2021.1.12 煮詰める・煮詰まる

当院の鏡開きは、今年も院長自作のぜんざいで。

スタッフみんなで楽しみました。

手前味噌ですが、じっくりと煮えた小豆そのものの味が生きている!が売りのぜんざいです。

お餅との相性は抜群!

開業以来、他人様に唯一お披露目できる一品になっています。

 

『いつも手間暇ありがとうございます』『美味しかったです!』『ごちそうさまでした!』などなどの声が院長へのお年玉。

 

昨年はYouTubeを見る機会が多く、ぜんざいも炊飯器や圧力鍋で作れるレシピを知りました。

『放ったらかし』がキーワード。

確かに手間は格段に少ないのです。

 

従来(院長)のやり方だと…

十勝小豆のより分け(形が不ぞろいなのは取り除く)

浸水(一晩以上)し、浮いた小豆は取り除く

1回目に、豆のしみ込みがよくなり皮も破れにくくなるように、びっくり水(冷水)を入れて温度を下げ、再び沸騰してから弱火で煮る

ざるにあげ、流水で洗い、あく抜きをする

再び、新しい水を入れ30分くらい煮る

小豆の柔らかさを確認、砂糖を入れる

甘味が小豆になじむよう、人肌まで冷ます

豆が柔らかくなるまで煮る

仕上げに塩ひとつまみ

 

書き出すと結構な手間だと思いますが、結局、今年も従来の方法で作りました。

 

普段の院長の生活は、常に、時間との勝負で過ごしてきました。

今もそう。

育児がなくなり、家事も減り…それでも、分単位で計算して行動する癖は抜けません。

自分の優先しなければいけないこと、したいことを上位にしたら、あとはいかに時短・手抜きをするか。

なのに…ぜんざいです。

どうして小豆は煮るのか…小豆缶で代用しないのか…

スタッフの期待もありますが、小豆を煮る行為が好きと言うことが大きい。

小豆を煮る一連の行為は、自分にとってのカタルシスになっているのではないかと思います。

小豆のことだけを考えて、無心に、作業をする。

柔らかな炎のぬくもりと、静けさの中の小さなぐつぐつ音。

優しい甘さのぜんざいの出来上がりとともに、自身の心も落ち着いていきます。

ぜんざいセラピーと名付けてもいいような…

 

この法則?を見つけ、先日『タルトタタン』にも挑戦してみました。

『タルトタタン』とは、フランスのタタン姉妹のアクシデントから生まれたお菓子です。

リンゴのパイを作るのに、間違えてタルト生地を敷かずにオーブンへ。

焦げるような匂いに気づき、慌ててタルト生地をかぶせて焼いたところ、美味しいタルトになっていたという逸話があります。

この話を知ったのは、高校生の頃読んだ洋菓子の由来の本から。

想像は膨らみましたが、岐阜はおろか、名古屋でも食べられるお店はありませんでした。

5年ほど前、ピカソやヘミングウエイが集ったパリのカフェ『ドゥ マゴ』の伝統を受け継ぐカフェが渋谷にあり、創業当時からの『タルトタタン』が名物であることを知りました。

思い立ったら…の院長。

プロが作る本物の味に30年以上の時を経て出会いました。

 

砂糖と無塩バターでキャラメルを作ります。

8等分にし砂糖をまぶしたリンゴを投入して、キャラメルと和えます。

あとは、ぐつぐつ煮ます。

汁気がなくなったら、冷まして、パイシートをかぶせてオーブンへ。

見た目はいまいちですが、やや焦げたキャラメルがマゴで食べた味に近いように思いました。

 

火にかけて煮詰めることで、自身の頭も煮詰まる(まとまる・終局に向かう)ことがこの年になってやっとわかってきました。

一年に何回か、自分に必要な時間です。

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2021.1.5   当たり!当たる!?

『長谷川さん、お待ちしていました!』

年末、ジムの受付で検温してもらう際、スタッフのお兄さんの言葉。

『ん?何かありました?』

『当たりましたよ!クリスマスプレゼント!』

12月に入り、ジムではクリスマス抽選会と称し、①~⑥までの景品の中から、希望の品を書いて応募箱に入れることができました。

マッサージボールとか腹筋ローラーとかプロテインとか…筋トレ関連用品です。

当たるわけないけど…と思いつつも応募する院長(私)。

景品番号①のバランスボール。

何と当選。

『おめでとうございまーす』(もう一人のスタッフと一緒に拍手あり)

その場で開けてみると『あれ?思ったより小さい』

景品の名前は、①ミニバランスボールでした。

ミニだったのね~ミニを見落としていた。

でも、『当たった』のはすごい!

小学生の時に、懸賞でミロ(麦芽飲料)のピクニックシートが『当たった』以来の快挙です。

 

 

嬉しいクリスマスプレゼントに、2020年他に『当たった』ことを思い返してみると…

当たっていました!

自動車に。

昨年のお出かけは、自転車で近場散策程度。

ある日、車の進行と逆方向に歩道を自転車で走っていたら…

向かって右側の細い道から車が左折しようと出てきました。

私のこと見えてるよね?と思い、進むと、車も出てきて、自転車ごと左側に転倒寸前に。

幸い自転車を支えた足は少々痛かったものの、体に異常はなく、その足で自転車の修理に向かったのでした。

前輪・ペダル取り換えと、思った以上に愛車(自転車)はダメージを受けていましたが。

この『当たり』で学んだことは、車は自分(自転車・歩行者)を見ていないものと思うこと。

弱者を優先というものの、事故に遭わないに越したことはないので、相手(自動車)に期待しないで自分が細心の注意を払うこと。

人間関係にも当てはまるような…

 

 

他に当たりがあったか…と考えているうちに、『当たる』ひとには結構当たっているという事実。

眼に何かが当たったひと(患者さん)が来院されます。

学生で多いのは、体育や部活でのボールが当たった・授業や休憩時間にひとの手や足・文房具などが当たった。

最近はめっきり減りましたが、若者(時におじさん)のけんか、夫の手が当たった(というより殴られた)。

寝ながらスマホを上にあげて見ていたら、手が滑って目に当たった患者さんは、増えてきています(寝たばこならぬ寝スマホ注意)。

どんなもの(大きさや形状)がどのくらいの距離でどんな風に当たったか、を聞き診察することは眼科医にとってとても重要です。

患者さんの話と、見た目、細隙灯顕微鏡や眼底検査での所見とが一致していれば問題なく、診断・治療を開始しますが、そうでない場合も時にあります。

 

アラサー女性は、最初、『物が当たった』との訴え。

白目は出血しており、角膜には爪の先と思われる形が。

どんなふうに当たったのか尋ねると『飛んできたんです』

この所見で、何が飛んできた?と再度聞くと、しばし沈黙。

所見を話し、物にしては説明がつかない旨・本当のことを言ってほしい旨を伝えます。

『冗談だと思うんですけど…目の前でデコピンされました。彼氏に』

眼を開けているときに、指で目を弾いたのなら、所見と見事一致します。

幸い、視力に影響なく完治しました。

『正直に話してくれてありがとう。幸い、問題なく治ったけれど、冗談でする行為ではないと思う。二人の関係を見直してもいいかも』

おせっかいオバサン院長は、診療とは関係ない余計な一言まで…

 

ミニバランスボールと言えども、バランスを取るのは難しい。

人生もバランスボールの上に乗っている…

ゆらゆら揺れながら、思いを巡らす新年です。

 

今年もよろしくお願いいたします。

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2020.12.22  茶目が濁る

先日某新聞の投稿欄。

娘に目が白いと指摘され、眼科受診したが、『ロウジンカン』と言われ、加齢による心配のないものと説明された。

 

『ロウジンカン』とは『老人環』と書き、加齢(大体60歳以上)により、角膜(茶目)の周囲に沿って丸く円状に出てくる白い濁りです。。

何かの病気では?と心配されて受診されます。

自分では気づいておらず(鏡を見ない?)、家族に指摘された男性がほとんどです。

加齢により、脂質の沈着が起こった現象です。

角膜の下方から始まり、上方にも起こり始め、上下の濁りが癒合すると白い円状の濁りとなります。

女性より男性に多く見られます。

眼障害は起こさないので、治療は不要です。

 

同じ角膜の濁りでも、『角膜に白く濁る点がある』と若年者が受診された時は、若いから放置…では済まない『カタル性角膜潰瘍』があります。

コンタクトレンズ使用者が多く、濁りの近くの結膜(白目)にも充血を伴っていることも。

細菌培養をすると、黄色ブドウ球菌が検出されることもありますが、検出されなくてもブドウ球菌毒素による反応により起こっていると考えられています。

長時間の装用や、レンズの使用期限延長、レンズの洗浄不足(こすり洗いせず)、ケースの定期的な交換なしの場合に起こりやすくなります。

治療はしますが、充血がなくなっても、混濁はなかなか消退しません。

ただ多くの場合、視力は出るので、治療継続が大切です。

 

怖いのは、緑膿菌(りょくのうきん)とアカントアメーバ。

どちらも難治性の角膜の病気です。

レンズケースを媒介として起こることがとても多いので、2週間や1か月タイプ・通年型は要注意です。

アカントアメーバは、専門の病院を紹介しても、治癒するまでの期間は長く、辛うじて視力がやや戻った…くらいの回復も。

緑膿菌も、1~2日で角膜を破り溶かしてしまうくらいの急速な進行を遂げます。

 

緑膿菌による角膜潰瘍で、今でも記憶にあるのは、研修医時代の担当患者さんです。

夕方、地方の開業医さんから連絡があって、時間外で患者さんが大学病院に到着したのは、午後7時前。

70代の男性Cさんでした。

一昨日、畑作業中に何かが入ったような気がしたけれど、翌日は様子見。

おかしいな、と思って翌々日20キロ先の眼科開業医を受診。

重篤な角膜の状態ということで、大学病院に紹介。

患者さんは、40キロの距離を奥さんと一緒に来られました。

診察した眼は衝撃的でした。

角膜穿孔(かくまくせんこう)を初めてみました。

角膜が溶けて内容物が緑色のどろどろしたものと融解して出てきていました。

細菌検査では『緑膿菌』が。

強い抗生物質の点滴と点眼で数日治療を続けましたが、改善せず。

遂には、眼球摘出術を行うこととなりました。

2度と忘れられない症例です。

 

数年後、大学病院から55キロ離れた病院へ赴任。

行く途中、Cさんの村があります。

まだ研修医だった院長(私)は、治療も手術もただ見守るしかなかったけれど、村を通過するたび、Cさんの顔と眼はいつも浮かびました。

眼科開業医のない地方の病院赴任により、患者さんを迅速に診察・判断することを求められ、眼科医として成長させてもらいました。

雪に埋もれた山の中の集落を思い出します。

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2020.12.15 片方だけ悪くなる!?

初診の21歳Bさん。

主訴は『片目がどんどん悪くなってきて、見えなくなった』

 

3年前、初めてコンタクトレンズを装用開始。

その後は、ネットで購入していました。

若いので、近視進行の可能性はあります。

同じ度数を注文するのですが、しばらくして見えにくくなると、(自己判断で)より強い度数のコンタクトレンズを購入していました。

そのうち、左眼だけが、同じように上げてもすっきりせず、どんどん度数アップで注文・購入。

それでもコンタクトレンズですっきりしないどころか、見にくくなり、遂には見えなくなるのでは?と怖くなり、受診と言うわけです。

 

 

まず、患者さんのお話を聞いて…

検査のデータを確認。

左は乱視がかなり強いのですが、近視と乱視を換算すると、左右差はほぼありません。

ですが、持参のコンタクトレンズの度数は、左は右の倍近く。

左眼の矯正視力も0.6。

片眼の視力低下を起こす病気はたくさんあります。

内科的な病気の有無や、年齢などなどによっても特徴的な眼科の病気はあります。

それらを診察しながら、スクリーニングして絞っていきます。

 

患者さんからのお話と検査データで予想した通り…

左角膜(眼球の一番前です)には、多数のキズとめくれ(びらん)・濁りが出ていました。

光は、透明な角膜を通してまっすぐに入り、水晶体・硝子体を通って網膜に到達します。

光が入る一番最初の角膜の表面が傷などで凸凹していたり、濁っていると、乱反射したり、途中で光が入っていかなくなったりします。

 

眼圧や、目の奥には異常がなかったので、原因も治療方針も決定です。

 

若い世代(10~20代前半)は、近視の進行が起こりやすいので、1年単位(場合により半年単位)でコンタクトレンズの度数を上げることがあります。

何年も同じ度数で使用できることは、多くありません。

そのため、眼科の定期検診では、見え方だけでなく、屈折度(近視・乱視の程度)を測ったり、目の状態を眼科医が確認します。

近視の変化だけなら、度数を上げればいいのですが、そうでない他の要因の場合もあります。

 

今回のBさんの場合も、本人は単純に近視が進んだと考えたのでしょう。

しかし、左眼のキズがあることも気づかず(コンタクトユーザーは角膜知覚が鈍麻するので、非装用者より自覚が乏しいこと多し)、治療することもせずに、コンタクトレンズを装用し続けることで、ますますキズが広がり…

繰り返しのキズで、角膜に濁りも出て…

しかも、どんどん強い度数にすることで、調節力の過剰な負担も起こっていたと思います。

 

Bさんは、見えなくなるのではないか…と心配されていましたが、きちんと点眼をして、きちんと定期的に受診。

若いだけあって、治療の反応も良く、最後は、乱視が残るものの、矯正視力は1.2に回復しました。

『きちんと治ったから、左は乱視用にはなるけれど、コンタクトレンズ使っても大丈夫ですよ』

『よかった~もう、ネットで買うのはやめます。合わせてください』

 

ネットでコンタクトレンズは購入できますが、ユーザーの目の状態を診てくれませんし、責任も持ってくれません。

院長は、当院でコンタクトを処方する患者さんの眼全般(コンタクトのことだけじゃなく)を請け負う姿勢で診察しています。

眼科医から『安心』印を押されてコンタクトレンズを安全に使いましょう。

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2020.12.8 再び1年生

昨年、日本医師会認定産業医を取得した院長。

 

眼科では、パソコン業務の患者さんが多く来院。

ドライアイだったり、近くのピントが合わなかったり、眼痛だけでなく頭痛や肩こりもあったり…

眼科としての原因、治療はもちろんですが、話を聞いていくとその要因は様々です。

職場環境の問題だったり、運動不足だったり…

眼科以外の興味は広がるばかり…

スポーツ医も産業医も眼科医療を基に、その派生で取得することに。

 

さて、本業ではなくとも、資格は持っているだけでは宝の持ち腐れ。

アウトプットしてこそ。

昨年暮れから、産業医の就職活動を始めました。

産業医の関わる産業保健の目指すところは、ひと(従業員)の作業の適応とその仕事へのそれぞれのひとの適応です。

誰を適切な作業につかせ、どんな作業を誰につかせるか。

 

事業所の規模によって専属産業医か嘱託産業医かが決まっています。

院長は、もちろん嘱託産業医。

 

実は、就職活動は初めての院長です。

大学卒業後、そのまま医局へ。

あとは医局人事で動き、開業。

なので、初めて顔写真付きの履歴書を作成。

動機・アピール欄もしっかり記入。

 

当初、すぐに採用されるでしょうと思いながら応募するも撃沈。

遠いところは…

この職種は聞いたことない…

なんて言っていたら、いつの間にか夏も終わりそう…

自分は、産業医1年生、謙虚に。

ただし眼科臨床医としての実績はあり、人生経験もあり。

これをアピールして?採用が決定しました。

 

担当するのは、スーパーマーケットの系列2店舗です。

どちらも、県内とはいえ、自宅から片道1時間半弱。

勤務日は、当院休診日です。

産業医1年生。

イメージがわく職種に、採用されるだけラッキー。

小旅行と思えば、通勤時間もまた楽し。

 

当日は、約束の約40分前に到着。

スーパーマーケットなので、院長(主婦)には馴染み深いお店です。

職場巡視は職務として行う予定ですが、まずはお客として視察。

広くてきれいなスーパーです。

鮮度もいいし、種類も多いし、名古屋よりいくらか安い。

が、仕事前に買い物はいけません。

ぐるぐるとカートを押しながらも、買うのは、小さくて軽いお菓子くらいに。

出入り口には、お客様の声と店長からの回答が貼ってあります。

店長の顔写真もあり、『この人が、これからお付き合いする方ね~』

 

時間になり、先ほどの店長と本社の総務に初対面。

どんな職種があり、どのような人たちが働いているかを聞きます。

今回のメインは、健康診断結果の事後措置の決定です。

健康診断結果を見て、精密検査をしたほうがいいとか、勤務に差し支えがあるかどうかなどを、判定していきます。

最後に、判定の責任者として『産業医・長谷川公』の判を押印したときは、産業医初日の感慨が…

 

その後は、職場巡視をします。

スーパーのバックヤードを見て歩きます。

興味津々。

良好な点や、改善推奨点などを記載し、報告書を提出します。

安全衛生委員会の議事録も確認します。

あっと言う間の初出勤日でした。

 

『うちの寿司は、鮮魚コーナーで握っているから自信を持ってお勧めします』

店長さんの言葉に、勤務終了後、堂々と?お客として買い物。

夕食はお寿司に決定!

 

初出勤、うまく仕事できたのかな~?

 

後日、聞くところによると、なかなか手際も良かったとのこと。

 

企業(と従業員)のお役に立てられるよう、再び1年生から頑張ります!

 

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2020.12.1 女医なんですけど…

糖尿病の3大合併症は、『神経』『眼』『腎臓』の障害です。

眼科医は、糖尿病の患者さんに眼合併症が出ていないか、出たらどうするかを考えながら診療をしています。

『HbA1C(ヘモグロビンAワンC)はいくつでした?』(糖尿病のコントロールの指標になる値です)

毎回、尋ねます。

即答する人、血液検査の結果や糖尿病手帳を提示する人、『まあまあだね~』『いいんじゃない』『忘れた』『最近採血していない』など色々です。

眼の合併症では、一番は、網膜出血です。

点状の小さな出血が数個から多数に。

白い点状の斑点が数個から多数に、ベターっとしたものに。

悪い血管が生えてきて、破れて出血を繰り返したり、前方にも出血したり…

軽症の場合は、糖尿病のコントロールをしながら、経過観察です。

進行すると、レーザーで網膜を焼いたり、目の中に注射をしたり、大掛かりな手術をすることになります。

重症化すると、悪い血管が茶目にも生えてくるので、眼圧が上がって、緑内障を引き起こします。

また、白内障も進行しやすいです。

 

数年前から通院中の糖尿病のAさん(70代男性)。

院長:『HbA1Cいかがですか?』

Aさん:『○○(値)上がってしまって、薬が追加になりました』

院長:『あれま~!おやつとか結構食べてます?』

Aさん:『おやつは食べないです。ご飯も1日2食だし…』

院長:『アルコールはいかがです?』

Aさん:『まあ、それは毎晩ですね~焼酎をね。内科の先生には、やめろって言われるけど、これが楽しみで生きているからね~』

院長:『そうですか…1日のお楽しみですもんね~どのくらい飲まれますか?』

Aさん:『いつも3杯かな。水割りかお湯割りだけどね』

院長:『いつもより少し薄目に割るとか、たまに1杯減らすとか…は出来そうですかね?』

Aさん:『そうだね~…』

眼の合併症もなく、視力良好なことも確認。

 

Aさん:『ちょっと聞きたいことがあるんですけど…』

院長:『何でしょう?』

Aさんが話し始めたのは、下半身のお話。

ふむふむ。はい、はい。

Aさん:『糖尿病と関係ありますか?』

院長:『糖尿病による神経障害の影響が大だと思いますよ。加えて、加齢も。糖尿病のコントロールをしっかりして。それから泌尿器科かな…。Aさん、こういう話は内科の担当の先生に話したほうがいいですよ。眼科医より』

Aさん:『そうだけど…(病院の)担当医は女医さんなんで、こういう話は…』

院長:『(目が点!)Aさん、私も女医なんですけど…知ってました?顔、見えてますよね?』

Aさん:『…そうなんだよね~こう先生も女医さんなんだけど…違うんだわ。とりあえず、糖尿病治療頑張るわ。聞いてよかった』

Aさん、すっきりした顔で診察室を退出されました。

 

『女医なんだけど…』の後は?

オバサン(内科担当医は若き女医?)だから?

ちゃきちゃき・サバサバしているから?

医師として、かかりつけ医としての経験と信頼がそうさせたなら大変うれしいことです。

 

名前では男性に間違われますが、見た目で間違われたことはありません。

オバサン院長は、性差を超えて頼りにされる、チャーミングな医師を目指しています。

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2020.11.24 加齢と色覚

先月東京で開催予定の臨床眼科学会はWEBで開催。

約1か月にわたり、14会場4日分の講演を視聴することができます。

 

最近は、高齢化に伴い、人生100年時代に備えるべくの眼科的話題も。

 

一般に『色覚異常』(今は、色の特性ともいう)は、生まれつき網膜(もうまく・目の奥)の視細胞の錐体(すいたい)3種類のうち、どれかがうまく機能していない状態を言います。

世間一般では、赤と緑の区別がつかない、わからないという俗説ですが、実際には、そのような重症型はほとんどありません。

院長も医学を学ぶまで、色覚異常とはそういうものだと思っていました。

小学生の頃に読んだ少女漫画で、ヒロインの好きになった相手が色覚異常(赤と緑を間違う)で結婚をゆるされない…子供に遺伝してしまうから産めない…という悲しい恋のお話を読んだ記憶があります。

その時、初めて色覚異常という言葉を知ったのでした。

医学の勉強をしなければ、いまだに、先入観があるかもしれません。

 

先天性の色覚異常のほとんどの人は、自覚がないまま、支障なく生活しています。

生まれつきで、進行することはありません。

学校の色覚検査をで見つかっても、色の見分け方による注意事項を説明すれば、別段困ることはありません。

また、学校では、誤認識しやすい色の配慮をしてくれます。

ただし、少ないのですが進学制限や職業制限もありますので、自分の特性を知っておくことも大事です。

 

さて、色覚異常は、先天性なので、自分には関係ない…と思う人がほとんどですが、後天的(後から起こる)色覚異常もあります。

網膜や視神経の病気、脳の病気・心因性など、原因は様々です。

病気により起こり、左右眼で程度が違うこと(先天性は両眼同じ)や、自覚があることが後天性の特徴です。

 

白内障も後天性の色覚異常を起こすとして話題になってきています。

加齢性白内障(俗にいう白内障)は特別な病気ではなく、しわと同じように加齢で発症する病気です。

 

白内障が進行してくると、少し黄色味がかったサングラスをかけているように感じます(程度により違いあり)。

また、加齢により、瞳孔が小さくなり、光が入りにくくなるので、若年者より暗く感じます。

スマホの画面の明るさを、院長と息子たちのを比べると歴然。

よくこんな暗い画面で見えるね~と驚き、自身の加齢を感じます。

逆に、息子たちからは、まぶしくないの?と聞かれます。

まだ白内障発症とまではいかないまでも、水晶体(すいしょうたい)の濁りは少しずつですが進んでいることを実感します。

 

気が付かずに、日常生活に支障をきたすようになると要注意です。

例えば、紺と黒の靴下を間違える。

シャツの黄ばみに気付かない。

階段の一番下の境目が(暗くて)分からず、踏み外して転倒。

予防法としては、明るいところで確認する癖を。

階段は、電気を明るくしたり、一番下の段に、目立つテープを貼ると予防になります。

また、ガスの炎の一番先の高熱の部分の青色が見にくくなり、思ったより炎の高さを短く感じ、着火事故につながることもあります。

 

後天性の色覚異常(色の見え方の変化)は、進行します。

原因は様々ですので、色の見え方に変化を感じたら、眼科医にご相談ください。

 

最近、内側が黒布地のバッグは避けるようにしている院長。

狭く暗い空間では、取り出したいものをすぐ出せず、ぐずぐずしてしまいがち。

 

暗い環境・小さな対象物・くすんだ色は間違いを起こしやすくなります。

すべての色覚異常に気を付けるポイントです。

 

が、せっかちなオバサン(院長)も気を付けないといけません。

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2020.11.17  今更!?今から⁉

『アイシャドウ、変えました?』とスタッフ。

マスクをしていても、院長の顔色だけでなく、お化粧具合にもよく気が付くスタッフです。

『わかる?色は変えてないんだけどね~メイク方法を変えてみたの』

 

眼を診る仕事上、患者さんの目の周りの化粧も当然目に入ってきます。

アイシャドウの入れ方、アイラインの描き方、マスカラのつき具合、まつエクの接着具合など…

きれいなアイメイク(顕微鏡下です)を見ると、心の中で『すごい~』

 

最近では、大学生ならず、高校生でもメイクをしている子が多くなりました。

かくいう院長は、大学時代もほぼすっぴん。

学部自体が、おしゃれを極める感じでなかった気がします。

美容雑誌は読まなかったし、大学生・OL向きの雑誌のモデルも遠い都会の人だと思っていました。

医師になって、身だしなみ程度で始めた化粧です。

習うこともなく、見よう見真似の自己流。

デパートのコスメコーナーで、商品を買う時は、部分的にメイクしてもらうのですが、家で再現ならず…

勧められて買ったのに、面倒で使わなくなった(使いこなせなかった)商品も多々あります。

 

ところが、最近になって『お化粧できれいになりたい!』

 

今まで、デパートのコスメコーナーでパーツごとに買っていたけれど、うまくいかなかったのは、基本を知らないからだ!

基礎からのメイク法を学びたい!

 

何を今更?

モテたい!彼氏見つけたい!ちやほやされたい⁉

20代にメイクに目覚めていたら、そう思ったかも。

しかし、モテ期もないまま現在に至るオバサンです。

今から習ってまで、お化粧上手になる意味ある?

自分の中で、この葛藤がしばらく続いた院長です。

 

『きれいになりたい!』

自分のために。

お化粧を始めてからの期間を上回るであろう今後の年月。

今、習わないでいつやる?

ついに美に目覚めたのに!

 

今どきの人ならYouTubeでなんでも学べるのでしょうが、院長は一昔前の人間。

直接、その道のプロに学ぶに限る!の信条。

メイクレッスンを受けることにしました。

 

まずは、化粧水と乳液を付けるところから。

間隔は1分は空けるように言われ、点眼薬の5分間ルール(2種類以上の点眼をする場合は、5分以上空けて)が浮かぶ院長。

ベース・ファンデーション・おしろいなど、一つ一つの行為が新鮮。

それぞれのメイクに対して、理由があるのも納得。

いかに自己流だったかも反省。

メモ、メモ。

自分でやってみて、不明点を聞いたり、お手本を確認しながら、反復練習。

毎回、少しずつステップアップです。

眉の描き方、アイシャドウの塗り方なども『なるほど、なるほど』

『眉マスカラを塗ると抜け感が出ますので、ぜひ付けてくださいね』

抜け感…なんて、お洒落さんの言葉だと思っていた…

 

『モデルさんみたいにきれいになれますかね~?』(愚問)

『モデルさんは、顔が商品ですから、素もいいし、日頃のお手入れもすごいですよ。撮影の時は、プロがメイクしますし』

『そっか~商品ね~』(それなら私は顔でなくて、眼科医としての腕が売りだわ)

『頬紅は、こうやってブラシでふわっと。口紅は唇のここを強調して…』

やってもらうと、少し違う自分になっていくようで嬉しい。

『美魔女みたいには?』(またまた愚問)

『どんな風にもお化粧できるようになりますが、まずは、基本です。教わったベースメイクをしっかりマスターしてくださいね』

『はい…』(何事も基本から)

 

そういうわけで、マスクで誰にも顔を見せないにも関わらず、毎朝フルメイクをしている院長です。

あと30年くらい毎日やっていれば、メイク上手になれるでしょう。

 

診察室の暗室で、見えない努力をしている院長です。

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2020.11.10 時にはバスボム

スタッフも今年はWEBで勉強会です。

先月の勉強会の後、院長の誕生会を兼ねてお茶会を開いてくれました。

この勉強会は、スタッフ向けだったので、院長は終了後にクリニックの一室へ。

コロナ流行の中、院長のお気に入りをスタッフに用意しました。

 

さて、スタッフルームの即席のテーブルにケーキの箱が。

『一番先に好きなケーキ選んでください!』

色とりどりのケーキ。

『久しぶりにモンブランにする!』

『それ、お勧めなんですよ~』

全員にケーキと紅茶が行き渡ったところで

『少し遅れましたが、誕生日おめでとうございます!』一斉にスタッフ。

『ありがとう!』感謝です。

毎年、この時期に、スタッフがお出かけ(ドライブ&温泉)を計画してくれるのですが、今年はさすがに…ね。

『ほんの気持ちですが、プレゼントです』

『ありがとう!私も、ほんの気持ちだけど、どうぞ!』と、スタッフにラッピング袋を。

同時に開けてみると『あれ?』

プレゼントしてもらったのは、バスボム(球体の入浴剤)のフィギュア入り。

プレゼントしたのも同様のバスボム。

院長セレクトは、愛用のアンパンマン&ディズニーもの。

スタッフからのは、愛用シリーズ以外に、おさるのジョージやお菓子シリーズ。

 

院長の好きなものをちゃんと知っているスタッフ、自分の好きなものをスタッフに使ってもらいたい院長。

偶然、同じものを思いついた結果。

 

コロナ禍でどこにも行けない院長の楽しみの一つが、以前にもまして自宅風呂になりました。

色々な種類の入浴剤をその日の気分で入れて楽しんでいます。

炭酸の多いもの、発汗の強いもの、自然の香りのものなど、1日の終わりの最後の楽しみです。

ある日、アンパンマンのバスボムを見つけ、使ってみました。

球体だけのカラフルなバスボムは、女性受けがいいのですが、今回のはフィギュア入りの子供向け。

それが、すごく楽しいのです。

球体のバスボムが、炭酸ガスを出しながら、小さくなり、最後にぷくぷく、ひょっこりと湯面に浮かび上がるアンパンマン。

なぜか、元気が出てきました。

以来、『すごく疲れたけど元気を出したいとき』または『すごく頑張りました!』日の出番です。

ただし、1個当たり結構高いので、厳選した日に使用します。

何が出てくるかは、その時のお楽しみです。

そのフィギュアが、スタッフ用トイレの飾り棚に並びだしたので、誰がどうして飾りだしたか…ということになり、院長のバスボム愛?も露呈したというわけです。

 

さて、入浴は、血液の巡りを良くし、体も温まります。

そのため副交感神経優位になり、リラックス効果もあります。

涙腺からの涙の分泌は、副交感神経刺激により促進されます。

また、湿度が十分なため、環境的にも目が潤い楽になります。

さらに、温かいタオルを目の上に当てれば、まぶたの縁にあるマイボーム腺が開きやすくなり、脂が出ることで、涙の安定(蒸発しにくくなる)につながります。

 

院長は、生涯、自宅のお風呂に入るのが目標です。

温泉みたいに、床に埋め込む浴槽ならまたがなくてもいいのに…もっと年とったら、リフォームしよう。

知り合いの建築家に話したところ…

一般家庭で埋め込む浴槽は作れなくもないが、洗い場と浴槽が隣接するので、体を洗った湯やシャンプーなどが入りやすく不向きとのこと。

大浴場くらい広ければいいのだけれど。

なるほど~断念。

それより、生涯、浴槽をまたげる筋力をつけたほうが賢明です。

 

トイレの飾り棚にフィギュアが増えてきました。

みんな、バスタイムを楽しめたかしら?

カテゴリー:クリニックに関すること

2020.10.27  しゃがんでます?

『今日は、違うスクワットもやってみましょう』

パーソナルトレーニング継続中の院長です。

ルーティンでやっているのは、ブルガリアンスクワット。

片足で立って、もう片方の足先を後ろのベンチにかけます。

片方の足でスクワット(上体を下げ、太ももを水平まで落とす。またもとの位置に戻す。繰り返し)。

初めて指導を受けたときは、自重でも、翌日の筋肉痛は半端ないものでした。

ですが、今では、両手にかなりの重量のダンベルを持ち、スクワット。

毎回限界まで追い込まれます。

 

さて、今回の『ゴブレットスクワット』は、胸あたりでダンベルを両手ですくうように持ち、下半身を下ろしていきます。

太ももと床が平行になるまでしゃがみます。

何回もしゃがんでは立ち…15回3セット。

『そういえば、最近しゃがむことがないですね。トイレも洋式だし…学校のトイレも洋式化しているし…』しばし、雑談。

『僕たちの頃は、まだ、和式トイレだったんですけどね』とトレーナー(30代)。

『しゃがまないと、特に下肢の運動機能が落ちてしまいますね。日本の和式トイレは、知らないうちにトレーニングになっていたんですよ~』もう一度お手本を見せるトレーナー。

 

そんな折、しゃがみ込み動作が運動指導で獲得できるという整形外科学会での報告が、スポーツ医(院長です)の目に留まりました。

しゃがみ込み(和式トイレ姿勢を想像)が困難な健常成人に1か月間運動指導をすると、しゃがみ込み可能になった報告の続報のようです。

閉脚しゃがみ込みが出来なかった小中学生に、医療機関で運動指導を行なった結果、最終継続率24%、成功率50%だったそうです。

運動は、前屈や片足立ちなどから、股関節可動域訓練、タオルギャザーやスクワットなど全然難しいことではありません。

しゃがみ込み動作は、上肢外傷歴(転倒によるもの多い)と関与が大きいので、転倒リスクにも大きく関与しています。

しゃがみ込めるということは、多彩な運動機能が良好であるということです。

 

就学児健診が始まりました。

今どきの5~6歳児は、和式トイレを見たこともない子もかなりいることでしょう。

しゃがみ込みトイレの最初で最後は『アヒルのおまる』?

しゃがみ込み動作の運動指導が必要な時代に??

昭和生まれの院長は、ため息です。

昔、店先でしゃがんでいた不良?たちも、知らず知らずのうちに筋トレになっていたのね~(最近見ませんね)

 

便利な世の中になって、無意識に筋トレになっている動作・作業も少なくなりました。

意識して、豊かな老後のためには、筋トレを。

転倒予防に『貯筋』(なかなか貯まりにくい…)に励む院長です。

 

公衆トイレに和式があったら、健常者は率先して使いましょう。

ちょっぴりですが、筋トレです。

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