2021.6.8 こんな所で…

新型コロナワクチン集団接種の初当番日。

医師会から日時・会場・役割(予診か接種)が指定されています。

 

時間より少し前に到着すると、既に接種希望者と思われる人たち。

場外案内・場内案内などなど色々な色のビブスを付けた人たちが対応に当たっていました。

『医師』と記してある青いビブスを着ます。

 

既に一日当番に当たった家人が『仕切りは段ボールでできていた』と言っていたので、さすが名古屋市!?と納得。

いわゆる茶色の段ボールを想像していたのですが、見当たりません。

予診のパーテーションや、接種ブースはきれいな白い壁。

あれ?でも、触ってみると確かに段ボール。

見た目は、普通の家の壁と遜色ないくらいです。

 

さて、当日接種可能か否か、接種後の待機時間をどうするかを決めるのが予診の担当です。

問診票に記入漏れや不備がないか確認、血が固まりにくい薬の内服やアレルギー反応(発作)を過去に起こした人は要注意です。

一通り話をして、最後に医師のサインをします。

 

今回は、地元の小学校が会場なので、地元住民が多くなります。

緑区在住がほとんどですが、区外、しかも市の中心部からも。

ワクチンへの関心が高いことを感じました。

 

当院の患者さんの問診をする機会も多々。

院長が目の前にいるとは想像もしていないので、多くの人は、サインも見ずに接種場所へ導かれていきます。

しかし、たまに問診時、目が合って『あっ!?』と驚かれる方や、問診票のサインを見て話しかけてこられる方もありました。

 

『あれ~!こう先生、こんな所で!先生たちは、もう打ったんだよね。どうだった?痛かった?大丈夫だった?』Aさん(女性)。

『打ったところが少し痛む程度で大丈夫でしたよ』

『明後日、テニスできるかしら?』

『たぶん2日後なら問題ないと思います。でも無理しないでくださいね』

『それ聞いて安心したわ。こんな所で、先生に会えるなんてよかったわ~』

 

『はせこうさん、こんな所でも働いてるの?』Bさん男性。

『医師会からの仕事なのです』

『大変だね~。あ~、最近眼科さぼっているから、また行くわ~』

『お待ちしてま~す』(と言うのも変ですが…)

 

『あっ!長谷川先生。その節は、家内がお世話になりまして…』Cさん男性。

『○○さん、その後いかがですか?』

『あれから転んで骨折して入院したら、認知症がどんどん進んでしまったんです。

もう私一人では見られないので、施設に入りました』

『そうですか…大変でしたね…お大事になさってください』

と、意外な近況報告を聞いたり…

 

65歳以上になると、集団接種会場でも、何の疾患もない人は一握り。

多くの方が、生活習慣病を始め種々の病気の治療をされています。

おくすり手帳は、薬を提示するには便利だと再認識。

病気や年齢によりますが、すたすた歩く人、杖や介助、車いすなど移動の仕方は色々。

ラフな服装が多いのですが、お洒落をしてくる人も。

65歳以上で一括りとはいえ、100歳までの範囲でも35歳の幅があります。

予診の合間に、アクリル板越しに会場を見ながら人間観察をしていた院長でした。

 

接種後の皆さんは何もなく無事に帰路へ。

私たちも無事本日の任務を終えました。

会場スタッフ全員が、持ち場をきちんと遂行してくれたおかげです。

お疲れさまでした!

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2021.6.1 子ども・子ども・子ども

この時期、受診のお勧め用紙を持って受診される子供さんが増えています。

午前中は成人の方がほとんどですが、午後の待合室は子ども・子ども・子ども。

にぎやかな声が響きます。

 

学校の視力検査は、年に1~2回行われます。

眼科の視力検査ほど細かくはなく、指標をいくつか見せて判読できるかどうか。

Aは1.0以上・Bは1.0未満・Cは0.7未満・Dは0.4未満というおおまかな指標です。

多くの学校では、片眼でもB以下だと用紙を渡します。

 

眼科では、視力だけでなく、屈折(近視・遠視・乱視)検査もします。

小さいお子さん(低学年以下)は、調節力が強いため、屈折値と裸眼視力の相関がない場合もあります。

そういう場合は、近視などと一度で決めつけず、点眼による検査をして、正しい屈折値を確認します。

A相当でも、強い遠視があり、眼鏡装用になる場合もあります。

C相当でも、近視ではなくて、一時的な調節痙攣の場合もあるので、そうした場合は指導をしながら視力回復を待ちます。

今年初めて視力低下の紙をもらった子どもさんでも、検査をすると、おそらく1~2年前から近視になっていたけれど、視力検診で頑張って見ていたのでは…と言う結果になる場合もあります。

個々人によって結果は違いますが、問題なければそれでOK ですし、問題あれば対処します。

用紙をもらったら受診する!その行為がとても大切です。

 

時々、『こんなに近視が強いのに生活に支障なかったの?』と聞くことがあります。

多くは、男子中・高校生。

近視は、急に見にくくなるわけではないので、相当困らないと親に訴えなくなります。

保護者に視力や近視の程度をお話しするとびっくり!

『そんなに見えてなかったの!?』

『まぁ…』

診察室でのやり取り。

このくらいの年齢になると、親に話すのも聞かれるのも嫌なので、子どもの眼の状態も親は意外に知りません。

定期的に眼科を受診する(もしくは連れてくる)ように、保護者にお話しておきます。

自身の経験上、思春期の息子は秘密主義になってきます(残念ながら娘については未知です)。

でも、成人までは、保護者の管理下で健康な視力生活を送れるようフォローしてください。

 

まだほとんど意思疎通の出来ない子どもも多い当院です。

赤ちゃんの多くはめやにで受診されます。

小児の場合、肺炎球菌やインフルエンザ桿菌による細菌性結膜炎が多いのですが、治りも早いです。

子どもはよく結膜炎になります。

『そんなに何回も結膜炎になって大丈夫ですか?』と聞かれますが、何回も細菌感染をして、人間の身体は抵抗力をつけていきます。

 

3歳児健診で視力検査がうまくできなくて…と来院される小さな患者さん。

その子の性格や発育状況もあります。

1回でできなくても、焦る必要のない場合もあれば、急いで精密検査をしたほうが良い場合もあります。

概して未就学児は、飽き性です。

特に疲れているとき、お腹が空いているときには視力検査に協力してくれません。

お昼寝中の小さな患者さんは、手持ち細隙灯で診察しても寝たままで気が付かないこともあります。

 

開業時は、息子たちも小さくて、小学生でも大きな患者さんに見えましたが、今では10代までの患者さんはみんな小さな可愛い(失礼ながら)患者さんです。

小学生から中学生、中学生から高校生、高校生から大学生(この時期みんなすごく格好良く、綺麗になります)への成長を見られるのは楽しみです。

子ども・子ども・子ども…この時期の当院の光景です。

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2021.5.25  深夜労働

産業医としての職場はスーパー。

先月、ドライブがてら職場にお買い物へ。

道路の混雑もあり、車でも1時間以上。

やはり電車で行くのが気楽です。

はるばる来たので、1週間分の食料をまとめ買いしてきました。

お客としても優等生な?産業医です。

 

今回は、深夜業務従事者の健診結果を確認しました。

深夜業は、午後10時から午前5時までの時間帯の業務です。

深夜業の交代制勤務で多いのは、ライフライン関係・飲食・宿泊業・製造業・運輸・医療福祉・その他諸々の順。

当スーパーも午後11時まで営業しているので、該当する従事者がいます。

 

深夜業を含む交代勤務では、不規則な生活習慣や生体リズムの乱れにより、病気発生のリスクが高まります。

睡眠障害(不眠など)・胃腸障害・生活習慣病(肥満・脂質異常・高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中)。

前立腺がん。

女性では、月経周期の乱れや流産・早産、乳がんも。

 

安全衛生法では6か月ごとに健康診断を義務付けられています。

 

健診結果を見ながら

この血圧では…

このHbA1c(糖尿病の指標)では…

などなど、気になる人には精査を勧めます。

あまり数値が悪いと、産業医が就業措置を検討しなければいけません。

店長さんがスタッフをよく把握しているので、紙面だけでなく、その人を何となく想像できました。

 

遅くまで営業しているのは、昼間よりはお客が少ないながらも需要があるから。

ライフスタイルの多様化は小都市でも進んでいるよう。

院長の過去の深夜業務は、研修医時代の居残り(仕事覚えるため)と研究補助の2時間おきの眼圧測定(この研究で院長も博士論文を)、病院勤務時代の当直。

まだまだ若く元気いっぱいの頃だったので、体力的に苦だとは思いませんでした。

 

しかし、ほぼ規則正しい毎日を送るこの頃。

年に一回の医師会の夜間休日診療で午後10時頃に帰宅すると、その日はなかなか興奮して寝付けません。

 

安全衛生委員会では、初めて聞くワード(業界用語)が出ます。

『ロードラインを守る』

ロードラインとは集荷限界線で、その線を超えるとケース内温度が既定の温度(-18度以下)に保たれなくなる限界を示す線です。

冷凍食品が山積みされると、冷気がその品物に届かず品温が上がったりして、ショーケースの温度が守られなくなり、品質管理上好ましくありません。

職場巡視の際、ショーケースのロードラインを確認しました。

どこのショーケースもロードラインを越えずに、商品が並べてありました。

前回の霜取り棒と言い、知らないワードを知ると得した気分です。

近所のスーパーでも確認しよっと。

商品が山積みされているお店は要注意だわ~

 

その他色々検討事項や相談に対応して、無事終了。

 

 

さて、田村正和さんの訃報で、追悼視聴を始めた院長です。

まずは『古畑任三郎』

刑事コロンボ風の演出が気に入って、家人が買っていたオリジナルDVD。

古畑任三郎を演じた年齢は、今の私たちより若かった!なんて驚きです。

1日1話、1日の終わりのお楽しみに。

 

犯人役のゲスト俳優を見ても、事件の詳細が思い出せず、初めてのような気になって見ているお得な院長。

ミステリー好きの家人は細かく覚えていますが、繰り返し見るのは楽しいよう。

番組ひとつとっても、見方の違う夫婦です。

 

DVDを見ながら…健診の人たちは、今頃まだまだ働いているのね…

健康に働いてほしいものです。

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2021.5.18 ワクチン2回目

1回目の新型コロナワクチン接種から3週間。

2回目の接種をスタッフ全員受けてきました。

何でも初めてのことには緊張しますが、2回目は楽な気持ちで臨みます。

当日診療時間の遅延のお知らせも早々に掲示していたので、患者さんとも話が盛り上がります。

少し前に、高齢者の集団接種の受付が始まったところ。

 

『3日間かけ続けたけれど、つながらなかった』

 

『連絡がつかないので区役所に出向いたけれど、予約は出来なかった』

 

『子どもに言ったら、PCであれよと言う間に予約を取ってくれた』

 

『23回目でやっと電話がつながったけれど、最寄りの小学校は空きがなくて、区外の接種会場となった』

 

巷(当院患者さん)の声は色々。

 

”固定電話いのちの我は押しつづけて 四日目つながるワクチン接種日”

まさに、某新聞の投稿短歌の如くです。

 

さて、2回目接種。

『20%は発熱、40%は頭痛が起こりますからね』と、説明を受けます。

以前、医師会の動画で、職場では分散して接種が望ましいと聞いたのですが、小さなクリニックだからか?全員同時接種。

明日大丈夫?

 

翌日、スタッフの一人が微熱。

微熱以外の他の症状は何もないので、副反応と判断し、欠勤に。

当院院長およびスタッフ調査結果。

当日の痛み(①~⑤ ⑤がMAX)

①57%

②43%

③④⑤該当なし

局所の痛み以外異常なし。

翌日の痛み

①42%

②24%

③24%

④⑤該当なし

微熱以外に、頭痛2名、倦怠感2名ありましたが、業務に支障はありませんでした。

しかし、帰宅後、倦怠感2名は発熱。

幸いにも一過性で、一晩で解熱し体調も回復しました。

院長はいずれも①で、翌日接種部位に10円玉大の薄い発赤を生じるのみでした。

 

 

緑区でも先週から集団接種が始まりました。

家人も先発隊として出務しましたが、とてもスムーズに遂行されたとのこと。

 

先日ZOOMで指定都市学校保健協議会学校医研修会がありました。

学校医として、生徒が健やかに学校生活を送れるよう、眼科・耳鼻科・小児科部門にわたり研修を受けました。

 

記念講演では、国立感染研究所の先生から新型コロナ感染の話。

 

”2020.2時点では10代未満が1.7%10代が0.6%と低比率だったが、その後若年層の比率も増えている”

 

”家庭内感染は、小学生では78%、中学生では64%、高校生では34%(2020.6~20201.4)

学校内感染は、小学校5%、中学校7%、高校24%

小学生は家庭内感染の割合が大きいが、中高校生では、生活圏や行動範囲の広がりが要因のひとつ。

学校内感染は小学校、中学校では極めて低い。

学校での感染対策はもちろんだが、それ以外の行動での対策も個別に必要”

 

”クラスター発生率は、2020.6~2021.3までで、小学校0.27%中学校0.48%高校4.25%と限定的。

自主的な活動増加(部活も含め)が要因のひとつ”

 

”乳幼児や学童は、青年期(10代)より感受性(感染の受けやすさ)は低い。

感染性(感染させる力)についてはまだ検討を要する”

 

引き続き、学校医として生徒の健康をバックアップしていきます!

 

学校検診が始まりました。

コロナ禍以前なら、運動会の練習で、児童たちの声が運動場に響き渡っている時期。

昨年に続き、今年も静かに廊下を歩いてくる児童たちを、静かな保健室で静かに検診をする院長です。

カテゴリー:クリニックに関すること 健康

2021.5.11 アイフレイル自己チェック

4月の大きな眼科学会は、ハイブリッド(現地と後日WEB配信)で行われました。

大阪なら日帰りも十分可能なので、久々に現地で聴講しようという予定でした。

通常は、新幹線を使うのですが、今回は1日だけでも話題?の近鉄特急『ひのとり』に乗りたい!

デビュー当時は、大人気で予約も取れない状況だっただけに、早めにネット予約。

時間は新幹線の倍以上かかるので、会場到着時間から逆算して乗車時刻を。

しかし、大阪を中心に新型コロナ患者の急増。

学会臨場感と『ひのとり』より、ステイホームでGW間のWEB配信を選びました。

 

と言うわけで、GWは、PC前で視聴、視聴。

予定もないGWとはいえ、気になる演目を多岐にわたり集中して聞くと、けっこう頭は疲れます。

 

今回も、人生100年時代を見据えた、眼科戦略は、それぞれの病気の分野で、研究発表されていました。

 

『アイフレイル』は、眼の不快感を単に年のせいにせず、視機能の重要性を認識し、問題の早期発見を促すことを目的とした概念です。

早期発見することで、適切な介入(治療)を可能とし、ある程度機能回復させる・進行を遅らせる・緩和させることが期待できます。

元に戻る(正常)ことは難しいけれども、悪化抑制は出来ます。

眼科医にとっては、眼科に受診してもらわないと、診断治療ができません。

 

そこで…『アイフレイル』自己チェック!です。

1.目が疲れやすくなった

2.夕方になると見えにくくなることがある

3.新聞や本を長時間見ることができなくなった

4.食事の時にテーブルを汚すことがある

5.眼鏡をかけていてもよく見えないと感じることが多くなった

6.まぶしく感じやすい

7.まばたきしないとはっきり見えないことがある

8.まっすぐの線が波打って見える

9.段差や階段で危ないと感じたことがある

10.信号や道路標識を見落としたことがある

 

眼科医であれば、上記のそれぞれに予想される病名は浮かびます。

最終的に、単純に加齢によるものの場合もありますが、それは他の病気を除外しての場合です。

どんな健康な目でも、加齢に伴う機能低下は起こります。

日常生活が制限されないよう、早期発見早期治療のお手伝いをするのが眼科医です。

眼からの情報は大きく、見えていた人が見えなくなると、自立機能の低下も引き起こします。

 

緑内障の患者さんには、定期的に視野検査もするので、受診年数が多いほど、回数が多いほど、視野進行速度が正確に出ます。

『この進行具合なら、100歳まで日常生活問題ないですよ』とお話しすると、

『そんなに生きないからいいわ~』と言いつつも、嬉しそうな顔をされる70~80代の患者さんです。

最近緑内障が見つかった90代の患者さんは、まだごく初期。

『この程度で、治療をしっかり続ければ、120歳でも大丈夫ですよ!』

『わし、そんなにまで生きるかな?』と患者さん。

『大丈夫です!120歳まで診せてくださいね』

 

慢性の病気は、元には戻りませんが、悪化しないように現状維持をすることが目標です。

治らないから治療しても仕方がない…では、ないのです。

ご心配なことはご相談を。

カテゴリー:眼に関すること

2021.4.27 ワクチン1回目

1回目の新型コロナウイルスワクチン接種が終わりました。

 

院長は、来月からの区民の予防接種に参加することになっています。

緑区(名古屋市)では、緑区医師会員が輪番制で、決められた日に決められた場所(小学校や区役所など)に行き、区民に接種します。

院長の当番日も、6月までに2回は決まっているので、それまでには自分も接種してもらいたいな~と思っていたのですが…

 

その連絡は突然に。

予定接種日の2日前。

医療従事者は優先接種が受けられるので、当院スタッフ全員が対象です。

指定された時間は、午後診療の時間。

変更した場合は、次回は未定だそう。

そう聞くと、その日時に行くしかありません。

水曜日の午後に、金曜日午後診療開始時間遅延の掲示をしました。

予約検査の患者さんには、電話をかけまくり。

(連絡を取りやすいのは携帯電話、と改めて実感)

 

当日、今から起こることに興味津々の院長です。

既に、接種を終えた同業者に聞くと『翌日、腕が上がらないくらい痛かった』とか『筋肉痛みたい』とか。

しっかり者のスタッフから『問診表と身分証明書(免許証)忘れないように』とアナウンスがあります。

腕の上のほうに打つので、簡単にめくりあげられて腕が上まで出せる衣服がお勧めです。

院長は、ノースリーブで行きました。

 

会場で体温を測定し、問診票を渡し、問題なければ、順番を待ちます。

以前、ビデオで見た会場は、広い体育館でしたが、今回は大きくない建物なので動線はそれほど長くありません。

接種する部屋に入ると、同意のサインをして、ワクチン接種を受けます。

『ちくっとしますよ』

ちょっと緊張。

あれ?インフルエンザワクチン(皮下注射)より気にならないわ(個人の感想です)

『明日、痛くなりますからね。お風呂は入っていいですよ』

その後、別室で異常が起こらないか、15分以上待機です。

スタッフ全員、異常なく、予定時間より早くクリニックに戻れました。

 

接種した晩、既に1回目が終わっている家人からは『明日、すごく腕痛くなるよ~』

何でも先に経験したほうが、物知り顔になります。

明日、どうなる?

翌日、スタッフの反応は様々。

当院スタッフ(年齢20~50代)を対象にした調査結果?によると

痛み(1から5で5がmax)

1:43%  接種部位を触ると痛い(接種場所から半径2センチくらい)

2:43%  何もしていなくても痛い 動かすとさらに痛い 寝返りで当たると痛い

3:14%  何もしていなくてもズキズキする

4.5該当者なし

全員滞りなく仕事は出来ましたが、当院のような小さなクリニックでも反応は様々です。

 

ちなみに院長は、1です。

触れば、当然軽い痛みはありますが、トレーナーに追い込まれた後の筋肉痛とは比べ物になりません。

ほぼ年中、どこかが筋トレで筋肉痛になっているので、痛みの閾値は高くなっているようです。

当日は筋トレをお休みしましたが、翌日はまたいつものルーティンを。

 

あくまでも個人の感想ですが、患者さんに近い人間(当院スタッフ)の体験談として、参考にどうぞ。

 

最近は、患者さんから、ワクチン接種に関して問い合わせを受けることが多くなってきました。

ご心配な方は、ご相談ください。

カテゴリー:クリニックに関すること 健康

2021.4.20 子供とブルーライトカット眼鏡

先日、眼科医が所属している日本眼科学会・日本眼科医会を始めとする日本近視学会・日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会・日本視能訓練士協会の連名で『小児のブルーライトカット眼鏡装用について』の見解が発表されました。

複数の学会が一堂に会して声明を出すのは、大変珍しいことです。

つまり、とても重大だということです。

 

1.デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光より少なく、網膜に障害を生じることはないレベルであり、いたずらにブルーライトを恐れる必要はないと報告されている。

2.小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるもの。

なかでも十分な太陽光を浴びない場合、小児の近視リスクは高まる。

ブルーライトカット眼鏡装用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できない。

3.最新の米国一流科学誌に掲載されたランダム化比較試験では、ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告されている。

4.体内時計を考慮した場合、就寝前はともかく、日中にブルーライトカット眼鏡を敢えて装用する有用性は根拠に欠ける。

産業衛生分野では、日中の仕事は窓際の明るい環境下で行うことが進められている。

 

以上より、小児にブルーライトカット眼鏡を推奨する根拠はなく、むしろブルーライトカット眼鏡装用は発育に悪影響を与えかねない。

 

というものです。

それぞれには、検証結果が示された論文(日本語・英語とも)が存在します。

 

ブルーライトが話題になったころ、院長もブルーライト研究会に参加していました。

当時から、ブルーライトは生体の体内リズム(覚醒・睡眠サイクル)に影響することがわかっていました。

睡眠障害を予防するために、就寝時2~3時間前からデジタル機器の使用を控えるのも推奨されていました。

 

その後、巷では、ブルーライトが目に悪いとか、ブルーライトカット眼鏡を装用したほうがいい…と、根拠のないことが常識化しつつありました。

眼科医(および視能訓練士)以外の世界で。

小学生低学年のお子さんが、メガネ店でブルーライトカット眼鏡を勧められ購入される場合も多々あります。

ブルーライトカットレンズを通すと、やや暗く感じる(個人差あり)ので、違和感を感じる人もいます。

院長は、今まで患者さんからブルーライトカット眼鏡の是非を聞かれると、推進派でない旨・自分も普段装用していない旨を伝えていました。

仕事中は、電子カルテを使用しますが、『20分20秒20フィート』の法則(20分画面を見たら20秒間20フィート以上離れたところを見る)をすれば、眼精疲労を予防できます。

 

科学・医学は進歩するゆえ、変化します。

その時は、正しかったことも、新しい事実が見つかり、正しくなくなることも多々あります。

それを受け入れていくのが、科学・医学です。

私たち臨床医(患者さんを直接診る医師)も、最新の根拠に基づいた事実を知り、正しく患者さんに伝えるために、勉強を続けています。

 

知人から聞いた治療法や巷の大衆向けの治療(非医師や専門外の医師)が確立されているなら、既に、私たち専門医は当然その治療法を行っていますし、保険適応にもなっているはずです。

エセ医学に騙されないためにも、大事なことは発信していこうと思います。

 

休診日、ひとりで農業センターへ。

生まれて間もない仔牛を見、特製アイスを食べ…

それだけで、明日からの気力を充電できます。

ちょっと、太陽光を浴びてみませんか?

 

こちらもご覧ください

ブルーライト in トーキョー

ステイホームで見すぎちゃう

カテゴリー:眼に関すること

2021.4.13 知らんがな

次男が長男に帽子(キャップ)を買ってきました。

親からより弟からもらうほうが断然喜ぶ長男。

次男は、キャップ好きで、いくつか持っているようです。

スポーツ以外の日常用のキャップは、若い人にはオシャレなアイテム?

なぜか、別ブランドのキャップを母(院長)にもくれたことがあります。

ゴルフ用ではなさそう…

ジムでキャップを被って筋トレしている若い子たちを真似してみました。

若い世代に人気のブランドと言うこともあって、若いスタッフたちからは『かっこいいですね!』(お世辞でも嬉しい)

しかし、室内での帽子着用にはいまだ抵抗感ありのオバサン(院長)に継続は無理でした。

 

喜んで弟からもらったキャップなのに、何日も下駄箱の上に置いたままです。

ある日の可燃ごみ収集の朝。

ごみ袋に家中のごみを集めます。

どんなに小さくても、ひとつでも多くのごみを入れたいのが主婦の心情。

長男の新品キャップのシール(牛乳パックに付いているアルミの宣伝シールみたいな)が目に留まりました。

『ものぐさな〇(長男)は、こんなシールを取るのも面倒で被らないのか!?』と思い、ごみ集めの一環としてシールを剥がしてごみ袋へ。

 

数日後。

『帽子のシール剥がしたの、母さんやろ?』

『そうよ、剥がすのも面倒で被らないかと思って』

『違うって!あのブランドは、シールつけたまま被るのがオシャレなんだぞ!』

『え~!!!知らなかった。ごめん。シール剥がしたら被れないの?』

『シールなしだと価値が半減する!せっかく〇(弟)が買ってくれたのに!勝手に人のもの触るな!』

そんな大事なシールだったの~

タグと同等だと思って剥がしたのに…

 

次男に話すと、そのブランドは設立は古いものの、若い世代に最近人気で、ブランドのシールを貼ったまま被るのがオシャレらしい。

知らんがな。

長男の怒りは収まらないけれど、次男は、母の行為に『まあ、仕方がない。今度から子供のものは触らないように』と忠告。

『剥がして被っている人もいるし…まあ、放っておけばいいんじゃない』

 

長男がそのキャップを被ったところは見たことはありませんが、車に置いてあるので、気に入っているよう。

 

一連のエピソードをポロリと話すと、『ごみの日の話、あるあるですよ~』と慰めてくれる主婦層スタッフです。

 

それでも気になっていたので、そのブランドのお店へ行ってきました。

長男と同じキャップも売っていました。

若い男性スタッフにシール有無での着用を聞くと、やはりシールを付けたまま被るのがブランドの証明みたいなキャップだそうです。

なるほど~

でも、知らんがな。

自分のキャップを買ってシールだけ長男に渡そうか…

適当に選べばいいと思っていましたが、いざ、自分が被るとなると、悩みます。

これだ!と思えるものがなかなか見つからないのです。

鏡に映るキャップを被るオバサン(院長)はどれもイマイチ…

さんざん悩んで、イニシャルのにすることに。

レジに持っていき、シールを息子にあげる旨を言うと…

『このキャップのシールは、息子さんの帽子のとは違いますよ』

そうなの?

『じゃあ、同じシールのついているキャップの中で、20代の子が好きそうなのを選んでください』

『あっちのシールのキャップは、デザインにこだわる人が多いので、お母さんが勝手に選んで渡したら、また怒られますよ。今度、息子さんと一緒に来られて、気に入ったのを買ってあげたほうがいいですよ~』

力が抜けてしまいました。

長男への和解の方法を水面下で探っている母。

息子は母の心『知らんがな』でしょうけど。

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2021.4.6  頭を打ったら?

久しぶりに、映画を見てきました。

『ミナリ』

2021年アカデミー賞6部門にノミネートされた映画です。

1980年代、移民韓国人一家が、職と住居を転々としながら、定住地を求めてアメリカ南部にやってきます。

広大な土地で農業をして成功したいという夢に対し、現実は大変厳しく、様々な困難が襲いかかります。

絶望するも這い上がり…を繰り返し、一生懸命生きる移民一家。

派手さはないものの、余韻が残る映画でした。

 

その後、もう少し韓国人主役で見たいと思い検索。

最初にヒットしたのは『冬のソナタ』

2002年に韓国で、2003年に日本で放映されたテレビドラマです。

主人公のペ・ヨンジュン(ヨン様)に日本女性も熱中し、韓流ブームの走りと言われています。

が、ヨン様の顔は知っていても、当時は全く興味がなく、ドラマも見たことがありませんでした。

試しに…と、ネット配信で視聴してみると…

ハマりました。

ヨン様に。

ヨン様の笑顔に。

ストーリーは恋愛もので、あり得ない設定の連続です(院長、やや冷めた目で見ています)。

しかし、集中して全20話を見ようとするので、常にヨン様が脳裏に浮かび、ことあるごとにドラマの切ないバックミュージックが流れる日々。

 

セリフが割とゆっくりなのと、会話に同じ単語が出てくるので、字幕と合わせて、なるほど~

名前の後に付けるナとかヤとかは、親しい間柄で呼ぶ。

アラッソ=わかった

キオク=記憶(日本と同じ音) などなど。

小学生の時に、英語の単語(机とか鉛筆とか)を少しだけ覚えたときの嬉しさに似ています。

 

さて、クライマックス。

ジュンサン(ヨン様)は、ある日、室内で倒れて病院に運ばれます。

検査の結果、医師から、慢性硬膜下血腫で、血液が眼球を圧迫している危険な状態だと告げられます。

以前の事故で頭を打ったことが原因で。

このあたりから、ストーリーから外れて眼科医として突っ込みたくなった院長です。

 

『時々目がかすむのも…?』ジュンサン

『おそらく、眼球を圧迫しているのでしょう』医師

『手術すれば治るのですか?』ジュンサン

『手術したとしても、失明などの後遺症が出るでしょう』医師

そして、予断を許さない状態にも関わらず、アメリカへ渡航し手術を受けます。

数年後、帰国したジュンサンは、失明していました。

 

『慢性硬膜下血腫』は、高齢者に多く、覚えていないような軽度の打撲を数か月前に起こし、脳の外側に血がたまる病気です。

頭が痛いとか、ぼんやりする、手足がしびれる、物忘れをするなどの症状がゆっくりと現れ、進行します。

手術は血種(血のたまり)を除去すればよく、術後成績も良好です。

失明って…あり得ない!

 

一方、脳腫瘍では、原発性・転移性とも視神経を圧迫し、残念ながら失明に至ることもあります。

また、眼単独の腫瘍もあります。

視力という機能を残すことは大前提ですが、生命に関わる場合、眼球・視神経などの部分的なものより、生命を優先させることもあります。

病院勤務時代は、両眼とも眼腫瘍で摘出した患者さんや、乳がんの脳転移で失明した患者さんなどなど、悲しい思い出もたくさんあります。

 

最後のシーンで、失明したジュンサンを演じるヨン様。

家の中は、壁をたどり歩数を数えて進む…歩き方をしています。

外出時は白杖なしでいいの?

視覚障害者用補装具適合判定医師である院長としては、気になる点色々…

 

約20年遅れての冬ソナ。

若かりしヨン様をたっぷり堪能しました。

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2021.3.30 桜サクラさくら

新卒採用予定のスタッフから『国試(国家試験)合格しました!』と嬉しい報告。

現代は、ネットで瞬時に確認できます。

電報なら『サクラサク』だわ~と変換してしまう昭和の院長です。

『おめでとう!』

資格を得たここからがスタートです。

 

近年は、医療系国家試験の日程・合格発表ともに年度内に終わりますが、院長の時代は4月の初めに試験、5月に発表でした。

学校総出でバスにて母校を出発。

市内のホテルに宿泊し、某大学が試験会場でした。

2日間やり切って外へ出ると、雨の中、満開の桜。

桜、咲いてたんだ…

そして1か月後、無事『サクラサク』

医師免許証を手にしました。

これはほんのスタート地点で、起伏に富んだその後の30年が待っているとも知らず…

 

院長は、医師免許を取得して丸30年になりました。

 

30年働き続ける…医師免許を取ったばかりの新米医師には想像がつかないくらい先の事でした。

大学病院で30年働いている身近?な人は教授レベル。

同じ医局員と言えども、雲の上の人でした。

 

院長が医学生・新米医師だった頃や、それ以前の女性医師の働き方は、ALL OR NONE。

フルに働くか、まったく働かないか。

多様性(ダイバーシティ)の言葉がない頃です。

決断を迫られたのは、結婚出産に伴い、医局の関連病院がない地域に転居したとき。

ALLとNONEの中間の働き方がなかった(見つからなかった)時、決断したのはALL。

それが開業に繋がります。

 

3人の息子の産休(三男の時は開業後だったので産前0日産後7日のみ)・他諸々を合わせても、1年には到底満たないので、同世代の男性とほぼ同様に30年間、医師として働き続けたことになります。

自身の能力は秀でていませんが、患者さん個々に応じた対話と、細隙灯顕微鏡や倒像鏡(いずれも眼を診察する機器)を駆使した診療を30年間続けてきたことは、今では根拠のある自信となりました。

日々の勉強、知識の習得に加え、技術は実践・鍛錬しないと上達しません。

また、仕事を続けるにあたっては、興味と関心はとても重要だと思います。

クリニック裏の扇川沿いの細い若木で植えられた桜も、今では立派な桜並木になっています。

 

新卒の2人のヒヨコ視能訓練士に贈る言葉でもあります。

 

小さなクリニックながら、新年度から視能訓練士は5名と言う贅沢な人員配置です。

診療に当たり、迅速で正確な検査を担ってくれます。

良きスタッフたちと、最新の機器に囲まれて、院長もまだまだ頑張ります。

ここからの30年後も想像はつかないですが、どんな風であれ働けていたら最高です。

 

3月後半になり、進学や就職などでコンタクトレンズデビューの患者さんも増えてきました。

ほとんどが、幼児や小学生の頃からの来院歴のある患者さんです。

『おめでとう!』

『大きくなられましたね~』お母さんと小さい頃を懐かしむことも。

患者さんの背景やエピソードも院長の脳内に記録されています。

みんなの診療が眼科医としての経験を積ませてくれたんだよ…と思う院長です。

 

さて、4月から、ユニフォームを一新。

クリニックのイメージカラーに合わせて、華やかなチェリーピンクです(今までは桜色)。

イギリスのデザイナーズブランドで、院長の白衣も同ブランドです。

ちょっとオシャレに、スタッフのユニフォームとリンクコーデ。

来院されたら、ぜひファッションチェックも楽しんでください。

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