2025.10.7  2025日本緑内障学会 in神戸

今年の緑内障学会は神戸。

新神戸からシャトルバスで会場に向かいます。

三宮バスターミナルを経由した時ふと思い出しました。

小学生の息子たちと甲子園に行った夏休み。

三宮で何が原因か怒った長男がダーッと脱走。

下の2人に待つように言って、ずいぶん追いかけて捕まえた記憶が蘇りました。

同時に品川駅でも同様のことがあった記憶まで。

『あの時のこと覚えている?』とLINE。

息子から『覚えてない、でも逃げてばっかの人生だったな~(笑)』の返信。

 

さて今回も様々な話題が。

 

緑内障点眼はかなり出そろっていますが、新薬も近く発売されます。

一方、現在主流で使用している点眼薬の新たな副作用も報告されました。

副作用が出て、その後機序が解明されていきます。

副作用があるから使わないということではなく、効能優先にしつつも止めるべき副作用に気づくことが大事です。

『処方する薬が絶対ではないので、何か自分に合わないと思ったら必ず言ってくださいね。そこから、また策を考えるので』

院長がいつも伝えることです。

 

画像の読み方もどんどん進化してきています。

特に日本人は強度近視の緑内障が多いので、画像は定型的でないことが多くなります。

40歳以上で5%強、70歳以上では10.5%の緑内障発症率。

強度近視だと7.3倍緑内障に罹りやすくなります(だから子供を強度近視にさせない治療が注目)。

 

緑内障の罹患率が高まってきたこと、平均寿命が延びていることから、ロービジョン対策も課題となってきています。

『緑内障患者が社会で活躍するための問題と対策』がシンポジウムで、『緑内障のロービジョンケア』が学会賞企画教育セミナーで企画されました。

視覚障害者補装具認定医師であり、アマチュアロービジョンバレーのチームドクターでもある院長。

そして、日々の診療でも、見にくさを訴える患者さん、視野進行が進む患者さんに対して出来ることを考えています。

 

近年のロービジョン支援に対して劇的に変化したのは、スマホアプリの進化による充実です。

高齢者は健常者でもうまくスマホを活用できない人も多いのですが、取り合えずスマホを持つところからです。

スマホのアプリはどんどん進化しており、例えば

ヒトやモノをカメラで認識する『Seeing AI』

目的地までルート案内をしてくれる『SHIKAI』

カメラをタグに向けるだけで内容を読み取れる『ナビレンス』(万博で体験可)

点字ブロックを専用アプリで読み取ると読み取った方向に応じて音声案内を聞くことが出来る『コード化点字ブロック』)金沢市で体験可)

など、検索すると視覚障害用アプリはかなり多く開発されています。

また、足からの振動で目的地に行くことが出来る靴のセンサーも考案されています。

目の病気を治すのも眼科医ですが、ロービジョンの人たちの支援をするのも眼科医です。

目の前の患者さんの視機能低下による困りごとを知り理解し、出来ることをアドバイスするにはより多くの知識や情報が必要。

 

恩師にも再会。

70歳を超えても診療手術勉強に精力的。

永遠に追いかけていく立場の院長です。

 

特別公演は山中伸弥先生。

今回もiPS細胞をめぐる素晴らしい講演を聞くことが出来ました。

 

学会参加はモチベーションアップ、自分の課題も見つかります。

逃げないこと・続けることの重要性も。

いつか息子も分かってくれるといいな~

『これから(の人生)は逃げないように!』と返した母(院長)でした。

お勧めカクテル コウベハーバー レモネード

 

こちらもご覧ください

2024.10.1 日本緑内障学会

2015.9.15 日本緑内障学会

来週(14日)の公センセの部屋はお休みです

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2026.9.30 Sante ! inケニア その4

前回の続きです。

 

マサイのドクターは世襲制で、55のマサイ村を管轄。

半年に1度キリマンジャロ山に行き、薬効のある木をロバに引かせて持ち帰ってくるそう。

すべてが治るわけではないことは院長(医師国家資格有)でなくても自明ですが、現代でもこの治療が成立していることに文化の違いを強く感じました。

サファリの動物と同様、生まれる命・なくなる命、助かる命・助ける命がはっきりしている(はっきりせざるを得ない)現状(文化と医療水準からそうせざるを得ないのでしょう)。

日本の医師が診ているのは、小児科を除き、ほとんど加齢・高齢化とともに増加する病気です。

高血圧・糖尿病・高脂血症・癌しかり、白内障・緑内障・加齢性黄斑変性症しかり。

白内障以外加齢に伴う病気はマサイ族の医師からは出ませんでした。

ケニア人の平均寿命は64歳(2024)、マサイ族は45歳くらい。

加齢に伴う病気が発症するより寿命が早く尽きてしまう。

ケニアの現在。

『いつお迎えが来てもいい』『そんなに長生きしたくない』診療の場でよく聞く声。

日本人の平均寿命は女性87歳男性81歳(2024)。

長生きが新しい問題も起こしている日本の現在。

 

マサイ族でなくても、一般人も公的病院は機能しない(よくストライキが起こる)ため、高い私立病院にどうしてもの時は受診するそう。

ふだんは、薬草や薬局で薬を買い自分で治すとのこと。

もっとも公立病院医師の月給は約20,000円、警備員と同額だそう。

医療体制の充実はまだまだのようです。

ちなみに3日間でガイドとドライバーに支払ったチップは各60ドルずつ(相場らしい)。

 

日本人のクラウドファンディングで建てられた小学校を見学します。

がらんとした一部屋に20人くらいの小学生が座っています。

大きい子も小さい子も赤ちゃんみたいな子も混じっています。

案内役の青年が、歓迎の歌を歌うと説明します。

歓迎の歌は…なんと日本語で『翼をください』

こうやってはるばる来る日本人のために、一生懸命覚えたのでしょう。

真っ黒な瞳・白目そして肌とのコントラスト。

みんなの目はとてもキュートで活き活きしています。

机は卓球台みたいなもの。

壁にはアルファベットが貼ってあります。

学校に行きながらもお手伝いもしないといけません。

教育を受けることは大切、広い世界へ羽ばたく子がここにいるはず。

もちろん、素足にサンダル、牛糞で作った家で生活し、マサイ族の文化を守る人もいるはず。

(実際マサイ族でも村を出て都会で生活仕事をする人もいるそうです)

 

あれば便利だけれど、モノや情報などどこまで必要なのか?

モノも情報量も多ければ幸せなのか?

どこまで清潔や快適にこだわるのか?

院長も昭和から生きてきて、子供時代から生活はずいぶん変わりました。

(つい昭和あるあるを回顧してしまいます)。

しかし2025年の現在、マサイ族の生活様式にはびっくりしました。

マサイ族でない人たちの生活(歩いて移動が多い、物乞い、トタンの家や市場など)も然り。

無くてもより良く生きている人々がいると言うこと。

 

束の間のケニアで感じたことは、日常の日本では感じえなかったこと。

有意義なカルチャーショック!

『Sante サンテ(スワヒリ語でありがとう)ケニア!』

マサイ族の歓迎ダンスに加わる院長。

 

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2025.9.16 Sawasawa  inケニア  その3

前回からの続き…

 

もう一つの目的はマサイ族の村を訪ねること。

国立公園の片隅のある村へ。

ケニアには42の多民族国家で、ケニア=マサイ族を連想してしまいますが、実際にはマサイ族は少数遊牧民族です。

最も多いのはキクユ族でガイド・ドライバーとも同族。

ケニアはスワヒリ語が母語・公用語で英語も公用語です。

しかし民族ごとの言葉もあり、同族同士だとその民族言語で話すそう(車内は2人ずいぶん盛り上がっていた)。

またマサイ族の言葉をキクユ族は理解できないので、この間はスワヒリ語か外国人がいるときは英語で話します。

マサイ族はケニア南部からタンザニア北部を牛を飼いながら移動する遊牧民。

最近では国立公園内に定住することも多いのですが、ケニアタンザニアの国境はマサイ族のみパスポートなしで往来できるそうです。

民族間は顔でわかるらしい(日本人が中国人や韓国人を見分けるのと同じ感覚か?)。

 

マサイ族も最近は、スマホを持っていたり、観光客を相手にしたりと時代とともに変化をしています。

耳に大きな穴をあけた若者が英語で案内。

村の入り口(境はないけれど)からして牛だらけ(牛糞も)です。

牛はマサイ文化の中心で、富・地位・社会関係の象徴です。

また乳・肉だけでなく生血も食料源であり、皮や骨まですべて利用します。

村の男女が歓迎の踊りをしてくれます。

カラフルな布をまとい足はサンダルです。

男性の赤い布はライオンを恐れさせる色なのだそう。

女性は大ぶりのピアスやネックレス・腕輪をしています。

赤ちゃんをおんぶしている人もいます。

 

その後生活の様子を見せてもらいます。

家作りは女性の仕事で、木の枝と牛糞から(蠅が多い)。

ベッド(固い)にはすごく大きな牛革が敷いてありました。

男性は牧畜と家畜の世話。

 

トイレを借りたのですが、院長子どもの頃の和式よりもずっとずっと昔。

トイレの原型です(おそらく)。

トイレの原型はいわゆる和式なんだとこれまた発見?!

元々は何処の地域でもしゃがんで用を済ませたのかもしれません(女性は大小・男性は大)。

現状、トイレの小屋が一つあるものの(観光用?)、マサイ族の多くは青空で済ませるようです。

 

一人の男性が小さな5本の棒状の物を持ってきて説明を始めました(英語)。

マサイ族の医師だそう(I am Dr. と紹介、マサイ族認定)。

1,マラリアの薬

(蚊を介して感染、熱帯亜熱帯で多い、2日目のホテルではベッドの周りに蚊帳が吊るしてありました)

2,下痢をはじめ胃腸不良の薬

3.関節・筋肉の痛みの薬

4.強壮剤

マサイ族は一夫多妻制です。ドクターの妻は1人だけだそうですが、先程の若者は来月2人目と結婚予定とのこと。

そのため強壮剤は必須のようです。

5.トラコーマや白内障の薬

トラコーマはクラミジアによる目の感染症です。日本でもかつては流行していましたが、少なくとも院長が眼科医になってから新しく罹患した患者さんを診たことはありません。

各症状・病気に応じて、上記1~5の木を粉末状にしたり煎じたりして塗ったり飲んだりして治していくそうです。

目に関しては熱く熱した棒を頬(瞼の下)に押し付けることもするそう。

これは日本でいう罨法(目を温める)に相当するのかと思いました。

 

わかったか?と聞かれ『sawasawa サワサワ(スワヒリ語でOK)』と答えた院長。

漢方とも違う世界にびっくりです。

 

次回に続きます。

(来週は23日祝日のため公センセの部屋お休みです)

目の前を象の親子が歩いて行きます。
動物優先、邪魔しないように。

 

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2025.9.9 Polepole inケニア その2

前回からの続き…

 

毎日10キロ。

普通の靴やサンダルで。

イヤホンをして歩いている人は一人もいない。

歩く・走る基本動作にスマホは必要?

便利になり移動も早くなったのに、どんな時もスマホは手放せないツールになっている日本人の私たち。

いつの間にか、想像や創造、考える、無になる時間を手放しているように思います。

 

また毎日太陽光の下で長距離を歩いていたら、知らず知らずに近視進行予防になっています。

(近視進行予防に1日2時間屋外活動を日本眼科医会は推奨)

 

一般道には普通車はあまり走っていません。

ダンプかトラック・トレーラー。

あとは乗り合いバス。

流通のための交通。

80キロ以上で走る車の脇を時々3人乗りのバイクが走り、歩道(舗道ではない)を人が歩いていたり、牛や羊が放牧されていたり。

片道1車線をどんどん追い越して走るのが普通です(前方からくるとすっと元の車線に戻る)。

標識もなく続く一本道を国立公園のほうに曲がるとかなり凸凹、舗装がはがれて凹んでいます。

『なぜ直さないのですか?』

『(国に)お金がないからです』

こんなデコボコでも?!

『標識がないのに行き先が分かるのですか?(車のナビもないし、スマホのGPSも使っていない)』

『大体わかります(自信満々に)』

地図が頭に入っている?!

『polepole ポレポレ(スワヒリ語でゆっくりゆっくり)です』

スワヒリ語の諺に『ゆっくり行けば、ぶつかることはない』というのがあり、ゆっくり行けば未知の世界でも知らない人同士交わえると言う意味だそう。

地図がなくても、聞けば(交流すれば)わかると言うこと?

笑顔の子供たちが寄ってきます。

『いつもの光景です』

無視して車は走りますが。

『Give me candy, ○○!』

 

アセンブリ国立公園に入ります。

ケニア南部、タンザニアとの国境近く。

ここはマサイ族が暮らす地域としても有名です。

 

オフロードの道は約1メートルのアップダウンもあります。

ランクルの真価発揮。

揺れは相当大きく、降車後も振動が残るほど。

『ここでは象さん、たくさん見られます』

まもなく『いた、いた!』

どこどこ?

ガイドさんもドライバーさんもさっと動物を見つけます。

『あの向こうの大きな樹の下に』

どこどこ?

『今、こちらを向いた』

どこどこ?

『双眼鏡使ってください』

ふーむ…双眼鏡越しに少しづつ顔を動かすと…『あれ?』

『いた!いた!』

ゾウだけでなく、ライオンやチータなど草木と紛らわしい動物も同様に見つけます。

視力一体どれくらい?

日本では、2.0まで指標はありますが通常1.2~1.5までしか測定しません。

子供の弱視治療でも1.0出るようにすることが目標です。

『視力いくつですか?』

『測ったことありません』

いつかマサイ族は視力10.0と目にしたことがあります。

ケニアには42の民族があり、ガイドとドライバーは同じキクユ族(農耕民族・ビジネスに強い)。

マサイ族ほどでないにしても、100メートル以上先の動物を見つけられる視力は相当なはず。

 

ならばと、『近くは見にくいでしょう?』と聞きます。

遠視で元々視力の良い人は、40歳以降老眼を自覚しやすくなります。

こんなに見えていると、遠視もかなり強いはず。

ガイド45歳『大丈夫です、見えています』

ドライバー58歳『すごく細かい字(見せてくれた)の時だけ眼鏡を使うけど、普段は使わない』

加齢とともにピント合わせをする力(毛様体筋)は低下し、水晶体も濁り固くなるのに、この回答は…?!

同世代強度近視の院長でさえ、日々老眼は自覚しています。

遠視だから目の奥行(眼軸長)は元々短いはずなのに毛様体筋の構造変化があるのだろうか…(一眼科医考えます)

 

次回に続きます…

移動で1日10キロ歩くのは普通です。

 

 

カテゴリー: 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2025.9.2 Jambo!  in ケニア その1

オバサンになっても(なったからこそ)やりたいこと続々の日々。

見つけた2泊機中2泊現地の個人ツアー。

現地集合現地解散。

まさにコンパクトに自分が行きたいところだけ!

 

経由地を経て約1日かけての到着先はナイロビ。

ケニアのナイロビ空港集合・解散。

Ms.HASEGAWAの札を持ったガイドを見つけほっ。

『Jambo!ジャンボ (スワヒリ語でこんにちは!)』

この日はナイロビ泊。

素晴らしいホテルなのに翌朝は5時半出発、ゆっくりできません。

 

翌朝ナイロビ国立公園へ。

まだ暗いうちに1番の到着。

この国立公園は面積117平方㎞ナイロビ市街地の南東約7に㎞に位置し、野生動物の背後には市内のビル群がそびえたっています。

サファリ用ランクル(ランドクルーザー)に乗って出発。

シマウマの群れが草を食んでいます。

カバが朝になり水の中に潜っていきます。

サイの親子がゆったりと歩いています。

キリンも悠長に首を伸ばして高い木の枝の葉を食べたり、下におろして低い木の葉を食べたり。

『キリンのまつ毛はたくさん。とても長いです。ホコリや砂から守ります』

ケニア人ガイドのAさん(男性)。

なるほど…

かくいうAさん、ドライバーのBさん(男性)ともまつ毛はパーマをかけたように長くてきれいなカール。

ヒトも長い歴史の間に環境に適するような仕様になっているのだと改めて確認。

 

この国立公園にはゾウはいません。

ゾウは1日300㎏の餌を食べるので、この公園ではゾウが住むに十分なエサがないとのこと。

 

ということで約200㎞強離れたアンボセリ国立公園に向かいます。

 

ナイロビ(首都)もそうでしたが、市外に出ると、砂埃の国道脇を度々人が歩いています。

ケニアにはナイロビ・モンバサを結ぶ高速鉄道しかありません(中国が支援)。

移動はバス・車(高価なのでなかなか買えない)・タクシー・バイク(多くはない)など。

バス停の表示はなく、トタンか木の枝で作った露店が多く集まっているところがバスターミナルです。

 

何で歩いているのか?(気になるとすぐ質問)。

『歩くしかないからです。ケニア人はよく歩きます。大体私も毎日10キロ歩きます』

ガイドのAさんも自宅からバス停まで歩き、バスの後職場まで歩く。

市場へも歩く。

バス停自体の間隔も遠いし、自宅もバス停から遠いのが一般的だそう。

必要だから歩く。

シンプルな回答。

日本人の健康のために歩きましょう、ではない。

 

ケニアは1700Mの高地なので25度くらいで涼しいとはいえ、紫外線も強いです。

しかし、歩いている人(市場の人たちも)で帽子を被っている人はほとんど見かけません。

『帽子を被らないのですか?』

『みんな被りません』(習慣がないよう)

黒人の髪の毛は縮毛です。

縮毛が故、頭皮に浮く形で髪が伸びていくので、外気と頭皮の間の髪の毛が断熱材のようになり頭の温度が高くならないようになっています。

また縮毛は、頭を全体に覆うように伸びているので紫外縁からも頭皮を守ってくれます。

おそらくそれで帽子を被る習慣がないのかもしれません。

黒い肌だってそう(長袖も多い)。

 

サファリカーの移動中、二人の頭を後ろからじっと観察。

 

ヒトも環境に適応し進化してきたことをまた改めて確認。

マサイキリン

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2025.8.26 目が小さく見える

ある会合後の食事会でのこと。

外出時はコンタクトレンズ装用が多い院長ですが、その日は学会用眼鏡(遠方しっかり矯正)で。

久しぶりに他科の先生と集います。

『こう先生、何か変わった。ん~、目が小さくなった?!魚眼グラスみたい!』院長より一回り年上のフランクなA先生から。

若い女性なら『失礼な!セクハラですよ!』と一蹴するかもしれませんが、昭和生まれのセクハラもパワハラも(自覚はなかったけれど)経験済みのオバサン院長。

眼科でない人には、きちんと説明しないと。

グラスを片手に『目、小さくなっていませんよ。ほら(眼鏡外す)。実はですね…』と、ソフトに説明。

 

院長は強度近視ですが、近視が強くなればなるほど、眼鏡をかけると目が小さく見えます。

それが嫌で、コンタクトレンズの装用時間が長くなったり、眼鏡をかけたくない患者さんは今まで多く見てきました。

 

眼鏡で目が小さく見える原因は、近視レンズの構造によるものです。

近視レンズは凹(おう)レンズと呼ばれています。

凹の字の通り、レンズの中心が最も薄く周辺に向かうほど厚みが出る形状です。

縁図の中心に向かって引っ張られる収縮作用のプリズムの仕組みで、眼鏡レンズを通すと目が小さく見えます。

 

反対に、遠視レンズは凸(とつ)レンズで、字の通り中心が最も厚いです。

周辺に向かうほど薄い形状です。

拡大鏡のイメージです。

目が大きく見える眼鏡をはめている人(小さい子供が多い)は、遠視眼鏡です。

 

強度近視の凹レンズ眼鏡を装用する場合、見た目を気にするなら眼鏡選びの対策を。

近視度数が強くなるほど、目は小さく見えてしまいます。

また、メガネレンズ越しに見える目元全体が小さく見えたり、眼鏡枠の部分の顔の輪郭が内側に入って見えることも起こります。

 

少しでも目が小さく見えないためには…

1.レンズが小さいフレームを。

錯視の効果で、レンズが小さく、目と目の間が狭いフレームが効果的です。

2.レンズの横幅が狭いフレームを。

目元の輪郭が内側にへこんで見えるのを抑えます。

3.フレームが濃いものを。

錯視の効果で目の周りを囲むと、目を大きく見えることが出来ます。

黒やダークブラウンなど。

4.頂点距離を短くする。

目とレンズの距離が離れるほど目は小さく見えるので、その距離を小さくします。

あまり近いと、まつ毛の長い人は当たったりするので眼鏡屋さんと相談です。

 

眼科医の院長は、フレームは優しめの色合いですが、上記のことを踏まえて作成した眼鏡を装用しています。

極薄レンズを選ぶことは必須です。

 

一度、あるブランドの大きめフレームで度入りサングラスを作成したところ、重すぎて使う気になれなかったという苦い思い出も。

 

最近お化粧にも興味がある(今更?)院長は、お化粧方法を学ぶのにも余念がありません。

レッスンの先生に、目の小さく見えるのをカバーする方法を教えてもらいました。

目を大きく見せるアイメイク。

マスカラでまつ毛を強調(ビューラーの正しい使い方、マスカラの使用法)。

アイラインで目の輪郭を大きく見せる(囲み目メイク)。

日々鏡を前に練習中。

 

『…ということで、私の目は変わっていませんよ、ねっ⁈』

他科のA先生は『へ~、そうなんだ…』

そのあと、A先生専門の男性の排尿について男性の解剖学的構造の話を聞くことになるのでした。

『へ~、そうなんですね…』

 

食べながら飲みながらの話題…⁈(医者あるある)

お互い他科のことは知らないので勉強になります。

眼鏡橋 長崎

 

 

 

 

 

 

 

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2025.8.20  日本語で話して

休日診療所の出務当番。

名古屋市は名古屋市眼科医会の会員(開業医)で回しています。

今日はどんな患者さんが…?

 

休日診療といえども多いのは数日前から○○…

だったら休み前に眼科を受診しなきゃ…と思いつつ診察します。

結膜炎、アレルギー、ものもらいなど。

中には、近医にかかっているのに気になって受診と言う方も。

残念ながら初診患者さん(全員)に、大した検査機械もない状況で、詳しく診察することは難しいです。

結果、かかりつけの先生にもう一度診てもらうように言います。

お話を聞いていると、過剰に心配性の方が多いように思います。

 

眼球打撲や目が赤くなった患者さん。

視力低下はないか、目に問題がないか、最低限の機械にて診察します。

 

1週間前から帯状ヘルペスでどんどん悪化して視力も低下したという患者さん。

ヘルペスは水疱瘡のウイルスで、免疫力が低下すると、身体の奥に潜んでいたのが活発化します。

通常まぶたに水泡が出来、軟膏が奏功しますが、稀に眼球に入り込む場合も。

この患者さんは、眼球にも炎症が起き視力の急激な低下が起こっていました。

『○○病院に紹介状を持って行ってください』

 

幸い名古屋市の場合は、大学病院や眼科病院が2次救急を引き受けてくれます。

滅多に休日診療所からお願いすることはないのですが、今回は該当。

 

コンタクト関連の患者さんも多く来られます。

コンタクトが外れない。

眼の中のどこかに行っちゃった。

外したら激痛がしたなど。

 

コンタクトを外して終了の場合もあれば、目の中にコンタクトが見つからない(知らぬうちに外れていた)場合も。

レンズ装用に問題がある場合が少なくありません。

また同じこと繰り返さないといいんだけど…

 

装用したまま眠って、朝外したら激痛の患者さん。

綺麗なお姉さんです。

角膜は傷だらけで充血もあります。

中国名と日本名があったので、『痛い?』とか『傷がついている』とか、緊張しながら片言中国語で話します。

コンタクトは半年ずつ交換(日本製にはない)のカラーレンズ。

それも良くないんじゃないか…というと、本国でちゃんと合わせているとのこと。

眼科医(院長)がゆっくり(言葉を選ぶというより語彙不足)話すので

『日本語で話してください!』

『あ~はい…(しょぼん)』

日本語でゆっくり丁寧に説明。

『わかりました』(我明白了)

眼科医としてはきちんと診療したけれど、自分の中国語の拙さにショック~

当院に来る中国人の患者さん(日本語上手)は、拙い中国語でも話すと褒めてくれるのだけど…厚意に甘えていました。

反省。

 

終了間際に来た患者さん。

2日前に両眼の視力低下に気づき、昨日はもっと低下し、本日は本当に見えなくなったから来たとのこと。

視力は右0.1左0.2。

軽い近視で、今までは眼鏡でしっかり見えていたそう。

眼圧や前眼部は問題ありません。

休日診療所には最低限の機械しかなく、通常当院にあるような眼底カメラや視野計その他のはありません。

精密検査も含め2次病院にお願いするしかない。

その旨を伝えると『ここでわからないの?また行かないといけないの?来週ではだめ?』

眼科医と患者さんの温度差。

今までの経緯から考え得る病気をいくつか挙げ、精密検査の重要性を話し…ようやく腰を上げてくれました。

 

離島の診療所を思い出します。

機械は、休日診療所と同程度のみ。

2次の病院は島外。

ならば今すぐヘリか明日の飛行機か船か…

 

車で数十分の2次病院。

名古屋市ありがたいです。

 

水餃子・春巻
場所:京都

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