2026.6.23  ライトハウス訪問

ライトハウスに行ってきました。

院長2度目の見学説明会。

初参加の視能訓練士も一緒に受講。

 

通称『ライトハウス』は、名古屋ライトハウス情報文化センターの略です。

視覚障害者情報提供施設(社会福祉法人)です。

見ることに不便さがある人=(ロービジョン+全盲)の人たちが、日々の生活をよりよく送るための情報や手助けを提供しています。

 

まずは大きく5つに分けてそれぞれ説明を受けました。

1,視覚障害者用ポータブルレコーダー(デイジー図書再生機)

デイジーは以前見学した時(15年以上前)も既にありました。

しかし、今回はWiFi接続でネット図書館から自分の読みたい本を探し、拡大文字や音声で読み上げる機能や、印刷物をスキャンし音声で読み上げる機能などが装備。

時代の流れと進歩を感じました。

 

2.白杖

白杖の役割は、情報収集(段差や障害物感知)

安全確保(杖は自分の少し前に突くので人との接触防止になる)

シンボル(自分が視覚障害者であることが一目でわかり、配慮や注意喚起を促す)があります。

通常の1本タイプのほか、折り畳み式もあります。

また、高齢者用に普通の体を支える杖ですが白く塗ってある白杖もあります。(←シンボルとしてのみの効用)

スポーティでクールなデザインの白杖も、ミズノ(スポーツメーカー)から発売されています。

 

3.パソコン音声ソフト

パソコンに画面読み上げ音声ソフトを組み込むと、Word,Exelを始めあらゆることが、晴眼者(目の見える人)と同様に出来ます。

視力が低下しロービジョンになっても、最近は障害者枠での雇用形態も整備されていますし、就労をあきらめる必要はありません。

 

4.拡大読書器

テレビ画面のモニターにカメラで映ったものを映しだす機能です。

自分の病状に合わせ、拡大率を変えたり、白黒反転(ロービジョンになると背景黒に白文字が読みやすい)、コントラストの上下などができます。

拡大読書器は以前からありましたが、精度の上昇・簡便さ・携帯型の開発など、こちらも時代の変化を感じました。

 

5.生活便利グッズ

音声で時刻を教えてくれる時計、体重計、体温計など。

腕時計は、音声のものと、蓋を開けて針に触り針の位置で時間を確認するタイプとあります。

計量カップは、内側に段差があり、液体の中に指を入れてその段差の場所で量を確認する仕組みでした。

 

そのほかに、歩行訓練もしています。

点字出版(名古屋市広報も点字様式にすると分冊3冊計5センチの厚さに!)や点字図書・音声図書の貸し出しもしています。

 

毎日目の病気を診ている院長。

視力が低下していくこと、視野が狭くなっていくことはとてもつらいこと。

少しでも進行を抑えられるよう、一緒に治療に臨むのですが、眼科治療も時に限界があります。

視覚障害者用補装具適合判定医師の認定・障がい者スポーツ医の資格ありの院長。

華々しい活躍(パラリンピックの選手クラス分けなど)はしていませんが…

次につなげる情報を渡せるように、エールを送れるようにとの努力はしているつもり。

『見えにくくなっても、何もできなくなるわけではない。よりよく生活できる術はあるし、同じ仲間の会もあります』

 

帰りに偶然寄ったインド・ネパールレストラン。

話しかけたい熱、再燃。

お店の主人(ネパール人)と会話。

ふむふむ…なるほど…と盛り上がり。

ライトハウスとカレーハウス、どちらも有意義な時間でした。

 

ライトハウスは、晴眼者のボランティアも募集しています。

ぜひ!

指先で針を触り時間を確認

 

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2021.8.31  パラを見る

東京2020パラリンピックが開催されています。

オリンピックはニュースで結果を知ったくらいでしたが、パラリンピックのいくつかは、中継で見ました。

『障がい者スポーツ医』としてはぜひ見なければ!

『障がい者スポーツ医』とは、障害がある人たちがスポーツを生活に取り入れ実践していくためのスポーツ指導者です。

日々の健康増進のためのスポーツから、競技としてのスポーツまで指導内容は多岐にわたります。

専門科目は多岐にわたるので、恐らく、各々自身の専門科を活かしたスポーツに関与することが多いと思います。

院長は眼科医なので、視覚障がい者スポーツに特に興味があります。

 

視覚障がい者の種目としては

ゴールボール

5人制サッカー

陸上

水泳

柔道

自転車(二人乗りで前に晴眼者、後ろに視覚障害者)

 

視覚障がい者と言っても、その程度は様々です。

視力の程度(全盲~0.1)や視野の程度によってクラス分けがなされます。

クラス分けをするのは、障がい者スポーツ医の中でもパラリンピック級の選手のレベルを判定できる上級の医師たちです。

障がいの部位(視覚や身体、知的)などにより、各種目ともクラス分けがなされています。

個々の障害が競技に及ぼす影響を出来るだけ小さくし、平等に競い合うために必要な制度です。

 

さて、一番気になっていたのは、ゴールボール。

ゴールボールは、視覚障がい者だけが対象で、交互に投球して相手のゴールを狙い、得点を競うスポーツです。

 

院長は、2回、ゴールボール実践体験があり、少し身近に。

まず、視覚障害の程度による不公平をなくすために、アイシェード(真っ黒なゴーグル)をします。

これで、まったく見えなくなります。

選手3人が横並びに位置するのですが、相手がどこにいるか見当がつきません。

鉛の鈴が入っている重さ1.25キロのボールを相手のゴールにシュートします。

ボールがガードされれば得点にならず。

ガードをくぐり、狙い通りにゴールに入ると得点が取られます。

暗闇の中で歩く、ボールを投げる(というより重いので転がす)…

音のするボールが向かってくるのはわかっても、正しい方向は?ガードするためにどの位置に向かっていけばよい?足取りも及び腰…

わずかな体験なのに、ぐったりの院長でした。

 

さて、実際の試合をテレビで見てみると…

投球の時点で、まったく違います。

体験の時は、選手はもう少しゆっくり投球していたと記憶していますが、勝負をかけた本番は全然違います。

ぐるっと回転させソフトボール投げ+砲丸投げも混じっているような投げ方(院長表現下手)で、すごい速さでバウンドして相手のゴールに飛んでいきます。

スピンの効いた時速60キロ程度ともいわれる重いボールをガードできるのは、圧巻です。

聴覚と触覚を研ぎ澄ますことで、ボールの軌跡や他選手の動きが分かるのでしょうか。

 

他の競技も見ましたが、障がいを克服して何かを成し遂げるのは大変なことです。

日常生活でさえハンディがあるのに、ましてやパラリンピックに出場など想像を絶するものがあります。

障がいを克服(残存機能・他機能を生かす・代替する、補装具を使う)して、健常人でさえ成し遂げられないスポーツの頂点に立ったパラアスリート。

 

パラリンピックを詳しく知り、大きな興味と知識を持って観戦できたことは、障害者スポーツ医として最初のステップ。

今後は、地域の障がい者スポーツの普及・指導に関わっていきたいです。

 

※関連記事もお読みください

→2020.3.3 障がい者スポーツ医

カテゴリー:健康 公センセの想い 眼に関すること

2020.3.3 障がい者スポーツ医

今年はオリンピックの年です。

そして…パラリンピックの年!

障害を持っても、尚、各種スポーツで頂点を目指すスポーツマンの祭典です。

 

『健康スポーツ医』

『視覚障がい者用補装具適合判定医』を持つ院長。

この流れから、次なるものは…と、『障がい者スポーツ医』の資格取得の講習会を受けてきました。

 

『障がい者スポーツ医』は、障がい者のスポーツ・レクリエーション活動に必要な医学的管理・指導・支援する立場にあります。

パラリンピック競技チームの帯同に必要な資格でもあります。

また、全国障がい者スポーツ大会の帯同も。

 

『障がい者スポーツ』と言っても、障がいの部位によって特性も大きく違います。

 

全国障がい者スポーツ大会では…

身体障がい・知的障がい・精神障がいに大きく区分されています。

さらに、身体障がいは、肢体不自由・視覚障がい・聴覚障がい・内部障がい(呼吸器・心臓・消化器・腎臓など内科系)に区分されています。

各障がいごとに、その原因や病態・スポーツをするにあたっての医学的特性や留意すべき点などを、学びました。

自分の専門科目については、かなり熟知していますが、それでもスポーツ指導となると大変難しい…

専門外の科目については、はるか昔の学生時代の上書き保存。

連日ハードなカリキュラムでしたが、非常に新鮮でした。

 

『ゴールボール』と『車椅子バスケ』の体験実習もありました。

 

『ゴールボール』は視覚障がい者のスポーツです。

アイシェード(目隠しのゴーグル)をして、音の出るボールを転がし、ゴールを狙います。

1チーム3名制です。

指導してくれる選手たちの自己紹介では、『生まれつき見えなくて…』『〇歳くらいで見えなくなって…今は、視野がこんな感じです』など多様な症状。

話を聞いて、きっとこの病気なのだ…と推測できるのは眼科医ならでは。

ゴールボールは、昨年の眼科学会での体験があるので、要領はわかるものの、真っ暗の世界は不安でいっぱい。

相手への声掛け、自分がどう行動するかなど、声での意思疎通のみになります。

 

『車椅子バスケ』は、その名の通り、車椅子でプレイするバスケです。

通常の車椅子ではなく、バスケ用の特注です。

ハの字に車輪が傾き、非常に軽量、スピードも出ます。

ぶつかってもガードがあるので安全です。

まず車椅子で自由自在に動く練習をします。

いかに腕で上手く漕ぐかが、速さの秘訣です。

 

にわかチーム(受講医師たち)に2名の選手が加わり、いきなり対戦。

選手たちのスピードの速いこと、速いこと。

もたついているその他大勢は置いて行かれ、早々とボールをドリブルしてゴール下へ。

受講生たちにボールをパス、シュートするチャンスをくれるのですが、車椅子からゴールにシュートするのは、困難極まります。

チャンスは与えられても、ちっとも届かない…

車椅子バスケは、脊髄損傷の人が多いので、下肢に力が入らす、上肢・腕の力が必要になります。

女子だと、ゴールシュートできるまでに1年くらいかかるそうです。

肢体不自由になって、初めてバスケを始めた人がほとんどだと聞き、驚きでした。

 

パラリンピック開催の目的は

『できない』ことに着目するのではなく『どうすればできるか』の視点に立って創意工夫すれば可能性が広がることを気づかせ、社会を変えること。

 

車椅子陸上競技選手のハインツ・フライ選手の言葉

『健常者はスポーツをした方がよい。障害者はスポーツをしなくてはならない』

 

リオ2016 パラリンピック 『Yes,I can』

YouTubeで検索してください。

きっと世界が広がります。

 

こうした小さなことから『障がい者スポーツ医』として働きかけていきます。

 

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