2026.5.26 千里の道も一歩から

『壁の巣どうしますか?』

昨夏、クリニックの屋上から水漏れが生じ、大がかりな補修工事を行いました。

外階段も塗り直しをすることに。

塗り直しに当たって尋ねられたのがツバメの巣3個。

 

外階段と言えども雨が入らない構造になっており、開院以来3個の巣が出来ています。

20年以上の間にどのように作られたかは覚えがありませんが、ツバメにまつわるエピソードは

子供たちの小さい頃の思い出のエピソードでもあります。

ひなが孵った卵の殻を大事にしていたり(今は見向きもしない)、落ちたひなを農業センターの獣医さんに連れて行ったり…

 

3個の巣のうち、ここ数年現役で使用されているのは、一番大きな巣でした。

そのままにしておき、巣を避けて塗り直してもらおうか迷いました。

ツバメが来る家は幸せが来ると言うし…

取り外してツバメが来なくなったら…代わりに不幸が来たらどうしよう…

息子たちとの思い出の巣でもあるし…

どうしよう…

3日間返事を待ってもらうことに。

 

やはり全面きれいな壁(それまではツバメのうんちだらけ)にしたい!

『巣を外してください。ただし、一番大きいのは私に下さい』

物好きな人と思われてもいい、何十年と毎年使われてきたツバメの巣を手にした院長でした。

草木の細い枝と唾液でかなりしっかりした巣になっています。

巣の中は想像していたよりも深さはなく、ほぼ平坦くらい。

だからひなはお尻を出してうんちをしやすいし、時々落ちてしまう理由もわかりました。

『ツバメの巣・宝物』と書いて箱に入れ、知人たちにちょっとだけ自慢。

今も大切にしまってあります。

外階段の壁は均一にクリーム色に塗られ明るくなり満足。

 

さて、今年は来ないよね~でも来てくれたら嬉しい、などと儚い期待。

4月の終わり頃、ツバメが何羽も飛び交うようになりました。

今年は、昨年までの中古住宅(巣)はありません。

来たものの、何もないことに絶望して他所に行くのか?と思っていたところ、ある日から1羽のツバメが急に突貫工事を。

選んだのは、新しい電灯の上。

電灯という土台がある分住宅(巣)を作りやすいと踏んだのか…

毎日、定点観測をすると少しずつ家が出来ていくのが分かります。

何もないところから、毎日毎日一生懸命何かを運んでいます。

ついに巣の体が完成しました。

そこから更に強度・高さを補強していきます。

千里の道も一歩から。

 

さて待っていたのは、ツバメの糞掃除です。

昨年までは、巣の下の新聞紙の取り換えだけでした。

何十年もにわたり壁に着いた糞はもう仕方ないと割り切って。

しかし、今年は真っ新の壁。

昨日付けたであろう糞。

見つけたら拭く。

毎日コツコツとが大事。

ただし、背の届かない壁の上方や、巣のある電灯は掃除できません。

最低限の掃除を毎日コツコツと。

息子たちも社会人になり、お世話することもなくなったので、毎日お世話をすることは(面倒ですが)新鮮と思うようにしています。

 

先日、長男の初めての保育園(院内保育所)の担任の保育士さんが遊びに来てくれました。

いつまで経っても生後数か月の可愛い長男のイメージ、有難い!

あの頃は、布おむつで毎晩ベランダに干していたっけ。

子供たちの使用済み布おむつは、各自のバケツに入れてあり、持ち帰ったものでした。

それに比べると、ツバメのうんちなんか何でもないか…

 

今は卵を温めているようです。

ひなが生まれたらもっと掃除強化せねばなりません。

福が来ると信じている院長の日課です。

長年使用された巣。内部初公開。

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2024.6.25 ツバメもお疲れ?

ツバメ晩婚化? 2010.7.4

ツバメ逆境にめげず 2007.5.22

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2026.5.19 2026日本眼科学会総会

先日の日本眼科学会は、2大眼科学会のひとつなので、会場も広いし分野も多岐にわたります。

新型コロナ以降、後からWEBで聴講もできますが、臨場感は現地ならでは。

今回も、自身の専門である緑内障だけでなく、その他少しでも気になる演題を直接聞いてきました。

 

講演だけでなく、現地ではポスター発表もあります。

興味深かったのは『サウナ利用による水晶体熱負荷と各白内障発症の関連性の評価』という発表。

北欧アイスランドでは環境温度が低いにも関わらず核白内障(白内障の濁りのパターン)リスクは、温帯・亜熱帯地域在住者と比較し有意に高値。

→サウナ使用時の水晶体温度上昇がリスクでは?

習慣的なサウナ入浴は温帯気候の地域に1年間過ごした場合と同等の水晶体熱負荷を生じる。

→サウナの入り方によっては、熱負荷上昇も低下も起こり得る

まだ可能性の段階ですが、このような一般的な日常も研究の対象になり得るのは面白かったです。

日々『何で?』の目線で見ると、何でも研究対象になります。   → 類似の記事が新聞にありました!『目に効くニュース』

 

博多で唯一出かけたのは、中華料理屋さん。

5年くらい前に博多に出張に行ったときに読んだ朝刊にそのお店が紹介されていました。

お母さんが残留孤児で、一家で帰国し開いたお店。

小さな店構えで、ご主人(多分息子)が迎えてくれます。

町中華と言った構えですが、紙面で紹介の餃子を食べなきゃ。

 

多くがランチを頼む中で『水餃子』を頼んだので怪訝な顔をされました。

新聞でこのお店を知ったことを伝えると、納得の様子。

 

初めて水餃子を食べたことを思い出します。

大学病院勤務時代、中国からの留学生の先生が『明日のお昼は餃子を作ってくるね』

翌日、食堂で私たちはご飯と少しのおかずを注文(餃子があるからいいよね)。

彼女が取り出したのは大きなタッパーにぎゅうぎゅうに入った餃子。

その上にお湯をたっぷりかけて『食べて』

彼女のお昼はその水餃子のみ。

私たちも、おかず(日本の餃子)と思いきや、かなりのボリュームにびっくりしたのでした。

 

厨房内(おそらく兄弟)は中国語。

水餃子は皮から手作りでもちもちしています。

中国語の縁で中国にも行ったから本場の水餃子も食べていますが、まさに大陸の…といった厚い皮です。

羊肉串や中国でしか見ないメニューもあり、それらを頼んでみました。

会計時、思い切って『美味しかったです、ありがとう』と中国語で。

行きたかった場所ひとつクリアです。

 

ホテル最上階の朝食会場から道路を見下ろすと、赤字で『あぶない』の文字が飛び込んできました。

給仕のスタッフに尋ねると、今年に入ってから出来たみたいと。

朝食が来るまでの間、なんでだろう…と、交差点や走る車を飽きもせずに見ていられました。

交通量が多いので、左折の車に注意を促すためと思われますが、名古屋では見たことがないので博多ならではかも?!

何か珍しいものを見つけると、何だか得した気分になる院長です(お得感を感じやすい)。

 

今回視覚障害者スポーツ医の懇親会もありました。

ロービジョン学会とつながっている(院長も会員)先生がほとんど。

パラスポーツの出場選手のクラス分けを担当する眼科医から院長のような地域密着型まで幅広く。

今後パラスポーツ(特に自身が関わっているフロアーバレー)の周知と普及にもっと力を入れようと決意したのでした。

 

ちょっとしたお楽しみがあるから、現地参加の甲斐があります。

やっぱり飛び出そう、出かけよう。

変形交差点。左折注意。あぶない!

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2026.4.21 自己管理ミス

2025.8.5 すみませ~ん!いいよ~

2025.4.22 科学は美しい(日本眼科学会総会)

2023.4.11 2023日本眼科学会総会

2019.4.23 日本眼科学会総会のあとの暗闇

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2026.4.7 たった5分のめぐり逢い

地下鉄ホームの階段を下りたら、乗客が乗り込んだところ。

良くないけれど、慌てて駆け込み乗車。

座席に小さなスペースを見つけ、両隣に『すみません』と断り、お尻を置きます。

ほっと一息。

『あの~』

『えっ?』隣席の青年。

『これって、栄(駅)行きますか?』

『桜通線なので行きませんよ』

『ヤバい!どうしよう。間違えた』隣の友人らしき青年に伝えます。

『大丈夫です。久屋大通(駅)で名城線に乗り換えれば、一区で栄に行けますよ』

『ありがとうございます。久屋大通、久屋大通…気を付けとかないと…』

『大丈夫ですよ、久屋大通に着くとき教えてあげますから』

『良かった~俺、名古屋に来てまだ4日目なんすよ』

『まあ!それなら、わからないよね。どちらから?』

A(隣席)『山口!』

『(山口の名所を挙げながら…)錦帯橋には最近行ったわ。いい所だった』

A『そうっすよね。俺、地元岩国(錦帯橋の場所)なんですよ!』

B(Aの隣席)『俺は三重。県庁所在地だけど何もないっす』

『名古屋は大きいでしょ?』

A『はい、すごく人が多いです。俺、人多いの好きじゃないんで…(というか慣れていないんだよね、院長も田舎出身だからわかります)

ぶつからないようにしないといけないし』

B『津と全然違う』

A『物価もすごく高いです』

『例えば?』

A『カラオケ、地元600円くらいだったのが、名古屋だと2000円くらい』(まずカラオケが物価指数に関与するところが面白い)

学生さんかと思いきや、就職とのこと。

名古屋で1年研修を受けて、全国に配置されるらしい。

B『俺たち、上司にもう嫌われてるんですよ。』

『数日で?』

A『お前たちは、本当に役に立たんって言われるんです』

『ホントに?まだ役に立たないけど期待はしてると思うよ。昔のボスだから、今風に褒めてないだけかもね(パワハラになってしまう)。

毎日少しずつ出来ることが増えてくるから』

A『そうっすかね~?!』

『そうよ~絶対。簡単にやめようと思わないでね』

A『はい、止めないっす』

B『俺、将来会社を作りたいんです。だから、こうやって悩む経験(まだ数日だけど)も将来大事かな~って思って』

『そうよ、その調子。伸びしろすごくあるんだから、頑張ればきっと仕事も出来るようになると思うわ』

話は弾み、『次は久屋大通』のアナウンス。

『ここで降りて、栄・金山方面の名城線に乗り換えて。一つ目が栄だからそこで降りてね。行く先の方面間違えないでね。名古屋城に行っちゃうから』

A『ありがとうございます、頑張ります』

B『楽しかったです、大好きです!』

手を振ってバイバイ。

 

たった5分の時間が、その日一番良かった出来事になりました。

『大好きです』今風の若者はさらりと言うのか不明ですが、気持ちの良い言葉も嬉しいプレゼント。

 

院長も職場の長として、改めて、若い世代を理解しようとする態度を見せなければと思いました。

最近の管理職の心得には『おひたし』という言葉が。

怒らない・否定しない・助ける・指示する

そうは言っても『ほうれんそう』も大事。

報告・連絡・相談

 

昭和気質の院長には、少々苦手ではありますが、時代の変遷についていくことも大事。

『ほうれんそうのおひたし』

 

青年たちとのたった5分の会話が、上司の心得に派生。

出会いって面白い。

 

Aくん、Bくん、新しい世界に飛び込んだ若者たち、応援していますよ!

5分のめぐり逢いでちょっと心が軽くなればラッキー。

オバサン(院長)ウエルカムです。

クリニック裏手の桜

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2026.4. 7 連想ゲーム

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2026.4. 7 連想ゲーム

ある言葉から連想が始まり、繋がることが多い院長。

先日も先日も息子たちとKフライドチキンを食べていた時、息子の『たまに食べるんだから、骨までしゃぶってよ』に、『ちょっと、待った!』

『何?』

『骨までしゃぶって…』

『何?』

『え~っと…確か…そうそう…』

本棚から持ってきたのは外国の児童文学作家の本。

『ほら、主人公の友達がアルバイトでピアノを弾いているレストランの名前が‘骨までしゃぶって‘だった』(すっきりした)

『ホントや~』

 

急に漢字の『錦』が頭にポッ。

鹿児島の錦江湾、きれいだったな。

故郷に錦を飾る、錦鯉(魚も、お笑いも最近見ていない)、にしきのあきら(古い)…錦帯橋。

錦帯橋は、大学1年の夏、同期といった場所。

 

思い立ち錦帯橋へ。

当時は、クラブの大会が山口であり、先輩の車に同乗して応援に行ったのでした。

帰りは自由解散だったため、同期女子達と山口観光のひとつだったような。

新幹線で新岩国まで意外に近い。

そこからタクシーですぐ。

錦川にかけられた橋だから錦帯橋(知らなかった)だと運転手さんが教えてくれます。

岩国名所や著名人など、短い乗車時間にガイドも。

錦帯橋の文字に何かもっときらびやかなイメージがあったのですが、実際は、木造の落ち着いた橋です。

1673年流されない橋を目指して研究され創建されました。

弧を描いていますが、板が低い段差で並べられており、一歩一歩、江戸時代に思いを馳せて渡ります。

パンフレットも熟読。

 

ポーズを決め、写真を撮り合っていた大学1年の夏。

みんなで来られた解放感だけを味わった夏。

同じところにいるのに、見方も感じ方も全然違います。

〇十年後の自分がこのようになっていることは全く想像できなかったし、まだ未来もよくわからなかった(医師になることは確実だったけれど)のでした。

大会の打ち上げで、6年生の先輩が歌った『22歳』(谷村新司)。

10代の自分とは違う大人の世界の人だと思った時でした。

当時医学部の先輩やOBの御用達のスナック(死語?)は柳ケ瀬(岐阜一の歓楽街)。

昼のショッピングではなく、夜に柳ケ瀬に行くのは背伸びして少し大人になったような気になりました。

今、数歳違いを大人だと思いませんし(そもそも自分が相応な年齢の大人)、20代も30代もまとめて若い人なのですが。

小学生たちが連れ立って橋を渡ってきます。

『学校の帰り?』と聞くと『そうです』

毎日、錦帯橋が通学路。

観光客だけでなく、地元の人に普段使いされているのも微笑ましく思いました。

連想ゲーム的に行き先を決め、過去の自分と重ねるのも感慨深い時です。

 

錦は身近にもあります。

名古屋市中区錦(にしき)です。

特に錦3丁目はきんさんと呼ばれ、中部一の歓楽街です。

近場ですが縁遠い場所です。

『見渡せば柳桜をこきまぜて 宮古ぞ春の錦なりける』(古今和歌集)から、柳と桜を広小路通りと桜通りに見立て錦なりけるから錦通りが名付けられたとのこと。

今更ながら『へ~』

 

ちょっとしたことがきっかけで楽しめる一日になりました。

連想ゲームで現実のトリップだけでなく、タイムトリップも楽しめます。

小学生の通学路でもあります。

 

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2026.3.31 ブリ優先で

産業医の日。

2カ月前は、年末年始の繁忙期に備えての体調管理の話をしたけれど、もうすっかり春。

今回店長がお休みとなり、急遽担当してくれるのは初対面の水産部門のAさん。

少し早く着いたので、Aさんに取り次いでもらいます。

事務所に顔を出したAさん、『すみません、今ブリ捌いているのでもう少し待っててもらえませんか?』

『もちろんです。ブリ優先で』

その間に、健康診断結果のチェックをします。

未治療で数値が悪いと、精密検査を勧めます。

至急受診という項目もあるのですが、これは従事する職務をする上で、緊急に可か不可を決めないといけない数値が出たときです。

BMIが高く肥満傾向の人が多いのが気になります。

BMIは一つの目安で、体組成がもっと重要です。

痩せていても、筋肉が少ないのは将来フレイルに繋がります。

 

ブリの捌きが終わり、Aさんと職場巡視をします。

Aさんは半年前に他県のチェーン店から転勤、愛知県のことはまだよく知らないとのこと。

でもきっと将来のホープさんなんだろうな。

 

いつもは店長と巡視するので、今回は院長がリードします。

台車の置き方やごみの処理など整理整頓はいつもできています。

総菜売り場は、夕食に向けての揚げ物作りの始まり。

Aさん担当の水産バックヤードは、ブリが最後なのか、もうきれいに片付けられていました。

技能実習生も、どんどん日本語がうまくなっていて羨ましい。

若い(20歳前後)、その土地に住む、仕事で必要となる、これは語学上達するはず!

オバサン院長、上述の3つとも該当せず、これでは亀のような進歩です(でも中国語あきらめていない)。

 

売り場も巡視。

途中、落ちていたごみをさっと拾うAさん。

オバサン(院長)見ていますよ~

魚コーナーへ。

『これ、さっき捌いたブリです』

塩焼き・煮つけにも、とあったので、塩焼きは食べたことがない院長が訪ねると、さっと塩を振って焼くだけで美味しいとのこと。

『どれがお勧めですか?』

『白いほうが、脂が乗っていてお勧めです』

『帰りに買いますね』

『イサキのお刺身はどんな感じでしょう?』

『白身魚でTHE 刺身っていう感じです。もっちりしていて旨いですよ。アジは好みがありますが、イサキは万人受けします』

ついでにアジのお刺身も買おうと持っていたけれど、イサキに変更。

Aさん、売り場店頭で『私が今捌きました!』なんてやったら、もっと売れるのでは!?(院長は営業担当ではないけれど)

 

仕事終了後、いつもは何か一つ職場のスーパーで買って帰る院長ですが、今日はここでたくさん買いたくなってしまいました。

カートを押して、野菜コーナーから。

冷凍品や重いものは無し。

先程のブリの切り身も、イサキのお刺身もカゴに。

お買い物袋は結構一杯になり、家まで大移動だったことに気が付きあらら…

 

パンも行きつけ(というのか)、お気に入りのパン屋さんに寄ります。

若い夫婦が二人で切り盛りしている小さなお店です。

今日はかなり売り切れていて、春色のクリームパン(自分で勝手にそう名付けている)も無し。

バゲットを買います。

支払いがすむと、奥さんが『ありがとうございました』

その後すぐ、奥から旦那さんの『ありがとうございました~』

この言葉の連動が心地よく響きます。

 

産業医出務は、いつも半分お楽しみアリ。

毎回プチトリップ(の気分)、新しいことや面白いことを発見。

人生の春は過ぎたけれど、まだまだときめきたい春です。

ブリ優先にした切り身

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2025.12.9 スーパーはいつも新鮮

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2026.3.24  目がショボショボ・痛い!

冬季オリンピックも終わり眼科医として思うこと。

『あれっ?!最近(近年)雪目(ゆきめ)の患者さん来ないな~』

雪目とは、雪眼炎(せつがんえん)とも電気性眼炎とも呼ばれ、単的に言えば目に生じたやけどです。

 

雪眼は、目が雪に反射した紫外線に当たり過ぎると、黒目(角膜)や白目(結膜)に炎症が起きます。

雪は、白いため太陽からの紫外線を強く反射する特性があり、スキーやスノーボードを楽しんだ人が翌日『目が痛くて…』『目がショボショボして…』と来院されることが以前は多かったのです。

雪眼が周知されるようになってきたのか、はたまたスキーやスノーボードをする人が(こうクリニックの周りでは)減少しているのか…

そういえば20年くらい前にインターハイ目指していたY姉弟はどうしてるかな。

 

今回、院長は自分が雪眼になった貴重な体験をしました。

南極は当然紫外線が強いので、顔中に日焼け止めを塗り、フェイスマスク、帽子、耳当て。

眼鏡でほぼ過ごした院長は、目隠し帽の開いた部分にゴーグルを装着。

このいでたちで、野外活動をしていました。

その夜はちょっとお洒落をする夕食の日、私の素顔をスタッフ(外国人です)に見せたいと朝からコンタクトレンズを装用。

野外活動に出かけました。

眼鏡なしの素顔の写真を撮ってもらうためにゴーグルも外し、チーズ!

真っ白な雪、氷河、ペンギンなどコントラストの素晴らしいこと。

つい見とれて、ゴーグルをつけずにそのまま活動していました。

その晩、目がショボショボする、ゴロゴロ、痛い症状が出始めました。

これが雪眼の症状なのね…実体験。

本来は、眼科医が細隙灯顕微鏡で確認診断するのですが…

船医さんはいたけれど、眼科はよくわからないだろうし…

自己診断治療開始、持参の点眼薬にて約1日で改善しました。

 

雪眼は、一般には雪のある場所にいたことが原因ですが、他にも原因があります。

強い太陽の照り返しは、アスファルトや海岸の砂浜でも起こります。

夏に部活を一日中していたとか、海水浴に行った後も同様の症状を起こします。

特に野球部・サッカー部の子たちは、一日中屋外で活動しているため、充血やショボショボで来院されます。

もはや、スポーツ用ゴーグルをしたほうが良い時代だと思います。

 

吉本新喜劇では池乃めだかさんの皆既日食(めだかさんは小さいので、前面に大きな人が立つと見えなくなる)が有名(ファンしか知らない?)です。

実際の皆既日食で太陽を直接見るときも強い紫外線を浴びないため、ゴーグルをして観察しましょう。

 

また、溶接現場でもよく起こります。

産業医(院長も一応産業医です)がいれば、職場安全管理にてゴーグル装用での作業を徹底させていると思います。

『ゴーグルつけて溶接しましたか?』の問いに『つい、面倒で…』と答える患者さん。

眼はとても痛そうです。

溶接の光の中の紫外線は、角結膜炎(黒目・白目)も起こしますし、皮膚炎も起こします。

また、可視光は網膜障害(目の奥)を起こすこともあります。

意外に、この職業の患者さんは、注意喚起してもあっけらかんとしていることが多いです。

ホントに怖いんですから~

 

スマホで撮った写真は、素人が撮ってもコントラストがはっきりしていてとてもきれいでした。

でも、この旅行中、スマホをいつも携帯していたのは日本人だけだったような。

雪眼にならない程度に、思い出は自分の目に・心に。

紫外線は強力

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2025.5.27 紫外線は目にも…

2025.9.2 Jambo!in ケニア その1

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2026.3.17 マダムになって

『そのショールって本物でしょう?!』

某地方デパートのレストラン街。

名前を書いて順番の椅子に座って間もなく、隣から声を掛けられました。

『はい』

『そうよね~、モノがいいもの。ミンクかしら?』

『さあ、いただき物なんです。知人の形見と言うか。もう30年も前のですけどね』

実際、この時着けていた毛皮のショールは頂き物。

若かりし頃赴任した病院の忘年会の催し物(新人ノルマ)の為に、元芸妓(80歳近く)さんに日本舞踊の弟子入りをした院長。

泥縄式の稽古をつけてもらい当日披露。

姐さんは既に癌が見つかり、最後の弟子?ということもあり、そのショールを院長に分けてくださったと言う訳。

ずっと桐ダンスの中でしたが、箪笥の肥やしでどうする?と、少し前からコートに合わせて使うように。

天国の姐さん、使っていますよ~

 

さて、毛皮談議で終わったわけではなく、今度はその人(仮にAさん)は、自身の毛皮の持ち物や昔のあれこれをお話。

院長『そうですか』『素敵ですね』などなど相槌。

『あなた、何かお仕事してるでしょ?!』

『はあ、まあ、一応』

『やっぱり。働いています!って顔してるもの。私もそうなの』

結構なお年のよう。

『すごい!そうなんですか?!』

『私、ずっと化粧品のセールスやってるの。今年、84よ!今日はお客さんとご飯食べるつもりだったけど、向こうの都合が悪くなって、一人で来ちゃった』

お~!

院長もそのくらいの御年お姉さまから見たら小娘です。

『あなた、○○歳くらい?』

誤差範囲で合っています。

さすが化粧品セールスレディ。

 

院長の手元には文庫本。

気付いているはずもなく。

 

『なかなか順番進みませんね~』

『回し方がダメなのよ。見てきてごらんなさい。空席は何席かあるでしょ。でもウエイトレス(懐かしい単語)が一人しかいないから、お客さんが帰っても片付けられないのよ。もう一人二人ウエイトレス入れないとね~』

席を立って覗いてみると、おっしゃる通り。

ホールは20代の女性スタッフのみ。

スタッフ募集の貼り紙も。

経営者(院長)としても反面教師。

Aさんよく見ています。

 

院長が、なぜこのお店に決めたかというと、他よりは空いていたから。

Aさんは全てのレストランを制覇しており、今日はオムライスという気分になったそう。

『確かに、おっしゃる通りですね…』

『まあ、しばらくお話しましょ』

 

同じ船に乗った縁ということで、見知らぬ人のお話もそれなりに。

確かに、一人で待っているよりは(でも文庫本持参したし、スマホもあった)何となく待つ時間は短く感じたような…

 

Aさんがやっと呼ばれて『お先にね~』

『ごゆっくり』

ほどなく院長も呼ばれました。

名古屋でも食べられるのに、違う地に来てオムライス。

出てきたのは、かなりの量。

待った甲斐があって美味しくいただきました。

ひとつ隣のテーブルのA さん、院長と同メニューを食べていました。

 

ぐいぐい来た84歳のお元気なご婦人。

自分が声を掛けられ易いのか?

知らない人と話すのも面白いからいいけれど。

 

84歳になって一人でご飯を食べに行き、若い人と話す。

院長もお手本にしたいです。

程をわきまえて。

 

こんなマダムを目指したいものです。

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2017.12.19 思い出した忘年会

 

 

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2026.3.10  花粉症真っただ中

今年はスギ花粉が非常に多く飛散しています。

スギ花粉症持ちの院長にとっては、久しぶりの当たり年です。

自身は、目の症状はなく鼻に出るタイプ。

くしゃみ鼻水鼻詰まりがここ数日で一気に悪化し苦しい思いをしています。

(院長が鼻声なのはそのせいです)

 

院長がここまで悪化したのは…

初期療法を今年は開始しなかったこと。

初めて花粉症症状が生じて以来、気を付けていたのは、たとえスギ花粉症が生じたとしても最小限・生活に支障がない程度にしようとするための治療。

スギ花粉が本格飛散する少し前から、抗アレルギー点眼薬や内服を開始すると、アレルギー反応が抑えられます。

もちろん、花粉の曝露を控えることや、花粉を室内に侵入させないことも大事です。

名古屋ウイメンズマラソンはいつも3月初めの日曜日。

10数年前にマラソンに打ち込んでいた院長は、花粉症対策(内服・マスクも付けて)しての練習・本番。

自己ベスト(4時間19分)を最後に勝手に勇退?した院長ですが、花粉症のためには良かったのかも⁈

 

例年2月初旬から内服の院長ですが、今年の2月は夏の地域・しかもスギどころか植物もない地域を旅していたので油断していました。

結局帰国してから辛い思いをしています。(ちなみにスギ花粉症は日本特有で、英語圏では牧草(hay)が主です)

 

目に来る人、鼻に来る人、どちらにも来る人とも初期療法は有効ですが、今年は時すでに遅し。

症状が出たら、速やかに受診しましょう。

毎年、ほぼ変わらず1年に1~2度来院の患者さんと再会するのもこの時期。

子供の患者さんの成長ぶりを見るのは嬉しいですが、結構アレルギー性結膜炎症状がひどくなってから。

しかし、前回の点眼薬が効いているなら(効いたから1回だけ受診)、もしくは変えた点眼薬が効いているなら、所見が大きく変わらない場合同じ点眼薬を処方します。

帰宅時の人口涙液での眼洗浄や、生活指導も併せて。

 

一昨年、アレルギー性結膜炎に点眼薬ではなく、軟膏(塗り薬)が発売されました。

先日勉強会があり、再度機序使用方法について確認。

1日1回まぶたに塗るとかゆみが軽減する。

大体決まった時間に1日1回塗ります。

まぶたを通して、結膜(まぶたの裏側)に浸透していき、かゆみを抑えます。

1日1回で簡便である、目薬が上手くさせない人にはいいと思います。

小児にも可能です(が、12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は未実施)。

また、目のかぶれや目の腫れには効果がありません。

その場合は、別の軟膏を処方します。

軟膏=まぶたの炎症に効くというイメージが先行する中、新発想の薬です。

 

アレルギー性結膜炎への効能はほぼ同じですが、化学構造や作用機序・点す回数・刺激などで異なります。

そこに患者さんの特性も加わってきます。

所見の程度・かゆみの感じ方・性格・年齢など。

新しい薬はどんどん発売されますが、新しければ良いというものではない。

目の前の患者さんに合った薬、というのが大事。

新しい薬は処方する価値はありますが、現状が安定していれば、変えずにというのが院長のスタンスです。

また、時にはステロイド点眼薬の追加が必要なこともあります。

これも眼圧上昇など副作用の有無を確認し、対処できる眼科医だからこその処方になります。

 

鼻づまりとガラガラ声で筋トレに行ったら、『花粉症の時は無理しないでお休みしてください』

しばらくおこもり生活。

おうちでドラマ三昧⁈WBC観戦⁈楽しみます。

見渡すところ南極に植物はありません。

こちらもご覧ください

2023.2.21  今年もスギ花粉症

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2026.3.3 Très bien!(トレビアン!)

開院してから生まれた三男の育休どころか産休も取らずじまい(出産前日まで診療、産後1週間で復帰)。

今更だけど育休欲しい~。

自分を育てる休み!

ということで、出来るだけ遠くへ、今まで休んだことのない長いお休みを。

開業医に有給があるはずもなく(産休・育休もない)、自分と患者さんとの兼ね合いのみ。

女性医師だから出産したら長期休暇(産休育休)で休診するんだ…と思われるのが嫌で頑張った30代。

その息子も社会人。

患者さん、スタッフに『すみませ~ん』と心の中で詫びながら、精一杯のお休み(2週間)を決行することにしました。

2週間休診にする覚悟!

幸い、2人の先生に代診してもらえることになりほっ。

水面下で静かに旅立った院長でした。

 

さて、ツアー一人旅。

飛行機と船を使います。

参加者は世界各国何十か所と旅した人ばかり。

毎月旅行している人達も。

退職金で、遺産で、資産運用で…

行った国・場所自慢大会のよう。

院長、蚊帳の外です。

 

遠路はるばる出かけた先の大自然は素晴らしかったです。

船は実はクルーズ船。

さすがに、今回の旅の達人たちもクルーズ船体験者は皆無でした。

午前午後船からボートに乗って探検?に出かけます。

超厚手のジャケット・救命胴衣に防水強靭な長靴で歩きます(というよりトレッキング)。

ガイドさんたちが、先に下見をして歩く個所に旗を立てたり見守りをしています。

探検家なら苦労して進んだ大地を、自分も苦労して歩いたとはいえ、足元にも及ばない(が、結構疲れました)。

動物、景色どれもどれもTrès bien!(トレビアン:仏語で素晴らしい)

 

この船はフランス船で、ゲストが約200人、スタッフが約160人とのこと。

国籍も約50か国とのこと。

院長は、船では出来るだけ一人で行動。

外国人の中の日本人を味わうようにしました。

朝のエクササイズに参加したり…

ハンサムなフランス人(Aさん)が指導、きつめの体幹トレーニングについて行けたので40歳くらい?と聞かれました。

いや、Aさんが40歳くらいに見えるのに…と実年齢を答えると信じられない!と。実はAさんは29歳だった!外国人の年齢は?です)

ジムで走ったり…

外国人はジム利用多し。

レストランはインドネシア人のスタッフが担当、こちらは片言英語と指差し。

だんだん日本語で『もっと~』『少し』など覚えてくれました。

ダンス教室に参加したり、折り紙教室(フランス流ハト)や栞作り(イベント担当のAさん)に参加したり。

毎回うまい下手は関係なく『Très bien!』

お陰でスタッフと知り合いにもなり、またまた『Très bien!!』

そして、毎日聴いたピアノコンサート。

院長は、不覚にも涙が溢れてしまいました。

聞いたことのある曲、名前を知っている曲、知らない曲。

どれもが深く自分の奥に染み入ってきました。

Très bien!!

 

船長主催のパーティーもあり、日本人勢は準備不足(そんな船だと知らなかった)。

院長もいつも着ているワンピースとスカーフ・ナースサンダル(船内用)というギリギリセーフ?という格好。

外国人のスパンコールやラメ入りドレス、オフショルダー・深いスリットのロングドレスにハイヒールを粋に着こなしている姿にTrès bien!

 

旅の終わりには、多くの国を旅する人たちを羨ましいと思わなくなりました。

自分の着地点は日常であり、診療をすること。

それを確認する旅でした。

『眼科はせ川こうクリニック』を支えてくれる皆様、ありがとうございます。

産毛がまだ残っているペンギンの赤ちゃん

カテゴリー: 公センセの想い

2026.2.3 さようなら、固定電話

毎日ずつ少しずつ掃除・整理整頓・断捨離癖が付いてきた院長です。

ある日机の下に置いてある電話機に目が行き…

これっている?

息子たちが学生の頃は、保護者の連絡先には固定電話番号を書くのが

ほぼ常識だった時代。

もし携帯電話番号(ガラケー)だけだったら、『あそこの家、固定電話ないの?』

『固定電話がないと信用に関わるよね~』などと話していた時代。

うちの電話機も家具屋さんで購入した電話台に鎮座していました。

『もしもし、はい、長谷川でございます』よそ行き声で。

もう随分言っていません。

小学生の息子たちが丸覚えで、受話器を取ると『はい、長谷川でございます』と言うので表向きは上品な子供さんと思われてたのも懐かしい思い出。

さて、スマホが普及するようになって、我が家もご多分に漏れず固定電話は使用しなくなりました。

勧誘や選挙の留守電が時折入るだけ。

毎月基本料金とユニバーサル使用料を払い続けて早幾年。

単身・家族のいるスタッフ全員(院長より若い)に尋ねたところ、全員スマホのみ。

家電(固定電話)なし。

解約決定。

固定電話を引いた時の思い出ともさようなら。

院長は単身地方病院赴任になって初めて自分の電話を引きました。

確か12~13万だったような。

高い買い物と同時に大人になった、独立した、制限されずに電話が使える!などと思ったものです。

戻ってくる?なわけないか…

NTTの営業さんに家電の権利金について尋ねたところ『ゼロ円です』

金の暴騰に反して何たる暴落。

 

実家の固定電話の末尾2桁は、2桁の若い番号です。

田舎の小さな町で電話を引いた順番の番号そのものと、小さい頃祖母から聞かされました。。

明治生まれの祖母。

戦争未亡人でしたが、助産師(当時は産婆さん)の資格を活かし助産院を切り盛りしていました。

助産院を建てる前は出張して自宅分娩の介助をしていた時代。

電話番号は、役場など公共機関の00から始まり、祖母は女手一つで勝ち取った(権利を得た)番号という自負があったようです。

私の小学校の同級生も大多数が、祖母に取り上げられていました。

子供の頃はお産が立て込むと親戚のおばさんたちが駆り出され、お湯を沸かす人・食事を作る人・加えてお産の声・赤ちゃんの声が混じり合い…

電話も一般家庭より需要があったため、よく鳴っていました。

子供心にも、普通のおばあさんとは違う祖母。

中学1年の時に祖母は亡くなりましたが、自宅電話の処分に当たり、久しぶりに祖母との思い出が溢れてきました。

帰省も墓参りもさぼりがちで、両親はきっと罰当たりと思っているかもしれませんが、ふと思い出すことこそ孝行であり、自分は誰かにふと思い出してもらえる一抹の人になりたいと思っています(言い訳?)。

 

自身は、固定電話・携帯電話の番号ともに何の思い入れもありません。

初めての固定電話・携帯電話ともに数個の中から縁起がよさそうな番号を選んだくらいです。

 

今は携帯電話の通話ばかりなので、よそ行き声もかかってきた相手が通知された時だけ。

あとは、クリニックの受付から転送された時。

この時は、昔取った杵柄?(マナー)で、『もしもし、お待たせいたしました。長谷川です』と対応。

当院の受付スタッフも気持ちよく電話応対しています。

見えないからこそ、声は大事。

 

さようなら、我が家の固定電話。

処分に当たって、思い出がぞろぞろ。

記憶の中にあれば良し。

そういえば、いまだに小学校の同級生の電話番号を覚えている院長です。

長男 1歳、初めての電話に興味津々。

 

*2月10.17.24(連休翌日のため)はブログお休み、次回は3月3日です。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事
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