2025.8.20  日本語で話して

休日診療所の出務当番。

名古屋市は名古屋市眼科医会の会員(開業医)で回しています。

今日はどんな患者さんが…?

 

休日診療といえども多いのは数日前から○○…

だったら休み前に眼科を受診しなきゃ…と思いつつ診察します。

結膜炎、アレルギー、ものもらいなど。

中には、近医にかかっているのに気になって受診と言う方も。

残念ながら初診患者さん(全員)に、大した検査機械もない状況で、詳しく診察することは難しいです。

結果、かかりつけの先生にもう一度診てもらうように言います。

お話を聞いていると、過剰に心配性の方が多いように思います。

 

眼球打撲や目が赤くなった患者さん。

視力低下はないか、目に問題がないか、最低限の機械にて診察します。

 

1週間前から帯状ヘルペスでどんどん悪化して視力も低下したという患者さん。

ヘルペスは水疱瘡のウイルスで、免疫力が低下すると、身体の奥に潜んでいたのが活発化します。

通常まぶたに水泡が出来、軟膏が奏功しますが、稀に眼球に入り込む場合も。

この患者さんは、眼球にも炎症が起き視力の急激な低下が起こっていました。

『○○病院に紹介状を持って行ってください』

 

幸い名古屋市の場合は、大学病院や眼科病院が2次救急を引き受けてくれます。

滅多に休日診療所からお願いすることはないのですが、今回は該当。

 

コンタクト関連の患者さんも多く来られます。

コンタクトが外れない。

眼の中のどこかに行っちゃった。

外したら激痛がしたなど。

 

コンタクトを外して終了の場合もあれば、目の中にコンタクトが見つからない(知らぬうちに外れていた)場合も。

レンズ装用に問題がある場合が少なくありません。

また同じこと繰り返さないといいんだけど…

 

装用したまま眠って、朝外したら激痛の患者さん。

綺麗なお姉さんです。

角膜は傷だらけで充血もあります。

中国名と日本名があったので、『痛い?』とか『傷がついている』とか、緊張しながら片言中国語で話します。

コンタクトは半年ずつ交換(日本製にはない)のカラーレンズ。

それも良くないんじゃないか…というと、本国でちゃんと合わせているとのこと。

眼科医(院長)がゆっくり(言葉を選ぶというより語彙不足)話すので

『日本語で話してください!』

『あ~はい…(しょぼん)』

日本語でゆっくり丁寧に説明。

『わかりました』(我明白了)

眼科医としてはきちんと診療したけれど、自分の中国語の拙さにショック~

当院に来る中国人の患者さん(日本語上手)は、拙い中国語でも話すと褒めてくれるのだけど…厚意に甘えていました。

反省。

 

終了間際に来た患者さん。

2日前に両眼の視力低下に気づき、昨日はもっと低下し、本日は本当に見えなくなったから来たとのこと。

視力は右0.1左0.2。

軽い近視で、今までは眼鏡でしっかり見えていたそう。

眼圧や前眼部は問題ありません。

休日診療所には最低限の機械しかなく、通常当院にあるような眼底カメラや視野計その他のはありません。

精密検査も含め2次病院にお願いするしかない。

その旨を伝えると『ここでわからないの?また行かないといけないの?来週ではだめ?』

眼科医と患者さんの温度差。

今までの経緯から考え得る病気をいくつか挙げ、精密検査の重要性を話し…ようやく腰を上げてくれました。

 

離島の診療所を思い出します。

機械は、休日診療所と同程度のみ。

2次の病院は島外。

ならば今すぐヘリか明日の飛行機か船か…

 

車で数十分の2次病院。

名古屋市ありがたいです。

 

水餃子・春巻

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2025.8.5    すみませ~ん!いいよ~

よしもとの祇園花月劇場も8月で閉場となります。

よしもと新喜劇ファンとしては、終了前に行かなくては。

なんば花月は本場ですが、いつも満員御礼。

以前、院内旅行でなんばグランド花月に行ったときには、奇跡的に最前列!

すち子の投げた飴もキャッチして天にも昇る思い。

それ以外は、いつも後ろの方の席しか取れません。

対して祇園花月では最前列も取れるし、当日でも5~8列くらいには座れます。

思い立ったら祇園花月!というほど、京都で一番好きな場所でした。

 

閉場まで数か月前のある日。

異様に多い人。

初めて『し』の列。(あ行から)

閉場が発表されてからどっと観客が増えたそうです。

 

若手の漫才から始まります。

トリの頃には安定の笑い。

それから新喜劇が始まります。

新喜劇のストーリーはいつも同じで分かっているのに、ついつい笑ってしまいます。

ワクワクドキドキのない安定安心の笑い。

頭をフル回転させなくても、劇に合わせていつも同じ流れで笑える安心感というのか…

 

祇園花月の壇上でズッコケる練習をしたことも思い出されます。

誰でもできそうに見えることが、本当は難しい。

誰かを貶めたりけなさず、純粋に笑わせることって本当に難しい。

それらを極めるのってすごい。

若い頃には思いもしなかったことです。

 

座長のひとり、アキさんが流行らせたシーンに

相手『すみませ~ん』

アキ『いいよ~』

突っ込み『いいんですか?』

アキ『いいよ~謝ればいい~』

実際、特に社会では謝れば済む問題ばかりではないけれど、やはり非があれば『すみません』と謝ることは大事だと思います。

解決はしなくても、少し場は収められる。

そこから話し合いをしていけると思っています。

院長になってからの方が、『すみません』を発することは圧倒的に多いです。

でも相手の言い分を聞き、当方の方針や改善や提案などをお話しすると分かっていただけることがほとんどです。

最近は若い人で『すみません』が言えない人が増えてきたように思います。

自身の主張を言う前に、ミスがあったり出来ないことがあったりしたら『すみません』

状況を少し緩めるクッション言葉(担当学校医の小学校でよく使います)となります。

 

先日鹿児島中央駅でバスを待っていると、ロータリーに『えッ!』と声を上げそうな表示を付けたバスが入ってきました。

『すみません回送中です』

名古屋市バスは『回送』のみの表示。

日本の南・九州の下の方で、こんなクスっと笑えるバスに出会うとは。

『すみません回送中です』と掲げられると、目の前をスーッと通り過ぎても『いいよ~』と言いたくなります。

鹿児島市バスのユニークな取り組み。

ロータリーでしばらく立っていましたが、残念ながらその1台のみしか遭遇せず。

(なので写真はとっさの1枚です)

回送バスは、今後鹿児島での回想シーンに出てくること必至。

 

まだまだ日々『すみませ~ん』の院長(お客様相談係兼務)ですが、患者さんの温かい『いいよ~』で、お陰様で開業28周年を迎えることが出来ました。

経験と新しい知識を還元できるよう精進します。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

すみません回送中です。
out of service

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2025.7.29   ペイハラ研修

あちこちでハラスメントという言葉が飛び交っています。

お客さんからのカスハラ。

患者さんからのペイハラまで話題に上がるようになりました。

 

医師会でも医療従事者のためのハラスメント実技研修が行われ参加してきました。

医療従事者は、患者さんに対して善意の元で診療にあたっています。

しかし、近年言われるペイシェエントハラスメントとは…

要求の内容の妥当性に照らして、その実現手段や態度が社会通念上不当であり、そのために医療機関職員の就業環境が悪化しているもの

だそう。

 

①暴言や威圧的な言動

大声で怒鳴る・侮辱的な言葉・医師や職員の人格否定など

②過剰な要求やクレーム

医学的に不要な検査や処方を強要する

時間外の対応を強く求める

院内に長時間居座るなど

③暴力や器物破損

④セクハラ

⑤ストーキングやプライバシー侵害

 

医療機関と言えども、長時間待たされたり、自分の思っていた病気や治療と違っていたり、期待や予想を下回ることは起こります。

不満は口に出してもいいですが、医療側の説明に納得していただければ、ピンチはチャンス!今後も患者さんと良い関係が築けると信じています。

患者さんがどんな背景があってそこまで不満を持ってしまうのか、今クリニックでの不満はほんの引っ掛かりのことではないのか…

 

当院は小さいクリニックでもあり、院長が、相談窓口係や予約係を兼務しています。

院長が説明時にはお詫びすることでご理解いただけ、また良い関係が続くことを願っています。

もちろん、人と人なので、相性もあると思います。

名医と合う人も合わない人も。

迷医と合う人も合わない人も。

最新の病院や若い医師と合う人も合わない人も。

年季のある病院や医師と合う人も合わない人も。

性格もそれぞれだし。

ただ、少なくとも院長は全ての当院受診の患者さんが好き!良い人!(性善説)との前提で診療に取り組んでいます。

性格の相性は別として。

 

起こり得る確率は少ないのですが、警察官によるさす又や盾を使う実習もしました。

さす又はそこそこの重さがあります。

女性だとぐらついてしまう人も。

性善説で仕事をしている医療従事者にとっては、初体験。

相手との距離を取ることが大事なんだそうです。

ナイフを持っているかもしれない。

その他の凶器も。

相手との距離を取ろうとしてかわされてしまうことも度々(実習では、警察官が犯人役になります)。

これは知っておいて損はないでしょうが、実践するときが来るのだろうか?

あまり

の下手さ加減(実習する私たち)に、『まずは逃げてください!』

まあ、そうでしょうね~

逃げられたらいいけど、足がすくんでしまったらどうしよう…

 

併せて簡単な護身術も。

相手に腕をつかまれたら、えいや~と腕を回して交わす(曖昧です)。

この実習で、院長は自分の握力がかなりあることを知りました。

日頃の筋トレのお陰、何歳からでも握力も増加します。

小中の体力テストの握力は最下位だったのに。

 

警察官は日頃訓練も受けているし、そういう人たちを相手にしているので、動きも迅速で美しい。

でも命張る仕事。

同世代の医師と『こんな実習をすることになるとは思いもしなかったですね~』

 

生活の多様化で、受診の仕方も多様化していました。

医療従事者が健康でなければ、安全な医療は提供できません。

働き方改革とともに患者さんの受診意識も大事です。

 

お互い理解し信頼ある関係を作りたいと、今日も相談窓口係は診察室で開いています。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事

2025.7.15 エビデンスある近視予防

大阪駅で迷ってばかりではなく、ちゃんと近視学会で勉強してきた院長です。

 

近視に関する最新研究として

子どもの近視に伴う脈絡膜(眼球の奥の茶色い膜)の厚みの変化。

網膜信号を用いた近視抑制目的のコンタクトレンズの開発研究などなど。

へ~っと思うようなことばかり。

近視の治療の確立はまだまだ先ですが、新しい研究や試みも知っておくのに越したことはありません。

 

昔の常識が今では非常識なことは医学でもあります。

近視進行に効くと言われていた点眼薬や望遠訓練(当院でも昔は実施)は今では非常識です。

現在自費治療ですが、効果があるのがオルソケラトロジー(夜コンタクトを装用して寝る)や低濃度アトロピン点眼です(当院でも実施)。←今の常識

 

新しい事実をインプットして患者さんにアウトプットすることが、現役医師としての使命と思い勉強している院長です。

 

地域の眼科医・学校医として…

1.まず学校検診でB以下の用紙をもらったら、眼科を受診しましょう。

学校検診の資料検査だけでは目の状態を正確に把握できません。

視力低下が近視のためなのか、他の病気によるものか眼科で詳しい検査を受けましょう。

強い近視や遠視・乱視による弱視の場合、8歳以降だと改善が難しくなります。

よく子供に『見えてる?』 と尋ねる親さんを見ますが、子供は自分の見えにくさに気づいていないことが少なくありません。

お母さんの顔が見えていれば『見える』、鮮明に見えていなくても『見える』(広義の見えると言う意味では正しいのですが)。

テレビや本を見る距離が近くない?

遠くを見るとき目を細めてない?

 

近視の進行ピークは8歳から12歳で、身長の伸びと同様に眼球も伸びます。

視力1.0だから大丈夫…→近視は小学生で進みやすいので油断は禁物です。

近視を治す方法はあるの?→現在近視を治す治療はありません。近視進行を抑制する治療はあります。

遺伝はあるの?→遺伝はあります。しかし環境も影響します。環境により遺伝の影響を減らすことは出来ます。

眼鏡が欲しい時は眼鏡屋へ行けばいいの?→眼科で適切な検査の上、正しい処方箋を出してもらいましょう。

近視を放置するとどうなるの?→近視になる年齢が早いほど、強い近視になりやすいです。強い近視は緑内障や網膜剥離発生のリスクとなります。放置は強い近視になり日常生活に不便は生じる可能性もあります。

 

まずは家庭で出来る3つ!

1.30分に1回は目を休ませましょう!

近くのものを見る時間が長いほど、ピントを調節する筋肉の緊張が高まり近視を誘発します。

30分近くを見たら30秒遠くを見ましょう。眼科医会では20/20/20ルールも勧めています(20分近くを見たら20秒20フィート先を見る)。

2.30センチ未満の距離で物を見続けると近視が進行します。距離に気を付けましょう。

3.外遊びを積極的にしましょう。近視を予防するには太陽光が有効です。1日2時間以上外遊びをしましょう。

 

近視リスクを高めるNG行動3つ!

1.寝転んでスマホを長時間見続ける

画面と目の距離が近くなり、ピントを合わせる筋緊張が高まります。

2.休みの日、家の中でゲームや動画三昧

屋外に出て太陽光を浴びましょう

3.悪い姿勢で、休憩なしの勉強。

机に目を近づけて読んだり書いたりは、ピントを合わせる筋緊張が高まります。

 

駅で久々に迷った院長。

経験は迷いを減らす、そう信じて経験を明日の糧にする迷医です。

屋外活動中

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2025.7.8 大事な時に迷う

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2025.7.8  大事な時に迷う

新大阪駅は人の渦。

一駅先の大阪駅も人人人。

今回は大阪で近視学会。

初めての会場は駅から徒歩圏内。

だからホテルも徒歩圏内に予約。

講演までに時間があるからと先にチェックインを済ませます。

 

大阪駅は以前から巨大でしたが、新開発で益々巨大化。

目指すホテルに向かう出口が見つからない…

グーグルも頼りにならず途方に暮れて構内のマップに見入る院長。

『どこ行きはりますの?』警備員のオジサン。

『ここ真っ直ぐ行って、尽き当たりを階段降りてまた真っ直ぐ行って、交差点を左曲がって…』

復唱し大まかに確認、そして『ありがとうございます』

グーグルよりもずっと人力の方が有能です。

所要時間を大幅に超えてチェックイン。

 

予定外の時間の浪費に、次の講演に間に合うか不安になってきました。

また巨大な駅で今度は会場に向かって迷うこと必至。

開演時間から10分遅刻すると、専門医の申請も不可になります。

確実な方法を選択、タクシーに乗り込みます。

『近いですけど○○へお願いします』

『聞いたことないなあ、ちょっと待って』(スマホで検索)

『あ~、うめきた(梅北)の新しいとこや~。わかりました』

○○は大きな建物のワンフロアの名前だったので運転手さんはわからなかったそう。

車は駅を突っ切ることが出来ないので、当然ながら道路を進みます。

『急ぎますの?』

『はあ、まあ。歩いて行けるのでしょうが、大きすぎてよくわからなくて…』

『ここの渋滞過ぎたらすぐやでね~』

大阪駅はクルーズ船のイメージなのだそう。

会場が先頭とするとホテルは対角線上に船尾。

降ろしてもらったのは北館。

会場は南館と判明。

1,300円払ったのに、走る走る…汗だくだくでぎりぎりセーフ。

 

今回は近視学会ということで、近視にまつわるあれこれが主題です。

 

最後までしっかり聞いてホテルに戻ります。

エスカレーターを降り、お洒落なテナントを抜けるとデッキが。

眼下には緑の公園、目上にはどのビルも『大阪駅』

矢印に従って歩いて行くと(メインの?)大阪駅に到着。

最短ルートなら近いはず。

でもグーグルもデッキとかモールを突っ切るとか指示してくれないし…

○南口とか△中央口とか、改札口も出口も多くよそ者には『知らんがな』

 

大事な時に駅で迷った高3の自分が蘇ります。

国立医学部志望の理系でしたが、私立の滑り止めとして候補に挙がったのは名古屋にある文系大学。

当時経済学部だけは、英語・国語必修+日本史・世界史・数学Ⅲから選択(もちろん数Ⅲ選択)の受験科目。

合格大学が新聞に載る時代、とにかくどこか合格していれば世間体が良いとの田舎ならではの意向。

進学する気はないものの、外国語学部を受験の友人と当日名鉄名古屋駅で待ち合わせることに。

待ち合わせ時間が過ぎても友人は来ません。

携帯なんてない時代。

15分待って彼女の自宅に電話。

『公ちゃんに会えないからって先に行きましたよ』

え~?!

ダッシュで受験会場へ。

15分遅刻でぎりぎりセーフ。

聞けば、友人の思っていた改札口と自身の思っていた改札口は違っていたのです。

友人も私も駅に改札口は一つしかないと思っていました…

名古屋は大きいのね~

片田舎の少女の無知ゆえの失態でした。

幸い新聞に名前が載り世間体は保たれた田舎の少女。

大学進学者も少ない地元で、『公ちゃんは4年制大学に行っても25歳までには結婚するんでしょう』と思わせる作戦?は、田舎で目立たず生きる既定路線だったように思います。

 

迷ったことも思い出になります。

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2025.7.1  緑のお世話

クリニックの花壇は自信をもってアピール出来るもののひとつです。

当初は、手入れをあまり要しないツツジやサツキ・低木の庭木で構成されていました。

しかし約20年前に患者さんも通行人も見て楽しい・嬉しくなるような花壇にしたいと思い、花の手入れをしてくれる造園屋さんに依頼。

以来、季節の花々が咲き、クリスマスシーズンにはイルミネーションも加わり、非常に楽しんでいただける花壇となりました。

残念なことに造園屋さんは廃業。

次を探すのに院長東奔西走。

庭師業が得意な造園屋さんだと、選定は上手いのですが花の選別がちょっと…

お花は植えるけれどメンテナンスはちょっと…

自分が造園屋に弟子入りか専門学校入学するかとまで考えたほど。

なかなか決まらない中、ついに素敵なお花屋さんに出会いました。

 

色とりどりの可愛いお花たちです。

前任の造園屋さんとはまた違うテイスト。

メルヘンの世界です。

 

さて、これらのお花のメンテナンスはプロに任せるにしても、日々の水やりは必要です。

昨年までは、スタッフもしくは院長が時々…みたいなやり方でした。

今年は例年以上にすでに猛暑。

お花を植え終わった後に、お花屋さんから水やりの依頼と注意が来ました。

 

1.朝9時までと日没後にたっぷりと水やりをする。

2.ホースの水の勢いは強いと植えたての苗は痛むので弱く。

3.根元に向かって3秒くらい。

 

2と3については初めて知った事項。

なるほど~

ガッテン!承知しました!

今期より院長、水やり係となります!

 

といわけで、毎日任務を遂行しています。

毎日毎日水やりをしていると、面倒よりも、私がお世話しなきゃ!という愛情が湧いてきます。

息子たちの食事の必要がなくなった代わりに、植物たちの食事(水)を与えています。

毎日見ていると、日々の変化も気が付きます。

花が咲いた、散った。

虫が喰った?などなど。

一部開院当初の木は残してあるのですが、その一つに『長男の木』があります。

地方病院にいたころに生まれた長男は記念植樹をいただき、わずか30センチに満たなかった木は3M近くに育っています。

冬になると枯れかけて冷や冷やするのですが、春になると緑の新芽を出します。

長男は滅多に帰ってきませんが、何も文句も言わずすくすく育つ長男の木に水をやりながら1日に2回長男のことを想います。

 

緑は目に良いと言われます。

緑色は可視光線の中間波長なので、目への刺激が少ないからではないかと考えられています。

木や森など緑色のものは、大抵は遠くのものなので、毛様体筋(ピント調節をする筋肉)の緊張が取れリラックスす効果もあります。

色彩心理学でも緑色はリラックス効果があると言われています。

 

実家には日本庭や畑があります。

子供の頃、夏の夕方になると父に水撒きをするように言われるのが嫌でした。

渋々やっていたお手伝い。

何でやるのか?意味も分からず、知ろうともせず、植物に愛着もないままの水撒きでした。

 

人生折り返しをとっくに過ぎ、この変化は何?

植物であれ、毎日手間をかけることでその愛情は更に深くなっていくことにやっと気づいたオバサン(院長)です。

 

出張の日も早起きして水やり、遅く帰っても水やり。

雨の日はたくさん降ってくれるよう願います。

 

通りがかりの人と朝の挨拶。

『頑張ってるね~』

『気持ちいいね~』

目出し帽のような黒色パーカーの怪しげな水やりオバサン。

見破られている?!

 

 

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2025.6.24 まさかのフィッシング

クレジットカードを1枚しか持っていないので、先日新しくもう1枚作ることに。

各カードによっていろいろ特徴がありますが、どれが自分に一番合うのかよくわかりません。

お店で相談しても『ネットで申し込めますよ』と言われる時代。

 

必要事項を入力して申し込み。

何度もエラーが出て、時に息子、時にスタッフの手を借りやっと完了。

無事承認され、新しいカードが届きました。

 

あまり大きな買い物もしないし、何に使おうか…

とりあえず娯楽費として数件の決済に使用。

 

初めての決済の頃(ここがミソ)、スマホに何回も「カードご利用の確認とご注意」のメールが。

最初は無視。

しかし余りに何回も来るので内容を確認すると…

『お客様のカードにて口座振替によるご請求が正常に処理されました。

本メールは、カード不正を利用を防止するため、ご利用内容をご確認することを目的としております』

以下省略

『ご利用明細を確認する』

万が一、身に覚えのない利用があれば弊社カスタマーサポートに速やかにご連絡ください。

 

今持っているカードにはそんなお知らせはなかった。

このカードはそういうシステムなのか?

初めての引き落としだし、確認したほうがいいかも…

 

ここで誰かに相談していれば…

しかし何回も聞いたらまた『自分で出来ないの?』って息子に嫌がらそう…と母(院長)遠慮。

 

で、『ご利用明細を確認する』をポン。

カード番号の入力を求められます。

33,000円

11,000円

これ何だっけ?使った?

詳細を確認しようとすると、ワンタイムパスワードまで入力指示。

あれよあれよという間にページが進まずフリーズ。

 

え~!?これって、もしかして騙された?

頭真っ白。

電話を好まない息子(最近の若者)に電話。

ラインでは説明できません。

かくかくしかじか…

『そりゃ、やられたわ。すぐカード会社に連絡!』

緊急時、音声案内はまどろっこしい。

『早くオペレーター出て~』

かくかくしかじか…

『先程長谷川様のカードで不審なやり取りが行われましたので凍結してあります。これ以上カードは使えませんのでご安心ください。後ほど担当者から連絡をします』

やはり~

いくら引き出されたんだろう…

限度額全部寄付(全然違うけど)したと思いこむしかないか(酸っぱい葡萄みたいに)…

連絡までの1時間が長い。

やっと待ちわびた連絡が。

『USJチケット33,000円とユニクロ11,000円にお心当たりはありませんか?』

『ありません!』

『この度はフィッシング詐欺に引っかかられたようです。

弊社からメールでご利用その他の連絡はしません。

ご利用明細はアプリからご確認できます(アプリ入れてなかった)』

神妙に『はい』と『すみません』の繰り返しの院長。

『ちなみに44,000円は引かれてしまったのでしょうか?』

『そちらは大丈夫です。長谷川様のカードからは引かれません(カード会社負担?)

新しいカードを2週間くらいで送りますので、今お持ちのは処分してください』

 

生まれたときからネット環境にある若い人たち。

院長も含む中高年は『簡単だし出来るでしょ』と言われて頑張るけれど、やはりネット環境に慣れず粗相をすることも。

それは能力ではなくて…

幼少時から外国に生活すれば、その両親よりも外国語は上手くなる。

でも、それはその言語に対しての能力があるとは言えない。

そういうことを若い人は理解して、きちんと中高年に教えることも能力だと思うのです。

 

まさかのフィッシング詐欺!

くわばら、くわばら。

釣った!釣られた!

釣った!釣られた!

 

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2025.6.17 運転外来体験する

視野画像学会でのもう一つの体験。

 

東京に続いて、神戸・新潟・名古屋でも眼科における『運転外来』が開設されています。

名古屋では、名古屋市立大学医学部付属東部医療センターで開設(紹介状予約必須)。

この『運転外来』は、緑内障や網膜色素変性症、脳血管障害により視野異常のある人の運転リスクを適切に評価し、自身の運転リスクを把握してもらうことが目的。

市街地や住宅地の運転を疑似体験できるドライビングシュミレーター(DS)という装置を使います。

運転外来で使用するDSには、視線計測機能がついており運転中の目線を追跡・解析できます。

 

数年前もDSを体験した院長。

運転外来が名古屋に開設されたこともあり、患者さんを紹介する前に再度体験することに。

 

前回は、健常者としてのDSの体験。

今回は…

『どんな視野・病気の体験をしましょうか?』と担当の人(学会なのでDSの会社の人が対応)。

1.上方視野障害」(緑内障後期)

2.下方視野障害(緑内障初期だが実際に事故を起こした事例)

3.軽度の上方障害(緑内障初期)

4.左半盲(脳梗塞)

5.高度の求心性視野狭窄(中心だけがみえている・網膜色素変性症の進行例)

院長は2を選択。

視野を見て、眼科医としての闘志が。

『絶対に事故らない!』

 

DSの運転は直進のみ。

アクセルとブレーキのみの操作です。

歩行者やバイク・自動車などが飛び出してきたり、思わぬ方向から接近してきたり。

状況に注意して運転しないと。

 

スタート!

最初から覚悟はしていましたが、下方のもやもやが気になります。

黒っぽい、薄く透けたような雲。

これが視野障害です。

下方が見えにくいので、つい下方に注意が集中。

とはいえ、上方の信号も見落とせません。

 

慎重になりすぎて、飛び出してくるかも?と思うと、早めにブレーキを踏み、ずいぶん手前で停止することも度々。

バイクがスッと通り抜けるときもヒヤリ。

片道1車線の狭い道路では、対向車の左折も突然のように感じられ怖い思いも。

 

終了!

緊張続きで汗びっしょり。

疲れた~。

幸い事故は起きませんでしたが、終了後に視線の追跡結果を見てびっくり。

下方が見えにくいため視線が下前方にばかり集中しており、左右への目線の動きが非常に少なくなっていました。

 

安全な運転には、目線を上下左右(特に左右)動かすことがとても大切です。

警察官の視線追跡をすると、目の動き(視線の広がり)が大きいことが分かっています。

高齢になると、視野の中心にしか目線が行かなくなり、目の動きが小さくなる傾向があります。

 

院長も体験して、意識してもっと目線を動かすようにすれば、安全に運転できるのだとわかりました。

 

視野障害があっても運転したい患者さんには、日頃当院でもお話をしています。

運転外来でDSを体験することも運転リスクを正しく知ることも安全に運転するために意義のあることです。

 

さて、今回の学会は大宮で開催。

せっかくなので、新幹線でひと駅先の小山(栃木県)で下車。

目の神様『妙建寺』へ。

目的地が近づいてきた頃、『眼科』と書かれた看板が目に飛び込んできました。

え~?目の神様の隣に眼科?

『なかなか治らないから、隣でも願掛けしてください』って患者さんに言われたりして…

と妄想しながら近づいてみると…

『○○』…全然違う!

目の錯覚にしても脳の誤認識ひどすぎ~!

勘違いも甚だしい…

 

 

しっかりお参り。

いつもながらの願掛け。

 

帰りは両毛線で大宮へ。

時には遠回りも大切。

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2025.6.10 ナビではない

2024.6.11  運転止める?続ける?

2023.5.30 脳と緑内障

 

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2025.6.10 ナビではない

学会では、講演がもちろんメインですが、そのほかに機械展示などもあります。

今回の視野画像学会。

 

日本盲導犬協会が初の参加。

会場の片隅にちょこんとこげ茶のラブラドールレトリバーが。

『盲導犬との歩行体験できます』

『やってみたいです!』

ではまず持ち方を…

普通飼い主は紐を持ちますが、盲導犬の場合は、まず革紐を手首にはめるようにして付属のスティックを持ちます。

『こんな風ですか?』と手間取っている間も、お利口にじっとしている盲導犬。

『自分が主体でスティックを持ってください。引っ張らず、引っ張られないように』

では早速進みましょう。

 

と、その前に。

『盲導犬はナビではありません。犬が連れて行ってくれるわけではありません。自分の行ったことがある場所を飼い主は記憶していて、そこへ連れていく補助をするのが盲導犬なのです』

びっくり!無知な眼科医。

盲導犬は犬ナビではなかった!

 

右足を少し前に出して、右手を軽く前へ振り、『Go Straight!』と言います。

指示を聞くと、ラム(犬の名前)は早速歩き出します。

決して引っ張るようなことはせず、飼い主(この場合は院長)に合わせて歩きます。(もちろん協会の人も傍で指導)

 

角に来てラムは立ち止まります。

角に何のお店(音や匂いで)があるかも知っているようです。

右へ曲がるときには、右手を少し前に振り『Go Right!』

角では必ず止まる(信号や横断歩道も)ので、そのたびに指示を与えます。

会場内の椅子などの障害物もうまくよけてくれます。

会場の休憩コーナー(コーヒーとお菓子がある)を横切った時には、『ラム、お菓子の誘惑に負けないんだね~子供より偉い!』と感心。

(目の前に食べ物を出されると食べてしまうこともあるとか)←盲導犬の気を引く行為は慎むべき!

 

無事一周してきました。

盲導犬になれるような犬は相当のエリート、頭も性格も秀逸。

ラム、初体験に付き合ってくれてありがとう!

 

さて、視覚障害者が移動する手段としては

白杖

盲導犬

視覚ガイドヘルパー

があります。

各人の希望に応じて何を使うかを決めるそう。

 

白杖は、杖だけ(自分だけ)で状況把握し歩いて行かねばならず、時に危険もあります。

小さい頃からロービジョンで白杖を使い慣れている人は、操作にも長けており、身一つで即行動できるため、白杖愛用者が多いように思います。

チームドクターとして関わっているフロアーバレーの面々たちも、白杖で地下鉄バスを乗り継いで練習に来ます。

(しかもコートの中では白杖なしで動いています)

 

盲導犬は、物にぶつかった経験があったり(もしくはそれらを恐れて)、一人では怖くて外出できない人の補助となります。

ナビにはなりませんが、飼い主を安全に目的地に誘導してくれます。

白杖と違い、盲導犬が障害物や危険を察知してくれます。

ただし、きちんと犬の世話が出来ることが条件です。

 

健常者の視覚ガイドヘルパーは、依頼人が知らない場所へも的確に安全に連れて行ってくれます。

ただし、予約制で時間にも場所にも制限があります。

 

どれを選択するかは当事者が決めます。

 

ちなみに盲導犬は無償でロービジョン者に貸与されます。

盲導犬協会は、ほとんど寄付で成り立っています。

当院もわずかながら寄付をしています。

マスクを忘れた患者さんから20円を徴収することにして以来、20円は盲導犬協会の寄付箱へ。

マスクを忘れていなくても寄付は歓迎です。

 

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2025.6.3 巡視しながら商品も

某日、学校検診の後は産業医の職場に直行。

 

職場(スーパー)の店長さんは関西出身なので『GW(売上)いかがでしたか?』

『今年のGWは天気が悪くてあきませんでしたわ。天気悪いと出かけーへんし、よそから遊びにもけーへんし』

吉本新喜劇好きな院長としては、関西弁の人と話すのは、外国人と話すみたいに新鮮でちょっと嬉しいです。

そうは言ってもGWはかき入れ時、タイミーさんも動員。

『何してもらうんですか?』

『例えば、ご飯の量を測る。卵焼きを散らす(ちらし寿司)とか。』

退職した再雇用の高齢者も。

こちらは、お店のことが分かっているので楽にお任せできるそうです。

 

ある日泊った歴史あるホテル。

スタッフは3割強が院長より上の年代のよう。

ドアマンは77歳。

定年後も再雇用で通算41年とのこと。

またデザートのワゴンサービスのシェフも同年代。

送迎の運転手さんも同年代。

異口同音に、好きな仕事があるから元気でいられるとのこと。

ホテルの歴史とスタッフの経験の重みに、安心して身を委ねリフレッシュ出来ました。

 

高齢者のスタッフが増えると、転倒による労災事故も増えます。

小売業では一番多い転倒です。

最近弊社全体の労災ニュースでも、気を付けること以外に、転倒しない身体作りを勧めています。

今月は転倒予防体操の紹介。

足を一歩前に伸ばしふくらはぎのストレッチ(柔軟性)。

手を横に広げ片方の足を4回持ち上げる。反対も同様に(バランス力)。

『店長さんが率先してスタッフにお手本を見せてくださいね』(産業医も見本を見せます)

 

いつものように巡視。

前回よりサラダやカット野菜コーナーが充実。

夕方には補充が必要とのこと。

『単身者が多いんですか?』

『違うんです。この辺り老人が多いから、夕方買いに来る人のためにも』

魚コーナーでは、あん肝や鯵のなめろうが1パック298円!

『こういうのも結構老人に人気あるんです』

職場巡視ですが、商品にまで目が行く産業医です。

 

今度は卵売り場にて

『うちは、月に何回か卵の安売りするんですよ~』

『卵高くなりましたからね~(価格にも詳しい産業医)』

『安売りすると卵だけ買いにその日はお客さんが増えますわ』

『○○円以上で1パックって条件付きですか?』

『いやいや、社の方針で購買条件は無いんですよ』

『ということは、ただ卵だけ2パックとか3パック買う人もいるってこと?』

『まあ、そういうお客さんもいますね。大抵はなんか1個くらい買ってくれるんですけどね~』

『いくらで売り出すんですか?』

『前回は238円、その前は218円ですわ』

『安っ!それはやっぱり卵以外にも買ってもらわねばいけませんね~』

 

6月から暑い環境(職場)で働く人への熱中症対策が義務化されます。

気温や湿度、日射などから算出する『暑さ指数』の基準に該当する作業です。

熱中症による死傷者の割合は、建設業が最多です。

製造業、運送業、警備業、商業…と続きます。

 

スーパーでは、総菜売り場とベーカリーが注意。

暑くても火を使うので薄着にはなれません。

水分補給も随時。

 

巡視の結果はレポートにして提出。

そこまでで一回の産業医活動(嘱託)は完了。

 

自分より年上の人たちの働き方を見て、自分の仕事に誇りを持てる生き方をしたいと切に思うこの頃。

 

電車から見る田植えが済んだ水田は郷愁を誘う風景。

今は名古屋人(=都会人?)と自負している割に、本当は田んぼが好きな院長です。

 

 

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