2019.11.26 二人でお上りさん

学会が一番多く開催される東京国際フォーラム。

丸の内南口を出て国際フォーラムへは徒歩5分ほど。

途中、目に入るのは『はとバス』と乗客の人々。

 

『はとバス乗りたいな』

そう思いながら、学会(仕事)に向かうこと度々。

 

パンフレットを見ると、都内観光名所(観劇・食事処も)を効率よく巡る、お勧めのコースが盛りだくさん。

ただし、この年齢になると、東京の名所は行き尽くしているし、かえって迷うところです。

家人に『お上りさん気分で、東京で行きたいところない?』

『ない』

学会場とホテル以外寄り道をしない家人。

『国際フォーラムへ行く途中のはとバス、気にならない?』

『そんな場所あった?』

 

『はとバス』に、どうにも巻き込みたくなる妻(院長)です。

コースを吟味し、『浅草演芸場どう?』好きな落語から攻めてみます。

『そこなら一度行ってみたい!』そう来るよね。

『築地場外市場→浅草散策、どぜう&演芸場→隅田川下り』決定。

 

朝9時に東京駅に着くよう新幹線に乗ります。

はとバス乗り場には、時系列で乗るバスと乗り場が書いてあり、すっかりお上りさんの気分。

 

ガイドさんの案内で、まずは築地場外市場へ。

場内市場は豊洲に移転しましたが、場外市場は残り、観光客で騒然としています。

卵焼き屋さんはどこも、長蛇の列。

その場で焼きたても食べられます。

卵焼き大好きの院長は、『おかずにしよう』と多めに購入。

魚屋さんやお寿司屋さんも盛況で、人に揉まれながら、自分も完全に観光客。

 

浅草に移動すると、老舗のドジョウ料理屋さんへ。

予約席があるのは、ツアーの良いところ。

柳川鍋は初めてでしたが、見た目とは大違いで、あっさり美味しいドジョウに感激。

濃いめの味付けは、ご飯がすすみます。

 

その後、浅草演芸場へ。

名古屋の大須演芸場よりも大きく、2階席へ案内されました。

すでに昼の部は始まっていましたが、暗いので、遠近両用コンタクトレンズでは演目のしおりが読めません。

『今、誰がやっている?』

『えっ!読めないの?僕は読めるよ』メガネで来た家人は、裸眼でピントが合う近視度です。

暗所でのコンタクトレンズは、中年にはお勧めしません…(実体験)

満腹で、知らない噺家さんの噺は子守唄のように…

『そろそろ出ようか…』と促されて出たものの、家人の行きたかった場所なのに…何故?

 

『面白くなかった?』

『噺は面白かったけど、ウトウトしていたら(院長のこと)噺家さんに失礼だから』

申し訳ない…ひどく反省。

本当に落語が好きな人は、昼・夜十分楽しめるのです。

 

浅草散策の後は、隅田川下り。

何本もかかる橋をくぐるたび、、両岸の情景が変わり、今昔の情緒を感じる初体験でした。

 

『はとバス』メインでサブは『浅草演芸場』の院長(ウトウト…)

『浅草演芸場』なら、と『はとバス』に付き合ってくれた家人。

 

妥協・譲歩・共有・共感…

相手をリスペクトしつつ、自分の要望も実現する術をお互い?確立して、共働き医師夫婦、結婚生活25年。

 

『はとバス』もそんな夫婦の一コマでした。

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2019.11.19 宿題と肥満者率

医師会の講演会は、主に医学の話題ですが、今回は経済学のお話。

演者は、Eテレ『オイコノミア』という経済番組に又吉直樹さんと出演されていた、大阪大学の大竹先生。

又吉絡みで見始めた院長ですが、平易な言葉で、素人でも経済学をかじれる良質の番組でした。

 

今回のタイトルは『医療現場の行動経済学』

『行動経済学』とは、心理学や社会学の成果を経済学に組み入れた、経済学の一分野だそうです。

現実の人間の思考の傾向を考慮して、経済を考える、というもの。

 

例えば…

問1

1.コインを投げて表が出たら2万円もらい、裏が出たら何ももらわない。

2.確実に1万円もらう。

どちらを選びますか?

問2

1.コインを投げて表が出たら2万円支払い、裏が出たら何も支払わない。

2.確実に1万円支払う。

どちらを選びますか?

大多数は、問1では2を選び、問2では1を選ぶそうです(院長も同じ)。

得をすることは確実な方を取りたいけれど、損をすることは不確実な(危険性のある)方を取る傾向があるそうです。

 

同じ金額だと、得をした嬉しさよりも、損をした悲しさの方が大きくなる。

また、嫌なことは先延ばしし、嬉しいことは前倒しする傾向もあるそうです。

これらを含め、ヒトの心理をどのように医療現場の経済で活用するか。

 

薬や手術の効用・成功率と副作用・不成功率を患者さんに伝える場合。

副作用や不成功率がわずかだったとしても、患者さんはそれ以上に大きく捉える傾向があることは、自身の経験からも気づいていましたが、ヒトの心理的な傾向・癖だと初めて知りました。

医師は、エビデンスに基づいて、客観的に事実を話しますが、良いこと(回復・治癒)と悪いこと(悪化・一生の病気)では、患者さんの受け止め方が違うのは、もっともです。

 

健康診断の受診率を上げるには、どういう文面が一番有効か?

臓器提供のドナーカード同意率を上げるには?

予約の無断キャンセル率を防止するには?

大腸内視鏡の痛さの記憶を和らげるには?

などなど、数々の論文を引用し、解説されました。

医学と同様、リサーチ・集計・解析・結果・考察という流れは、経済分野の研究においても同じだと思いました。

数学も駆使し、文系というより理系なのでは?と思います。

 

中学生の時、夏休みの宿題はいつ頃やることが多かったですか?(大阪大学調査)

1.夏休みが始まる最初の頃

2.どちらかというと最初の頃

3.毎日ほぼ均等

4.どちらかというと終わりの頃

5.夏休みの終わりごろ

 

院長は1です。

『宿題後回し傾向』が強いと、喫煙率やギャンブル習慣、飲酒習慣が優位に高くなることが分かっています。

消費者金融の利用も。

それ以外に、肥満者率ともかなりの相関があることがわかっています。

 

中学時代の宿題癖で、将来の傾向までわかるとは…

 

ちなみに長男に上記の宿題の問いをしたところ…

『当てはまるの、無いわ』

『えっ?』

『だって、宿題やったことなかったもん…やろうとすら思わなかった』

選択肢に該当しない人がいるとは…

理由の詳細まで忘れましたが、何度も学校から親(院長)の呼び出しがあったからね~

相関の結果を知ると、先が思いやられます…

 

『行動経済学の知識で患者さんの意思の傾向を理解できる』

『何気ない表現で患者さんの意思決定が変わる』

 

勉強したことを日々の医療現場で試してみようと思います。

愚息が今からでも『宿題先終え傾向』になるよう、家庭でも行動経済学試してみます。

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2019.11.12 ずっとAだったのに…

中学3年生のB君が来院しました。

『最近、プリントとかを離して読むようになったんです。離したほうが見やすいって言うんです。若いのに』と付き添いのお母さん。

裸眼視力は右1.2左1.2でしっかり見えています。

近くの見え方も、右1.0左1.0で全く問題なしです。

『学校の視力検査ではずっとA(1.0の指標が読める)だったんです』

眼科の病気になったこともないので、生まれて初めての眼科受診でした。

眼位(目の向き)は正常。

診察でも異常はありません。

 

眼科では、視力検査と同時に、屈折検査(機器)も行います。

データによって、近視・正視・遠視・乱視があるのか、どの程度なのかが分かります。

B君は軽度遠視が出ていました。

 

乳幼児の多くは軽度の遠視ですが、就学時の頃には正視(近視も遠視もない状態)になります。

軽度の遠視では問題はありませんが、強度の遠視では近くも遠くもぼやけて見えるようになり弱視になることが多々あります。

また、無理にピントを合わせようと調節すると両目が内向きになる内斜視を起こします。

小学校低学年までの子供は、調節力(ピント合わせ)が強いので、視力が良くても、遠視が隠れていることもあります。

また、視力が出にくく近視の値が出ても、実は近視ではない場合もあります。

子供では、調節を完全に取ることが出来ないため、調節を麻痺させる検査用目薬を使い、正しい値を把握します。

 

中学3年生だと、通常の屈折検査で十分です。

しかし、B君は『視力良好』『でも、近く見づらい』『軽度遠視』から、調節麻痺点眼を使い検査をしました。

すると…中等度の遠視が隠れていました。

これじゃあ、近くが見にくいわ~

 

B君は生来中等度から強度の遠視があったと推測されます。

3歳時健診以降、視力や眼位で異常が見つかることが多いのですが、B君はたまたま眼位異常もなく視力低下もなくスルーしてきてしまったのでした。

老眼と違って、調節力が十分あり、近くも見えるので、本人も周りも気にしていなかったようです。

中学3年生になり、勉強量も増えてきたあたりから、近くにずっとピントを合わせるのが辛くなってきたようです。

早速、遠視のメガネを処方することにしました。

 

後日、出来たメガネの確認にB君来院。

『すごく良く見えます。目も楽だし』

B君、良かったね。

お母さんも、『あれ?』と思い連れてきてくださって良かったです。

ぐっと、勉強しやすくなったはず。

受験、頑張って!

 

視力検査は、意義があります。

ただし、視力検査だけでは、分からないこともたくさんあります。

視力が良くても、例えば『本を読んだり細かい作業をすると集中できない・すぐ飽きる』場合、強い遠視が隠れていることもあります。

子供(未成年)は、自分からはあまり訴えないので、周囲が『あれ?』と思ったら受診をお勧めします。

一番楽な(目の)状態で、最大視力を出すアドバイスをするのが眼科医です。

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2019.11.5 お茶はあちら…

秋は学校医にとって、就学時健診の季節です。

いつもの健診は、保健室で行いますが、就学時健診では、それぞれ教室が割り当てられます。

 

教室に入り椅子に座ると、担当の先生(男性)があいさつ。

『本日の記録係です。よろしくお願いします。あ、それからお茶はあちらです』

『あちら?』の方向を見ると、教室の隅の机の上に湯のみが乗ったお盆が。

用務員さんが、早めに持ってきて置いていったようです。

『今日はビュッフェなんですね~』と茶化す院長(オバサンならでは)。

傍にいたベテラン先生(女性)が気が付き、『すみませ~ん』と慌ててお盆を取りに行って、お茶を出してくれました。

 

『一応来客だから、お茶は直接お出ししないとね。客に取りに行かせるのではなくて』諭すように院長。

『た、大変失礼しました』(汗)

A先生は、どう見ても、息子たちと同世代。

聞くと、1年目だそう。

お茶出しなんかしたことないんだろうな~

男女雇用均等法の下でも、新米研修女医(院長)は、医局でお茶やコーヒーを出すこともあったし、流しに湯飲みやカップが積んであれば、洗っていたな~

教えられてやったわけでもなく…

やらなくても良かったのかもしれないけれど…

気が付かないのよね~きっと。

うちの息子も思いやられるわ~

 

 

就学時健診は、緊張する子供たちも多く、スムーズとは言い難いのですが、無事終了。

視力がB(0.9以下)の子は眼科で再検査を。

緊張で上手く検査できなかったのか、屈折異常などの原因があるのか、確認してくださいね~

その他、気になる所見があった場合は保護者に伝えます。

 

教職員や生徒は毎年変わりますが、小学校3校20年以上学校医をやっている院長としては、学校の生き字引みたいなもの。

そして、児童を見る眼差しも変わってきます。

小学生になるって、こんなに大きくなるんだわ~と、未就学児の息子たちの成長を思い描いていた頃。

中学生になるって…(中学校の学校医もやっています)と、小学生の息子たちがたくましくなるのを思い描いていた頃。。

息子たちが、その年齢も越してしまうと、生徒たちを慈しむ眼差しの院長です。

そして、今回、フレッシュな先生が記録係でついてくれて…息子たちを重ね合わせてしまいました。

 

『仕事がちっともはかどらなくて、毎日遅くまで残っています。同僚の先生たちから色々アドバイスいただけるので助かっていますが』

『最初は、どんな仕事でもみんなそうよ。まずは、目の前のことを確実にこなしていくこと。3年たてば、少し周りが見えてきますよ』

職業人として老婆心ながらアドバイス。

 

長男が小学1年生の時のある日の連絡ノート。

担任は、卒後3年目の若いB先生(男性)。

『〇(長男)君が、帰り際泣いていました。聞くと、今日(木曜日)は、お母さんが遅くしか帰って来ないからとのこと。

二人で色々話をしました。

お母さんも頑張っているから、〇君も強くなるよう私と約束しました』

長男就学と同時に大学院生になった院長。

休診日の木曜日は今までは、保育園の早いお迎え、母親と遊べる特別の日。

なのに、木曜日は朝早くから夜遅くまで大学なので、ずいぶん寂しかったようです。

今は、『母親なんてどうでも~』の長男ですが、泣いたことと先生に言われたことは覚えているそうです。

そして、母(院長)もそのことを励みに、大学院生活を両立させました。

 

一片の思い出になれる先生に。

A先生、応援しています。

若者、頑張れ!

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