2024.6.11  運転止める?続ける?

眼科の学会も規模の大きなものから小さいものまで。

森(眼科全体)に対してか、木(病気から・症状から・検査から・治療から…など)に対しての学会か。

今回は視野画像学会。

以前は視野学会だったのですが、眼科の画像機器の進化は著しく、視野画像学会と名称が変わりました。

 

開催地は新潟。

2回目の新潟です。

初めての新潟は、研修医一年目、初めて学会参加でした。

初学会参加に緊張と興奮。

でも、講演内容はほとんど理解出ず。

同期と『よくわからなかったね~』(研修医あるある)

上司I先生(女性)が登壇されたのを『かっこいい~すごい~』と眺めていただけ。

あっと言う間に学会が終わり即帰路に。

何が何だか?学会って異次元?

 

さて2回目の新潟は…

 

今回聞きたかったセッション、座長はI先生。

あの頃30代で登壇されたのですが、今もずっとパワフルでお元気、緑内障や視野の世界では重鎮です。

テーマは『視野と運転』

 

日本視野学会には「交通と視野委員会」があり、運転免許と視野についても調査研究が行われています。

現在、免許更新には規定の「視力」は必要ですが、視力が適すれば視野異常については触れていません。

しかし診察していると、視力が出ていても視野欠損・視野狭窄の患者さんは多くいます。

 

高齢者の運転が問題になっています。

運転は、認知・判断・操作からなります。

認知の中には視野障害も含まれています。

信号が見にくい・夜間見にくい・雨天に見にくいなどは、加齢に伴い自覚が増えますが、それでも高齢者で自覚しているのは4割と報告されています。

視野異常がある場合も同様で、自覚のない人が多いです。

高齢&視野障害ありは要注意です。

 

視線(眼球運動)のばらつきは、視野の広がりと連動しています。

視線のばらつきが小さいと事故を起こしやすく、大きいと事故を起こしにくいとされています。

視線のばらつきが小さいということは、注意力が低下しているということです。

高齢者では小さくなり、若い人では大きい傾向があります。

DS(ドライビングシュミレーター(模造運転装置))では、年齢が上がるにつれ、視線の水平方向のばらつきが小さくなったと報告されています。

速度によっても、視野の動きは小さくなります(より速度が上がると視野が狭くなる)。

またDS上で緑内障患者さんを対象に検証したところ、交通事故(仮想)の直前の視線の動きは小さくなり、さらに垂直方向の低下が著しいことがわかりました。

上方で信号を見、前方水平上に車や人を見、下方で計器を見ることを絶えず繰り返して運転しているのですが、どこかで少し視線が停留した時に事故が起こっています。

 

注意が向く箇所が多いということは、視線が大きいということ。

 

DSの目的は、自分の運転を模擬体験し、どこにリスクがあるかを自覚してもらうことです。

自身の視野異常を理解し、眼科医の助言の元に、注意して運転することで事故を起こさないようにする。

もしくは、視野異常を理解した上で、運転を止める自己決断をする。

 

DSおよび運転外来は、全国で2施設しかありませんが、私たち眼科医も運転が気になる患者さんには助言をしています。

 

2シーターのマニュアル車を運転していた(若かりし頃)院長も、運転技術の低下・視線のばらつき低下を感じるこの頃。

運転は最低限に。

公共交通機関&ママチャリ大いに活用しています。

 

運転が気になると思う方は、ご相談ください。

 

 

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2024.5.14 初めてのお店

行きつけの美容室とは、20年のお付き合い。

当初はカットと顔そり(理美容師資格有り)だけだったのですが、初カラー(白髪染め)もこのお店でデビュー。

院長よりちょっと年上。

 

『今日はどうしましょう?』

本日の要望を言って、後はお任せ。

 

あまり雑談をしないところも気に入っていました。

 

カラーも定番色。

一度、メッシュのヘアモデルを見せたら『やめた方がいい』

 

シャンプーの時『痒いところないですか?』と毎回聞かれるのは、床屋さんみたいな感じもするけれど、いつも『特にないです』

シャンプーの間、顔そりの間ついウトウト。

『お疲れですもんね~』(院長の仕事は知っている)と放っておいてくれます。

 

安定安心の至福の時間は、髪の伸びに合わせて定期的に。

 

ある日、予約数日前に電話が。

お店から電話があったのは初めて。

どうも体調がすぐれず、2週間ほど休業するとのこと。

既に髪は伸び、切り頃で、しかも今回はショートにしたいと思っていた時でした。

前髪は鬱陶しいと感じているし、2週間は待てないな…

 

美容室はとても多いのですが、いざ行こうとなると迷います。

ネットで検索するも、なかなか行きたいと思うお店に出会えず…

でも、どこかには行かないといけないし…

 

そう言えば、息子が美容室を始めたと言っていたような…

電話をして尋ねます。

『息子も理美容師だから大丈夫。息子に伝えておくわ~』

 

当日、ちょっとドキドキしながら来室。

『母がいつもお世話になっています』

『こちらこそ、いつもお母さんにお世話になっています』

とても穏やかな優しそうなお兄さんです。

 

『今日はどうしましょう?』

『短くしたいです。切った!って感じに』

あまりショートにすると、えら顔の院長はえらが強調されてしまうとの旨。

結果、あごラインのボブにすることに。

『カラーの色は、母から聞いた色でいいですか?』

初対面なので、思い切って

『知人が、髪の一部を赤く染めたのですが、ちょっといいな~と思って…』

『やれますよ、やりましょう!やりましょう!髪をかき上げたときにちらっと見えるくらいなら、そんなに目立ちませんよ』

『お願いします!』

お母さんの時は、この提案は却下されました(保守的です)。

 

髪を切って、内側の一部をブルーで染めてもらいました(まずは目立ちにくい色から)。

シャンプー時は、痒いところは聞かれません。

男性による顔そりは初めてで、最初は緊張していましたが、息子さんということもありすぐにリラックス。

 

さて、出来上がったヘアスタイルは、ブローの効果もあってか、何となく今までよりお洒落な気が。

白髪染めがしっかり入っているため、ブルーの発色はほとんど出ませんでしたが、新しくトライしたことに満足。

『だんだん、髪の中に色が入って来るようになりますからね~』

 

『またお母さんに戻ると思いますが、機会があったら来ます』

周囲からの評判は上々。

 

さて、そろそろ次回の予約を…っと思っていたら、お母さんのお店から電話。

『この前、すみませんでした。息子の店に行ってもらってありがとう。申し訳ないけれど、これから息子の店でお願いできます?』

年齢と体調でそろそろフェードアウトのよう。

 

以来、2回目の来店。

今度は、さらにショートに。

内側の差し色カラーも再チャレンジ。

二人でわくわく。

 

ネットの口コミより確実な方法で、初めてのお店に当たりました。

家族や知り合い、近所の口コミは最強です。

 

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2024.1.16 時間制限

 

 

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2024.5.7  ホルスの目

目は永遠の興味・関心事。

生業としての医学的な勉強はもちろんですが、『目』に関する他の事・ものにも吸い寄せられます。

 

ある日知ったホルスの目。

ハヤブサの頭をしたエジプトの神ホルスの目をシンボル化したものだそう。

美濃焼のとても素敵なホルス神を知っています。

でも違う。

ホルスの目が気になります。

あ~気になる…

 

ピラミッドも一度見てみたい!

 

人生後半、思い切りでエジプト行き決行。

 

カイロ空港からの観光バスには、観光警察官が乗り込んできます。

エジプトは、過去に大きなテロ被害に遭っています。

テロを防ぎ観光客の安全を確保するために、警察官の添乗以外にも、道路・施設・ホテルなど検問続きでした。

警察官は、観光客のガード及びJapanese welcom(どのエジプト人も)で写真撮影までしてくれるサービスまで。

エジプトの観光に力を入れている様子がよくわかりました。

 

しかし観光バスの車窓から見るに、道路事情はハチャメチャという表現がぴったり。

ガイドさんが、『日本人は道路を渡ってはいけない』と注意したこともすぐ理解出来ました。

車線はあるのかないのか、3列4列無造作に走っている車は、隙があれば別車線(線は見えないが)に入り込みます。

その度にクラクション。

鳴らした者勝ちのようです。

走っている車は、みんな傷だらけ。

乗り合いバスは、扉を開けたまま走っています。

同じ道路に、バイクも馬車も自転車も走っています。

所によっては駱駝も!

その隙間を人が平気で渡っていきます。

自分から車に近づいて止まらせているようにも見えます。

信号や横断歩道は見当たりません。

交通ルールに慣れている日本人としてはヒヤヒヤ。

日本での一生分以上のクラクションをエジプト滞在中に浴びた院長でした。

 

喫煙率も約90%とのこと。

ストレス解消とはいえ、現在の日本ではその理屈は通らなくなっています(弊害を知っている)。

しかも、タバコ(ゴミも)のポイ捨ても目立ちます。

観光客のため・テロ対策のため警察官の配置はすごく多いのですが、インフラ整備も早急に…などと某異邦人の感想。

 

ピラミッドはもちろん一見の価値あり。

博物館のツタンカーメンのマスクなども素晴らしい!

人だけでなく哺乳類から爬虫類まで様々なミイラも。

想像をはるかに超える建築から科学(医学?)まで幅広い知識技術がどのように結集されたのか?

これを研究するのが考古学なのでしょうか?

考古学専攻のガイドさんの説明を一生懸命聞きながら、未だに謎も多くあることも知るのでした。

 

さて、探しに来たのはホルスの目。

エジプトでは、ホルスの目は『あなたのことを見ているよ』というお守りだそう。

古代エジプトで使用されたパピルスと同様の材料手法で作られたパピルス紙に描かれたホルスの目。

惹かれたのは、鮮やかなブルーと金で書かれた目。

しかも、結膜(白目)はほんのり充血しているように、血管に色が塗られています。

クリニックのお守りとしてはぴったり。

象形文字で『GANKA HASEGAWAKO』と入れてくれました。

(実際にはGANKAHASE GAWAKOになっていました。レイアウトを考えてのことらしい…)

 

患者さんの眼病平癒と院長の眼科医の腕が上がりますように。

エジプトまで行って神頼みです。

 

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カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2024.4.23 学会と祈願

新型コロナ以来、学会は現地参加とオンデマンド。

春の日本眼科学会総会と秋の日本臨床眼科学会では、更にライブ視聴も。

 

さて、今年の眼科学会総会。

印象的な事柄をいくつか(アウトプット)

 

以前は、近視は成人になれば進行しないと言われていました。

しかし、強度近視は生涯にわたり進行することが分かってきました。

裸眼視力回復のためにICL(眼内コンタクトレンズ)をしても進行することが報告されています。

 

近視は、眼鏡で矯正すればよいというものではなく、進行により近視性黄斑症(物を見る中心が悪くなる)、緑内障、網膜剥離そして視覚障害の要因となります。

近年、日本人は強度近視が増加しています。

 

そのために、こどもの健やかな目の成長をサポートする目的で、日本眼科医会では6月10日を『子供の目の日』と制定。

6歳までに視力1.0(矯正でもOK)を目指します。

弱視の早期発見・治療や低年齢化する近視発症の予防・啓発は、眼科医・眼科学校医(院長も地元4校担当)のミッションです。

 

若年のスマホ斜視も話題ですが、高齢者の斜視も増えています。

主なものは、サギングアイ症候群です。

コラーゲン組織で出来ている眼球を支える靱帯が、加齢により弱くなり、眼球をしっかり支えられないために眼球の位置がずれ斜視が起こります。

成人斜視の原因の1位で、年齢とともに増加します。

手術を選択したほうがよい場合もあります。

 

などなど。

後日オンデマンドでも視聴する予定です。

 

今回会場は東京。

目と鼻の先(ほどではないが)、今まで何で知らなかった?という目の神様へ。

後楽園駅で降り、少し住宅街のようなところを歩くと…

源覚寺、通称こんにゃく閻魔です。

門の石柱には、赤字で『こんにゃくゑんま』

こじんまりした境内です。

参拝客一人のみ。

 

お参りする先には、怖そうな閻魔様が。

右眼は開いておらず(盲目)、左眼をかっと見開いてこちらを見ておられます。

 

目の神様(閻魔様)の由来は…

宝暦(1751~1764)頃、眼病を患う老婆が、好物のこんにゃくを絶って一心に祈願した。

夢の中に大王が現れ『満願成就の暁には、両目のひとつを差し上げよう』と。

願掛け満願成就、老婆の目は治り、以来大王の右眼は盲目になった。

老婆は感謝のしるしとして、好物のこんにゃくを絶ち供え続けたとのこと。

 

お供えのこんにゃくが山積みされています。

こんにゃくを持ってこればよかった…(名古屋から?)

いつものように祈願。

 

敷地には普通のお墓に加えて樹木葬も。

都会らしいというか…

 

こんにゃく閻魔様は、夏目漱石の『こころ』にも登場します。

何十年ぶりかに再読。

こんにゃく閻魔は、ほんの一文の登場でしたが、再読して思うところ多し。

先生(登場人物)は、随分若かったのね~

人生序章の自分が読んだ『こころ』と人生折り返した自分が読んだ『こころ』

ストーリーにも登場人物への思いにもずいぶん変化が。

自身の人生の分、考えながら読むことが出来ました。

名作が時を経て愛読されていく理由を再確認。

再読の機会を与えてくれたこんにゃく閻魔様のお陰です。

 

いつもお守りをいただくのですが、今回はインパクト抜群の絵馬を。

『最近は、その場で書かずに持って帰る人も多いですよ』

その言葉に安心して?持ち帰ります。

 

最新の学会に参加し、古の老婆(自身もその時代なら老婆です)のように祈願する院長です。

 

*4月30日公センセの部屋はお休みです。

 

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2024.4.16 見つけてくれて

お花見日和。

自家産生乳を使用したアイスは農業センター名物ですが、リニューアルと行楽日が重なり長蛇の列。

せっかく久しぶりに来たのだからと並びます。

親子連れ、三代ファミリー、カップルなどなど。

 

子供たちが小さい時はよく来たものです。

お弁当やおやつをもってピクニック気分で。

歩いて遠足気分で。

 

大きなガラス瓶の大好きな蜂蜜を手に持って帰ると言った次男。

園外に出た途端落下。

当然、瓶は割れ、蜂蜜は地面に溢出。

あの時、かなり叱った母(院長)の胸は痛い…(本人は忘れていた)

 

ツバメの雛が落下し、センターの獣医さんのところに連れて行ってと懇願。

雛は助からず大泣きした長男は、昨年(とっくに成人になっている)も落下雛を介抱し成鳥にさせました。

 

大きくなっても『アイス食べに行かない?』と言うと付き合ってくれた三男。

お気に入りの三男&アイスの写真が何枚か(親バカ)。

色々農業センターとの関わりが思い出されます。

 

回想だけでは、アイス売り場まで時間が持ちません。

約40分待ってやっとゲット。

ミルク味は毎度、苺をプラス。

 

牛を見ながら食べようか…鶏舎に行こうか…

どこかから『こうちゃん!こうちゃん!』

ん?現在『こうちゃん』と呼ぶ人はそんなに居ません。

誰?きょろきょろ。

『は~い!こうちゃん!』

『Cさん!?』

『さっきからずっと呼んでたんだけど…』

『わ~!すごくお久しぶり!お元気でした?』

Cさんは大学の先輩。

『ゆっくり話したいね~』

『そうですね~(早速スマホを確認)、〇月〇日いかがですか?』

『待って(確認)。OK。いいよ~』

『では〇日〇時に○○で。詳細はまた連絡します』

お互い連れがあったので、再会を約束してお別れ。

こんな偶然、ある?

 

 

〇月〇日Cさんと再会。

大学生の頃は密度の高い付き合いでも、就職や結婚・子育てに入りだんだん疎遠に。

最後に会って話したのは、英語論文の誤字脱字を確認してもらった日、お昼のテレビで大惨事が流れたので日付まで鮮明です。

思い出話から始まり近況までをダイジェストに。

 

下宿でハーシーのkissチョコ(田舎者には珍しかった)にびっくりした話。

『そうだったかな~』Cさん。

『アパートにケーキ持ってきてその場で生クリーム泡立てて飾ってくれたの、覚えてる。嬉しかった』

『そうでした~?』私。

確かに、若い頃はお菓子作りにはまっていました。

自身の結婚式も手製のウエディングケーキを持ち込んだし(今なら絶対しないけど)。

そんなお互いの記憶違い、もしくはどちらかが忘れているエピソードがいくつか。

自分は記憶力が良い方だと思っていましたが、結構、記憶とは曖昧なもの。

でも相手の良い記憶としてのエピソードを聞くことは、とても幸福感に満たされ、さらに自分の記憶に上書きされます。

 

成人した子供たち・老親の現況にくると、随分月日が経ったことに気づかされます。

少し落ち着いた今だからこそ、見つけて声を掛けてくれたのかな~

そしてすぐランチ成立したのかな~

 

随分な大人(院長)になって、若い時のように、何でも誰かに話す・話したいということはなくなりました。

話す内容。誰に話すか。何のために話すか。そして話すタイミングや間隔。

 

あの頃は、何も考えずに、相談したり聞き役になったり。

Cさんとの縁が切れずに繋がってはいたものの、再会するきっかけは、Cさんが『見つけて声かけてくれてありがとう』です。

Cさん元々視力良いしね~

 

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2023.8.1 おかげさまで26周年

 

カテゴリー:公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事

2024.3.26 エコバッグあれこれ

地球環境に優しく!

SDGsが叫ばれる昨今、院長は我が家の誰よりも意識しているつもり。

エコバッグ然り。

 

なのに、エコバッグにまつわるアクシデントも。

 

産業医の仕事帰り、デパ地下の総菜売り場で夕飯を買った時のこと。

夕方で混んでいたので、あたふたとお弁当を受け取ってエコバッグに入れ、財布もついエコバッグに入れたらしく…

家に帰ってから財布がないことに気づき真っ青。

落とした場所は、あの総菜売り場しかない…

半ばあきらめつつ問い合わせてみると…幸いなことに、後ろのお客さんが気付いて届けてくださったとのこと。

取りに行く以外に用もない(返却が用ではあるが)のに再びデパートへ。

レジ袋お値段以上の運賃と時間の出費。

 

先日は、地下鉄を降り所用に向かう途中、ハンドバッグしか持っていないことに気づき、戻って駅長室へ。

エコバッグも乗車時は持っていたはず。

電車は車庫に行ってしまい確認には時間がかかるとのことで、所用と買い物を済ませることに。

古い物なら問い合わせしなかったのですが、『わざわざ買った新品』のエコバッグ。

未使用で失くすのは…

その日は、買い物をする度に、数円から20円のレジ袋や紙袋を買うことになりました。

ただし、その場合、きちんとサイズに合うものを選んで入れてもらえるので、総菜が傾かないか?飛び出ないか?などの心配は不要。

お弁当を買う時に限って、底の広いエコバッグを携帯していないことは結構あります。

帰りに、再び駅で尋ねると、該当バッグは見つかったけれど、終点駅に取り置いてあるそう。

取りに行く以外に用もない(返却が用ではあるが)のに地下鉄終点駅まで。

レジ袋お値段以上の運賃と時間の出費、再び。

 

帰宅して、我が家(というか個人の)エコバッグを数えてみました。

レジ袋廃止・エコバッグ推奨により買ったもの・もらったものを数えてみると17個!

レジカゴサイズバッグ2

ナイロン製の丈夫なバッグ3

保冷付きのバッグ3

コットントートバッグ5

お弁当などに対応の底広バッグ1

小さく丸められるバッグ3

どんだけ~!?

 

エコバッグ推進当初は、エコバッグ特集などがあり、おしゃれ!実用的!限定!のフレーズにやられた院長(だけでないはず)。

普通のレジ袋だと何とも思わないのに、エコバッグだとセンスが見え隠れするように(持ち主の嗜好とか)。

捨て時も難しく、飽きてきても使い続けたり、もったいなくて新品が使えなかったり…

小さく畳められても、ハンドバッグの中ではかさばります。

しかも、レジ袋廃止のため、個室のゴミ箱にかけるビニール袋を買うことも。

 

なんだかな~

 

独立した息子たち3人に聞いてみると

スーパーはエコバッグかスーパーレジ袋使いまわし(2:1)。

コンビニなど出先では、袋を有料で買うか手に持てるだけしか買わない(2:1)。

 

レジ袋より見栄えが良いエコバッグですが、何回使えば元が取れるのか?

それより、そもそも全部使いきれないような大量のエコバッグを持っている状況は環境に優しいの?

 

自身のエコバッグは黒系の内生地が多いので、入れる物によっては中を確認しにくいです。

しかも加齢に伴いコントラスト感度は低下します(院長大いに自覚)。

 

レジ袋の使いまわしが一番エコに思えてきました。

ものを持たないように気を付けているつもりでしたが、エコバッグお大尽(だいじん)の自分にびっくり。

 

エコバッグも断捨離?それこそエコに反している?

自問自答する院長です。

 

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2020.9.29 色・明るさと交通事故

 

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2024.3.19   念ずれば見える!?

伝統工芸品が気になる院長です。

子どもが社会科で習い、たまたま伝統工芸品の展示会に出かけときのこと。

『塗りは一生もの』その言葉と、干支の絵と名前を描いてもらえると聞き、思い切って家族分のお椀を揃えました。

子育て中は毎朝使用していましたが、食洗機導入でいつの間にかお蔵入りに。

数年前、ふと思い出して取り出してみると、随分使用したせいか、塗りは剝げ絵文字も薄れています。

『塗りは一生もの』の言葉は思い出しましたが、何塗りなのかは思い出せません。

アナログ人間の院長は、早速漆器に関する本を購入しました。

全国各地には、様々な漆塗りの産地があり、それぞれ特徴があります。

思わぬことで購入した本ですが、漆器についての知識が深まりました(これをきっかけに漆器巡りの旅が始まります)。

本にある漆器の特徴と、目の前のお椀と、自身の記憶と…あたりを付けて、数か所の漆器組合に問い合わせてみました。

 

待つこと数週間。

なんと、そのうちの一か所が該当漆器を扱っていたと判明。

正解が見つかり嬉しさもひとしお。

ただし、塗り直しは新品とほぼ同様の価格になるとのこと。

新品を注文しました。

しかも絵文字を描いた職人さんはまだ現役で、もう一度描いてもらえるとのこと。

 

ピカピカの艶のあるお椀が届きました。

食洗機に慣れてしまっていますが、このお椀は手洗いし大切に使っています。

丁寧に扱う…やっとその余裕も出てきました。

 

さて漆器は、蒔絵や沈金・螺鈿という加飾があると更に値打ちが上がります。

先日、デパートでの伝統工芸展。

いつものように、漆器をメインに見て回ります。

一角に某地方の蒔絵展示が。

棗(なつめ)や文箱など、およそ自分には縁がない物ばかり。

繊細な品だけにため息がつくようなお値段。

『ゆっくり見ていってください』とご主人。

お客が一人なのもあって、ショーケースから色々取り出して見せてくださいます。

ふたの裏には、更に素晴らしい蒔絵が。

作品の説明を聞きながらも、お見受けするにかなりの御高齢。

『失礼ですが、おいくつですか?』

『来年90歳です』

この道70年の軌跡を話してくださいます。

 

50歳頃、左眼の眼底出血を起こし、更に右眼も眼底出血を起こしたそう。

『見えなくなってしまって。先生にもレーザーするけど、だめかもしれんて言われて。でも、廃業するのはどうしても出来んと思って、見えないけれど毎日描いていた。

他のものは見えないのに、不思議と蒔絵を描くときはだんだんと見えるようになって。お陰様で、こうして続けさせてもらっています』

 

眼底出血は網膜の血管が切れて起こります。

恐らく左の網膜静脈分枝閉塞症(網膜の太い静脈の一部が切れる)により、黄斑(物を見る中心)は浮腫(むくみ)が起こったと考えられます。

40年くらい前の治療はレーザーが主流(今は硝子体注射)でした。

網膜分枝閉塞症は一般には片眼発症なので、両眼は稀。

恐らく両眼とも黄斑浮腫が上手く引いて視力が回復したと思われます。

 

蒔絵の話から、なぜか目の話になってしまいました。

 

信念が病気を治す一助になる事はあります。

(科学者(医師)でありながら、目の神様を拝む院長)

 

『あんたもまだまだ若いから頑張りなさいね』

棗や文箱には手が届かないので、小さなスプーンをひとつ購入。

先っぽに手書きで熊さんが描いてあります。

 

その後、あちこちで漆器の作品を見る中で、あのご主人の作品がよく陳列されていることに気づきました。

実はとてもご高名。

 

くまさんスプーンも大切に使います。

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2024.3.12  ガクチカにも!?

今年もフロアーバレー大会がやってきました。

名古屋ウイメンズマラソンと同日。

会場の愛知県体育館への沿道は、応援の人で賑わっていました。

院長も、かつてその沿道を走った一人。

名古屋城から北に向かっては30キロ地点を通過するので、足が重くなりやすい。

緩やかな勾配なのにきつく感じます。

そんなランナーだった頃を思い出しつつ、体育館内へ。

 

第30回全日本選抜フロアバレーボール愛知大会 ANGEL CUP2024が正式名称。

大会目的:

・全国を代表する強豪チームと各地域を代表するチームが理想的な会場で集う

・真の王者を決定すると同時に視覚障害者の体力の向上と自立・高いQOLの実現を目指す

・各地域のレベルアップと交流

・審判員指導者の育成を図る

 

『なんかすごいですね~』

応援に来てくれた当院スタッフ。

 

フロアバレーは6人制バレーです。

前衛はアイシェード(目隠し)をして臨みます。

健常者も視覚障害者も同条件となります。

一般のバレーボールみたいに、前衛はネット際を守り攻めます。

見えないので、バラバラに動くことはなく、後衛の指示により動きます。

守りの時は、後衛からの声掛けの元、一斉に動きます。

 

後衛は、視覚障害等級の軽い人や晴眼者が担当します。

遠くからのボールのトスやアタック、前衛の動きへの指示など、的確な動きと指示が求められます。

 

当クラブではメンバー10名のうち、前衛担当5名・後衛担当5名です。

 

試合はほぼ(というのは院長も勉強不足で正確に理解していません)一般のバレーに準じていますが、ネットの下でボールのやり取りをします。。

ネットタッチとか、ボールダブルタッチとか、ボールに触っている時間とか、審判員はしっかり見ています。

院長はチームドクターの権限?で試合を間近で見ながら応援するのみです。

(応援に来てくれたスタッフたちは観客席で)

 

キャプテンAさんの力強いボールは健在。

マネージャーBさんがムードメーカーです。

健常者メンズも頑張っています。

昨年からスタメンに昇格した兄弟も、昨年よりずっと動きがよくなっています。

新メンバーのCさんが、50代とは思えないフットワークで動き、前衛の彼らに指示を出しています。

Cさんは名古屋に転居でチーム入り。

小学生の頃からフロアバレーに親しんでいたそうで、その道何十年のベテラン。

視覚障害は軽度ですが、バレーの動きに障害を感じさせません。

それでも病気や日常の不自由さについて話してくれました。

 

晴眼者以外は全員が何らかの目の病気を持っています。

病気の病態は、眼科医である院長はしっかり頭に入っているつもりです。

しかし、当事者の見え方(の変動)や感じ方(痛みなど)は、話を聞いてみて初めて知るところとなります。

病気が一種類だけでなく、複数の病気(角膜・網膜・視神経などなど)を合併している場合もあります。

当事者の話を聞くことが、眼科医として大変勉強になります。

 

試合は接戦でしたが、今回は良い結果とはなりませんでした。

それでもGOOD JOB! です。

 

来年に向かってもう練習計画が出ています。

 

晴眼者のメンバーには大学生もいます。

ガクチカ(学生時代に力をいれたこと)になること請け合いです。

興味ある方歓迎です。

チームドクターより広報の院長です。

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カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2024.2.27 me散歩

小さなクリニック(当院)は、患者さんの小さなことに耳を貸しお手伝いするのがウリです。

ロービジョン然り。

まず日常でどんなことが困っているか、どんなことが一番したいかによって、眼鏡を処方したり、遮光レンズを入れたり。

拡大鏡選びのアドバイス(LEDライト付きルーペが好評です。当院取り扱いあり)をするだけでも、ぐっと生活がしやすくなります。

読みたいところがはっきりわかるタイポスコープを作って差し上げたり、お役立ちアプリを教えたり。

大病院と違い、『プチ(小さな)ロービジョン』です。

回復を望めない病気では、小さなケアもQOLのお役に立てれば…の一心。

神様にはかないませんが…

 

さて先日、ある小説を読んでいたら、目の神様が出てきました。

散歩好きで健啖家で女性とのコミュニケーション大好きな90歳に近い高齢男性が主人公。

妻と3人の息子との日常・散歩での出来事を綴った小説です。

その中に『新井薬師』が登場しました。

新井薬師は目の神様としても有名です。

目の神様巡りを趣味とする院長は、その場面に食いつき。

新井薬師はお話の流れで出てくるのですが、目に留まったからには俄然行きたくなりました。

 

毎月第1日曜日は境内で骨董市をやっています。

この日に合わせていきたいものの、なかなか都合がつきません。

そもそも骨董品をしっかり見たことがない院長。

小説の中でも、主人公は骨董市店じまいの時間に出かけています。

小説では、古伊万里の角皿が12万円と出ており、素人には怖そうな値段(価値があっても)…

行けるときに行こう。

 

新井薬師は東京中野区にあります。

自分も小説のように散歩の一環としていきたいのですが、何せ東京。

新幹線と山手線と西武を乗り継いでいきます。

 

新井薬師の目の神様の由来とは…

寛永六年(1629年)徳川二代将軍秀忠公の第五女和子の方が、悪質な眼病にかかられた。

父君秀忠が大いに憂慮して、名医、名薬、祈祷八方手を尽くしたが効果がなく、万策つきた時、本尊の霊験を聞き、人を遣して当御本尊に祈願せしめた。

 

すると、難病も全く快癒したので、大いに悦び、多くの御礼を賜り物として寄贈された。

このことは、たちまち天下に広まり、江戸はもとより、全国各地から参詣者が訪れるようになった。

 

『新井薬師前』駅は普通列車しか停車しない小さな駅。

それでも、駅員さんに新井薬師への道順を聞きます。

知らない場所ではグーグルも起動しますが、人に尋ねる方が信頼性が高いと思うアナログ人間です。

『出たら左に曲がって、まっすぐ行くと5叉路に出るので、1時の方向に進んだら右にあります』

1時方向という指示が新鮮(眼科ではロービジョンケアで使いますが)。

駅前も小さな商店街で、シャッターが閉まっている店も多数。

言われたとおりに道を歩いて行くと、ありました。

こじんまりとした人影少ない境内ですが、骨董市の日は賑わうのでしょう。

お祓いを受けている人々も。

どんな・誰の眼病治癒願い?

 

いつもながら、患者さんの眼病治癒と、眼科医としての診療技術の向上を祈願。

他力本願・神頼みも少しならいいよね~(眼科医としての研鑽は当然)

今回も、お守りをいただいてきました。

意外と拝観はあっさりの院長ですが、目の神様にたどり着いた感慨はひとしお(いつも)。

これからは目の神様巡りを‘me(目)散歩‘としよう!

迷医ゆえの満足かもしれませんが、患者さんにご利益がありますように。

 

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2024.2.20 ヒヤリハット知ってる?

昨年、お礼の品に釣られて遠く離れた町にふるさと納税をした院長。

息子たちが帰省するから、量あったほうがいいよね~と思い、牛肉のお得感に惹かれて決済。

 

冷凍便で届きます。

開けてみるとパックの牛肉切り落としが3個。

確かに量はあります。

あれ?

箱の内側に茶色の物体。

えっ!?何?

何十年前なら『キャー!!』と叫び声をあげていた院長。

ですが、もう肝も据わっているお年頃。

何?と、凝視すると…蜘蛛が平たく凍っていました。

体長1.1mm。

普段見るのはもっと小さい蜘蛛なので、初見です。

とりあえず状況証拠の写真を。

 

翌日、写真を添付してメールを送りました。

同様の一件が起こらないように、原因と今後の対策を明記して知らせてほしい旨。

最後に、該当自治体の発展を期待する言葉を添えて。

 

同日、業者から電話がかかってきました。

『すみませんでした。返品と返金とどちらがご希望ですか?』

『…どちらも結構です。今回は、ふるさと納税なので返礼品をもらわないといけない義理もないですし(と言いつつ、当初返礼品目当てだったのですが)。

ただし、自治体のメールにも書いたように、原因と今後の対応をしっかりして報告してください。食品衛生上、良くないと思いますよ』

 

しばらくして、再び業者から電話。

『肉の注文(梱包?)が来る前に、暇なときに箱を組み立てているので、その部屋に蜘蛛が入ったのかもしれません』

『開けっ放しなんですか?』

『はい…』

『虫や蜘蛛が直接肉のパックに入らなくても、段ボールに入ったら大変なことなんですよ』

『はい…』

『今後どうすることになりましたか?』

『ん…窓を閉めることと、あまりたくさん箱を組み立てておかないようにします』

相手は声からして20代の女性。

顔が見えないからこそ、電話は尚更誠実さを伝えないといけないのに、上からの指示で電話した…と言う印象。

報告書が欲しい…と言いたかったけれど、その気も失せた院長でした。

今回の梱包内の異物混入は、この業者の誰まで(上司)が知って対応しているのか…

ヒヤリハットって言葉、知ってる?

再発防止のために連絡したのに残念な対応でした。

業者のためと思って連絡したことは、自己満足だったのかも。

 

当院でも大事に至らなくてもヒヤリハットは起こります。

患者さんに指摘されて気づくこともあります(順番など)。

当事者スタッフは院長含め全員に報告。

それから対処法も考え共有します。

院長は『患者様対応係長』として、対応・謝罪もします。

 

医療安全委員会の外部・内部の講習会にも、院長スタッフとも参加しています。

 

ふるさと納税は、自治体に寄付し役立ててもらうのが本来の趣旨。

そのまま全部自治体に寄付するつもりで、返礼も返金もいらないと言ったけれど…

今回寄付したお金が全て自治体に納付されるわけではなく、業者のお礼提供品には支払われるでしょう。

寄付金の一部がお礼の品に使われて、地場産業が潤う。

良いことのように思われますが、今回の一件(ちょっと残念な結果)を思うと複雑な気持ちの院長。

また応援したくなるようにするのも地場産業では?

ピンチはチャンス!なのに。

 

 

 

 

 

 

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