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2024.3.12  ガクチカにも!?

今年もフロアーバレー大会がやってきました。

名古屋ウイメンズマラソンと同日。

会場の愛知県体育館への沿道は、応援の人で賑わっていました。

院長も、かつてその沿道を走った一人。

名古屋城から北に向かっては30キロ地点を通過するので、足が重くなりやすい。

緩やかな勾配なのにきつく感じます。

そんなランナーだった頃を思い出しつつ、体育館内へ。

 

第30回全日本選抜フロアバレーボール愛知大会 ANGEL CUP2024が正式名称。

大会目的:

・全国を代表する強豪チームと各地域を代表するチームが理想的な会場で集う

・真の王者を決定すると同時に視覚障害者の体力の向上と自立・高いQOLの実現を目指す

・各地域のレベルアップと交流

・審判員指導者の育成を図る

 

『なんかすごいですね~』

応援に来てくれた当院スタッフ。

 

フロアバレーは6人制バレーです。

前衛はアイシェード(目隠し)をして臨みます。

健常者も視覚障害者も同条件となります。

一般のバレーボールみたいに、前衛はネット際を守り攻めます。

見えないので、バラバラに動くことはなく、後衛の指示により動きます。

守りの時は、後衛からの声掛けの元、一斉に動きます。

 

後衛は、視覚障害等級の軽い人や晴眼者が担当します。

遠くからのボールのトスやアタック、前衛の動きへの指示など、的確な動きと指示が求められます。

 

当クラブではメンバー10名のうち、前衛担当5名・後衛担当5名です。

 

試合はほぼ(というのは院長も勉強不足で正確に理解していません)一般のバレーに準じていますが、ネットの下でボールのやり取りをします。。

ネットタッチとか、ボールダブルタッチとか、ボールに触っている時間とか、審判員はしっかり見ています。

院長はチームドクターの権限?で試合を間近で見ながら応援するのみです。

(応援に来てくれたスタッフたちは観客席で)

 

キャプテンAさんの力強いボールは健在。

マネージャーBさんがムードメーカーです。

健常者メンズも頑張っています。

昨年からスタメンに昇格した兄弟も、昨年よりずっと動きがよくなっています。

新メンバーのCさんが、50代とは思えないフットワークで動き、前衛の彼らに指示を出しています。

Cさんは名古屋に転居でチーム入り。

小学生の頃からフロアバレーに親しんでいたそうで、その道何十年のベテラン。

視覚障害は軽度ですが、バレーの動きに障害を感じさせません。

それでも病気や日常の不自由さについて話してくれました。

 

晴眼者以外は全員が何らかの目の病気を持っています。

病気の病態は、眼科医である院長はしっかり頭に入っているつもりです。

しかし、当事者の見え方(の変動)や感じ方(痛みなど)は、話を聞いてみて初めて知るところとなります。

病気が一種類だけでなく、複数の病気(角膜・網膜・視神経などなど)を合併している場合もあります。

当事者の話を聞くことが、眼科医として大変勉強になります。

 

試合は接戦でしたが、今回は良い結果とはなりませんでした。

それでもGOOD JOB! です。

 

来年に向かってもう練習計画が出ています。

 

晴眼者のメンバーには大学生もいます。

ガクチカ(学生時代に力をいれたこと)になること請け合いです。

興味ある方歓迎です。

チームドクターより広報の院長です。

こちらもご覧ください

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2023.2.14 とっさの一言

2023.3.7 残りを活かす

2023.5.16  チームドクターは広報でもある

2024.2.6  スポーツでいい感じ~

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2024.2.6  スポーツでいい感じ~

日本医師会認定健康スポーツ医の研修会。

『健康スポーツ医』は、日常診療や学校・産業医として運動指導・運動療法を行ったり、地域の健康増進活動に関わる医師のことです。

一方『スポーツドクター』は、アスリートを主に対象として、運動による外傷や障害の予防・治療を行います。

プロのチームドクターにもなります。

 

ちなみに院長は、『公認パラスポーツ医』の資格もあり、アマチュアのフロアーバレーのチームドクターになっています。

 

さて、院長が健康スポーツ医の資格を取るきっかけは、40歳半ばを過ぎフルマラソンを目指したこと。

まともなランニングの経験もないのに、電車の吊り広告が目に留まり決意。

自己流で走り始めたものの、何回も捻挫。

まずは、スポーツと身体についてもっと知らないといけない!

 

東京での一流の講師陣による講義は非常に刺激的・有意義でした。

テキストは今も見返すたびに復習になります。

 

さて、今回の講師は、新体操の指導者である某大学の先生。

女子高校生アスリートから一般女子に向けての栄養指導を中心に講義されました。

 

スポーツ活動において、達成感とは…

安全・健康・勝利・存在価値・所属意識・技術的向上が揃ってこそ!

 

この部分を聞いた時、最後のフルマラソンを思い出しました。

自己ベストの4時間10分台だったのですが、嬉しい反面、身体は限界に来ていました。

素人なのに、毎週徳重から名古屋駅まで走り、往診先からもランニング。

体重が減少していくのにハイになって、走ることばかり考えていました。

結果、タイムは出たものの、強度の貧血・血尿出現に『あなたは健康スポーツ医なの?』と問う始末。

素直に達成感が湧き上がって来なかったのは、安全・健康のピースが欠けていたせい。

サブ4を目指す余力もありませんでした。

 

思春期女子のアスリートは、とても過酷な世界にいます。

勝つことが目標であり、勝つまでの努力も相当ゆえ勝つ喜びも相当です。

 

そのため競技によっては、体重コントロールはある程度必要です。

競技をしていなくても、一般女性もいつも体重のことを考えています。

特に、思春期は痩せ志向が強い。

体重が少ない→痩せている→きれい!の図式が出来ています。

 

体重が少なくても、身体の中身(組成)はわかりません。

痩せていても体脂肪率が高い隠れ肥満や、筋骨量が少なく代謝が悪い身体のことも。

栄養不足による貧血や骨粗しょう症。

生理不順・月経障害や低体重児出産のリスクも。

 

『体重が増えることを恐れてはいけません(良い意味で)。

5大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル)をしっかりとり、運動する。

おやつを食事代わりにしない。欠食もNGです』

 

院長は高校生の頃、菓子パンを毎日食べていたら大増量した過去を思い出しました。

重量の軽いものなら太らないだろう…なんて。

ホント、無知でした…

 

マラソンをやめて筋トレにシフトしたのも、すごく運動(ランニング)していたのに、体脂肪率は低いものの、筋肉量も少なかったから。

その頃より増量していますが、筋肉も増え『近ごろ私達はいい感じ~♪(PUFFY これが私の生きる道)と思わず口ずさんでしまうオバサン(院長)です。

続けないと減ってしまう貯筋に励んでいます。

 

眼科でも、思春期や生活習慣病の患者さんに、運動や食事などの話をする機会があります。

自身の恥ずかしい経験も踏まえて、『健康スポーツ医』としてアドバイスしていけたらと思います。

 

■こちらもご覧ください

2012.3.12 初フルマラソンン

2015.8.11 筋トレ

2016.4.5 腹筋女子

2018.7.17 ちょきん、ちょきん

2018.8.28 趣味に巻き込む

2018.9.4 秋を感じに

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2019.4.30 GW10連休前半

2019.9.24 ついでに息子

2020.10.27 しゃがんでいます

2022.8.23 跡がついてます

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事

2023.5.16  チームドクターは広報でもある

チームドクターを務めるフロアーバレーチームは、先日の大会で善戦。

関東から九州まで参加チームは多岐にわたり参加。

年齢も10代から50代まで様々。

中には、ほぼ晴眼者で構成されている盲学校教員チームも。

 

フロアーバレーは、前衛3人はアイシェードで真っ暗になるので、視覚障がい者も晴眼者も同等の条件になります。

後衛の3人は、視覚障がい者でも晴眼者でもOKです。

転がってきたボール(フロアーバレーでは、ボールを下投げで転がすように打ちます)をレシーブ・トス・アタックします。

また、ボールの方向を見て、前衛に指示を出します。

『○○さん、正面』

『○○さん、左1歩』

『○○さん、2時方向にアタック』などなど。

そのため、後衛は、晴眼者のほうが有利です。

 

GWの合間に、当院スタッフとフロアーバレーの練習に参加しました。

キャプテンAさんとマネージャーBさんが出迎えてくれます。

AさんとBさん、ともに20代。

中学の途中までは、普通学校に通学していましたが、それぞれ別の病気で視力が低下・視野が狭窄し、盲学校に転校しました。

ふだんは、白杖使用の視覚障害者です。

しかし、体育館の中では、白杖なしです。

 

本日参加のスタッフは、20~40代、3人。

少し緊張気味です。

コートを一緒に組み立て、境界線にテープを貼ります。

新しいテープを貼ることで、凹凸ができ、触って目印となります。

 

ボールの受け渡しから。

相手に向けて投げます(下手投げ)。

逸れた場合は、相手に方向を言うこと(見えないから)。

声をかけながらボールをまわすことで、相手の名前も覚えます。

 

晴眼者のCさんも来たので、前衛と後衛をそれぞれやってみます。

まずはアイシェードをつけて前衛の練習。

そろって、驚きの声。

『え~!?真っ暗~』

『見えない~』

恐る恐るのぎこちない動きになります。

Bさん含む前衛3人で手をつないだり、コートのネットに触ったり。

『○○さん、ボール!』と言われても、わずか30センチ脇のボールには気づかず触れられずでボールをキャッチ出来ません。

院長もそうでしたが、初めてアイシェード体験(ゴールボールやフロアーバレー)や暗闇体験をすると、強い不安感と恐怖感を感じます。

見えない時間が限られている(わかっている)ゆえ、我慢できますが。

スタッフたちにとっては、初体験なので、当然の感想だと思います。

 

アイシェードの必要がない後衛は、前衛より動く範囲が広いのと、前衛への指示で、体と頭を使います。

こちらは、しばらくすると『足痛いです~』『走るのに疲れました~』(みんな、ふだん運動不足とのこと)

 

帰りにお疲れ様のお茶会。

『初体験でいろいろ勉強になりました!』

『みんな明るいですね』←障害=暗いのイメージがあったようです

『見えない人に言葉で説明することの大切さがわかりました』←当事者に、ここ・そこ・あそこではわからないと言われ。

 

障害の有無、人種や民族・性別に関わらず多様性の時代。

少しでも多くの人に、フロアーバレーボールを広める役目(広報)も、眼科医であるチームドクターの務めかなと思います。

 

生涯スポーツとして、誰でも参加できます。

特に晴眼者の参加は歓迎です(後衛を強化できる)。

運動不足解消したい!

パラスポーツ気になる!

新しい人との出会いが楽しみ!

などなど、きっかけは何でも。

只今、新メンバー募集中です。

少しでも興味がある人は、ぜひ院長にご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 健康 公センセの日常の出来事

2023.3.7 残りを活かす

ロービジョンケアの講演会を聴講しました。

フロアーバレーボールチームの見学をし、(一応)チームドクターになって以来、ロービジョンへの興味は、より実体験を伴うものになりつつあります。

視覚障がいで多いのは、全く見えない(全盲)よりも、ロービジョン(弱視)の人たちです。

生まれつき全盲でも、途中で失明もしくは弱視になっても、生活するための手段や技術を取得しないと生活できません。

特に中途失明・弱視者のために、視覚リハビリテーションがあります。

名古屋市では、地下鉄駅名でもある『総合リハビリセンター』が、主に担っています。

 

生活するのに重要な事項は

1.移動

2.読み書き

3.家事・日常動作

4.社会行動

 

1.移動にしても、初めての所に行きたい・階段を利用したい・交通機関を利用したい・夜間の移動したいなど人によって様々

2.読み書きも、新聞・雑誌?WEB?通帳?テレビ?などなど。

3.家事・日常動作も、料理・掃除?化粧?薬の管理?などなど。

4.社会行動では、お金の管理?時間の把握?買い物?趣味?スポーツ?就労?などなど。

 

近年は、緑内障の失明率が高くなってきました(だから、早期発見・早期治療が大切!)。

また、糖尿病網膜症による失明率も高いです(だから、まず内科治療を!)。

必然的に、中高年になってからの中途失明・弱視が多くなっています。

良く見えていた頃の記憶があるので、上記4項目の色々が出来なくなってくると、非常に落ち込んでつらくなります。

 

しかし、残された機能でいかに生活できるようにするかが、その後の生活の質に関わってきます。

 

眼科医としての治療の限界はありますが、リハビリでは自分の限界を越えて生活の質を上げることを目的としています。

上記1~4が健常者と同様に…は不可としても、日常生活が普通にできるようにはなります。

 

歩行訓練士による歩行訓練があります。

 

また、PCやスマホ、拡大読書器による読み書き(入力)や、点字訓練(まず読めること、書くことは後とのこと)、日常動作の訓練もできます。

 

フロアーバレーボールのメンバーたちは、何処にでも自分で行くし、スマホも駆使しています。

白杖を持ちながらスマホを触って…『本当に見えないのか?』と思われる(言われる)ことも度々あると聞きます。

今や、スマホは、ロービジョンのツール(関連リンクは最下部からご覧ください)としてとても優れています。

遠くの写真を撮って画面で拡大したり、音声ツールを使用しているかもしれません。

 

人や障害物にぶつかる、階段で落ちそうになる、信号が見にくいなどを感じたら、白杖を考えてよい時期です。

そして、使用には、訓練が必要です(リハビリセンターなどを紹介します)。

もちろん、持っているだけでも、人に注意を喚起するのには有効です。

 

眼科医として、医療で終わらず福祉につなげること。

そのためには、福祉の知識ももっと必要と感じました。

 

『人間は不幸には敏感で、どんな些細なことでも見逃すことはない。

だが、不幸にばかりに目が行けば、生きることはいつしか苦しみに満ちていく。

日々の生活の中に、幸せはいくらでも見つかる。

それを忘れてはいけない』

 

某新聞で見つけた翻訳家の言葉。

心に残る言葉との出会いも小さな幸せです。

 

ロービジョンに関する過去の記事もぜひご覧ください

2021.12.14  転ばぬ先の…

2020.9.29 色・明るさと交通事故

2019.5.28 ひかり・光 スペシャルゲスト

2015.10.27 日本臨床眼科学会

2013.10.15 待合室の薔薇

2013.04.20 スタッフもまだまだ学ぶ

2013.3.27 ちょっと仙台まで

2012.10.17 目を動かそう

2012.10.09 より良き明日に向けて

2012.7.3 スタッフも学ぶ、学ぶ

2012.6.11 始めなければ始まらない

2012.1.10 小豆で沈静

カテゴリー:健康 眼に関すること

2023.2.14 とっさの一言

早速、フロアーバレーボールの練習見学日を決めた院長です。(前回より続く)

いつも訪問する際には、相手の情報を予備知識として入れておきます。

 

フロアーバレーボールとは…

・コートの中に立てるプレイヤーは前衛3名と後衛3名の6名。

・前衛プレイヤーはアイマスク(アイシェード)を着用して目隠し。

・スタートのポジションがあり、ポジション番号が振られる。ポジションはローテーションにより試合中変わる。

・ローテーションは前衛と後衛それぞれ、ネットに向かって左方向へずれる。

(一番左は一番右にずれる)

・3打以内に相手のコートにボールを返す。

 

HPやYouTubeで一通り知識が付きました。

見学チーム(ドリーム・ラブ・ワールド)のYouTubeも見つけたので、視聴しておきます。

 

さて当日、指定された体育館へ。

10名以上のメンバー。

先日のAさん、Bさんを含めて全員自己紹介。

自身の病気を言う人も、残存視力や視野を言う人も。

院長が眼科医だからこその紹介かもしれませんが。

晴眼者のCさん(メンバー及びコーチ)や、ボランティアサークルの大学生も参加します。

 

練習が始まります。

後衛は、晴眼者及び軽度弱視者が担当。

前衛は、アイマスクをしているので誰でもOKですが、メンバーの数によっては、全盲・弱視者が担当になる事が多いです。

後衛プレーヤーが、サーブを打ちます。

すくい投げのサーブですが、これが結構速くて強いのでびっくり。

 

2打目(トス)は、後衛が受けることも、前衛が受けることも。

前衛は、視覚障害のハンディキャップが大きいので、後衛がボールの位置を時計方向で知らせたり、拍手をして(音で)知らせます。

ゴールボールと違い、鈴が入っていない(中学校までは鈴入り)ので、目隠しだと探すのに大変です。

3打目のアタック(これも下投げ)も、選手によっては結構速くて強い!(キャプテンのボールの勢いはすごい!)

当然ですが、素手なので痛そう。

 

前衛の3人が中央で並んで待機しますが、後衛の『オープン!』の指示で、左右の端に広がります(カーテンみたい)。

後衛は、ボールの動きを見て、前衛に的確に指示。

前衛は、後衛の指示(聴覚のみ)で素早く反応します。

 

この日は、隣の半面で高齢者の卓球クラブの練習が。

見学の院長でさえ、ピンポンの音が気になっていたのですが、尋ねるとやはり。

晴眼者以外、日常生活では白杖使用なのに、コートの中では白杖なし、声・音だけでプレイします。

雑音(卓球クラブの音)が多く、その日の練習はやりにくかったそう。

 

ミーティングで、メンバーの一人DさんがAさんの斜め後ろに。

『Dさん、どこだー?俺、視覚障害者だから見えないんだよな~。まだ、健常者だと思っているから(中途視覚障害)~』

『僕も視覚障害者です!』とDさん。

メンバー大笑い。

院長笑っていいものなのか…

 

終わり際、『来月県大会があるんですけど、チームドクターになってもらえませんか?』

えっ!?

『は、はい。わかりました』

とっさの一言。

サークルといえども、チームドクター拝命。

返事をしてから重責に気づきます。

まぁ、これも何かの縁、頑張ります!

 

それにしても、30年近く前にも同じシチュエーションが。

知人の知り合いと3回目の食事時、『チームドクター』の代わりに『結婚…』の下りを言われました。

とっさの一言は同じ。

(帰宅してから、とっさの一言の重みに気づいた次第…)

何の縁なのか、お陰様で現在まで一緒にいます。

 

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事

2023.1.31 白い杖の来客

『…バレーのAさんからお電話です』と受付スタッフから。

…バレー?バレエ??

 

昨夏のある日の朝刊。

視覚障害者と健常者が一緒に楽しめるフロアーバレーの記事が。

眼科医ゆえ、目に関する記事やニュースには特に目が行きます。

更に、『健康スポーツ医』であり『障がい者スポーツ医』の院長。

興味深く読みました。

 

『視覚障害者用補装具適合判定医師』養成講座でも『障がいスポーツ医』養成講座でも、実習で障害者スポーツの勉強や体験をしましたが、『フロアーバレー』は知りませんでした。

プレイの様子と、キャプテンAさんの写真が。

そして連絡先のAさん携帯番号も併記。

 

気になる…気になる…

面識のない個人の携帯電話にかけるとなるとオバサン(院長)でもハードルが高い…

どうしよう、気になるけど…

迷いつつ2週間。

思い切って電話をかけます。

相手は、写真よりも若い声。

体験する予定か聞かれ、まずはどんなものか知りたいので見学を、と伝えます。

 

2か月先までの練習日を聞きメモします。

一応連絡先を、と聞かれたのでクリニックの番号を(携帯番号よりは…)。

 

土曜日は絶対無理だし、日曜日も既に所用が入っており、結局行けずじまいに。

 

そして年が明けた1月。

クリニックに電話があったという次第。

『びっくりしました。眼科の先生だったんですね~それなら尚更説明しに行ってもいいですか?』

『もちろんです』

 

約束の日にクリニックに現れたのは白杖の二人の青年。

ウサギ小屋みたいな院長室で話すことに。

ドアを開けて室内へ。

ガッチャーン!

早速大きな音がします。

『すみません!』

いえいえ、『すみません』は当方です。

入ってすぐの仕事机の角に、文具を入れたプラスチックケースが置いてあったのでした。

初めての場所だと、視覚障がい者は、白杖、手指の感覚で空間把握をします。

ですので、角には物を置いたりしてはいけません(眼科医として反省)。

 

二人が自己紹介をしてくれます。

Aさんは、高校生の時、突然視力障害に。

その後、盲学校に転校しています。

Bさんは、幼少時から見えにくかったのですが、進行により中学校から盲学校に。

『Aさんは○○の病気、Bさんは○○の病気ですよね!?』

『正解です、さすがです』(エピソードを聞くと…眼科医ですから)

 

フロアバレーボールとは…

6人制バレーボールに沿った、視覚障がい者と晴眼者(視覚障害がない健常者)が一緒に楽しめるスポーツ。

ネットの下で床を転がるボールを打ち合う。

ネット前で目隠しをする3人の前衛と、コートの後ろの後衛(弱視者でも晴眼者でも)が1チームとなり、競技をする。

 

フロアーバレーボールチームは、他にもいくつかあり、交流試合もするそう。

また、年に一回は、愛知県大会も開催されているそうです。

『一度見学に来てください』

 

白杖を持つ程度になると、回復と言うより現状確認のための大きな病院での定期検査となる事が多いです。

したがって、町の眼科医は接点がなくなってしまいがちです。

『なんか目が乾くなとか、目やにが出るなと言う時に行ける眼科がないんですよね。行ってる病院は、完全予約制だし』

見える見えないだけでなく、もっと日常の病気(結膜炎とかドライアイとか)は誰にでも起こりうるはず。

『そういう時は、町の眼科に来院してね~』

 

見学、ぜひ行かねば。

またまた未知なる世界へサーブ!

 

 

 

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