサイズは変化なし)。

浅い呼吸だけしていればいいのでしょうが、なぜか深呼吸をしてしまうのです。

深呼吸が癖になっているのって『私だけ?』

 

このお題は、スタッフそれぞれの個性が更に出て、面白く、突っ込みや質問が続出。

スタッフの普段知らない特性を垣間見られた良い機会でした。

 

おかげさまで21周年。

患者さんとスタッフ、家族のお陰です。

地域医療にお役に立てれるよう頑張ります。

引き続きよろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2018.7.3 サングラスどう?

某新聞に、保健体育の教員から『授業や運動会に教員のサングラスの着用は、なぜ禁止?』という投稿がありました。

『教師も生徒も、健康面から使用してもいいのでは?』

『教師としてふさわしくない。生徒の細やかな状況が見えない恐れがあるのでは?』

『改善策を話し合って、柔軟な対応が必要ではないか?』

など、最初の投稿に対して新たな投稿が掲載されました。

白内障・紫外線への目の影響の研究第1人者の金沢医科大学教授の見解は『かけた方が良い』。

紫外線の強い沖縄県西表島では、子供でも紫外線による病気(瞼裂斑)を高率に発症しており、現在は2~3割の生徒が、透明なサングラスを着用しているそうです。

 

通常の生活で、多少の紫外線を浴びるくらいなら、眼には問題はありません。

しかし、長時間の紫外線を浴びると、肌と同様、眼も影響を受けます。

茶目(角膜)の横の白目(結膜)が盛り上がる瞼裂斑や、白内障、黄斑変性症などを引き起こす可能性があります。

それらを予防するためには、サングラスはお勧めです。

 

実際、学校や職場で、『サングラス着用を認める』という診断書を書くこともあります。

 

『サングラスの色は濃い方が良いですか?』

よく、患者さんから聞かれます。

色と紫外線カットは、関係ありません。

『紫外線カット率』が問題で、数値が高いほど性能が優れています。

色が濃いからと、紫外線カット機能のない(低い)レンズを使用すると、瞳孔(黒目)が開き、より多くの光(紫外線)を取り込むことになってしまいます。

現在、レンズの色はグレー系・ブラウン系・グリーン系・ブルー系・イエロー系・クリア系(透明)と豊富です。

自分の好みや、肌なじみなどで決めたらよいと思います。

サイズは、出来るだけ大きい方が、紫外線をよりカットします。

 

また、紫外線の量によって、レンズ濃度が変化する『調光レンズ』や、水面・路面・氷雪面からの乱反射(ギラギラ)をカットする『偏光レンズ』もあります。

院長は、ゴルフやランニング時は、スポーツメーカーの偏光レンズを着用しています。

運転時には、少し洒落たサングラスを。

どちらも、眼鏡店で選びました。

紫外線防止対策なら、雑貨店より眼鏡店で、質の良いレンズを購入されることをお勧めします。

度入りレンズの場合は、眼科で処方します。

 

紫外線と目の関係も周知され、屋外活動時のサングラス(紫外線カットメガネ)着用が当たり前になるといいですね。

 

 

 

 

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2018.6.26 目の霊山

鎌倉一人旅で『本覚寺』。

スタッフみんなで滋賀の『木之元地蔵院』へ。

いずれも、眼にご利益のある寺社です。

 

小欄を愛読?してくださる患者さんから『袋井(静岡県)の油山寺(ゆざんじ)』をご紹介いただきました。

遠州三山の一つで、701年に開山した真言宗のお寺だそうです。

 

ということで、先日スタッフと参拝旅行へ。

 

梅雨空。

幸い、前日の雨はやんで、参拝日和?に。

油山寺は、山全体が霊場の寺院ということで、歩く気満々の私たち。

本堂へ至る直線ルートではなく、あちこちの建造物を見ながら、登ったり下りたりするルートを選びます。

雨上がりの、苔でヌルヌルの道は要注意。

気を抜くと、つるっと滑ってしまいます。

 

『瑠璃の瀧』

約1200年前、献上された瀧の水で、眼を洗った眼病の天皇が『効験忽ちにして御全快遊ばされたのであります』

『その頃、瀧の水は油であったと申します』(信ぴょう性?)

『』は、立札の説明書き。

その後、眼病に悩む多くの人が、瀧に打たれて、全快したとのことです。

 

眼科医としての一私見ですが…

当時、眼の病気は、前眼部(結膜炎とか、ものもらいとか)が主であった。

寿命が短い時代に、白内障や緑内障などは稀で、発症したとしても、わからなかったのではないか。

点眼薬もない時代では、眼を洗うこと(ここの瀧の水が、より澄んでいたかもしれない)位が、治療だったかもしれない。

現在のような清潔概念がなく、細菌やウイルスの存在も不明であったが、人々の免疫力も現代より高かったため、自然治癒力も発揮されたのではないか。

 

 

現在では、水道水で、予防的に目を洗うことは推奨されていません。

角膜表面の涙の層のバランスを壊してしまうからです。

目を洗いたい場合は、人工涙液を使いましょう。

もちろん、洗眼で治ることはあり得ません。

 

さて、本堂へ。

全ての患者さんの、目のご利益を祈願してきました。

『め御守』は、中待合室に掲げておきます。

 

ちらりと眼に入った絵馬には…

『緑内障の手術をしなくても済みますように』

『白内障が治りますように』

『ドライアイが治りますように』などなど。

 

遠州三山(医王山油寺・法多山尊永寺・萬松山可睡斎)全て行けたら良かったのですが、午前中に油山寺、昼ご飯のんびり…の時間構成では、あとは、厄除けで有名な法多山のみに。

239段(少し前を登っていたオジサンが、下方のオバサン達に向かって叫んでいた)を登って、厄除け開運をお祈り。

たくさん歩いた後に、名物『厄除け団子』が美味!

 

『本覚寺』の御守り、『木下地蔵院』のお札、『油山寺』のめ御守。

御守りに囲まれて、今日も診療に励みます。

 

 

 

 

 

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2018.5.29 はやり目

国立感染研究所は、今月22日、5月7~13日の間で、流行性角結膜炎(はやり目)の患者数が1医療機関1.17人になったと発表しました。

過去10年間では最多となっています。

宮崎県3.83人、新潟県3.5人、神奈川県3.15人の順で多くなっています。

これは、定点当たりの患者報告数からの結果です。

つまり、いくつかの予め指定された医療機関からの報告ということです。

 

流行性角結膜炎は、アデノウイルスによる感染症です。

8~14日の潜伏期間(症状がでない)の後、急に結膜(白目)の充血や目やに、眼瞼(まぶた)の腫れ、流涙が起こります。

両眼同時に発症することが多いですが、数日して、片眼から両眼へ発症することもあります。

片眼発症の場合は、先に発症した目の方が、重症化することが多いです。

また、風邪様症状や、耳前のリンパ節の腫れを伴うこともあります。

 

眼科では、一番注意が必要な感染症です。

まず、眼科医が診察をして、はやり目が疑われるようなら、迅速キットを使います。

はやり目では、瞼結膜(瞼の裏)をこすります。

これは、痛いのですが、きちんと検査するための大事なポイントです。

10分してアデノウイルスが分離されると陽性です。

 

はやり目の場合、注意することは…

手は流水やせっけんでよく洗う。

目を触らない。

タオルは家族と共有しない。

コンタクトレンズは装用しない。

学校や保育園は、医師の許可が出るまで休む(可能ならば仕事も)。

 

ウイルスに特異的な点眼薬はありませんが、炎症を抑えるための点眼薬は処方します。

ウイルス以外の細菌感染の混合感染も抑えるように、抗菌剤も用います。

一般的には1週間後には、かなりよくなりますが、症状や程度により2週間近くかかる患者さんもあります。

ほとんどの患者さんは、眼の症状、所見(医師から見た状態)が良くなれば、治療終了となります。

しかし、稀に、角膜(黒目)に濁りを残すことがあります。

多数の濁りがある場合は、視力低下を起こします。

炎症を抑える点眼薬で、速やかに、減ったり消えていく場合がほとんどですが、中には、再発を繰り返す場合もあります。

10年以上前のはやり目の後遺症で、現在も治療中の患者さんも。

 

流行っているからと言って、全員がかかるわけではありませんが、おかしいと思ったら、迷わず眼科を受診してください。

一家総感染!なんてことに、ならないように。

 

 

 

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2018.4.17 前視野緑内障

日本人の中途失明の原因第1位の緑内障。

眼圧によって神経が圧迫・障害され、視野が欠けていく病気です。

日本人では、眼圧が正常範囲内でも、視神経が障害を受け、発症する『正常眼圧緑内障』が主を占めています。

(一般には正常の圧でも、その人にとっては高いので障害を受ける)

疫学調査では、40歳以上で約20人に1人が緑内障であることが分かりました(2004年)。

 

緑内障分野の検査技術の進歩は著しく、最近は『前視野緑内障』という概念も出てきました。

 

『視野の前の緑内障?』

眼圧で視神経が圧迫され傷つくと、視神経につながる網膜(目の底)神経線維の厚みも薄くなります。

この時点で、視野検査で異常が出ていない状態が『前視野緑内障』です。

視野に出る前の(いわゆる)緑内障の前兆。

そのまま、神経の障害が進行すると、視野が欠け、緑内障となります。

 

人間ドッグで緑内障の疑いを指摘され来院される場合もあれば、普段の診療で(例えば、結膜炎とかコンタクトレンズ処方とか)検査して発見されることもあります。

網膜の神経の厚みを測る光干渉断層計(OCT)、視野計など検査機器の普及・精度アップにより、早い段階の状態をつかむことが出来るようになりました。

 

『必ず緑内障になるの?』

と聞かれれば『NO』です。

眼圧、家族歴、年齢、視神経の状態などを考慮して、すぐに緑内障に準じた治療(点眼薬)をするか、経過観察にするかを決めます。

定期的な眼圧や視野のチェックをしながら、経過をみていきます。

変化があるかないかを、きちんと見ていくことが大事です。

患者さんにとっては、まったく自覚症状もないのですが、きちんと通院することで、緑内障に移行したとしても、治療効果は高いです。

 

緑内障は中途失明率の高い病気ではありますが、『緑内障=失明』ではありません。

 

二人三脚で患者さんの治療のお手伝いができる、息の長~い眼科医でありたいと思っています。

もう20年以上のお付き合いになる患者さんも。

院長とともに歳を重ねていきましょう。

 

 

 

 

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