2015.10.27 日本臨床眼科学会

眼科の学会で一番大きな『日本臨床眼科学会』で勉強してきました。

特別講演から始まり、シンポジウムやインストラクション、一般講演に至っては353題と

多岐多数にわたり、この中からチョイスして聴講することになります。

 

シンポジウムの一つ『最先端技術に対応したロービジョンケア』

「失明患者さんの残存する網膜神経を電波で刺激し疑似光覚を誘発し、

視覚を回復させる人工網膜埋植後の視覚リハビリテーション」

「iPS細胞由来の網膜色素細胞を移植した再生医療とロービジョンケア」

「視覚障害者が情報障害者に陥ることを予防する上で、iPad ・iPhoneを活用した

新しいビジョンケア」

眼科医ではなく、工学部の先生が「自動運転と視覚障害者の運転について」講演。

視覚障害者にとって活動の範囲が大いに広がる可能性に期待したいものです。

もう治らないから…とあきらめていた視機能が医療や産業の革新により新しい見え方を

生み出していくようになっていきます。

その、新しさに知識だけでも付いていかねば…と勉強、勉強。

 

さて、今回のマイビッグイベントは、M先生との再会。

九州のM先生とは視覚障害者補装具適合判定医師研修会の同期として知り合った仲。

お互い専門が違い、住んでいる場所も離れているので、会う機会はなかなかありません。

前回来名の時のひつまぶしのものすご~い行列に懲りたのと、

今回は診療日の昼休みにしか時間が取れず、拙宅にご招待することに。

味はさておき、作り置き出来るものでと、用意した献立は…

カレイの煮つけ、野菜の煮物、水菜・食用菊・キュウリのサラダ、煮玉子、

ご飯(これは炊きたて)

チーズケーキ、紅茶

と、茶系の和食。

部屋をバーッと片付け、テーブルクロスを敷いて、器を考えて、少しだけ演出。

家族以外に食べてもらうことは滅多にないので、少々心配でしたが、

外食とお弁当オンパレード(学会時の定番)の身にはじんわり、

ほっこりだったとのこと。

良かった、良かった。

「よっぽど、お腹が減っていたんだね、その先生。チャレンジャーだなぁ」と息子。

失礼なッ!文句言っても毎日食べてるじゃん!

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2015.10.20 祖母はだまされる

午前6時、実母から電話。

「もしもし、○ちゃん(次男)熱大丈夫?」

「はぁ?何のこと?」

「○ちゃん言わんかったの~?ひどい熱やったのに~。○ちゃんに代わって」

寝ている次男を起こし、代わる。

「もしもし、○ちゃん熱どう?ゆうべ遅くに熱出たって電話あったから心配で心配で…」

「かけとらんよ」

「何言っとるの~携帯の番号変わったって夜中に電話してきたがね~」

「かけとらんて。番号も変えてないし」

「ほんなら、どういうこと?」

 

話を聞いて再現してみると…

前夜12時少し前に実家の家電話が鳴り、母が何事かと電話に出たところ…

「もしもし、○ちゃん?」

「うん」

「どうしたの、こんな夜中に」

「携帯の番号が変わったから、今から言う番号に、ばあちゃんの携帯からかけて」

言われるまま自分の携帯から教えられた番号に電話。

「で、どうしたの?○ちゃん、なんか声おかしくない?」

「風邪引いたから」

「熱あるんかね?」

「うん。38.5度。耳の後ろが腫れている」

「腫れとる?そんなことじゃあ、大変やがね。お父さんに診てもらったかね?」

「話してない。薬局で薬買ったから大丈夫」

「薬局で薬なんか買って何考えとるの~(怒)!お父さんもお母さんも医者なのに、勝手に買って飲んで大丈夫なんかね。今から起こしゃ~」

「大丈夫。それより最近バイトし始めて…」

「バイト?勉強頑張らなあかんのに、バイトなんてしとっていいの~?お母さん、お小遣いくれんのかね?」

「…バイトで困ったことが起きて…」

「そんなこと、今日はいいで。とにかく熱下げなあかんわ。すぐ寝やぁ。ばあちゃん心配でたまらんわ」

「明日電話するから」

相手に要件を言わせる間もなく、孫の病態だけを心配して電話を切ったとのこと。

「それ、オレオレ詐欺じゃない?○は電話もかけてないし、ぴんぴんしとるし」

 

結局、警察に言って着信拒否にしてもらったそうですが、その後携帯に履歴はあったそうです。

「○ちゃんに頼まれれば、どんなことでもしたわ~」

くわばらくわばら。

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2015.10.13 老眼、バンザイ

中日新聞のくらしの作文に『老眼、バンザイ』と題する投稿がありました。

投稿者は61歳の女性。

要約すると…

『左右とも1.5あった私は、50歳を過ぎたころから近くの細かいものが見えなくなった。

老眼鏡をかけても針穴に糸が通らない時もあり、縫うのをやめてしまう。』

 

この方には元々軽度遠視があったと思われます。近くが見えなくなったのは老眼です。

元々視力の良い人は遠くにピントを合わせるのが得意の目なので、

加齢の伴い調節力が低下すると、老眼鏡をよほど強度にするか、

拡大鏡を使用しないと、近くにピントが合わせられません。

 

『しかし、老眼は悪いことばかりもたらしたのではなく…

皺の寄った顔がはっきり見えないから、皺のない顔に見えなくもない。

眼鏡をかけず、はっきり見えないままで”バーチャル化粧”をする遊び心も。

また、家の中の髪の毛や埃も気にならなくなって、神経質が緩和されたよう。』

 

シミ、皺の見えない顔に、一瞬自己満足度が上がりますね。

しかし、見えないままでの化粧はちょっと怖かったりもします。

たしかに、髪の毛や埃は見えなければ気になりません。

 

最後は

『「年をとったらおおらかに生きろ」と神様が与えてくれたのが老眼』

と結ばれています。

 

近視だと、老眼になっても、近くのどこかにピントは合うので、

程度によってはキスするくらい近づいてみることになっても、見えないことはありません。

眼鏡やコンタクトレンズ無しでは、周辺部より遠くはみんなぼやけていますが。

元々視力の良い人は、ぼやけて見える経験をしてこないからこそ、

近視人が老眼を自覚するよりショッキングなのでしょう。

近視の場合、部屋の埃や髪の毛くらいは、眼鏡をかければ見えるのですが、

それをまめに対処するか否かは、「おおらかに」か「ずぼらに」かです。

最近一つ年をとり、老眼自覚も十分な院長。

昨年より「よりおおらかに」生活したいと思います。

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2015.10.6 鎌倉好き

東京方面の仕事の後、時間があれば向かう先は鎌倉。

定番マストのコースは、江ノ電にて『長谷』駅下車

→ジェラート食べる→『鎌倉大仏』→豆試食購入→たたみいわし購入→『長谷』駅。

食べて買って…のようですが、もちろん目的は『大仏様』。

与謝野晶子の『かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におはす 夏木立かな』

を思い出しつつ、本当にそのお顔は美男そのものと、見とれることしきり。

正面からもいいのですが、左側から見上げるお顔も個人的には大好きです。

誕生日を目前にして、次の1年も健康で平穏に暮らせることを祈願。

 

そして…久々に『江ノ島』まで行ってきました。

クラゲの展示に力を入れている『新江ノ島水族館』(えのすい)。

時間の許す限り、幻想的なクラゲを観賞。

タコクラゲ、ハブクラゲ、ブルージェリーなど気になった種類も含め多数の水槽が。

イルカショーも童心に帰って楽しみました。

 

旅の最後は、眼病に効くと言う『本覚寺』で、患者さんの眼病治癒祈願(眼科医もお祈り)。

『日朝さま』のご利益で、診療にパワーをもらえそうです。

 

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2015.9.29 緑区女医会

緑区女性医師のランチ会が開催されることに。

美味しい食事をより美味しく食べるために、午前は10キロのランニングと気合が入ります。

恒例の挨拶と近況報告。

トップバッターが、健康と趣味について話されたので、後の面々も前に倣え。

先輩の女医さん達と比べれば、先日交通事故に遭った(でも骨折はまぬがれた)以外は

健康、健康。

趣味も動的な、ゴルフ、ランニング、筋トレ。

落ち着いてやる趣味の境地に未だ達しず。

もう子育ての話はこれっぽっちも出ず(孫のいる人あり)、親の介護の話に、いずれ参考になる時がくるだろうと耳を傾けます。

医師会ゆえに日々の診療に関することも出てきます。

この食事会の目的は、緑区女性医師の親睦を図り、相互の診診連携(診療所間の連携)

につなげようと言うもの。

顔が見えていれば、紹介する医師も紹介される患者さんも安心です。

また、女性医師を医師会の役員に取り込むきっかけにも。

現在緑区は会長1名、副会長6名体制。そのうち、女性は1人のみ。

「長谷川先生、どお~?」

「そんな恐れ多い。私は、夫(副会長)を陰で支える妻で結構です。」と、こういう時だけ良妻ぶります。

実際、傍で見ていると役員は手弁当で、医師会員や区民のために尽力しており、一会員としては頭が下がります。

 

絶景のロケーションで、美味しい食事にお酒と弾む会話。

口々に「明日からがんばれるわー」

先輩女医さんからたくさんパワーをもらったランチ会でした。

 

 

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2015.9.15 日本緑内障学会

日本緑内障学会が開催されました。

どんな分野もそうですが、医学は日々進歩していて、眼科の病気のひとつである緑内障も、

病態や薬物治療、手術など、どんどん新しいことが解明されたり導入されたりしています。

 

今回は名古屋での開催のため、スタッフも市民公開講座に参加しました。

講師は、師匠の岐阜大学・山本教授。

日本屈指の緑内障専門家です。

参加者の質問を基に構成されたQ&A式の進行。

スタッフからは、大いに勉強になったとの感想が。

院長も患者さんの質問に同じように答えているんだ、と確認する場にも(末席ながら弟子ですから)。

レポートも書いてくれたので、当院のHPの『緑内障』コーナーに、要約を添付します。

→詳しくはこちら

緑内障点眼瓶のマスコット『めぐりん」が登場。

今後、キャラクターによる啓蒙活動もされるかもしれません。

 

多治見スタディ(岐阜県多治見市での疫学調査)では、40歳以上の17人に1人が緑内障であることがわかりました。

当院でも、他のことで来院されて診察すると、緑内障が見つかることがあります。

発症率からみると、それほど珍しいことではないのです.

しかし診断されると、淡々と受け止める方もいれば、ショックを隠しきれない方も。

失明の原因第1位の緑内障ですが、怖がる必要はありません。

定期的に検査を受け、点眼をし、自己都合で止めないこと。

生活に支障ない目で一生を送れるお手伝いをするのが眼科医です。

小さなクリニックだからこそ、直接患者さんのQに答え、視生活に応えていきたいと思います。

 

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2015.9.8  保健所検査と髪

保健所の立ち入り検査がありました。

6年に1回無床診療所に対しては実施されるので、特別なことではないのですが、

やはり『検査』とか『試験』という言葉には緊張がつきもの。

①医療従事者に関すること②医療安全に関すること③諸記録に関すること

④業務委託に関すること⑤放射線管理に関することなど、

いくつかの項目があり、さらに細分化されています。

不備がないように提示するために、書類の準備を抜かりなく。

緊張して検査員をお出迎えした割には、非常になごやかな雰囲気で進められました。

医院の清潔さ(医学的にも)も評価してもらい、スタッフ一同ホッ。

無事に検査も終了しました。

 

清潔不潔の概念は一般的なものと、医学的なものでは違います。

例えば、髪の毛は不潔であることと学びます。

時に、雑誌などで白衣に髪の毛を垂らした美人女医の写真を見ることがありますが、

撮影用なのか、日常診療でもそうなのか、理解に苦しみます。

うちのスタッフには、そのあたりは徹底。

ショートか束ねて肩にかからないようにしています。

 

夏の間、髪を束ねていた院長も秋の気配に、髪をバッサリ。

帰宅した家人はいつも通り。

あまりに身辺をうろつくので、しばらくしてやっと「髪切った?」(遅ーい)

息子たちはさらに気づかず。

「髪切ったの気づいてよ~」

「最初から切ったって言えばいいじゃん」(そうじゃなくって…)

結局、「新しい髪形、似合いますよ~」と気づいてくれたのは、スタッフのみ。

お世辞でも嬉しい。

そこなのよね~欲しい言葉は…

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2015.9.1 馬の目 その3

某デパートに行くと、リヤドロのディープインパクト(中央競馬史上6頭目のクラッシック三冠馬)の陶像に見入るのが常。

ゴルフのヘッドカバーくらいは、オルフェーブル(史上7頭目のクラシック三冠馬)にしようと。しかし、大きすぎてバッグが閉じず、部屋の飾りに。

馬なら何でもゲン担ぎと、左馬ストラップに、馬九(うまく)いくペンダント。馬バカなのか親バカなのか、息子の誕生日にプレゼント。

そんなUMAJO(うまじょ・競馬ファンの女子)な眼科医がもう少し馬の目の勉強。

 

馬の残像時間は短い。

ヒトは映画が静止画の連続であるにもかかわらず、連続的な動画と感じます。これは、前の残像が消えないうちに、次の残像が出てくるので、連続した動きに見えるのです。

 

一方、馬は、高速で移動しながら周囲をしっかり見ようとするため、残像時間は短いほうが、都合がよいのです。

馬は、高速で走っていても、視界に映るものが流れてしまわず、敵や障害をしっかりと見ることが出来るのです。

 

馬にも白内障、緑内障(馬では珍しい。ヒトでは40歳以上20人に1人)、網膜の病気や、ぶどう膜炎、角膜炎など、ヒトに起こる病気が起こります。

瞳を開いたり、検眼鏡や眼底カメラ、エコーなどでヒト並みに診療をするそうです(診察、大変そう)。

 

馬の目の勉強を少々かじったら、獣医学も広く深くて大変…

ヒトの目だけの専門医でよかった。

馬は『ヒヒーン』だけですが、患者さんは『言葉』で示してくれます(赤ちゃんは『ウエーン』だけど)。

馬の目を知って、ヒトの目がより愛おしくなったUMAJOの眼科医。

 

 

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2015.8.25 多職種連携

緑区・在宅医療推進・多職種連携・研修会(長いので間に・を入れ表記)に参加しました。

『在宅医療』とは、通院困難な患者さんが、医療者の訪問により、自宅や施設で受ける

医療全般のことです。

医師を始め、多くの医療者が関わっています。

参加職種は、医師・歯科医師・薬剤師・訪問看護師・ケアマネージャー・理学療法士

・作業療法士・社会福祉士・作業療法士・管理栄養士などなど。

 

今回は『福井市の『オレンジホームケアクリニック』院長が講師。

『85才、要介護2の男性(仮称・越前さん)と介護する次女』の在宅医療を支えるミッション

ということで、それぞれ他職種が混じった11グループでディスカッションが始まりました。

グループの進行役は医師とのことで、ふだん自院以外の他職種とのチーム医療に

縁のない立場としては、ドキドキ…

怒りっぽくなったことに対し 「出された薬の副作用では?」etc

眠れないことに対し 「昼夜逆転?昼間の活動が少ないのでは?」etc

つたい歩きに対し 「デイケアなどで、運動能力の向上を目指したら?」etc

便秘に対して「水分摂取が少ないのでは?」「トイレで失敗したくないから控えてる?」etc

むせやすいことに対して「とろみをつけたら?」etc

なごやかな雰囲気の中、様々な立場から、『原因と対策』がどんどん出てきて、

場は大変盛り上がりました。

『越前さん』の最期を支えるステージまで、一生懸命考えると、架空の患者さんに対するプランな

のに、なぜか実在人物のように思え、また初対面にも関わらずグループの結束も。

 

今回の研修会を通してたくさんの職種の人と知り合えました。

その後の懇親会では、さらに飛び交う名刺の交換。

「眼科医、往診してます」に、意外そうな顔。

「往診してもらえるんですか?」と言われ、眼科往診の認知度の低さを痛感。

「何かあったら心強いわ」

「何処へでもうかがいますよ~」

 

往診していると、目だけ診ているようで、意外に患者さんの生活の匂いがわかります。

それが、良い意味で、患者さんやご家族に寄り添えることだと思っています。

 

「いい研修会だったね~。たくさん勉強したし、たくさん食べたし、実(身)になったわ!」の感想に

「よかった~。会がうまく回るか、気がかりでほとんど食べてなーい」と、この会の世話人の家人。

「今日まで頑張ったもんね~」いつもの10倍以上ねぎらいの言葉をかけて、帰路に就きました。

 

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2015.8.18  泡とミルクティー

今年の夏もせっせとのお世話になっでいる院長。

消費している順に、炭酸水、ノンアルコールビール、ビール、シャンパン。

筋トレ時に炭酸水を持っていくという失態を起こしたくらい、いつも炭酸炭酸。

 

そんな炭酸と並んで、今年のマイブームは手作りアイスミルクティー。

子どもたちは、コンビニでよく午後ティーを買いますが、

このミルクティーは簡単なのに上質感?が漂い一押し。

 

1.400mlの湯を沸かす。

2.紅茶の茶葉20グラム(細かいのがよい)をティーポットに入れお湯を注いで15分放置

3.茶こしで濾し、蜂蜜を大さじ2杯入れる

4.人肌になったら牛乳200mlを入れる

5.氷を入れたグラスに注ぐ(お好み)

 

自分で言うのもなんですが、買ったものよりずっと美味しい。

そして少しリッチな気分になります。

試したことはないのですが、出し殻の茶葉はくるんで目元パックにすると、疲労感が取れるとか(しかしリッチ感が一気に消失するような)。
新『母の味』にしようと勧めているのに、相変わらずコンビニで買うのが好きな子どもたちです。

まだまだ暑い日の午後にどうぞ。

 

 

 

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