2023.2.14 とっさの一言

早速、フロアーバレーボールの練習見学日を決めた院長です。(前回より続く)

いつも訪問する際には、相手の情報を予備知識として入れておきます。

 

フロアーバレーボールとは…

・コートの中に立てるプレイヤーは前衛3名と後衛3名の6名。

・前衛プレイヤーはアイマスク(アイシェード)を着用して目隠し。

・スタートのポジションがあり、ポジション番号が振られる。ポジションはローテーションにより試合中変わる。

・ローテーションは前衛と後衛それぞれ、ネットに向かって左方向へずれる。

(一番左は一番右にずれる)

・3打以内に相手のコートにボールを返す。

 

HPやYouTubeで一通り知識が付きました。

見学チーム(ドリーム・ラブ・ワールド)のYouTubeも見つけたので、視聴しておきます。

 

さて当日、指定された体育館へ。

10名以上のメンバー。

先日のAさん、Bさんを含めて全員自己紹介。

自身の病気を言う人も、残存視力や視野を言う人も。

院長が眼科医だからこその紹介かもしれませんが。

晴眼者のCさん(メンバー及びコーチ)や、ボランティアサークルの大学生も参加します。

 

練習が始まります。

後衛は、晴眼者及び軽度弱視者が担当。

前衛は、アイマスクをしているので誰でもOKですが、メンバーの数によっては、全盲・弱視者が担当になる事が多いです。

後衛プレーヤーが、サーブを打ちます。

すくい投げのサーブですが、これが結構速くて強いのでびっくり。

 

2打目(トス)は、後衛が受けることも、前衛が受けることも。

前衛は、視覚障害のハンディキャップが大きいので、後衛がボールの位置を時計方向で知らせたり、拍手をして(音で)知らせます。

ゴールボールと違い、鈴が入っていない(中学校までは鈴入り)ので、目隠しだと探すのに大変です。

3打目のアタック(これも下投げ)も、選手によっては結構速くて強い!(キャプテンのボールの勢いはすごい!)

当然ですが、素手なので痛そう。

 

前衛の3人が中央で並んで待機しますが、後衛の『オープン!』の指示で、左右の端に広がります(カーテンみたい)。

後衛は、ボールの動きを見て、前衛に的確に指示。

前衛は、後衛の指示(聴覚のみ)で素早く反応します。

 

この日は、隣の半面で高齢者の卓球クラブの練習が。

見学の院長でさえ、ピンポンの音が気になっていたのですが、尋ねるとやはり。

晴眼者以外、日常生活では白杖使用なのに、コートの中では白杖なし、声・音だけでプレイします。

雑音(卓球クラブの音)が多く、その日の練習はやりにくかったそう。

 

ミーティングで、メンバーの一人DさんがAさんの斜め後ろに。

『Dさん、どこだー?俺、視覚障害者だから見えないんだよな~。まだ、健常者だと思っているから(中途視覚障害)~』

『僕も視覚障害者です!』とDさん。

メンバー大笑い。

院長笑っていいものなのか…

 

終わり際、『来月県大会があるんですけど、チームドクターになってもらえませんか?』

えっ!?

『は、はい。わかりました』

とっさの一言。

サークルといえども、チームドクター拝命。

返事をしてから重責に気づきます。

まぁ、これも何かの縁、頑張ります!

 

それにしても、30年近く前にも同じシチュエーションが。

知人の知り合いと3回目の食事時、『チームドクター』の代わりに『結婚…』の下りを言われました。

とっさの一言は同じ。

(帰宅してから、とっさの一言の重みに気づいた次第…)

何の縁なのか、お陰様で現在まで一緒にいます。

 

 

 

 

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2023.2.7  SHE SAID(シー・セッド)  

新聞(紙)は毎朝のルーティンのひとつ。

毎日3紙をざーっと見て、目に付いた記事・興味ある記事を読みます。

文化欄も好き。

紹介されていた映画『SHE SAID』を見に行きました。

 

実話に基づいた映画。

2017年、ニューヨークタイムズ紙が報じた記事。

ハリウッド映画の大物プロデューサーのセクハラ・性的暴行事件を告発。

その後、映画業界のみならず国を超えて性犯罪の被害の声を促し、#Me Too運動の起爆となったそうです。

 

そして、この映画上映中のつい先日、性犯罪要件8例が日本でも提示されました(タイムリー!)。

 

2人の女性記者の取材によって、過去の被害者が表面上の示談で泣き寝入(というか、過去を封印)していたこと、隠蔽が暗黙の了解である業界・社会であることが掘り起こされていきます。

 

被害に遭った女性への聞き取り、面会、実名公表までのやり取り。

また、加害者側の関係者・弁護士などへの聞き取り・面会など。

調査を妨害されながらも、チーム一丸となり事実を突き詰め、報道公開します。

 

この映画では、性的暴行事件の告発記事を公表する過程において、2人の女性記者の行動がカッコイイのです。

ジャーナリストとしての使命と責任、プライドを映画の中で感じます。

夜中でも、海外でも、取材依頼があれば出かけていく。

相手が年上でも、男性でも、地位が高くても、屈せず取材に飛び込んでいく。

性被害に遭った女性たちには、寄り添い共感して取材をする。

 

バリバリのキャリアウーマンたちですが、私生活では妻であり母である様子を描き出しています。

キッチンやダイニングでも原稿を書き、ベビーカーを押しながらでも仕事の電話に応えます。

仕事となれば、夜でも子供たちを夫に預けて出先に。

夫は妻の働きを阻止したり揶揄しないし、子供も何となく母は大事な仕事をしているのだろうと感じている。

夫は妻を自分のサブ(従人)ではなく、対等の人間・パートナーとして静かに応援。

子どもの寝顔で癒され、子供の言動で母親としての自己嫌悪に陥るシーン。

仕事の停滞に落ち込んだり、ちょっとした成功にまた頑張ろうと奮い立つシーン。

 

映画キャストみたいに、美人でカッコ良くはないけれども、昔の自分に重なるものが。

そんな時代もあったよね~(♪中島みゆき♪)

いわゆる男性的働きを、妻母の役割もしながら女性が続けることは、結構大変。

しかし、仕事が、社会に関わる一個人(属性ではない)としての自分を発揮できた場所(今現在も)であったと思います。

映画の中でも、高齢出産で産後鬱と診断された記者が、復帰して元気を取り戻します。

これからの時代は、性差に関わらず、相手を尊重し認めていくことがより求められると思います。

 

脇役で、登場する女性上司。

的確な指示をし、時には子育て中の彼女たちを気遣い深夜に残業します。

彼女もカッコイイ。

むしろ、今はこちら側にシフトチェンジです。

 

自分より年上の素敵な女性たちを目標に。

自分より年下の女性たちに賢明な助言を出来るよう。

 

社会派映画としても、働く女性としての視点からも見応えのある映画でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2023.1.31 白い杖の来客

『…バレーのAさんからお電話です』と受付スタッフから。

…バレー?バレエ??

 

昨夏のある日の朝刊。

視覚障害者と健常者が一緒に楽しめるフロアーバレーの記事が。

眼科医ゆえ、目に関する記事やニュースには特に目が行きます。

更に、『健康スポーツ医』であり『障がい者スポーツ医』の院長。

興味深く読みました。

 

『視覚障害者用補装具適合判定医師』養成講座でも『障がいスポーツ医』養成講座でも、実習で障害者スポーツの勉強や体験をしましたが、『フロアーバレー』は知りませんでした。

プレイの様子と、キャプテンAさんの写真が。

そして連絡先のAさん携帯番号も併記。

 

気になる…気になる…

面識のない個人の携帯電話にかけるとなるとオバサン(院長)でもハードルが高い…

どうしよう、気になるけど…

迷いつつ2週間。

思い切って電話をかけます。

相手は、写真よりも若い声。

体験する予定か聞かれ、まずはどんなものか知りたいので見学を、と伝えます。

 

2か月先までの練習日を聞きメモします。

一応連絡先を、と聞かれたのでクリニックの番号を(携帯番号よりは…)。

 

土曜日は絶対無理だし、日曜日も既に所用が入っており、結局行けずじまいに。

 

そして年が明けた1月。

クリニックに電話があったという次第。

『びっくりしました。眼科の先生だったんですね~それなら尚更説明しに行ってもいいですか?』

『もちろんです』

 

約束の日にクリニックに現れたのは白杖の二人の青年。

ウサギ小屋みたいな院長室で話すことに。

ドアを開けて室内へ。

ガッチャーン!

早速大きな音がします。

『すみません!』

いえいえ、『すみません』は当方です。

入ってすぐの仕事机の角に、文具を入れたプラスチックケースが置いてあったのでした。

初めての場所だと、視覚障がい者は、白杖、手指の感覚で空間把握をします。

ですので、角には物を置いたりしてはいけません(眼科医として反省)。

 

二人が自己紹介をしてくれます。

Aさんは、高校生の時、突然視力障害に。

その後、盲学校に転校しています。

Bさんは、幼少時から見えにくかったのですが、進行により中学校から盲学校に。

『Aさんは○○の病気、Bさんは○○の病気ですよね!?』

『正解です、さすがです』(エピソードを聞くと…眼科医ですから)

 

フロアバレーボールとは…

6人制バレーボールに沿った、視覚障がい者と晴眼者(視覚障害がない健常者)が一緒に楽しめるスポーツ。

ネットの下で床を転がるボールを打ち合う。

ネット前で目隠しをする3人の前衛と、コートの後ろの後衛(弱視者でも晴眼者でも)が1チームとなり、競技をする。

 

フロアーバレーボールチームは、他にもいくつかあり、交流試合もするそう。

また、年に一回は、愛知県大会も開催されているそうです。

『一度見学に来てください』

 

白杖を持つ程度になると、回復と言うより現状確認のための大きな病院での定期検査となる事が多いです。

したがって、町の眼科医は接点がなくなってしまいがちです。

『なんか目が乾くなとか、目やにが出るなと言う時に行ける眼科がないんですよね。行ってる病院は、完全予約制だし』

見える見えないだけでなく、もっと日常の病気(結膜炎とかドライアイとか)は誰にでも起こりうるはず。

『そういう時は、町の眼科に来院してね~』

 

見学、ぜひ行かねば。

またまた未知なる世界へサーブ!

 

 

 

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2023.1.17 リンゴのバカー!自分が馬鹿。

ある日、スマホのカメラの背面カバーが欠けているのに気付いた院長。

落とした?ぶつけた?記憶にない…

新機種に買い替えてまだ数か月。

ショック!

粗相をしたことを隠す子供のように、何故か誰(家族)にも知られてはいけない、言わないでおこうと決めました。

(何も悪いことをしていないし、自前で購入しているのに…)

カメラを囲うフレームの一部分、目立たないと言えば目立たない。

カメラのレンズ中心にはかかっていないので、カメラ機能にも支障ありません。

しばらくそのままにしておいたところ、何となく亀裂が広がっているよう。

何とか食い止めねば。

考えたのは、セロハンテープでの補強。

細めに切って、囲んで終了。

 

またしばらくすると、テープがめくれかけてきました。

またまた補強。

テープを貼っているうちに、窓ガラスのひびをテープで止めて補修している家を連想してしまいました。

 

地下鉄に乗るたびに、対面の乗客のスマホに目が行くようになったのもこの頃。

スマホ全体ではなく、背面のガラスケースにテープなどを貼っている人はいないかな?

『泣く子はいね~が?』みたいに『テープ貼ってる人はいね~が?』と、観察。

結果、皆無。

 

おしゃれして地下鉄に乗っているのに、手にしているのはテープでツギを当てたようなスマホ。

惨めな気分から解放されるには、ちゃんと修理するしかない!

 

決めると早い院長。

お店はなかなか予約が取れないので、リンゴさんに連絡。

『背面のカメラのひび割れですが、修理お願いします』

『12,900円です』

『わずかなこのひび割れがそんなに高いんですか!?保障に入っているのに!』

『保障に入っているからその価格です』

は~

新品の同機種が送られてくるので、バックアップ諸々をして、交換返却をするようにとのこと。

ゆっくりやろう…と思う間もなく、すぐ新しいスマホが到着。

配送業者が引き取りもしてくれるのですが、こちらは全く準備が出来ておらず。

 

さて、社会的立場  母(院長)>>息子

経済力 母>>息子

知識 母>>息子

図式の我が家ですが、ことスマホ関係に於いては、母<<息子。

不測の事態に対処できない可能性もあり、息子にお願いせざるを得ません。

平常、お願いする機会・回数は圧倒的に母少なし。

息子のお願いばかり聞く母です。

何か言われる覚悟で事情を話します。

 

旧スマホ(現在使用中)を触りながら

『母さん、何処が壊れてる?全然問題ないぞ』

『えっ?だって、ここのテープ貼ってあるとこ』

『これは、俺が貼ってやった保護ケースが割れているだけ。ほら(ケースをはがして)、新しいのと変わらん』

ガーン!!

『キャンセルできるか聞いてみる!』

『ダメだと思うよ、小さな店じゃないんやで』

『やってみる!』

リンゴさんへ連絡。

実は壊れてなくて、新品にもまだ何も触っていないこと等々。

自分の非を認めつつ、ひたすら下手に丁寧に品よく…(オバサン、粘ります)

 

結果…

『一度申し込んだらキャンセルは出来ません』

『12,900円で新しいスマホを手に入れたということです(交換で)』とのこと。

いらんがな!

『リンゴのバカー!自分が一番馬鹿だけど』

送り返すスマホをぶつけたい気持ちを理性が抑えた院長です。

『母さん、わからんのに行動するな。まずは聞けよ。そのうちオレオレ詐欺にひっかかるぞ~』

(今回は詐欺ではありません。院長の不注意)

息子、マウント取っているのか、優しいのか!?

立場逆転。

 

高い勉強代でした。

トホホ…

『リンゴに払うくらいなら、俺にくれた方がよかったのに』

 

 

 

 

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2023.1.10 めでたいたい焼き

昨年師走の診察室。

Aさん(75歳過ぎ、男性)入って来るなり、『センセイ、こんなものもらっちまったわ~』

『血糖値上がりました?』(いつもの血液検査の結果?)

『そっちは調子いいけど…』と、差し出したのは、違反切符。

一方通行を侵入してしまい、ミニパトの御用になったそう。

あの道は、昔は一方通行でなかったような…

『そうなんだわ、最近一方通行になったらしいわ』

更にもう一枚の紙を。

『後期高齢者だからボケてないか、認知症の検査して来い!だってさ。

センセイ、認知症の検査やってよ~』

当院は名古屋市の認知症早期発見事業として、もの忘れ検診を実施しています。

結果は、問題なし。

まぁ想定内でしたが。

 

眼科と言えども、患者さんとの会話が比較的多い当院では、会話がかみ合わなくなってきたら『あれ?』

認知症疑いや認知症を発見することもあります。

『この紙を出して、罰金払ってきておしまいだけど、痛い出費やな~

有馬記念(競馬)で頑張らんと!

センセイは何に賭ける?』

院長は、息子の影響で競馬は少々かじりますが、ビギナーズラックの後の落差が大きすぎて、以後賭けない!と誓ったのでした。

『幸運を祈ります!』

 

先日、かかりつけ医の認知症対応向上研修を受けてきました。

認知症は75-79歳で約10%(後期高齢者の入り口)

80-84歳ではその倍の約20%

85-89歳では約40%と増えていきます。

もの忘れ検診は、認知症早期発見・早期対応を推進する名古屋市の事業の一環です。

認知症サポート医になるには養成研修を受け、さらにフォローアップ研修を受けます。

 

よく、やれない事とやらない事を混同される場合があります。

例えば『掃除はきちんとできているか?』の問いに

1.もともとやったことがない(機会がない、経験がない)。

2.以前は、やっていたが(誰かが代わりにやるようになり)やる機会がない。

3.意欲低下でやれない。

4.やろうとしてもうまく出来ない。

と色々返答はありますが、認知症では『以前はきちんとできていたのに、出来なくなった』

4番の答えが該当します。

 

名古屋市には、『名古屋市認知症の人と家族は安心して暮らせるまちづくり条例』があります(院長も初めて知りました)。

いきいき支援センター(地域包括支援センター)では、認知症の人を介護する家族への支援も行っています。

徘徊する認知症の人のために、

『はいかい高齢者お帰り支援事業』(捜索協力メールが配信される)

『なごや認知症の人おでかけあんしん保険事業』(徘徊した人が起こした事故の補償などを支払う。名古屋市が保険料負担。医師の診断書要)

 

65歳以上がもの忘れ検診の対象です。

子供じみた検査と思わないで、もし見つかったら怖いと思わないで。

どんな結果でも意義ある検診です。

 

さて、年内最終日。

受付スタッフから『Aさんから差し入れです』

まだほんのり温かいたい焼き。

『いただいたときは熱々だったんですよ』

Aさん、きっと有馬記念上手く当てたのね!?

1着のイクイノックス単勝ってわけでなく、いつものように3連単買いなのかな~

 

Aさんにとって、めでたいたい焼きだったと信じたい。

人間万事塞翁が馬というように。

院長もスタッフも、たい焼きでめでたい(ハッピー)気分。

こちらもご覧ください

1.1倍

趣味の始まり

リアルに並べば

母の日に愛をもらう

 

小さなめでたい!を見つけて感謝していきたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

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2022.12.20 リアルDr.コトー  その3

翌朝、前日の雨風は止み(と言っても時々降ってくるのが島の気候らしく、何回か降ります)、島内を電動自転車で周ることにしました。  →前回の記事はこちら

与那国島は一周27キロとはいえ起伏が激しいとのこと。

島に沿って道があるので、走っていきます。

サトウキビ畑を横に、ひびの入ったアスファルトを進んでいきます。

晴れると一気に日差しが強い!

日焼け止め塗っておいてよかった。

石垣島の子供には瞼裂斑(瞼裂班)が多いという論文がありましたが、納得。 → 「目が黄色い」

加えて、白内障も進行しやすいだろうな~

展望台に行っても、与那国馬の放牧場を通っても人はいません。

念のため、グーグルマップに次の目的地を入れることにしました。

 

Dr.コトーの診療所を目指します。

ひどい急斜面を降りることになり、途中自転車は置いて進みます。

テレビで見たDr.コトーの志木那島診療所。

一昔前の診療所(昭和~)って感じです。

既にリアル診療所に行き、リアルDr.コトーに会った後もあり、感動はそれほどでも。

でも、自身が離島医療を勉強するきっかけとなったので、見ておかねば。

 

自転車を置いた場所までの上りの急勾配、更に自転車を押しての急勾配に泣きそうになります。

徒歩用にマップを設定していたようで、狭い獣道みたいな経路にはまり込んでしまったのです。

人影は全くない。

役場か診療所にヘルプ!?は避けなければ(いい迷惑)。

過酷な筋トレを課された…のだと言い聞かせ、歯を食いしばり脱出。

 

日本国最西端之碑。

ついに日本の最西端に。

2019年に丸木舟で男女5人が台湾から45時間かけて与那国島にたどり着いた記録が。

それだけ近いということ。

事実、以前は台湾との行き来が盛んな島だったそうです。

 

クルマエビの養殖場・製糖工場を通れば、ここの産業医は?

小・中学校を通れば、学校医も診療所医師が兼務だけど、眼科医は?歯科医は?と、思うこと色々。

 

約半日で1周出来ました。

起伏の多さと急斜面獣道迷い込みにより、体力消耗激しい院長。

ほぼ誰にも会わない道路。

ただの観光というより、ダイビング・釣りの客が多いようです。

 

もし眼科の診療のお手伝いができる日が来たら…

不安もありますが、自身の経験があれば役に立つのでは…とも。

目下、自身のフィールドは『眼科はせ川こうクリニック』。

20年以上にわたる患者さんの眼の健康を最後まで守ることが、一番の使命だと思っています。

離島よりは恵まれた立場ですが、地域医療の信念は変わらない。

総合内科ではないですが、総合眼科(造語)として何でも受け入れる姿勢は貫きたいと思います。

 

与那国空港はとても小さな空港です。

Dr.コトーのポスターが貼ってあります。

島には映画館がないのですが、町の体育館で上映会が開催されたとのこと。

映画館もなくてもいいけれど、あると嬉しい施設のひとつ。

商店も島に数件あるのみで、商品は非常に限られています。

厳しい現実はこんな所にも。

 

なぜか空港の待合室は賑やかというか騒々しい。

中学生たちがおしゃべりしたり、ふざけあったり。

行き先は石垣島。

『何かあるんですか?』気になるオバサン(院長)質問。

『バスケの試合に行くんです』

飛行機に乗って、バスケの試合に!?

離島の飛行機は、こちらの地下鉄と言う感じでしょうか?

島で生まれず(産科施設がない)、生後少し経ってから島に戻ってきた子たち。

高校がないので、15歳になれば島を出ることになる子たち。

 

今回、いつもと違う学びや、考えることが大容量。

離島医療の重みを感じた与那国島の医療体験でした。

 

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県立八重山病院(石垣島)は別の機会に。

今年も一年ありがとうございました。

 

こちらもご覧ください

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの想い

2022.12.13 リアルDr.コトー   その2

与那国島へは、プロペラ機で入島します。  →前回の記事はこちら

蒸しっとした暑さと、ひどい強風と雨(突然降って突然止む)。

南の島~のイメージは到着後、すぐ打消し。

 

島は周囲約27キロ。

人口は1700人弱(ちなみに当院がある名古屋市緑区は約25万人)。

与那国診療所は、島に3つある集落の最も中心の集落にあります。

町立ですが、地域医療振興協会(JADECOM)の管理となっています。

所長(といっても医師一人)こそ、リアルDr.コトーのS先生です。

S先生は、JADECOMの理事ですが、先月で医師不在になり、急遽那覇から与那国に移住し、診療されています。

無医島にするわけにはいきません。

沖縄県には離島が多くあり、JADECOM、県立病院からの派遣、その他経路で医師が診療に従事しています。

みんなリアルDr.コトーです。

 

この日は、割と一般的な病気ばかりだったので、救急搬送をしないといけないケースはありませんでした。

電子カルテが導入されており、CTも設置。

地元の患者さんはそれほど多くないのですが、観光客の増加に伴い多忙になる時も。

一応何でも見ないといけないので、総合診療の現場でもあります。

そのため、初期研修医の地域医療実習機関にもなっており、1年目の医師が1か月研修に来ていました。

いい年をしたオバサン医師(院長)が突然何しに?と、当初、不審そうな目。

そうですよね~(ちゃんと、自分の経歴を説明)。

 

島の医療体制で限界と思ったら、すぐ石垣島や本島(沖縄)に紹介するのが、離島医療の約束。

一人で抱え込まないのは、何処の医療でも同じ。

ヘリや飛行機・船で島外の医療機関に受診して、軽症なら何より。

手遅れにならないように見極めることは、島医療で大事なことです。

Dr.コトーは一人で大手術もしてしまいますが、それはドラマならでは。

 

眼科・皮膚科・耳鼻科・整形外科・産婦人科は月に一回2~3時間外部からの医師による診療があります。

数時間の診療なのは、医師が日帰りのため。

 

カバーが掛かった眼科の機械は、割と新しい。

外来開設に合わせて導入したとのこと。

しかし、最低限のものしかなく、特に眼科は精密光学機器の発展が著しいので、初期の診療にとどまらざるを得ない歯がゆさを感じました。

緑内障のフォローは難しい…

 

先日、鉄粉が入った患者さんが来院。

取れず、石垣島の眼科へ紹介したとのこと。

『どうすれば?』と聞かれ、『眼科医なら顕微鏡下で鉄粉を削り取ります(お手の物)』と答えるも、眼科医でも顕微鏡がない場合は無力だ…と気付く院長でした。

 

産婦人科も月に1回。

妊婦は予定日1か月前になると、島から出て、石垣島や本島・里帰り出産の準備をします。

それ以前に破水でもすれば、ヘリで搬送です。

 

島に暮らす人は、島医療の限界を知っているから、島外に行くことにはそれほどハードルが高くないようです。

石垣島へは、飛行機で25分、フェリーで4時間ですが、生活用品や診療など結構日常的に出かけることが多いようです。

 

民宿の食堂で3人で夕飯を。

ひどく疲れていた院長。

お疲れさま!の一杯が欲しいところ。

S先生は飲まない(飲めない)のだとか。

常にオンコール。

携帯の119が鳴ったら出勤です。

離島では、飲めない体質の方がいいようです。

土日は休みですが、島外からは出られません。

かといって、島内で何をするかというと…?

好きな趣味やすることがあればいいのでしょうが。

院長も若い頃、岐阜の地方の病院に赴任、仕事後は手持ち無沙汰になった記憶が。

結局、地元のオジサンオバサン(と当時は思っていましたが、50~70代)の文化人サークルと称する飲み会に入れてもらいました(一応紹介承認制)。

代診の派遣でまとまった休暇がとれるような制度はあるそう。

医師も人間、解放される時間は必要。

 

島医療の熱い話を聞きながら、医師の生き方あれこれ、自分の来た道あれこれ交錯。

布団に入ってもなかなか寝付けませんでした。

 

*次回に続きます*

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2022.12.6 リアルDr.コトー  その1

地図を眺めるのが大好きな院長です。

行った所は、回想を。

行ったことがない所、行ってみたい所は想像・妄想を。

 

北は稚内・利尻島・礼文島まで(学生時代)。

南は石垣島まで(家族旅行)。

石垣島は、子供たちが小さい頃だったのでマリンスポーツ三昧。

そして、西表島を筆頭に周囲の離島観光。

ドタバタの珍道中だったけれど、過ぎてしまえば懐かしい思い出(親だけ)。

 

さて、石垣島・西表島を南下すると、日本の最西端の島『与那国島』。

どんなとこだろう?

以前から気になってはいたものの、行くにはハードル高し。

名古屋から1791キロ。

石垣島から117キロ。

日本最西端の岬の先は、111キロ先の台湾。

 

与那国島は『Dr.コトー診療所』のモデルにもなっている島です。

吉岡秀隆さん演じる主人公『Dr.コトー』と島の人の医療をめぐるヒューマンドラマ。

自身の吉岡さんのイメージは、『北の国から』の純、『男はつらいよ』の光男。

どちらも、ほぼリアルタイムで見たので、院長の年代が分かるというもの。

『Dr.コトー診療所』は、現実にはない虚構(医療ドラマはほぼそうです)で職業柄興味もなく、つい最近再放送で見たくらいでした。

 

院長は、旅先・学会先で、つい病院や医院の看板や建物に目が行ってしまいます。

ここでどんな先生がどんな診療をしているのだろう?

地方に行けば尚更で、時には宿の人に質問してしまいます(変人の客かも?)

 

Dr.コトー診療所のロケ地やモデルの診療所が今もある与那国島。

リアルな診療所が実在するはず。

実際、町立の与那国診療所があります。

そこではどんな医療がされているの?

架空の島『志木那島』でなくて、与那国島のリアルDr.コトーに会いたい。

離島医療を知りたい、勉強したい!

動き出した知的好奇心は止められず…

手紙をしたため、電話をし…と、我ながら驚くほどの積極的なアプローチにて、見学出来ることに。

 

実は、院長は過去に一度だけ離島医療に従事したことがあります。

まだ、大学病院にいた頃。

当時、鹿児島のある離島に月に一度、ローテーションで外勤がありました。

土曜の朝に名古屋空港(小牧です)を発ち、鹿児島で別の飛行機に乗り換え、島へ。

土曜の午後と日曜の午前診療を終えて帰路に。

1か月に1度の外来に、多くの患者さんが来院されたこと。

急を急ぐ病気や、経過を見ないといけない患者さんは、奄美大島や鹿児島に送るしかなかったこと。

他科の医師と話して、色々な生き方・働き方があるのだと知ったこと。

大学病院しか知らない若造(院長)は、結構な刺激を受けました。

 

*続きは次回に*

カテゴリー:未分類

2022.11.29  赤ちゃんの涙

私生活では、赤ちゃんのいる日常からずいぶん遠ざかってしまった院長です。

ただし、眼科診療をしていると、赤ちゃんの患者さんも受診されます。

乳幼児・学童期になるともっと。

小児科ほどではないにしろ、子供と関わることが多い科と言えます。

 

生後まもなく片眼(もしくは両眼)から、涙と目やにが出る赤ちゃんがいます。

心配になって来院されます。

涙が目(涙点)から鼻に抜ける排水管(涙道)が詰まっている病気であることがほとんどです。

先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく)という病気です。

新生児の6~20%に発症と言われています。

 

しかし、生後12か月までの自然治癒率は96%と報告されているので、心配しすぎる必要はありません。

基本は経過観察(放っておけばいいということではない)。

 

目やにが出る場合は、抗菌点眼薬を処方します。

粘性や膿性など目やにの性状を見て。

漫然と使用していると、抗菌点眼薬が効かない菌(耐性菌)が出る可能性があります。

これは、鼻涙管閉塞に関わらず、すべての病気で抗菌剤を使用する際、注意すべき点。

目やには湿らせたティッシュや綿でそっと拭き取りましょう。

 

涙嚢(るいのう)マッサージが有効な場合もあります。

涙嚢(目頭のやや下内側)から小鼻に向かって、指で圧をかけます。

5~10回を1日2~4セット。

この時、マッサージをする人の指は爪を切って清潔にしてから。

涙の排水菅(鼻涙管)の一番下の詰まっているところに圧が加わるように。

 

約半年ほど経過を見ても開通しないようなら、プローピング(細い針金ようなものを挿入して詰まりを取る)をします。

最近では、涙道内視鏡での治療も可能になりました。

 

先天性鼻涙管閉塞診療の最新のガイドラインのまとめです。

 

ガイドラインは変化していきます。

専門家によって、多大な論文が検証され、信頼のある(推奨する)検査・治療が決定されます。

全て出所がはっきりしているものです。

私たち眼科専門医も、その都度熟知して診療にあたりたいと思います。

 

生後間もなくは、赤ちゃんは、まだわんわん泣いても涙を流しません。

生理的な(目の表面を保護する)涙だけが分泌されています。

3~4か月で神経系が発達してくると、感情による涙も出るようになります。

生理的な涙の分泌低下、または蒸発が早くなってしまうのがドライアイです。

 

三男出産1週間目で復帰した院長。

赤ちゃんを診療するたびに、患者である赤ちゃんは泣きます。

この泣き声に授乳中の母(院長)は反応。

乳汁分泌ホルモン・オキシトシンの働きでおっぱいが。

診察室で赤ちゃんの泣き声を聞くたびに反応した院長です。

今では笑い話ですが。

 

息子たちの泣く声を聞かなくなってどのくらい?

次の世代の赤ちゃんの声を聞く日が来るのかしら?

『孫が生まれました』の報告を聞きながら思います。

 

 

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2022.11.22  通常勤務可

産業医出務の日。

年に一度の会社の健康診断結果が出揃いました。

就労判定の時期です。

産業医は、分厚く束ねられた健診結果を見ていき、『通常勤務可・要自己管理・要就業制限・要事業場管理・要休業・要産業医面接・判定保留』のいずれかに区分。

 

院長担当の職場(スーパー)は、肥満気味の人が多い傾向です。

よって、高血圧や脂質異常・血糖異常もそこそこ。

既に加療中の人はいいとして、毎年異常を指摘されているのに、受診せず放置のツワモノも。

血圧が160!

即刻受診して~と念じながら、受診勧告書を作成します。

 

0.3とか0.4で、裸眼視力低下を指摘されている人も。

矯正視力の記入がないので、自分の視力が悪いことに気が付かず運転しているのかもしれません。

『裸眼でも免許更新できた~』眼科医は要眼鏡と思っても、試験場で通ってしまうことがありますが、危険です。

 

健診の目的は早期発見・早期治療。

健診結果だけですぐに病気と言うわけではないので、必ず医療機関を受診しましょう。

また、病気だったとしても、その日がこれからの人生の中で一番軽い状態と考えれば、治療を開始して良かったというもの。

 

ちなみに、視神経乳頭陥凹拡大とか視神経線維層欠損のコメントが出れば、緑内障の検査してね~と言うことです。

緑内障は、40歳以上で発症率約5%(多治見スタディ)ですが、自覚がないことがほとんどです。

むしろ、見にくい(視野欠損)の自覚が出た時点では、中期~後期になっていることが。

コンタクト作りに来ただけなのに…の患者さんにどれだけ緑内障(疑い)が埋もれているか、日々の診療で実感しています。

 

今年も全員『通常勤務可』に。

ただ、もっと運動したほうがいいです。

店内だけでは、歩いていると言っても運動にはイマイチ。

あとは、菓子パンや惣菜弁当が好きな人が多いので少しセーブを。

 

店内を巡回します。

これから1年で最も繁忙なクリスマス・年末商戦です。

クリスマス用菓子や料理・お餅やおせちなど、院長の感覚としてはかなり先取りですが、会社の気合を感じます。

いつものように店内とバックヤード。

鍋特集コーナーについ目が行きます。

その数約50種類!(目視で計算)

見やすいレイアウトで、つい見入って買いたくなってしまいます。

(院長もつい帰りに数種買いました。重かった…)

水濡れ対策にタオルやクロスをいつも帯同。

台車にも設置。

出入り口にも図入り付きで設置。

整理整頓されていてとても気持ち良いです。

指摘することなし。

 

鍋の素をリュックに入れて、駅まで戻ります。

いつもは駅から大きな道を右折左折右折。

帰りはいつもと違う小道で曲がってみます。

路地は生活感があふれていて好きです。

建物や駐車してある車や自転車、洗濯物などきょろきょろ見ながら歩く院長です。

オバサンだから不審者には見えないと信じて…

 

古い商店街に出ました。

靴屋さん・本屋さん・カメラ屋さんなど懐かしい。

お客の気配は何処もありませんが。

店先に柿が売っていました。

近づいていくと、お好み焼き屋さん。

おやつに食べていこう。

イカを選びました。

何と160円!?

薄い生地にほぼキャベツ、イカ2カット入りのお好み焼きです。

店内は院長ひとりだけ。

こうしてかつての商店街もだんだん淋しくなっていくのでしょう。

途中パン屋さんも見つけたので次回に。

 

仕事(産業医)ですが、プチ旅気分で今日も無事任務終了。

もちろん帰宅後は、職場巡視報告書を仕上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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