2020.12.1 女医なんですけど…

糖尿病の3大合併症は、『神経』『眼』『腎臓』の障害です。

眼科医は、糖尿病の患者さんに眼合併症が出ていないか、出たらどうするかを考えながら診療をしています。

『HbA1C(ヘモグロビンAワンC)はいくつでした?』(糖尿病のコントロールの指標になる値です)

毎回、尋ねます。

即答する人、血液検査の結果や糖尿病手帳を提示する人、『まあまあだね~』『いいんじゃない』『忘れた』『最近採血していない』など色々です。

眼の合併症では、一番は、網膜出血です。

点状の小さな出血が数個から多数に。

白い点状の斑点が数個から多数に、ベターっとしたものに。

悪い血管が生えてきて、破れて出血を繰り返したり、前方にも出血したり…

軽症の場合は、糖尿病のコントロールをしながら、経過観察です。

進行すると、レーザーで網膜を焼いたり、目の中に注射をしたり、大掛かりな手術をすることになります。

重症化すると、悪い血管が茶目にも生えてくるので、眼圧が上がって、緑内障を引き起こします。

また、白内障も進行しやすいです。

 

数年前から通院中の糖尿病のAさん(70代男性)。

院長:『HbA1Cいかがですか?』

Aさん:『○○(値)上がってしまって、薬が追加になりました』

院長:『あれま~!おやつとか結構食べてます?』

Aさん:『おやつは食べないです。ご飯も1日2食だし…』

院長:『アルコールはいかがです?』

Aさん:『まあ、それは毎晩ですね~焼酎をね。内科の先生には、やめろって言われるけど、これが楽しみで生きているからね~』

院長:『そうですか…1日のお楽しみですもんね~どのくらい飲まれますか?』

Aさん:『いつも3杯かな。水割りかお湯割りだけどね』

院長:『いつもより少し薄目に割るとか、たまに1杯減らすとか…は出来そうですかね?』

Aさん:『そうだね~…』

眼の合併症もなく、視力良好なことも確認。

 

Aさん:『ちょっと聞きたいことがあるんですけど…』

院長:『何でしょう?』

Aさんが話し始めたのは、下半身のお話。

ふむふむ。はい、はい。

Aさん:『糖尿病と関係ありますか?』

院長:『糖尿病による神経障害の影響が大だと思いますよ。加えて、加齢も。糖尿病のコントロールをしっかりして。それから泌尿器科かな…。Aさん、こういう話は内科の担当の先生に話したほうがいいですよ。眼科医より』

Aさん:『そうだけど…(病院の)担当医は女医さんなんで、こういう話は…』

院長:『(目が点!)Aさん、私も女医なんですけど…知ってました?顔、見えてますよね?』

Aさん:『…そうなんだよね~こう先生も女医さんなんだけど…違うんだわ。とりあえず、糖尿病治療頑張るわ。聞いてよかった』

Aさん、すっきりした顔で診察室を退出されました。

 

『女医なんだけど…』の後は?

オバサン(内科担当医は若き女医?)だから?

ちゃきちゃき・サバサバしているから?

医師として、かかりつけ医としての経験と信頼がそうさせたなら大変うれしいことです。

 

名前では男性に間違われますが、見た目で間違われたことはありません。

オバサン院長は、性差を超えて頼りにされる、チャーミングな医師を目指しています。

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2020.11.24 加齢と色覚

先月東京で開催予定の臨床眼科学会はWEBで開催。

約1か月にわたり、14会場4日分の講演を視聴することができます。

 

最近は、高齢化に伴い、人生100年時代に備えるべくの眼科的話題も。

 

一般に『色覚異常』(今は、色の特性ともいう)は、生まれつき網膜(もうまく・目の奥)の視細胞の錐体(すいたい)3種類のうち、どれかがうまく機能していない状態を言います。

世間一般では、赤と緑の区別がつかない、わからないという俗説ですが、実際には、そのような重症型はほとんどありません。

院長も医学を学ぶまで、色覚異常とはそういうものだと思っていました。

小学生の頃に読んだ少女漫画で、ヒロインの好きになった相手が色覚異常(赤と緑を間違う)で結婚をゆるされない…子供に遺伝してしまうから産めない…という悲しい恋のお話を読んだ記憶があります。

その時、初めて色覚異常という言葉を知ったのでした。

医学の勉強をしなければ、いまだに、先入観があるかもしれません。

 

先天性の色覚異常のほとんどの人は、自覚がないまま、支障なく生活しています。

生まれつきで、進行することはありません。

学校の色覚検査をで見つかっても、色の見分け方による注意事項を説明すれば、別段困ることはありません。

また、学校では、誤認識しやすい色の配慮をしてくれます。

ただし、少ないのですが進学制限や職業制限もありますので、自分の特性を知っておくことも大事です。

 

さて、色覚異常は、先天性なので、自分には関係ない…と思う人がほとんどですが、後天的(後から起こる)色覚異常もあります。

網膜や視神経の病気、脳の病気・心因性など、原因は様々です。

病気により起こり、左右眼で程度が違うこと(先天性は両眼同じ)や、自覚があることが後天性の特徴です。

 

白内障も後天性の色覚異常を起こすとして話題になってきています。

加齢性白内障(俗にいう白内障)は特別な病気ではなく、しわと同じように加齢で発症する病気です。

 

白内障が進行してくると、少し黄色味がかったサングラスをかけているように感じます(程度により違いあり)。

また、加齢により、瞳孔が小さくなり、光が入りにくくなるので、若年者より暗く感じます。

スマホの画面の明るさを、院長と息子たちのを比べると歴然。

よくこんな暗い画面で見えるね~と驚き、自身の加齢を感じます。

逆に、息子たちからは、まぶしくないの?と聞かれます。

まだ白内障発症とまではいかないまでも、水晶体(すいしょうたい)の濁りは少しずつですが進んでいることを実感します。

 

気が付かずに、日常生活に支障をきたすようになると要注意です。

例えば、紺と黒の靴下を間違える。

シャツの黄ばみに気付かない。

階段の一番下の境目が(暗くて)分からず、踏み外して転倒。

予防法としては、明るいところで確認する癖を。

階段は、電気を明るくしたり、一番下の段に、目立つテープを貼ると予防になります。

また、ガスの炎の一番先の高熱の部分の青色が見にくくなり、思ったより炎の高さを短く感じ、着火事故につながることもあります。

 

後天性の色覚異常(色の見え方の変化)は、進行します。

原因は様々ですので、色の見え方に変化を感じたら、眼科医にご相談ください。

 

最近、内側が黒布地のバッグは避けるようにしている院長。

狭く暗い空間では、取り出したいものをすぐ出せず、ぐずぐずしてしまいがち。

 

暗い環境・小さな対象物・くすんだ色は間違いを起こしやすくなります。

すべての色覚異常に気を付けるポイントです。

 

が、せっかちなオバサン(院長)も気を付けないといけません。

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2019.6.11 活性酸素と抗酸化物質

ここ数年、夕食時は、ワインをグラス1杯いただきます。

『今日もお疲れ様!』と自分をねぎらい、赤ワインのポリフェノールで一日の疲れを帳消しに。

あらゆる面でオバサンを自覚し、老化を予防する『抗酸化成分』を、積極的に摂るようになった院長です。

 

眼の病気も、加齢に伴う『白内障』『加齢性黄斑変性症』などは、『酸化』が関与していると言われています。

 

『抗酸化成分』は、活性酸素を除去するのですが、そもそも『活性酸素』とは?

 

生物の身体は、細胞の集まりで出来ています。

その細胞の中に、ミトコンドリアという小器官があります。

呼吸で体内に入った酸素を利用して、生命維持のためのエネルギーを生み出します。

その時に、副産物である『活性酸素』も出します。

 

『活性酸素』は、高い酸化力(例えば鉄錆は酸化で起こります。錆びるイメージ)を持ち、良い働き・悪い働きをします。

良い作用としては、体内に侵入した細菌やウイルスを撃退します。

一方、過剰に発生した『活性酸素』は、細胞膜を破壊したり、DNAを傷つけたりすることで、病気の発症を促進します。

 

とはいうものの、細胞は、『活性酸素』だけでなく、活性酸素から身を守る『抗酸化“酵素”』も同時に産生しています。

食事から摂取できる『抗酸化成分』も『活性酸素』を減らします。

 

若い時は、『活性酸素』と『抗酸化酵素』のバランスが取れています。

肌はツヤツヤ、弾力があります。

病気もめったにしません。

さて、加齢により、『抗酸化酵素』を産生する機能が衰えてくると、『活性酸素』>『抗酸化酵素』となり、老体となり、病気にかかりやすくなります。

 

ずっと昔から、『活性酸素』も『抗酸化酵素』もあったはずですが、近年の解明によって、脚光を浴びるようになりました。

そして現代は、『活性酸素』が発生しやすい環境にあります。

ストレス

紫外線

放射線

加齢

感染

高血糖(食べすぎ)

激しい運動

たばこの煙

化学物質

ブルーライトなどなど。

どれもピンからキリまでですが。

 

院長は眼科医なので、目に特化すると、目は直接光(紫外線や放射線)にさらされることが多いので、『活性酸素』が発生しやすい部位と言えます。

実際、酸化ストレスは、眼の病気の一因であることが明らかにされています。

 

眼科的治療(点眼薬や注射・手術)も行いますが、日々の生活での養生も大事です。

『活性酸素』が発生しやすい環境を極力回避するのも一理です。

また、加齢により、体内で作られる『抗酸化酵素』の量が減るため、意識して『抗酸化成分』を摂ることも一理です。

ポリフェノール・カロテノイド・ビタミンC・ビタミンEなどを食事から摂りましょう。

 

よりしっかり摂るには、サプリメントもあります。

『眼科治療以外で、予防に何かできることは?』と思われる方は、ご相談ください。

眼科では、病気ごとに特化した成分が配合されたサプリメントも扱っています。

 

さて、本日も一日の終わりにグラス一杯のワイン、楽しみです。

 

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2018.7.3 サングラスどう?

某新聞に、保健体育の教員から『授業や運動会に教員のサングラスの着用は、なぜ禁止?』という投稿がありました。

『教師も生徒も、健康面から使用してもいいのでは?』

『教師としてふさわしくない。生徒の細やかな状況が見えない恐れがあるのでは?』

『改善策を話し合って、柔軟な対応が必要ではないか?』

など、最初の投稿に対して新たな投稿が掲載されました。

白内障・紫外線への目の影響の研究第1人者の金沢医科大学教授の見解は『かけた方が良い』。

紫外線の強い沖縄県西表島では、子供でも紫外線による病気(瞼裂斑)を高率に発症しており、現在は2~3割の生徒が、透明なサングラスを着用しているそうです。

 

通常の生活で、多少の紫外線を浴びるくらいなら、眼には問題はありません。

しかし、長時間の紫外線を浴びると、肌と同様、眼も影響を受けます。

茶目(角膜)の横の白目(結膜)が盛り上がる瞼裂斑や、白内障、黄斑変性症などを引き起こす可能性があります。

それらを予防するためには、サングラスはお勧めです。

 

実際、学校や職場で、『サングラス着用を認める』という診断書を書くこともあります。

 

『サングラスの色は濃い方が良いですか?』

よく、患者さんから聞かれます。

色と紫外線カットは、関係ありません。

『紫外線カット率』が問題で、数値が高いほど性能が優れています。

色が濃いからと、紫外線カット機能のない(低い)レンズを使用すると、瞳孔(黒目)が開き、より多くの光(紫外線)を取り込むことになってしまいます。

現在、レンズの色はグレー系・ブラウン系・グリーン系・ブルー系・イエロー系・クリア系(透明)と豊富です。

自分の好みや、肌なじみなどで決めたらよいと思います。

サイズは、出来るだけ大きい方が、紫外線をよりカットします。

 

また、紫外線の量によって、レンズ濃度が変化する『調光レンズ』や、水面・路面・氷雪面からの乱反射(ギラギラ)をカットする『偏光レンズ』もあります。

院長は、ゴルフやランニング時は、スポーツメーカーの偏光レンズを着用しています。

運転時には、少し洒落たサングラスを。

どちらも、眼鏡店で選びました。

紫外線防止対策なら、雑貨店より眼鏡店で、質の良いレンズを購入されることをお勧めします。

度入りレンズの場合は、眼科で処方します。

 

紫外線と目の関係も周知され、屋外活動時のサングラス(紫外線カットメガネ)着用が当たり前になるといいですね。

 

 

 

 

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