2025.12.23 御守り売り切れ

眼科医なのに?目の神様詣で・目の神様巡りを趣味(罰当たり)とする院長。

今回は福井県大野市の篠座(しのくら)神社です。

 

篠座神社は、717年の創建と伝えられており、神域一帯が湧水地となっています。

大己貴大神(おおなむちのおおかみ)が「目の病気に効く霊水を与えた」という伝説があり、「篠座目薬」と言われて遠方から水を汲みに来る人も多いとのこと。

門から本殿に入るまでには、木々の小道になっており神妙な気持ちになります。

どれくらいの参拝客が…と期待しながら歩いていくと、他には1組。

あれ?

御霊泉が竹筒から湧き出ています。

眼をこの水で清めて眼病治癒を願ったようです。

ひしゃくもおいてあり、眼を清めるときは左目→右目の順が良いそう。

洗い流すことは、感染源の細菌やウイルスを減少させたり、異物を除去したりするのには最も基本的なことです。

抗生物質もなく、もちろん外科的な手法もない時代には(なにせ1000年以上前!)、唯一の眼病の治療方法だったのでしょう。

慢性的な病気(白内障・緑内障・黄斑変性症など)は平均寿命から考えてほとんど発症に至らず、ほとんどが急性的な病気(結膜炎やものもらい・何かが目に入ったなど)だったなら、洗い流す効果もあったことは否めません。

むしろ、原点なのかも。

医学の進化に伴い、眼科医が患者の目を洗うことはほとんどなくなりました(酸アルカリが大量飛入の時くらいか)。

抗生物質の点眼薬も何種類もあります。

眼を洗いたければ、水道水でなく人口涙液を勧めます。

でも1000年後にはどうなっているのでしょうか?

 

眼のお守りは必ずいただきます。

社務所に行くと…あれあれ、○御守、△御守…一か所だけ空になっている…

ん?!眼御守がない!

『眼御守が欲しいのですが…』

『すみません、今売り切れていまして…入荷しましたらお送りします。ここにお名前・住所・電話番号を。先にお支払いください』

眼御守…恐るべし。

ダントツに人気?があるようです。

参拝者が少ないなどと侮れません。

御守が売り切れ!

そんなことある?

御守は後日郵送されるのを楽しみに待つことにします。

 

大野市は、とても辛い大根おろしを合わせた『越前おろし蕎麦』が有名。

この地のお蕎麦を食べるのは2回目です。

郡上の病院に赴任していた若かりし頃。

郡上踊りが有名な地で、院長も地元の仲間に入れてもらい踊りに加わりました。

お陰様で、郡上踊り保存会からお免状を(上手に踊ると認定される)。

その実力(というほどでもない)が買われてか、ある日、大野市まで郡上踊りの披露・普及のキャラバン隊に加わりました。

郡上から国道158線を走り大野市へ。

踊りの前に食べた名物のおろしそばの辛かったこと!

当時20代だった院長は、保存会のオジサン・オバサンたちが平気で『美味しい、美味しい』と一気に食べるのにびっくりしました。

今回辛いだろうな…と口にしてみると、『あれ?!そんなに辛くない!』

加齢により味覚が鈍になったのか、『酸いも甘いも噛み分ける』と言うように、辛い(つらい)経験もその後たくさん経験したからこそ辛い(からい)も和らいでいるのかも。

大人になったな~(今更言う?)

あの時には想像もしなかった、楽しいことも良いことも、悲しいことも苦しいことも経験した人生。

まだまだ続く…

 

年始にさすがに御守り売り切れ中はないはず。

今頃増産体制!?

年始までに届くことを祈らなきゃ(かれこれ2ヵ月…)。

 

良いお年をお迎えください。

 

眼病治癒の御神水

こちらもご覧ください

ワニは口からも目からも

目の神様in奈良&愛知

目の神様in 鎌倉

目の神様 in平泉

目の神様 in 仙台

やりなおしたい?

初めての御朱印

身代わりどじょう

目の霊山

余呉へGO,GO

鎌倉好き

医者も祈願する!?

 

カテゴリー: 目の神様 眼に関すること

2025.12.16  ワニは口からも目からも

読んだ本の舞台へ…今風に言えば聖地巡礼。

新聞で太宰治の作品『津軽』に関する記事を見た時、以前『津軽』を読んだことを思い出しました。

弘前・青森・ねぶた祭・ストーブ列車・特急しらかみの旅・酸ヶ湯温泉など過去何回かスポット的に訪問している青森県。

『津軽』を読みながらJR津軽線で北上、北端の竜飛岬までが今回の弾丸旅。

2022の災害で蟹田以降は運休のまま。

乗り合いタクシーで北上します。

はるか向こうに北海道が見える竜飛岬は、歌の通り北の外れです。

津軽の三厩(みんまや)地区の描写は、文学碑にもあります。

風が強く竜飛岬・階段国道・文学碑以外は読書の時間。

 

さて、帰りに少し時間があったので、『津軽』にも地名が出てきた大鰐温泉へ。

弘前からほど近い温泉町です。

津軽藩の湯治場として栄えた街です。

 

真っ先に向かった先は、湯魂石薬師堂(ゆだまいしやくしどう)。

結構有名だと思っていたのに、誰もいませんでした。

津軽藩主津軽為信が、難治の眼病を患った。

ある晩、夢の中に薬師如来が現れ『大庭の茶臼山公園下から湧き出る温泉で目を洗えば治る』とのお告げがあり、そのお告げに従って葦原を探させた。

大石の下から熱湯が湧いているのを発見し、その温泉で目を洗ったら、難治の眼病が治ったとのこと。

為信は大変喜んで、そこに薬師堂を立てたとのこと。

 

ワニの口から熱い湯が出ており、触ると『熱い!』

体温よりかなり高い温水による滅菌効果があったのでしょうか?

難治の眼病と言っても、温泉水で改善するくらいなら、前眼部眼病変だったのか??

ともあれ、眼病に対するご利益はあるようです(お守りはない)。

温泉水を出すワニはずっと見てても飽きません。

 

足湯(ぬるめ)に浸かりながら口から温泉を出すワニを見ていると『ワニの涙症候群』が浮かんできた院長。

目の前のワニは口から温泉、昔勉強したのはワニの目から涙。

『ワニの涙症候群』とは、顔面神経麻痺から回復した患者さんが食事中に涙を流す、顔面神経麻痺合併症のひとつです。

発症から6~9か月後に出現し、頻度は3.3%。

ワニは食事中に泣くという14世紀の古い物語や、ワニが獲物を食べるとき偽善的な涙を流すという伝承から由来するとか。

顔面神経障害後の再生神経線維が、回復過程で、顎下腺から涙腺へと間違って誘導された結果、咀嚼や味覚刺激の際に、唾液分泌の代わりに涙液分泌が起こると考えられています。

患者さんに遭遇したことはないけれど、記憶の片隅に勉強したことが残っていました。

もう一度呼び起こして勉強できたのも、医学生時代の下書きがあるから。

 

さて、足湯だけでなくご利益のあるお風呂に入らねば。

駅前に大浴場や売店完備のコミュニティセンターがあるものの、やはり此処は公衆浴場に入りたい。

地元民の御用達、老女たちの中に入っていきます。

『やっぱり温泉は良いね~』

 

大鰐もやしも名物。

温泉水で生育する売り切れ必至のもやし。

大鰐もやし公認のもやしラーメンを食べます。

1本1本が『1本でも、もやしです!』と主張するくらいのシャキシャキです。

 

津軽を旅しながら『津軽』を読み切り、前回とは違う読後感。

新しい本を読むのも楽しいけれど、再読もまた楽しいと思うこの頃。

思いがけず見つけた眼に効く温泉。

 

最後は、青森名物『味噌カレー牛乳ラーメン』で〆。

 

スポットで出かけるのは非効率と思われがち。

でもスポットだからハードル低く、飛び出せ日常!が出来ています。

ワニの口から熱々の温泉が。

こちらもご覧ください

目の神様in奈良&愛知

目の神様in 鎌倉

目の神様 in平泉

目の神様 in 仙台

やりなおしたい?

初めての御朱印

身代わりどじょう

目の霊山

余呉へGO,GO

鎌倉好き

医者も祈願する!?

カテゴリー: 目の神様 健康 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2025.12.9 スーパーはいつも新鮮

産業医(スーパー)の仕事の日。

あまりに暑くて熱中症の恐れもあり、タクシーを拾った今夏。

この一度の例外を除き、いつものように今回も駅から徒歩15分を歩きます。

 

事務所に入ると、従業員Aさんが声をかけてきます。

『センセ~飲み物はお茶にして、先生に教えてもらったスクワットやってるけど2キロ減っただけでそれ以上痩せないんです~』

 

今回は健診結果を見ます。

全体的にやや肥満・肥満・かなり肥満が70%ほど。

当然、高血圧・高脂血症・糖尿病・高尿酸血症(痛風)の恐れあり、もしくは既に罹っている人多数。

精密受診の勧告をしたり、就労制限の有無を判定したり…

安全保健委員会で運動や食事の話をしたり…

 

Aさんは早速実行してくれ、訪問の際に会うと声をかけてきます。

『まず食事はどうですか?』

『朝は5枚切りパン1枚と野菜とフルーツ』

『6枚切りにして卵を2個加えましょう』

話を聞いていくと…

量は多くないようですが、たんぱく質が少なく炭水化物が多い。

『私、お地蔵様みたいなんです。みんながお菓子をお供えみたいにくれるから、もらってしまう』

しかも気の良い人なので、勧められると食べてしまうよう。

『もらうのはいいけれど、それを1個だけ食べてあとは娘さんたちに配りましょう』

通勤距離は1.5キロ。

もちろん車です。

『その時間をトレーニングと思って歩いてみたら?早歩きすれば20分で来れますよ。雨の日は車でいいので』

『そんなに早く!?私、犬の散歩くらいのスピードで歩きます』

『早歩きのほうがダイエット効果高いですよ』

とまたまたアドバイスをし、次回訪問までに頑張って!とエール。

産業医の仕事かどうか不明ですが、頼られることは嬉しいこと。

 

会社全体の労働災害ニュースも毎月目を通す院長。

今回『ニヤリホット』事例を募集いうスーパー全店の取り組み。

現場のちょっとした工夫でひやりとする前に防げた経験・労災防止の成功事例を募集中!

 

『ニヤリホット』…初耳院長。

『ニヤリホット』とは、元々介護医療の場で、『ニヤリ』と笑顔がこぼれる瞬間や『ホット』心が温まるエピソードのこと。

当院は『ヒヤリハット』に毎日気を付けていますが、見渡せば『ニヤリホット』も毎日あり。

むしろ『ニヤリホット』があるから毎日診療のモチベーションアップに繋がっています。

当院では毎日朝礼をしているので、『ヒヤリハット』も『ニヤリホット』(と気付かなかったけど)も共有しています。

 

『先日中学生の職場見学があったんです』と店長。

歓声が上がったもののひとつ…と見せてくれたのがオートパッカー。

肉や魚を自動でラップで包む器械です。

プラスチック皿を置くと自動できれいにラップをして出てきます。

形状に合わせて何でも包んでくれます…が、長皿は難しいようでこれは手巻きになります。

魚売り場で自動と手動巻きの見分け方を教えてもらいました。

自動は長方形皿の短いほうに向けて折りたたんであり、手動は長いほうに向けて折りたたみ。

サンマとかは手動が多い。

包む作業もコツがいるそうで、取得する手間を考えると圧倒的に機械優位。

機械にはできない規格は手動で。

スーパーで商品を裏返すのは良くないですが、自動巻きか手動巻きか近くのスーパーでも確認したくなる院長でした。

 

まだまだスーパーの裏側は知らない事だらけ。

院長にとっては新鮮な情報。

巡視しながら社会見学も兼ねています。

自動巻き?手巻き?

 

こちらの記事もご覧ください

2025.6.3 巡視しながら商品も

2025.2.4 怒ってもいい!

2024.12.24 仕事は楽しい?!

2024.10.8 フレッシュ・フレッシュ・フレッシュ♪

2024.7.23 プラスのメッセージ

2024.6.4 生きてるで~

2024.4.23 学会と祈願

2024.1.30 パン屋さんやりたい!?

2023.11.21 卵1パック

2023.8.8 冷凍庫を変えただけで

2023.5.23 労災発生

2023.4.4 しまとらライン

2023.1.24 ロボ発熱

2022.12.7  押したり引いたり

2022.11.22 通常勤務可

2022.10.4 パーマで幸福

2022.9.27 切れたほうが良い

2022.8.9 仕事が回りません

2022.5.17 コロコロチェック

2022.3.22 春色の~

2022.2.1 値引きを当てに

2021.9.28 契約更新

2021.7.20 仕事の帰りに

→2021.5.25 深夜労働

2021.3.23 忘れ物ない?

2021.1.26 サンギョーイ

2020.12.8 再び1年生

2019.12.10 ディーセント・ワーク

 

産業医に関する記事をもっと読みたい方はこちらからどうぞ

産業医に関する記事一覧へリンク

 

 

カテゴリー:健康 産業医

2025.12.2 住めば都(宮古)

縁あって県立宮古病院へ視察に行ってきました。

宮古市は全国に2市ありますが、宮古島ではなく岩手県三陸沖の宮古です。

 

今回は、僻地医療と東日本大震災の被害状況について。

 

岩手県へは何度か行ったことがありますが、三陸は初めて。

いわて花巻空港から盛岡までバスで45分約36キロ、そこから特急バスで1時間40分75キロ。

待ち時間もあるのでもう少し余分にかかります。

 

宮古駅からはタクシーです(バスの本数が少ない)。

かなり距離があり、また山のほうへ上っていくので『震災で建て直したのですか?』と尋ねると、『もう30年以上前からここです。だから病院は津波には全然問題なかったですね』

 

院長室で院長先生と初対面。

電話越しの柔らかな対応通りの先生です。

早速宮古病院の現状と課題を聞きます。

 

岩手県の2次医療圏は5つありそのうち三陸沿岸の中核は宮古病院です。

宮古市は神奈川県(よりやや大きい)に匹敵する面積2670㎢で人口は76,400人強。

(ちなみに名古屋市緑区の面積は37.91㎢人口は248,000人強)

2次医療圏とは、入院治療を含む一般的な医療ができる圏域です。

しかし医師不足は否めず、医師偏在指標も下位にあります。

高齢化率は41.9%、人口は減少。

そのため救急搬送も増加しており、ほとんど受け入れの体制です。

初期臨床研修医も少なく、短期間でも地域医療を学びに来る他病院からの研修医のマンパワーも有難いとのこと。

事実、宮古病院で勤務する若い医師の多くは、地域枠合格(ある年数僻地で働く代わりに授業料免除などがある)とのこと。

自身が研修医の頃は医局制度が存在し、大きな影響力があったことは否めません。

しかし大学医局が、多くの地方の病院を傘下に持ち、地域医療が回っていたともいえます。

赴任先は医局の意向のみでしたが、幸い自身は何処も思い入れがある赴任先となりました(働けば都・住めば都)。

新臨床制度になり、学生が好きに研修先や勤務先を選べるようになったことは、僻地医療の崩壊を意味します。

宮古病院にも医局からの医師派遣が難しくなっています。

 

副院長先生は東日本大震災以前から勤務とのことで、当時の話を伺いました。

宮古病院は高台にあるため(平成4低地の駅近くから移転)、直接津波被害はなかったそうです。

しかし沿岸沿いの津波による被害は大きく、亡くなった患者さんを確認する仕事、透析装置の維持・救急患者の受け入れなど、自分の家族の安否を確認する暇もなかったそうです。

病院職員が避難所を回って家族の安否を確かめてくれたとのこと。

診療所のある田老(たろう)地区では特に甚大な被害を受け、今は災害資料伝承館があります。

映像でしか知らない世界のまさにその時、宮古の人はここにいた!

 

たくさん勉強した後は、お勧めのお寿司屋さんへ。

地元の新鮮なネタはもちろん、芸術的なお寿司に感激。

東京での出店を打診されたことも何度かあると聞けばなるほど。

『宮古で育ったからね、ここで最後まで恩返ししたいのさ。宮古に来てうちだけじゃなく地元でお金落としてくれる方がいいの。宮古にお客さん来てくれる方が嬉しいのさ』

カウンターでお寿司を握りながら地元の話を聞きます。

何故か貸し切り状態。

『熊が出るからみんな出なくなっちゃたのさ』

そういえばその日も拡声器で、○○で熊出没と流れていました。

 

住めば都(宮古)。

住むには難しいですが、宮古再訪はやりたいことリストに入れます。

今度は山田線(盛岡・宮古間、今回は一部区間運休)で!

歩道橋の下(△矢印)まで津波が来たそうです。

 

こちらもご覧ください

2012.3.12 初フルマラソン完走

2022.12.6 リアルDr.コトー その1

2022.12.13 リアルDr.コトー その2

2022.12.20 リアルDr.コトー その3

2023.4.25  八重山にとって…

2024.10.29 またまた島医療

 

カテゴリー: 健康 公センセの想い
  • カテゴリー

  • 最近のエントリー

  • カレンダー

    2025年12月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
  • アーカイブ

  • タグ

先頭に戻る