2023.11.21  卵1パック

院長の産業医としての職場はスーパー。

 

店内の巡視もずいぶん見るべき点を抑えられるようになってきました(自己評価)。

冷蔵・冷凍商品がロードライン(商品陳列の上限ライン)を越えて積まれていないか?

店長さんが気付いて並べ直す前に、気付けるようになりました。

バックヤードでシマウマラインからはみ出ている台車を見つけて元に戻せるようにもなりました。

スーパーのパートさんとして採用されたら、意外と間に合う人だと評価されるかも!?(勝手な妄想です)

 

さて、今回は年に一回の健康診断の評価もあります。

健康診断結果を基に、受診勧告をしたり、就労制限をかけたりします。

職種・職場によって就労制限は違います。

毎回気になるのは、太った人が多いこと。

ちょっとぽっちゃりならまあ…ですが、肥満の域に達している人の多いこと。

もう少し体重を減らせば、血圧も血糖値も改善するのにな~と思いながら、治療中でない人には受診勧告を。

スーパーには手軽で美味しいものがたくさんあるので、どうしても手に入れ口に入れる機会が多くなります。

 

新店長が赴任して3か月。

店長さんと健診結果を見ながらあれこれ。

店長:『センセイ、僕、単身赴任でこっちに来てから7キロ瘦せたんですよ!』

店長さんは、かなり大きい人です(どっちにも)。

公センセ:『え~!?そうなんですか!(気づかなかった)すご~い!』

店長:『家にいるときは、出された夕飯全部食べていたから。それに、子供の残りも』

公センセ:『それは、奥様思いかもしれないですけど(どれだけの量?)、全部平らげてたら体重減らないですね~』

店長:『一人だからあまり食欲がなくなったのもありますけど…』

公センセ:『例えば、昨日のお食事は?』

店長:『朝は、ご飯と鮭と漬物。昼は総菜の弁当とラーメン』

公センセ:『お昼、そんなに!?』

店長:『1日で昼しかちゃんと食べられないから。その代わり、夜は米抜きです』

公センセ:『なら、まあね~で、夜は?』

店長:『鍋ですわ。白菜4分の1もやし一袋にうどん一玉入れて』

うどんは、十分米の代わりですが…

栄養指導と運動指導もしたほうがいいかも。

 

最後は、投書箱『お客さまの声』の話題に。

院長も毎回読んでは、くすりと笑ったり、こんなストレート(名指し)な辛辣な投書があるのだと反面教師にしたり。

毎回、店長からの返事を付けて掲載されています。

店長が嬉しそうに見せてくれたのは、ルーズリーフ1枚にびっしり書いてある感想。

先日、ハロウィーンに合わせて、かぼちゃの重さ当てクイズを催したそう。

応募者は延べ2400人。

楽しい気分でイベントに参加したこと、何枚も出したのに当たらなかったけれど多くの人が当てたこと、ちゃんと当選者に商品が行き渡ったこと…など、感謝の手紙でした(筆跡・内容から中年女性のよう)。

店長:『こういう手紙をもらうと、また頑張ろう!って気になります』

院長も同じ。

患者さんからの激励は、院長はじめスタッフのモチベーションアップの源です。

 

公センセ:『当てた人は何人くらいでした?』

店長:『それが…なんと140人でした!予想以上に当ててましたわ』

公センセ:『当たりの賞品は何だったんですか?』

店長:『当てた人には卵1パックプレゼント』

公センセ『では、全員に?』

店長『そう、約束通り140人分配りました!』

 

院長、産業医をしているこの職場がますます好きになりました。

 

 

カテゴリー:産業医

2023.11.14  おしょりん

『おしょりん』田畑を覆う雪が固く凍った状態を示す福井の方言です。

雪で覆われれば、回り道しないで田んぼをまっすぐ突っ切れる。

そんな思いで始まった福井の眼鏡作り。

実話にまつわる映画『おしょりん』を見てきました。

 

国産眼鏡の95%が福井県(鯖江)で生産されています。

なぜ福井?と考えたことはなかった院長。

 

北陸福井は豪雪地帯で、冬は農作業が出来ません。

当時の地元の権力者増永五座衛門(小泉孝太郎)に弟幸八(森崎ウィン)は、勤め先の大阪で目にした眼鏡をいくつか持って帰ります。

村を挙げて眼鏡作りに取り組み、地場産業としてやっていけたらと、兄たちに熱心に勧めます。

眼鏡を見たことも掛けたこともない五座衛門はじめ村人たちには、何に役立つかもわかりません。

その時、学校では黒板の字が見えず勉強ができないと思われていた女の子が、眼前5センチくらいの距離では教科書をすらすら読むのに気づき、試しに眼鏡をいくつか試してみます。

すると…ある眼鏡をかけた途端、『見える!お母ちゃんはこんな顔だったのか…向こうの景色はあんなのだったのか…』とびっくりします。

その女の子は、生来、目の弱い子だと思われていたので、眼鏡で改善したことに周囲は驚きます。

五座衛門は、技術者を呼び工場を作ります。

しかし、なかなか売り物になる眼鏡は完成せず、資金繰りに苦しくなっていきます。

技術の挫折、資金繰りの挫折、内輪もめなど、完成品となるまでの紆余曲折が描かれています。

男性たちを支えるのが、五座衛門の妻むめ(北乃きい)。

帳場制を取り入れての眼鏡作りは、切磋琢磨し合い、最後は万国博覧会で金賞を取るまでになります。

 

ものづくりは、こころづくり。

眼鏡は身体の一部や、使う人のことを考えなあかん。

眼鏡は視力の弱い人を救う。

 

鑑賞しながら涙・涙・涙…

 

女の子は、強度近視(院長推測)のため、遠くは見えず、近くはかなりの至近距離でピントが合っていたのです(だから本は読めた)。

遠視の場合、遠く近くともにピントが合わないので、早期に見つけて眼鏡常用が必要です。

映画の女の子は、その後ぐんぐんと成績が上がり女医を目指すようになります(またまた涙)。

 

眼鏡を掛けることで、鮮明な像が網膜に写る→脳に良い刺激を与える→理解しやすくなるという良い図式になります。

ぼんやり見えていると、刺激もあいまいです。

 

しかし、眼鏡店で直接作成した場合、強すぎる(過矯正)場合が多々あります。

屈折検査通りに入れれば、最高視力は出ますが、日常使う視力とは違います。

強めの度数でも、若年では調節力で自分の眼を眼鏡に合わせます(本末転倒)が、中年以降は確実に眼精疲労や頭痛を引き起こします。

また、他の病気があるかどうかは考慮されません。

眼科医に処方してもらうのがベストです。

 

さて、院長の眼鏡も福井(鯖江)製です。

新型コロナ以降、コンタクトレンズをやめて眼鏡で診療することに。

毎日かける眼鏡はフレーム選びにも、今まで以上に慎重になりました。

素材や作業工程などを知ると、やはり日本製品は優秀・安心です。

 

そして、眼鏡店選びも重要。

眼鏡の知識、メンテナンスの技術など、眼鏡店(スタッフ)によってかなり違います。

ファッションでもあるけれど、医療(矯正具)として使う人のことを考えてくれる眼鏡屋さんに出会えますように。

 

 

 

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2023.11.7  マイボーム腺問題

ドライアイは、誰でも知る病気となってきました。

涙の分泌が少ないか、蒸発が多くて目が乾く自覚があります。

涙は、3層構造になっていて、表層から水分・油分・ムチンとなっています。

ムチンは涙と角膜をくっつける役割をしています。

つまり、目の表面に涙を均一に乗せてしっとりさせる役割があります。

 

油分は、涙の蒸発を防ぎます。

ヒトの瞼の際には、マイボーム腺という油分の出る分泌腺があります。

まつ毛の生え際より内側の、通常は透明の目立たない小さな穴口です。

ここから出る脂がとても重要です。

 

マイボーム腺は、しっかり開口していると、穴口は目立たず、透明な油がさらさらと分泌され、目の表面を覆います。

マイボーム腺機能が上手く働かないと、まぶたの辺縁もギザギザ(不整)になったり、毛細血管がまぶたの際に浮き出てきます。

また、脂がまぶたの際やまつ毛にまとわり付いていることもあります。

穴口が詰まると、際にぷつっとした油のふくらみ(タピオカサイン)や、白い粒のようなものが出来ます。

 

眼科医がふくらみを圧出すると、粘度のあるねっとりした脂が出てきます。

 

今年、日本眼科学会から『マイボーム腺機能不全診療ガイドライン』が出たくらい、マイボーム腺問題?もホットな昨今です(眼科医にとって)。

 

マイボーム腺をきれいに、健康的に保つためには、

1.目の温めを。

眼科では温罨法(おんあんぽう)と言います。

ガイドラインで、実施を強く推奨!です。

院長が研修医の頃には、古い病院に温罨法の器具もありましたが、現代とは用途が違ったかもしれません(使用経験なし)。

最近の温罨法は、蒸しタオルや市販の温かくなるアイマスクのことです。

脂の線を開口させ、きれいな脂が出るのを促します。

リラックス効果もあるので、眼精疲労にも効果大です。

 

2.まぶたの洗浄を。

ぬるま湯か専用のアイシャンプー(当院で取り扱いあり)で目元を優しく5回くらいなでるように洗う癖を付けましょう。

冷たい水はお勧めしません。

アイシャンプー使用で格段にまぶたがきれいになり、すっきりします。

アイメイク落としにも良いですし、高齢者の目の周りの不快感には特に有効です。

 

マイボーム腺機能不全は、加齢になるほど増加し、50代で32.8%・60代で41.9%・70代で48.4%・80代で63.9%と報告されています。

加齢に伴い、マイボーム腺が要因の目に不快感が増えてくるのも納得です。

院長は50代ですが、毎日の温罨法とまぶたの洗浄のお陰か、マイボーム腺機能は健全です(32.8%に入っていない)。

 

毎日患者さんの眼球も眼瞼(まぶた)もしっかり観察(診察)している院長。

もちろんアイメイクも見ています(目に入る)。

 

かなり遅まきながら、少し前から美に目覚めた!?院長。

メイクアップ教室に通ったし、化粧品も良質なものを使うように。

 

先日、新しいアイラインを付けたら、夕方スタッフに『センセイ、目、ぶつけました?』

鏡を見ると、無残なパンダ目。

早速、お店に行き、メイクの仕方をもう一度習います(申し訳ないので、何か買う羽目に。その繰り返しです…)。

 

ナチュラル(すっぴん)は恥ずかしいお年頃(院長です)。

メイクは念入りに(マイボーム腺まで埋めないように)。

そして、クレンジングは更に念入りに。

お肌もマイボーム腺もケアは大事です。

オバサンだって(それなりに)綺麗に見られたい願望はエンドレスです。

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.10.31 縦置き?横置き?

自分をご機嫌にしないと~そういう気分~の時は美味しいものを食べに行きます。

今回は、年に1回か2回しか行かないフレンチのお店に。

自分のスケジュールと気分と体調から行動を起こすので、今回もおひとり様です。

 

きっかり開店時間に入店。

まだ誰もいない店内に通されます。

おひとり様なので、ほとんどの場合一番奥。

窓際は大好きなのですが、それは誰かとの別の時に。

 

メニューの説明。

アミューズが運ばれてきます。

この日は、午後から仕事があったため、アルコールはなしで。

次のスープが運ばれる頃には何組かの来客が。

 

自分の直線方向窓際には、男女のカップル。

最初から高級シャンパンを開けています。

エスコートの仕方や女性の振る舞いから見て…夫婦じゃないよね~とオバサン(院長)の勘。

 

自分のテーブルひとつ置いて水平方向は男性2人組。

商談みたいですが、昼からワインなのは、もう商談成立の祝杯かしらとオバサン(院長)。

 

お料理はゆっくり運ばれてきますが、一人だと人間ウオッチングが出来ます(視界の範囲で)。

テーブルとテーブルとの間隔が広いので、会話は聞こえませんが、その分、想像妄想に事欠きません。

次々に来客が入るので、意外と脳は(くだらない)フル回転です。

 

メインのお料理に。

イトヨリダイのポワレ

アーモンドとソッシソンのパネ

魚介のソーセージとソラマメ

かぼちゃのピューレ

ソース・ムータルド

 

説明を聞きながら、知っている単語(イトヨリダイ・アーモンド・ソーセージ・ソラマメ・かぼちゃ)と未知の単語を組み合わせていきます。

分からない事は、聞けば必ず丁寧に説明してくれます。

自分は、知らないことをよく尋ねる方なので、期待を上回る回答をしてもらえるとすごく嬉しいです(知識が増えた)。

逆に、『少々お待ちください』と言われると、プロだと思って尋ねているのに…と残念な気に。

そういう場合は、反面教師に。

 

さて、出てきたお料理は素敵なのですが、お皿の向きが。

『あの~この向きのままいただくのでしょうか?』

メインを載せた長方形のお皿は、縦長でサーブされました。

『はい、さようでございます。シェフの斬新な発想でして』

ナイフとフォークを取り、向こうから切り分けていきます。

なんか食べにくい。

両腕を伸ばすからか、やや前傾になるからでしょうか?

結局、お皿を横方向が長くなるように(一般的な長皿の置き方)並べ直してみました。

何という安心感。

先ほどよりも落ち着いて食べられます。

視覚的にも美味しい様に思いました。

縦方向に手腕を動かすよりも、横方向に動かす方がスムーズ。

特に一皿ずつ出てくる大皿の西洋料理の場合、縦方向より横方向に盛られているほうが、距離の間隔が捉え易い。

 

美味しいお料理でしたが、お皿の置き方でずいぶん違うという新しい気づきでした。

 

家に帰って、サンマの乗った長皿を縦にして置いてみました。

焼き鳥も。

和食で試したら、違和感しかない。

ソーセージ(一応洋食)でも、違和感。

 

丸皿でも料理の盛り付けによって美味しさの感じ方が違うという研究があります。

『長皿の縦置き横置きにおける美味しさの感じ方の違い(視覚情報から)』と言うテーマで誰か研究してほしいものです。

 

おひとり様だからこそ楽しめたランチでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.10.24 見える!

秋の学校視力検査、就学時健診が始まりました。

学校での視力検査は、ABCDと4段階で判定しています。

A 1.0以上

B 1.0指標が見えない

C 0.7指標が見えない

D 0.3指標が見えない

眼科での視力検査のような詳細な値は示されません。

 

それでも、学校生活を送る上での目安になります。

A 教室の一番後ろからでも、黒板の字がよく見えている。

B 後ろの方でも黒板の字はほとんど読めるが、近視の始まりの可能性が高い。

C 後ろの方では、黒板の字が見づらく、近視になっていたり他の病気があるかも。

D 前の方でも黒板の字ははっきり見えていない可能性があるので、眼科で診察対処を。

 

就学時健診時は、初めての場所(小学校)のせいか、泣いたり緊張している新一年生も見受けられます。

院長は必ず就学時健診の際に、目の病気の有無と視力検査の結果を伝えます。

B以下があった場合、程度に応じて、もう一度(速やかに~就学までに)視力検査を受けるよう勧めます。

 

結果を聞いて、子供に『○○ちゃん、目悪かったの!?』と聞くお母さん。

子供からしたら『知らんがな~』

小さな子供に視力低下の自覚はありません。

『たまたま緊張していただけです』

『視力検査が理解できてないんだと思います』と、受診する必要はないと言い張るお母さん。

悪い結果は信じたくないけれど、再度眼科で検査して問題なければよいし、何か見つかれば就学に備えて対処することが出来ます。

 

学校からの受診のお勧め用紙を持参される患者さんたち。

Dでも『見えている』『困っていません』と言う人もあります。

見えるは、その人の感じ方もあるので、はっきり見えてなくても『見える』と言うのは事実です。

ただし、学校生活に支障ないように必要な(はっきり見える)視力が必要とされています。

免許を取るにも、自分の『見えている』では通らないのと同様に。

 

視力検査で受診された時、子どもは、ピント合わせの力が強いため、通常の屈折検査では正しい状態(近視?遠視?乱視?また程度)が分かりません。

そのため検査用点眼薬で毛様体筋の緊張を取り、正確な屈折程度を確かめます。

 

点眼薬で近視に出れば、間違いなく近視で、回復は見込めません。

 

当院でも行っているオルソケラトロジーは、初めて近視と診断された時にスタートするのが好機です。

もちろん近視と既に診断された方にも適応です。

コンタクトレンズを付けて就寝、起床したら外す。

昼間は裸眼(1.0~1.2)で生活できます。

特に水泳や接触スポーツ・バレエなどの習い事にも安心です。

 

当院のオルソケラトロジーの患者さんたちも、良好な視力で学校生活を楽しんでいます。

もちろん定期検査をしっかりし、院長が責任を持ってフォローしています。

 

親(大抵母親)が、コンタクトの管理をすることになります。

母と子のスキンシップが朝晩出来る(せざるを得ない)ので、母子のスキンシップは遥か昔になってしまった(息子たちは成人)院長としては羨ましい限り。

朝起きてコンタクトレンズを外したら、子供が『見える!』って言ったんです。

お母さんからの嬉しい報告。

 

次男はアトピーがひどく、一時期、毎晩処方された軟膏を指に塗って、布で巻き、その上にネットをかぶせていました。

『最後に帽子(ネットをそう呼んでいた)被せようね、帽子並んだね(5本指)~良くなるといいね~』で終了。

面倒な時もあった指の治療も今となっては懐かしい思い出です。

 

オルソケラトロジーも、きっと母子(主に母)の良い思い出になるはずです。

 

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2020.5.26 ステイホームで見すぎちゃう

2021.8.24 寝押しのイメージ

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2023.6.20 何しに台湾?その1

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カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの家族・恩師・友人など 眼に関すること

2023.10.17  目の神様 in平泉

『平泉に眼の神様のお守りをいただきに行ってきた』

知人からの情報。

 

平泉…院長にとっては、初一人旅の思い出の地です。

再訪をいつか…と片隅にありましたが、知人の一言で決行することに。

 

岐阜の片田舎からの一人旅に、東北を選んだのは、ペンフレンド(死語?)に会いに行くため。

高3時、受験雑誌の文通相手募集欄にRちゃんの名が。

当時は住所も名前もオープンだった時代。

めでたく文通成立。

合格目指して頑張りました(というより息抜き)。

仙台の大学に進学した彼女に会う+αの一人旅です。

 

まだスマホなどない時代。

父は、紙の時刻表から旅程を作ってくれました。

○○に着いたら家へ電話する(もちろん公衆電話)こと、と注釈も書かれています。

 

初めて会ったRちゃんは、とてもきれいな子でした(当時のアルバムに感想が)。

仙台を案内してもらい、一人旅にわくわく。

不思議な縁で、今も二人の文通(手書きです)はほぼ毎月続いています。

 

別れてから平泉を目指します。

 

当時は、東北本線オンリー鈍行の旅。

今回は何十年の時を経て、飛行機・新幹線で東北本線は一駅のみ。

時間はあるけどお金がない時代から、お金を時間で買って行動する時代に。

 

中尊寺に向かいます。

特に藤原氏の富の象徴ともいえる豪華絢爛な金色堂は有名です。

ここは、初代清衡公・基衡公・秀衡公の御遺体と泰衡公の首級が納められています。

ミイラが祀られているんだ~と単純な感想しかなかった無知な大学生だった自分を内省します。

 

ひとつひとつ建物、仏様、装飾など,解説を読みながら見ていると、あっという間に時間が立っています。

 

今回の旅の目的は峯薬師堂に参拝して、『目のお守り』をいただくこと。

以前中尊寺に行ったときに参拝した記憶はありません(目に関心無かったし)。

境内に入ると、ひらがなで『め』と書かれた絵馬や、『め』がいくつも描かれた旗など。

絵馬の数を見るに、目の病気の平癒祈願をしている人がいかに多いか…

院長も薬師如来様にお祈りします。

患者さんの眼がよくなりますように。

院長がより良い眼科医療を提供できますように。(いつもながら他力本願)

お守りには『め』と縫ってありインパクト大です。

 

同町内の毛越寺も訪ねるべき場所。

中尊寺とともに世界遺産です。

この境内の片隅にあるYH(ユースホステル)に泊ったのでした。

建物は当時のままでしたが、今は使われていないとのこと。

何年か前にYHも閉館したそうです。

池を囲む庭園(浄土庭園)が素晴らしく、しばし鑑賞。

あの頃と同じ場所で池をバックに写真を。

 

前回、初めての一人旅で緊張していたのですが、同室の25歳の女性の話しを聞くうちに打ち解けました。

社会人で仙台から車でひとり旅。

かっこいい~憧れる~

その彼女に撮ってもらいました。

毛越寺の素晴らしさもわからず、毛越寺で出会ったひとり旅の若干(今の自分から見たら)25歳のお姉さんと過ごした一晩のほうが記憶に残っています。

YH懐かしい~

当時YHは、若者が泊まるには一番安心安全安価だったので、父の意向で毛越寺YHに泊ることになったのだと思います。

 

今、臆することもなく、自由に一人旅もし、物事をもっと深く見たり聞いたりしたいオバサンになっています。

池の傍で立っている少女の私へ…こんな未来、想像できた?

 

再訪・再読など時を経て感じることの変化も楽しもうと思います。

目の神様シリーズはこちらからご覧ください

目の神様 in 仙台

やりなおしたい?

初めての御朱印

身代わりどじょう

目の霊山

余呉へGO,GO

鎌倉好き

医者も祈願する!?

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.9.26 ビフォーアフター

今年の夏はとても暑かったので、長期休みや休日も花壇の水やりに気を遣いました。

早朝と夕方と。

花壇はお花屋さんが四季折々に入れ替えてくれるお花が主流です。

加えて、長男出生時に役場でもらった誕生記念樹のもみの木。

香りのよい金木犀などの木々もあります。

当初30センチもなかった小さな苗木は、息子よりもずっと素直にすくすく育って、今では人の背丈をずっと追い越しています。

 

早朝は誰にも会わないだろうと、すっぴんで適当な格好で水やりをしていると…

意外にもウオーキング中の多くの患者さんに話しかけられました。

『誰かと思ったら…先生』

挨拶をし会話をするものの、じっと見ないで~(と、うつむき気味の院長)。

 

水やりをしながら、クリニック周りも見ていきます。

ハイビスカスの花が咲いた、散った。

ゴミが落ちている、拾おう。などなど。

 

そして、ふとやり過ごしていた看板のくすみが急に気になりました。

西側(docomo側)は西陽によって変色も。

看板は、クリニック開設以来一度新しくしたのですが、もう15年以上となり、経年劣化も甚だしいことを改めて痛感。

 

気になると何でも動かないと気が済まない院長。

早速看板屋さんと打ち合わせ。

 

院内も壁紙や椅子・ロールスクリーンなど随時改修しているのですが、イメージを変えずに同系色でまとめるので、意外と患者さんは気づいていません。

 

『現行の原色の看板からイメージを変えてみましょう』

と提案されたデザインは、院長の思いもしっかり入っています。

 

院長は眼科専門医(この道一筋)なので、目に関することは何でも診ます。

地域のかかりつけ医のスタンスですので、『こんな些細なこと、いいの?』と思っても気軽に受診してください。

地元4校を各15年以上学校医も拝命していますので、親子2代に渡り学校保健活動でも担当していることも。

小さなお子さんにとっては、女性医師であることは強みかもしれません(怖いお母さんだけど、怖い先生ではない。つもり)。

お子さんの成長は著しく、何年かぶりの来院の姿に目を見張り、近況を聞くのも楽しみです。

大学院では緑内障を専攻したので、緑内障患者さんとのお付き合いは途切れることなく長く長く。

 

誰でも、いつでも、何かあったら来院してくださいね!という眼科です。

 

出来上がった看板は、手前味噌ですがとても良い出来!

工事終了後、出来上がった看板を確認すると…

まさにビフォーアフター!

ピンクを主体に優しいイメージの中にもアピールはしっかり。

立看板の当院マスコットキャラクター?の『あんこうちゃん』の提灯部分は結構苦労したとのこと。

LEDになり明るくなりました。

 

駐車場の白線も塗りなおしをしました。

 

経年劣化は仕方がない…ですが、古くても手入れが行き届いている建物やモノは、美しいし気持ちが良いです。

当院も経年劣化は否めないものの、患者さんに気持ちよく来院していただくために、メンテナンスはしっかりしていこうと思っています。

何年・何十年ぶりに来院される患者さんに『センセイは全然変わらないね~』と言われることもありますが、自身の経年劣化(自覚もちろんあり)も日々のメンテナンスで最小限に食い止めるよう努力をしています。

古いけれど、古いだけに見えない(歴史の重み)。

年だけど、年に見えない(人生の重み)。

オバサンだけどオバサンじゃない!(院長スローガン)

 

看板を新しくしたので、新規開業の気持ちで頑張ります。

   

 

カテゴリー:クリニックに関すること

2023.9.5 何しにカンボジア?  その3

*前々回・前回からの続きです*

 

おそらく、カンボジアではゼロ(正視)から遠視の人の割合が高いのだと思います。

近視は、近くにピントを合わせられるので、老眼になっても距離を合わせれば、自分の目で見ることは可能です。

遠視の場合、老眼が始まると自分の目で近くを見るのは困難になります。

日本人と比べて、あまり細かな書物を読んだり書いたりする文化はそれほど根付いてない(ように思える)ため、老眼に対しても積極的に眼鏡を使おうという意識(必要性)がないかもしれません。

 

10年ほど前の緑内障に関する沖縄久米島のスタディでは、遠視の割合は34%(近視は29.5%)と報告されています。

また、日本の都市部に比べ近視の割合がかなり低かったとも。

視力が良い人が多いと言うことです。

しかし、狭隅角の人が多く、閉塞隅角緑内障に多く罹患していることもわかりました(今、日本人に多いのは正常眼圧緑内障)。

それゆえ、急性緑内障発作も多くなります。

現在では、沖縄でも近視の人が多くなり、本州とあまり変わらなくなっています。

 

カンボジアに来て、そのスタディを思い出しました。

恐らく、カンボジアの人は狭隅角が多い。

強い紫外線を年中浴びて、若くして白内障になる人は多いはず。

急性緑内障発作もかなり発症していると思われます。

かなり激しい頭痛と眼痛が特徴ですが、医療制度の体制が不備な地では、なんとかでやり過ごして失明してしまう人もいるかも。

日本では、予防法・治療法は確立していますが。

ただし、カンボジアの平均寿命が69歳(健康寿命は58.1歳)と聞くと、不具合が生じる前に寿命が尽きてしまう可能性も。

それゆえ、日本で多い緑内障や加齢性黄斑変性症など加齢に伴う病気も多くないと思います。

 

翌日、今度はコンタクトレンズの購入について、別の眼鏡屋さんに行きます。

今すぐ用意できるメーカーは米国製の有名なブランド。

単焦点です。

ジッパーの袋に度数ごとに入っています。

トライアルレンズか?と聞くと、売り物とのこと。

ここでは1ペア〇ドルで購入できるとのこと。

ただし、すぐ入手できるレンズは中等度度数以下。

それ以上強い近視は、箱買い(日本では通常)のオーダーで2週間後受け取りとのこと。

ちなみに院長装用の遠近コンタクトレンズは、オーダー後2か月かかるとのこと。

発注はすべて外国に。

当然自国ブランドは無し。

時間もお金もかかります。

近視大国の日本、コンタクトレンズの需要が高いこともありますが、自国ブランドであれ海外ブランドであれ入手できる環境にあることは、恵まれています。

カンボジアでは、コンタクトの需要も低いのでしょう。

それにしても、眼鏡やコンタクトにも、こんなに国の差があることは驚きでした。

 

まだまだ発展途上のカンボジア。

若年人口が多いこの国はどう変化していくのでしょう?

 

カンボジアの歴史と医療・文化に少しだけ触れた旅。

短い旅でしたが、衝撃は大きかったです。

もしカンボジア人なら…『老後の始末を考えないといけない年齢』

そう思うと、身が引き締まります。

 

こちらもご覧ください

何しに台湾?  その1

何しに台湾?  その2

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.8.29   何しにカンボジア?  その2

農村部は、高床式住居です。

蒸し暑く雨期と乾季がある国。

高床式なのは、

1.暑さをしのぐため。

2.夜は放し飼いの番犬(鎖もなしでその辺を歩いている)、家畜、鶏などの寝場所に。

3.雨期の浸水を避けるため。

道路は舗装されてはいるものの、敷地内は土です。

道端では、自家製の農作物や串に刺した肉(カエルも蛇もある)や生肉・飲料などを売っています。

売り子はスマホを見たり、おしゃべりしたり、ハンモックで寝ていたり。

その周囲で、子供たちが遊んでいます。

自家製の店(というかパラソルやトタン屋根)の裏に高床式住居があり、その裏に畑があるのが一般的な農村です。

庭には、多くの種類の木々が茂っています。

『便秘の時は、青パパイヤを食べます』

『下痢の時は、グアバ茶を飲みます』

『体を温めるときはレモングラス茶を飲みます』

『手が臭い時は、レモングラスの葉を揉みます』等々。

農村部では、まずは伝統的な漢方薬や生薬が試されているようです(薬局に行く前に)。

おばあちゃんの知恵と言えば聞こえがいいですが、健康保険制度の未導入が大きいと思います。

 

アンコールワット遺跡群周囲を観光して思うのは、子供がとても多いということ。

バイク(125ccc以下は免許不要)の運転性の前に小さな子供、運転手のお父さんは片手で子供を抱きかかえています。

後ろには、お母さんと別の子供。

中学生くらいの3人乗りも普通に見かけました。

バイクの後ろに荷台を付けて、トゥクトゥク(タクシーみたいな乗り物)や貨車が走っています。

20~40代の若年層の人口が一番多い若い国。

『子供は病気になりやすいけど、どうするのですか?』

子どもは12歳まで医療費無料とのこと。

そのため一応安心して(医療レベルは日本より低い)、12歳までは子育てが出来ます。

一方日本でも、年々子供の医療費負担ゼロの年齢は上がり、18歳まで無料の自治体もあります。

カンボジアでは、12歳過ぎたら、健康は自己責任になります。

Tさんの『大変羨ましいです』が、身に沁みます。

 

アンコールワットの日の出を見た帰りの6時過ぎ、ある通りで多くの男性が立っていたり座っていたり。

『何かあるのですか?』

『あの建物は、公立のこども病院です。診てもらうために、みんな遠くから連れてきます。付き添いは、一人しか病院内に入れないので、他の家族は外で待っています』

よくある光景だそう。

お金持ちは、私立病院や海外の病院を受診するそうです(たとえこども病院が無料であっても)。

 

さて職業柄、眼鏡店は気になります。

カンボジアはクメール語と英語の表記です。

ドアを開けようとすると、表に座ってスマホをいじっていた20歳くらいの女の子が立ち上がって『Hello』

店員さんでした(地元のお店ははほぼ同様の接客)。

お客はひとりだけなので、もう一人の店員(同じくらいの子)、もう少し年上の店員、店長と思しき男性と4人が院長を取り巻きます。

フレームとレンズは別々の価格設定。

他国のフレームは安いのですが、日本製は高い。

レンズも然り。

どんなフレームが好みか?

ラウンド型は?スクエア型は?などなど、色々勧めてきます。

店長は、当店で屈折の検査をすることもできるし、眼鏡のパワーを測定することもできると。

はめてきた遠近両用眼鏡を測定してもらうことに。

渡されたデータは近視度のみ。

近視が強すぎてびっくりしているようでした。

老眼もあるので、近用度も入っていると言ったのですが…(会話は英語)

この眼鏡で近くも見えているならOKみたいな流れになってしまいました。

 

次回に続きます。

 

こちらもご覧ください

何しに台湾?  その1

何しに台湾?  その2

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事

2023.8.22 何しにカンボジア? その1

比較的短期間で行ける東南アジア。

世界遺産・アンコールワット遺跡群を見尽くす!+α(個人的興味&好奇心)の旅。

 

アンコールワットは遺跡群の中でも、抜群に知名度が高くその美しさも有名です。

しかし、それ以外にもアンコールトムやまだ修復中の遺跡(寺院)がたくさんあります。

 

ガイドは現地のTさん。

日本語がペラペラです。

聞けば、20年前に仕事先の日本人から日本語を習い、その後私塾で勉強を続けているそう。

日本渡航歴はなし、憧れの日本にいつか…と貯金に励んでいるとのこと。

 

アンコール遺跡の歴史。

仏教寺院、ヒンドゥー寺院、両方が融合した寺院。

建物・壁画・像の説明。

メモ魔の院長に、復習の意味でTさんが質問(説明の確認)。

書くけどすぐ忘れている院長(記憶力低下甚だしい)。

しかし、3日間いくつもの遺跡群を訪ねて話を聞くと、古代9-12世紀のクメール王朝時代の偉大さが偲ばれてきます。

寺院の壁画は、天国から地獄の様子まで、中には恐竜の絵(この時代に何故?は謎)もあり、書物のない時代、壁画が図書館の書物の役割を果たしたのだとか。

カンボジアが、宗教戦争、民族戦争、内戦など戦争ばかりの歴史の国であることも、石像や宝物の損傷・紛失が物語っています(Tさん説明あってこそ)。

1日当たり約2万歩、アップダウンも激しく、院長より年上と思われる人は見かけません。

遺跡群を堪能するなら、体力は絶対!

普段の筋トレの成果が発揮できました。

アンコールワットの朝日鑑賞(5時から開園)や、空港では、老若男女・世界中の人がいたので、見るだけの人が圧倒的に多いのかもしれません。

 

Tさんは

『農村部と農村地の違いは何ですか?』

『崩壊と破壊の違いは何ですか?』

『連日を言い換えるとどういう言い方がありますか?』

などなど、ガイドの時に疑問に思った日本語のことを尋ねられるので、私もネイティブとして回答します。

『とても勉強になります、知識増えました』

車で移動中も『何でも聞いてください。答えられることなら何でも答えます』とTさん。

日本語で質問を受けるのも好きそうなので、院長も質問攻めです。

遺跡については勉強不足で、深い質問は出来ません。

しかし医療や文化には興味があるので、あくまでも一日本人の観光客Ms.HASEGAWAとして色々尋ねてみました。

 

Tさんは、医療については専門外なので、あまり詳しくありません。

また前提として、滅多に病院にかからないから。

と言うより、かかれないから。

この国は、公的医療保険制度はないとのこと。

公務員は何か優遇があるらしいし、民間の医療保険に入る裕福な人もいるそうです。

ガイド(国の認定要)は自営業。

Tさんも保険未加入、受診すれは100%自費です。

そのためか、町のあちらこちらに薬局を見かけます。

何か症状が出たら、薬局で薬を購入。

数日~数週間様子を見ても改善しなければ、病院へ行く構図。

医師の数も少なく、医療レベルもあまり高くないので、富裕層は私立病院や外国に行ってしまうそうです。

日本の皆健康保険制度、フリーアクセスで負担も0~3割。

僻地医療の課題はあるものの、概ね医師全体数は多く、医療レベルも世界水準の日本。

Tさん『日本の国、大変羨ましいです』

 

次回に続きます…

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何しに台湾?  その1

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