2014.10.21 カラコン事情

何気なくつけたテレビで昨今のカラコン(カラーコンタクトレンズ)事情をやっていました。カラコンは、着色したり柄模様を入れることで、黒目を大きく見せたり、瞳の色を変えたりするすることが出来るコンタクトレンズです。度無しカラコンも高度医療機器指定となりましたが、眼科医に処方されるレンズよりも、手軽にネットや雑貨店で購入が多く、いまだ眼障害が多いレンズです。目の形や大きさ、近視遠視乱視の強さには個人差があり、眼科医は個々に最適なものを処方します。しかし、ソフトコンタクトレンズのカラコンは、目に合っていなくても割合平気で装用出来ることもあり、それがトラブルになることが多々。最悪失明に至ることもあります。街頭インタビューで多くの20代の女性が「カラコンなしでは外に出られない!」と答えていました。某タレントは、「外でカラコン外すときは死ぬ時」と言ったとか。目も素っぴん(という言葉がある?)は恥ずかしいということ?さすがにお化粧無しでの素っぴんでは、外出できない(相手にも失礼だし)年頃の院長ですが、目までは考えが及ばず。20代は遠い昔…その心境には理解しかねるおばさんです。

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2014.9.16 加齢性黄斑変性症にiPS

9月12日、先端医療センター病院(神戸市)で、iPS細胞から作った網膜細胞を人眼に移植する世界初の手術が行われました。対象は加齢性黄斑変性症(かれいせいおうはんへんせいしょう)の患者さんで、初の臨床研究(人を対象にした研究)になりました。加齢性黄斑色素変性症では、眼の奥の網膜の中でも物を見るのに一番大事な部分(黄斑)の下が腫れたり老廃物がたまったり悪い血管ができたりして、ゆがみや視力の低下が起こります。今は眼球に注射をする方法が主となっていますが、劇的に視力が改善することはありません。アメリカの失明原因としては1位で、近年日本でも高齢化に伴い(なので加齢性と言います)大きな失明原因のひとつとなっています(ちなみに日本での失明原因1位は糖尿病性網膜症です)。今回の移植は大変な朗報ですが、すぐに現場で治療方法の一つになるわけではありません。この患者さん自身も4年間検査継続必要と言われています。臨床医としては、現在出来る最良の治療の活用とともに、予防の啓蒙活動(禁煙、紫外線暴露の回避、サプリメントの摂取など)に取り組んでいきたいと思います。

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2014.9.9 プール活動時の注意

小学校にプールができたのは3年生の時。それからの夏休みはプールに毎日通ったものです。今は温水プールもあり年中泳げます。ゴーグルや洗眼についての見解も昔と変わってきました。眼科学校保健委員会の見解は…①眼表面の保護のためにゴーグルの使用が望ましいです。ただし、水に慣れるためのゴーグル無しで水に顔をつける場合は短時間に。②ゴーグルをしていてもコンタクトレンズ装用は好ましくありません。プールの水に眼が触れる可能性は高くその場合はコンタクトレンズが汚染されます。③プール活動後の水道水による洗眼は、水勢の弱いシャワーで数秒間ならOK。眼表面の残留塩素濃度を薄めたり、微生物を洗い流す効果が期待できます。ただし、長時間の洗眼は、角膜上皮障害を起こす可能性があるので、人口涙液(目薬タイプがあります)による点眼も望ましい処置です。自分が子供の時、素眼で泳いだり、水道水を眼にじゃあじゃあ浴びせていたのに…昔はこうだったのに…と思うようになってきたのはもう若くないってことですね。

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2014.8.5    緑内障を進行させない

緑内障は日本の失明原因として第1位です。多治見スタディ(岐阜県多治見市の健診)では40歳上約20人に一人の割合で緑内障を発症しているデータが出ました。70代では約10人に一人の割合です。片眼視力0.05未満、中心視野10度未満を失明と定義すると両眼発症後20年で失明する人は1.5%に上ります。緑内障進行因子は、年齢、角膜の厚み、眼圧が高いこと。また近視は緑内障になりやすいと言われています。現在は、従来の緑内障と診断される前のプレ(前)緑内障という概念も出てきました。自覚症状がないため、治療開始して1カ月で来院されない(治療自己中止)患者さんが多いのも緑内障の特徴です。新しい点眼薬が多種出ていますので、お薬でコントロールできれば何よりです(手術もありますが)。患者さんの人生のある限り、視力障害を感じさせない、生活に支障を及ぼさないよう一緒に頑張っていくのが眼科医のミッションだと思っています。講演会で感じたことでした。

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2014.6.17    ドライアイ

ヒナも飛び立ち、今年もツバメの季節が終わったと思っていたら、少し離れたところに別のツバメが新たな巣を作り始めています。

ドライアイの勉強会に行ってきました。ドライアイと言うと眼の乾きが連想されますが、実際に訴えられる症状としては、「眼が疲れやすい」「眼が重たい」「眼がゴロゴロする」「ものがかすんで見える」などの不快症状が多々あります。一度目をつぶってから何秒あけていられるか?眼を10秒以上開けていられない人はドライアイの可能性があります。また1分間の瞬きの数が31回以上だとドライアイの可能性があります。起きている時間のうち、眼を閉じている時間は正常が0.7%に対しドライアイでは4.5%というデータもあります。眼の表面の涙が凸凹になり、見にくさを補うため調節力を使い疲れてしまいます。目薬のタイプとしては、眼を潤すタイプの目薬、眼の表面の凸凹に効く目薬があります。そろそろエアコンも稼働し、ドライアイの自覚が高まってくる時期です。気になる症状はお早めにご相談を。

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2014.6.10 ブルーライト

ツバメのヒナたちもあっという間に飛び立っていきました。お世話したわけではない(巣の下に汚れ防止の新聞紙は敷きましたが)のに、ピーピーと賑やかな鳴き声が途絶えると心にぽっかり穴があいたようにさびしくなりました。

さて5月は眼鏡処方が多く、「ブルーライトカットグラスがいいですか?」と聞かれることも。ブルーライトとは波長が380~495ナノメーターの青色光のことで、紫外線に次いで強力なエネルギーを持ち網膜まで届きます。そのため、眼への影響と睡眠リズムへの影響があると言われています。悪そうに思えますが、朝陽はしっかり浴びたほうがいいし(青色光が含まれています)少しくらいパソコンやスマホを見ていても問題はありません。夜は出来るだけ使用をやめましょう。ブルーライトを軽減するなら、ブルーライトカット眼鏡(度が入るとカット率が落ちます)、画面用ブルーライト軽減フィルム、画面の光の調節や白黒反転画面がおすすめです。意味もなく検索…気づくといじっている…思い当たる自分。気をつけないといけません。

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2014.5.27 大人コンタクトレンズ

最近では、大人の○○といえば、元々の大人(成人)という意味よりも、老成している意味から派生して、ワンランク上のとか、洗練されたとかのイメージが前面に出てきているように思います。そんな中「大人コンタクトレンズ」というものが発売されました。パンフレットを見たときはカッコイイ響きに対象はどんな人かと思ったのですが、実は40代以降対象の遠近両用コンタクトレンズのことでした。先日遠近眼鏡デビューした院長としては、早速トライしてみました。近くの度数は作成ラインでの一番低い度で、遠くはしっかり見えるように合わせてみました。今まで、遠近両用は上手くいかなかった人にもお勧めの見え具合です。しかも、1日使い捨てのコンタクトレンズが、2週間タイプとともにラインナップされているもの便利です。老眼鏡をリーディンググラスと言うように、遠近両用コンタクトも大人コンタクトデビューというと、かっこよくチャレンジできるかもしれませんね。

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2014.5.20          泣いていますか?

就活、婚活、終活…は一般的になりましたが、「涙活」なる活動があることを知りました。涙活とは、1カ月に2,3分だけでも能動的に涙を流す活動で、これによって心のデトックスを図るのだそうです。例えば、泣ける映画や小説を読んで涙を流す。集中できるよう部屋を薄暗く、お香やアロマを用意し、涙は拭わず出しっぱなしにするのがお勧めだそうです。悲しい時や感動した時に流す涙が、ストレスを洗い流してくれるのであって、目にゴミが入った時に出る反射性の涙では効果がないそうです。日常、ドライアイの治療をしている院長としては、ドライアイ自体も患者さんにとってはストレスであり、いかにふだんの涙量(反射性涙や感情的涙ではなく)を増やし不快感を押さえるかがポイントです。今回、感情的涙を出す「涙活」という言葉には新鮮でした。どちらかと言うと涙もろい院長ですが、最近涙を流したのはいつ?先日の母の日、早朝出掛ける際に玄関に一輪のカーネーションが置いてありました。昨夜までなかったのに。じーん、眼が潤んだ院長。言われてみればこれも涙活の一環ですね。

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2014.4.22         遠近デビュー

近視が強いので、成人してからはハードレンズを使用、時代の波に合わせて今は使い捨てのソフトコンタクトレンズ、もちろん眼鏡併用の院長です。自称アラフォーですが、最近は診療用には少し弱めの室内用(運転は可)コンタクトレンズ、学会のスライド閲覧用には遠方重視のコンタクトを使い分けることに。眼鏡も同様で、室内用眼鏡と夜間運転用眼鏡を使い分けています。老眼がなければ、今まで通り遠く重視のコンタクトレンズやメガネでも楽々手元を見ることができたのですが、悲しいかな、最近それができなくなってきた院長です。遠近両用コンタクトレンズは試したことがありますが、遠近両用眼鏡は初体験。自身は近視がかなり強いので、メガネの厚みを気にしていましたが、出来栄えは良好。さて、はめてみると…ひとつの眼鏡で遠くも近くもはっきり(当たり前ですが)。初めての衝撃!しかし斜め前方に文字を見るとぼやけます。この眼鏡は正面視で見ることがポイント(単焦点の眼鏡と違うところ)とのこと。近くを見るときは少し顎を引くこともポイント。運転や運動にも問題なく装用できていますが、遠近両用眼鏡を作った患者さんの中には階段の昇降が苦手という方も。日々遠近両用眼鏡を処方していますが、より気持ちに寄り添えるように。遠近両用眼鏡、やむを得ずの気持ちで作りましたが、診療にはプラスの体験でした。もちろん実生活にも活用しようと思います。

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2014.4.1         ドライアイとアレルギー

クリニックの裏手の扇川沿いの桜は満開になりました。近場で一番お気に入りのスポットです。

さて、冬場だけでなく春もドライアイの多い季節です。ドライアイになると涙は少なくなり、入ってきた花粉を洗い流せず、アレルギー性結膜炎になりやすくなります(ドライアイ→アレルギー性結膜炎)。またアレルギー性結膜炎で瞼の裏に炎症がおこると、涙が安定しにくくなります(アレルギー性結膜炎→ドライアイ)。涙の成分は油層と水層(水分、ムチン)。最近は涙を増やすムチンが点眼として効果的ですが、もうひとつ大事なのが脂です。瞼の縁にある並んだ小さな穴から出る透明な脂です。目の周りを清潔にし、目を温めることが有効です。コンタクトレンズを長期装用するとこの脂腺が変化することがわかりました。また、アイメイクで瞼の際の脂腺まで覆ってしまうとドライアイの原因となります。院長もそろそろコンタクトもお化粧も止め時…とドライアイの勉強会に行くたび思うのですが、素っぴんでメガネ姿では患者さんに失礼にあたる(と思う)ので、控え目に継続していきます。

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