2023.3.7 残りを活かす

ロービジョンケアの講演会を聴講しました。

フロアーバレーボールチームの見学をし、(一応)チームドクターになって以来、ロービジョンへの興味は、より実体験を伴うものになりつつあります。

視覚障がいで多いのは、全く見えない(全盲)よりも、ロービジョン(弱視)の人たちです。

生まれつき全盲でも、途中で失明もしくは弱視になっても、生活するための手段や技術を取得しないと生活できません。

特に中途失明・弱視者のために、視覚リハビリテーションがあります。

名古屋市では、地下鉄駅名でもある『総合リハビリセンター』が、主に担っています。

 

生活するのに重要な事項は

1.移動

2.読み書き

3.家事・日常動作

4.社会行動

 

1.移動にしても、初めての所に行きたい・階段を利用したい・交通機関を利用したい・夜間の移動したいなど人によって様々

2.読み書きも、新聞・雑誌?WEB?通帳?テレビ?などなど。

3.家事・日常動作も、料理・掃除?化粧?薬の管理?などなど。

4.社会行動では、お金の管理?時間の把握?買い物?趣味?スポーツ?就労?などなど。

 

近年は、緑内障の失明率が高くなってきました(だから、早期発見・早期治療が大切!)。

また、糖尿病網膜症による失明率も高いです(だから、まず内科治療を!)。

必然的に、中高年になってからの中途失明・弱視が多くなっています。

良く見えていた頃の記憶があるので、上記4項目の色々が出来なくなってくると、非常に落ち込んでつらくなります。

 

しかし、残された機能でいかに生活できるようにするかが、その後の生活の質に関わってきます。

 

眼科医としての治療の限界はありますが、リハビリでは自分の限界を越えて生活の質を上げることを目的としています。

上記1~4が健常者と同様に…は不可としても、日常生活が普通にできるようにはなります。

 

歩行訓練士による歩行訓練があります。

 

また、PCやスマホ、拡大読書器による読み書き(入力)や、点字訓練(まず読めること、書くことは後とのこと)、日常動作の訓練もできます。

 

フロアーバレーボールのメンバーたちは、何処にでも自分で行くし、スマホも駆使しています。

白杖を持ちながらスマホを触って…『本当に見えないのか?』と思われる(言われる)ことも度々あると聞きます。

今や、スマホは、ロービジョンのツール(関連リンクは最下部からご覧ください)としてとても優れています。

遠くの写真を撮って画面で拡大したり、音声ツールを使用しているかもしれません。

 

人や障害物にぶつかる、階段で落ちそうになる、信号が見にくいなどを感じたら、白杖を考えてよい時期です。

そして、使用には、訓練が必要です(リハビリセンターなどを紹介します)。

もちろん、持っているだけでも、人に注意を喚起するのには有効です。

 

眼科医として、医療で終わらず福祉につなげること。

そのためには、福祉の知識ももっと必要と感じました。

 

『人間は不幸には敏感で、どんな些細なことでも見逃すことはない。

だが、不幸にばかりに目が行けば、生きることはいつしか苦しみに満ちていく。

日々の生活の中に、幸せはいくらでも見つかる。

それを忘れてはいけない』

 

某新聞で見つけた翻訳家の言葉。

心に残る言葉との出会いも小さな幸せです。

 

ロービジョンに関する過去の記事もぜひご覧ください

2021.12.14  転ばぬ先の…

2020.9.29 色・明るさと交通事故

2019.5.28 ひかり・光 スペシャルゲスト

2015.10.27 日本臨床眼科学会

2013.10.15 待合室の薔薇

2013.04.20 スタッフもまだまだ学ぶ

2013.3.27 ちょっと仙台まで

2012.10.17 目を動かそう

2012.10.09 より良き明日に向けて

2012.7.3 スタッフも学ぶ、学ぶ

2012.6.11 始めなければ始まらない

2012.1.10 小豆で沈静

カテゴリー:健康 眼に関すること

2023.2.21  今年もスギ花粉症

新聞やテレビ、ネットで花粉飛散情報が流れるようになってきたこの頃。

毎年の院長のアドバイスを守って初期療法(花粉飛散前から、症状が出る前から点眼や内服)を始めている模範患者さんも多数。

きっと一年の自分のスケジュールに、「花粉症治療を開始する・こうクリニック受診」などと覚え書きされているのだと思います。

点眼開始第1、第2クールが終わる頃ですが、未だ自覚症状はなし。

それでもきちんと点眼を続行。

素晴らしい!

 

院長が眼科医になった頃は、高齢者は花粉症になりにくい…と言われていました。

実際、60歳以上のスギ花粉症推定有病率は1987年では5%弱、1996年では10%です。

しかし、H28年度東京福祉保健局の調査では、都内のスギ花粉症指定有病率(全体)は増加傾向がみられ、60歳以上でも同様の傾向(35%弱)が見られたと報告されています。

院長研修医の頃から比較すると、子供だけでなく成人・高齢者とも花粉症患者さんが増加している印象を受けます。

院長も40代にスギ花粉症を発症しました

また、今では、どちらかというと高齢者(60歳以上)に近い年代になっています(とほほ)。

 

現在2月半ばを過ぎましたが、ちらほらアレルギー性結膜炎の患者さんが。

「かゆい」はもちろんですが、「ショボショボ」「涙っぽい」「白っぽい目やに」などの訴えもあります。

そのうち、花粉飛散量がmaxになると「白目(しろめ)がぶよぶよ」も。

 

少しでも早く来院されることをお勧めします。

そして、プロアクティブ点眼を勧めます。

プロアクティブ点眼とは…

発症期間中は症状の有無に関わらず、抗アレルギー点眼薬を用法通りに使用する点眼治療のことを言います。

プロアクティブ点眼により、結膜中の薬物濃度を維持し、目のかゆみの発生を持続的に抑制できます。

 

「かゆい時だけ点せばいいですか?』

「かゆくなったら、2~3滴さしていいですか?』

の質問をよく聞きます。

「いけません!処方通りの回数でさしましょう。片眼1滴で十分です」

 

一般に、自覚症状があると点眼したくなり、症状がないと点眼忘れ…は、よくあるパターンです。

アレルギー性結膜炎の場合は、目の中のかゆみを抑える薬物濃度をいつも一定にしておくことで、急に花粉が大量に入っても、一気にかゆくなるのを抑えてくれます。

かゆい時に何回かさしても、目の中の薬物濃度がさした分だけ上がるわけではないので、あまり効果がありません。

 

これは、結膜炎やものもらい、白内障、緑内障などどんな病気にも当てはまることで、処方通りに点眼することで、目の中の薬物濃度が保たれ、治療効果を最大に発揮します。

 

コンタクトレンズ装用者は、花粉症の時期は、1day使い捨てSCL(ソフトコンタクトレンズ)や眼鏡をお勧めします。

SCLの材質分類で、グループⅣ(高含水率・イオン性)のものは、汚れや防腐剤を吸着しやすいので2weekタイプなどでは要注意です。

また、抗アレルギー剤を含んだ1day使い捨てSCLもお勧めです。

 

これからますます花粉飛散が多くなります。

新型コロナ禍でのマスク生活は、花粉症対策にも有効ですが、目のケアも!

 

「スギ花粉症のない北海道(シラカバ花粉症はあり)に、花粉症の時期だけ住みたいね~』と知人。

高齢者の仲間入りしたら、その時期だけ北海道に出稼ぎに行くのもいいかも!?

今度は、北の果ての医療が気になります…

 

こちらもご覧ください

めんぼ・ものもらい・何?

花粉症ゴホゴホ

そろそろ花粉症

花粉そろそろ

花粉そろそろ

スギ飛んでる、飛んでる

今年の花粉症(自身編)

ヨーグルトと花粉症

耳がダンボ

そろそろスギ花粉

今年も花粉症

スギ,日本の財産

マラソン再び  そして花粉症

そろそろ花粉症…

インペアード・パフォーマンス

そろそろ花粉症の予防を

そろそろ花粉症シーズン

花粉症 とあるスギ花粉患者さんとのエピソード

うれしかった患者さんの来院

食べながら偲ぶ

 

カテゴリー:クリニックに関すること 健康 眼に関すること

2023.1.31 白い杖の来客

『…バレーのAさんからお電話です』と受付スタッフから。

…バレー?バレエ??

 

昨夏のある日の朝刊。

視覚障害者と健常者が一緒に楽しめるフロアーバレーの記事が。

眼科医ゆえ、目に関する記事やニュースには特に目が行きます。

更に、『健康スポーツ医』であり『障がい者スポーツ医』の院長。

興味深く読みました。

 

『視覚障害者用補装具適合判定医師』養成講座でも『障がいスポーツ医』養成講座でも、実習で障害者スポーツの勉強や体験をしましたが、『フロアーバレー』は知りませんでした。

プレイの様子と、キャプテンAさんの写真が。

そして連絡先のAさん携帯番号も併記。

 

気になる…気になる…

面識のない個人の携帯電話にかけるとなるとオバサン(院長)でもハードルが高い…

どうしよう、気になるけど…

迷いつつ2週間。

思い切って電話をかけます。

相手は、写真よりも若い声。

体験する予定か聞かれ、まずはどんなものか知りたいので見学を、と伝えます。

 

2か月先までの練習日を聞きメモします。

一応連絡先を、と聞かれたのでクリニックの番号を(携帯番号よりは…)。

 

土曜日は絶対無理だし、日曜日も既に所用が入っており、結局行けずじまいに。

 

そして年が明けた1月。

クリニックに電話があったという次第。

『びっくりしました。眼科の先生だったんですね~それなら尚更説明しに行ってもいいですか?』

『もちろんです』

 

約束の日にクリニックに現れたのは白杖の二人の青年。

ウサギ小屋みたいな院長室で話すことに。

ドアを開けて室内へ。

ガッチャーン!

早速大きな音がします。

『すみません!』

いえいえ、『すみません』は当方です。

入ってすぐの仕事机の角に、文具を入れたプラスチックケースが置いてあったのでした。

初めての場所だと、視覚障がい者は、白杖、手指の感覚で空間把握をします。

ですので、角には物を置いたりしてはいけません(眼科医として反省)。

 

二人が自己紹介をしてくれます。

Aさんは、高校生の時、突然視力障害に。

その後、盲学校に転校しています。

Bさんは、幼少時から見えにくかったのですが、進行により中学校から盲学校に。

『Aさんは○○の病気、Bさんは○○の病気ですよね!?』

『正解です、さすがです』(エピソードを聞くと…眼科医ですから)

 

フロアバレーボールとは…

6人制バレーボールに沿った、視覚障がい者と晴眼者(視覚障害がない健常者)が一緒に楽しめるスポーツ。

ネットの下で床を転がるボールを打ち合う。

ネット前で目隠しをする3人の前衛と、コートの後ろの後衛(弱視者でも晴眼者でも)が1チームとなり、競技をする。

 

フロアーバレーボールチームは、他にもいくつかあり、交流試合もするそう。

また、年に一回は、愛知県大会も開催されているそうです。

『一度見学に来てください』

 

白杖を持つ程度になると、回復と言うより現状確認のための大きな病院での定期検査となる事が多いです。

したがって、町の眼科医は接点がなくなってしまいがちです。

『なんか目が乾くなとか、目やにが出るなと言う時に行ける眼科がないんですよね。行ってる病院は、完全予約制だし』

見える見えないだけでなく、もっと日常の病気(結膜炎とかドライアイとか)は誰にでも起こりうるはず。

『そういう時は、町の眼科に来院してね~』

 

見学、ぜひ行かねば。

またまた未知なる世界へサーブ!

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2022.11.15 東京やっとかめ

11月に入り日本臨床眼科学会の講演をオンデマンドで聴いています。

今年10月から眼科新専門医制度が始まりました。

今までは、各科の基準で専門医認定が行われていましたが、全科共通の基準が設けられるようになったよう。

 

専門医は新専門医に移行できますが、更新の仕方が変わります。

単位対象プログラム・取得方法・単位数の大幅な変更。

診療実績の証明、共通講習、眼科領域講習、学術業績・診療以外の活動実績それぞれの項目で取得単位が決まっています。

今までも、学会参加などで単位は十分足りていた院長ですが、『専門医なら、よりしっかり勉強して!』と言う制度変更でしょうか?

 

今回はコロナ禍ですが、現地開催+ライブ配信(ライブ)+オンデマンド。

単位の取得方法も、学会参加1日当たりの単位数ではなく、聴講時間、現地・ライブ、オンデマンドで異なります。

 

院長は、出来るだけライブで視聴するようにしました。

視聴歴が管理されていると思うと、ライブにも気合が入ります。

気合が入りすぎて、画面にかじりつく状態に。

患者さんに20分画面見たら20秒休みましょう、と言っているのに…

画面に100分(一講演)集中すると疲れを感じます。

 

最終日もライブで視聴のつもりでしたが、新専門医制度始まりの最初の学会。

生の講演を聞きたい!現地へ行きたい!

朝1番の新幹線なら、8時半前に東京駅に着きます。

『行っちゃお!』

朝まだ暗いうちに出発、新幹線に乗車します。

久しぶりに、車内販売のカチカチアイスを。

このアイスに合う新幹線限定スプーンを以前購入。

うっかり食洗器に入れたら、アルミ製ゆえ変色してしまいました(でも使っています)。

 

コロナ流行の前に上京して以来、3年ぶり。

東京国際フォーラムが懐かしい。

新専門医制度では、各会場入場ごとにカードをかざすように。

誰がどこで何を聞いたかすべて管理されるように。

とはいえ、他はいつもの学会場と変わらず。

人が多く、臨場感があり、PCを通じてライブで聴くのとは格段の違いを感じます。

わくわく感とか、人の気配・雑音・雑踏とか。

 

最後のセミナーまで聞いて、学会も終了です。

朝が早かったし、明日の診療に備えて夕食の時間までには帰りたいところ。

東京ならでのお楽しみを、頭の中でぐるぐる検索。

 

目指すは、リーフパイで有名なW。

喫茶室は初めて。

混んでいるので券を取って歩道の花壇に沿って待ちます。

電話の呼び出しもしてくれますが、ほとんどの人が並んでいます。

自転車で来た母娘(娘は小学生位)は、券を取って出かけていきます。

銀座は庭なのね~(羨望)

待つこと30分超。

白い木綿のカバーが掛かっている椅子に案内されます。

院長の子供時代の昭和感(か、それ以前)。

ボーイやウエイトレスも、白い上衣やエプロン。

 

回顧主義なのか、最近はシュークリームがケーキの中でも一番好きな院長です。

近頃なかなか見ない、皮が柔らかく、クリームもいっぱい詰まっているこのお店のは、マイベストです。

カスタードと生クリームのミックスは、喫茶メニュー限定とのことで即決。

ネズミのシューを買って(別店)帰ってから3年ぶりの東京。 →前回の記事はこちら

感慨深い…

 

帰り際、先ほどの親子が談笑。

女の子はバナナサンデー。

行きつけなのかしら?(羨望)

徳重駅が庭の院長とは違うわ~

今度いつ来られるかわからないので、持ち帰り用にまたまたシュークリームを。

東京出てきてよかった!

学会で頭を使って、甘いもの食べたから、最後は歩いて東京駅に向かいました。

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2022.11.8 毎日紅葉

朝晩めっきり冷え込み、紅葉の季節となりました。

 

院長が、10月後半から毎日楽しみにしているのが、クリニックの真向いの街路樹の色付き。

カエデだと思いますが、10月後半から少しづつ色づき始め、現在かなりの色づき加減です。

朝日に照らされて、赤色がより映えます。

この季節、毎朝、これらの街路樹の美しさから、ちょっとした心の栄養をもらっています。

日本各地、自分なりに、色々な紅葉の名所に行きました。

名所だけあって、わざわざでも出かけていく価値ありの所ばかりでしたが、それは非日常の美しさ。

こんな間近に紅葉(といってもどこにでもある街路樹)を見られる日常も幸せ~と思えるように。

足るを知る…と言っていいのか、外ばかりでなく内なる幸せにも気づけるようになったのか…

 

紅葉の赤色の正体は、アントシアニン。

秋になり気温が低下すると、クロロフィル(葉の緑の元)が分解され、アントシアニンが生成され、赤くなります。

アントシアニンは紫外線吸収効果があり、紫外線など有害な光を守るための色素です。

植物は自分で作れるけれど、ヒトは作れません。

アントシアニンはじめ抗酸化作用のある成分は、昨今、抗加齢医学で注目。

加齢性黄斑変性症や緑内障向きのサプリメントもあります(当院でも取り扱いあります)。

 

街路樹をきれいだな~と眺められる余裕が出来たのも、ここ数年です。

子育てを終えて、やっとすぐ近くにあるちょっとしたスペシャルに気づくように。

街路樹の色づきは、息子の小学生時代にタイムトリップも。

三男が小学1年生の時、生活発表会の出し物は『落ち葉のプール』

『それぞれ45リットルのごみ袋に落ち葉を拾ってくること』がクラスのミッション。

街路樹の色づくのを待って、1枚1枚拾っては袋に入れ…を繰り返しました。

とても45リットルいっぱいにならないので、あちこちに遠征。

3人の子供たちが、一緒になって、1枚1枚拾いました。

『落ち葉のプール』は成功だったのか否かは記憶にありませんが…

 

さて、今年も、就学時健診が終わりました。

しっかりしている子から、母親から離れられない子まで様々。

視力検査の結果が芳しくない児童には、再検査を勧めます。

健診後、早々と再検査に来院する患者さんも多々。

緊張して学校の視力検査が上手く出来なかっただけという心配ないケースが多々。

しかし、遠視や近視その他の病気が見つかることもあるので、必ず就学時前に受診をお勧めします。

『学校で会ったよね!?覚えてる?』

『うん』の子も、首を傾げる子も。

『どこの学校へ行くんだっけ?』

『○○小学校』と答える子も『う~ん、忘れた…』の子も。

 

就学時健診は紅葉始まりの時期。

小さな可愛い新1年生を診ながら、今は成人した小さく可愛かった息子たちとの思い出がよみがえる院長です。

落ち葉を拾いながら、どんぐりの笠を小さな指にかぶせては『母さん、見て~!どんぐり帽子だよ!』

 

院長はオバサンにしては?現在と未来を向いているほうだと思います。

しかし、秋(人生もですね)だからか、郷愁に浸る束の間も。

もう小学校ではお母さんに間違えられません。→前回の記事はこちら

 

 

カテゴリー:公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2022.11.1  鉄道応援!ワイン応援!

目洗いの湯の帰り。 →前回の記事はこちら

今回は、もう一つの目玉『ワインバレー列車』に乗ります。

長野電鉄の企画列車『特急ゆけむり~のんびり号』は湯田中駅から長野駅までを約1時間半かけて走ります。

ワインとお弁当を食べながら車窓を楽しむ列車です。

 

最近は各地で企画列車が走っていますが、院長も、念願の初乗車となります。

長野電鉄は、以前にも乗車歴がありますが、なかなかユニークな鉄道・駅です。

今回乗る『特急ゆけむり』、見たことある車両です。

小田急ロマンスカーを譲り受けたものだそう、なるほど。

中央の列車車両が地方鉄道で使われているのを見るのも楽しい。

 

コンパートメントには、お弁当が用意されています。

そしてグラスは一人2個。

地元ワイナリー各社のワインの紹介付きです。

 

この列車は、カウンターにグラスを持っていけば、好きなワインを好きなだけ飲めるというシステムです。

飲めない・飲まない人用には、巨峰ジュースもあります。

列車が走り出すと、乗客はワインカウンターへ。

 

院長もワイン好きなので、まずは軽めの白を。

お弁当のふたを開けると、信州鶏のハムから始まってお品書きがずらり。

駅前の閉まっていた食堂?みたいな所で作っているようですが、デパ地下に置いたらヒットすること間違いなし!のグレード。

別の白をもう一杯。

おいしい食事にさらにワインが進みます。

院長は、毎晩『お疲れ様1杯』というルールで飲んでいます。

本日はルール解禁なり。

 

ワイン(赤>白)はポリフェノールを多く含んでいます。

ポリフェノールの一種のアントシアニンは、青紫の天然色素で、植物を有害な紫外線から守る働きをしています。

強い抗酸化作用を持ち、目(白内障・加齢性黄斑変性症)や身体の老化防止に欠かせない栄養素と考えられています。

ポリフェノールは、体内で作ることが出来ません。

食事やサプリメントで摂取することが必要です(眼用サプリは眼科で取り扱いあります)。

特に、加齢とともに抗酸化物質の量も減っていくので、院長含めオバサン・オジサン世代は意識して摂らないと…

 

列車は見どころで速度を緩めます。

アナウンスに聞き入ります。

駅員さんが、お土産グッズを大きなかごに入れて回ってきます。

おやきやエリンギ握りずし・栗ようかんにビール、長電オリジナルグッズなど。

駅員お兄さんのアタックと長電(長野電鉄)応援魂もあり、1種類ずつ買い求めます。

 

しばらくすると小布施駅に。

ここは栗が有名です。

停車時間が長くとってあり、ホームに並んでいる栗やぶどう・梨などを買ってしまいます。

買ったものを持って乗り込むと、またまた駅員さんたちが『たくさん買っていただきありがとうございます!』

『長電だけでなく、地域振興にもなります』と言われれば、『買ってよかった、また買おう』と思うもの。

 

さっぱりした白から始まり、すっきり辛めの白。

軽くて柔らかい赤から、どっしりした赤。

ワイナリー・ワインによって、それぞれ個性があります。

美味しいごはんとご当地ワイン。

ルール解禁どころか、1週間分のワインを1時間半で。

 

かなりいい気分になって長野駅に降りた院長。

駅で、地元の野菜(卵やパン・豆などもあり)を買うことは忘れずに。

最後まで、長電応援。

 

その後1週間、禁酒したのは言うまでもありません。

もっとも、飲む気になれませんでしたが。

 

ポリフェノールは毎日少しずつ摂取がお勧めです(反省)。

 

詳しくはこちら

サプリメント

活性酸素と抗酸化物質

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2022.9.13  公センセイとQ&A

緑区いきいき支援センターからの依頼で、緑区医療相談支援事業の講師を務めてきました。

 

いきいき支援センターとは、地域包括センターの名古屋市版名称(名古屋市だけの呼び名)です。

高齢者の身近な相談窓口として設置されています。

生活・介護・介護認定・介護サービスなどの相談。

相談内容に応じた各種情報提供や関係機関の紹介。

認知症高齢者を介護する家族への支援事業、などなど。

 

相談は、ケアマネージャー(ケアマネ)・社会福祉士・保健師などの職員が、専門知識を生かしながら、互いに連携して「チーム」で対応します。

 

院長は、時に介護認定委員会に出席したり、主治医意見書を書いたりします。

視覚障害だけで、介護認定がおりることは少ないのが実情です。

 

 

緑区では、通常は、内科医による医療相談が、数か月ごとに行われています。

会議室と言うこともあり、講義形式ではなく、『公センセイとQ&A』で話をすることにしました。

 

事前にいくつかの質問をもらっています。

また、それ以外に、当日に何でもいいから聞いてください!のスタンス。

 

『眼内レンズの選び方について。何回もできるのか』

眼内レンズは単焦点(保険)と多焦点(自費)のタイプがあります。

患者さんの希望に加え、身体症状・性格も考慮して選ぶべきです。

今回は、介護認定を受けている高齢者と言うことで、その人の状態・生活様式・術後のケアなどを考慮して主治医としっかり話しあうべきとお話ししました。

何回も白内障手術が出来ると思っている人もあるようですが、基本1回のみです。

術後経過云々で眼内レンズの入れ替えをすることはありますが、非常に稀なケースです。

また、数年後、眼内レンズの後ろの膜が濁り視力低下を起こす『後発白内障』がありますが、これは、いわゆる白内障の手術はせず、レーザーで濁りを取り除きます。

眼科医としては、後発白内障のレーザー治療は、白内障手術2回目とは捉えていません。

 

『術後の点眼が出来ない』

手術後は、病気により違うものの、抗生物質や消炎剤の点眼薬が1日4回点眼指示されます。

認知症や体の不自由さがあり、回数を守れない場合は、主治医に相談しましょう。

絶対点眼しなければいけない回数・期間を、主治医の裁量で変えてくれると思います。

 

『眼鏡店で、眼鏡で視力が出ないと言われ、ショックを受けている』

眼鏡店は、屈折(近視・遠視・乱視・老視)以外目に病気がない人なら、良く見える眼鏡を合わせてくれます。

眼科医は、眼鏡希望の患者さんでも、他に病気がないかを診察します。

まずは、眼科を受診して、病気の有無や視力が出ない原因を診てもらいましょう。

また、眼科で眼鏡は処方します。

 

質問は尽きず、あっと言う間にタイムオーバー(紙面に書ききれず)。

 

院長は、アイフレイルアドバイスドクターと言うこともあり、アイフレイルについて大いにアピールもしました。

また、視覚障害のある利用者を考慮した、デイサービスやデイケアの計画をお願いしました。

在宅になって眼科医を受診せずに、漫然と点眼薬を使用するリスクもお話ししました(往診もします)。

 

眼科医だからこそ、全身とつながる、その人の人生ともつながることを実感する院長。

子育ても介護も、目(の病気)とつながること、ありありです。

知識・技術だけでなく、人生そのものも医師を形成するのだと実感(ならばずっと成長・成熟です!)。

だてにオバサン(院長)ではないキャリアだと思えば、オバサンもまた良し。

 

→こちらもぜひ、ご覧ください

アイフレイル自己チェック

白内障と認知症

 

来週の公センセの部屋はお休みです。

カテゴリー:健康 眼に関すること

2022.9.6 新型アデノウイルス

新型コロナウイルス感染症が確認されてから、12月で丸3年に。

次々に変異株が現れ、日本でも第7波に至っています。

一時より、新型コロナ関連のニュースは少なくなったものの、まだまだ熱い毎日。

 

さて、眼科領域でも、新型ウイルスの話題が熱いです。

眼科医が最も注意しなければいけない結膜炎は『はやり目』

伝染性が強いので、学校伝染病にもなっています。

充血や目やにが主です。

その他、涙目とか異物感など。

上記の症状を訴えて患者さんが来院されたら、速やかに眼科医が診察します。

目やにも、細菌とウイルス・アレルギーでは性状が違います。

結膜(白目)の赤味具合はどうか、角膜(茶目)に変化はないかなどを診ます。

いつから?

発熱は?

耳前リンパ節の腫れは?

周りで似たような人は?

はやり目は、アデノウイルスが原因の結膜炎です。

アデノウイルスの型によって『流行性角結膜炎』と『咽頭結膜熱』(こちらは学校伝染病)があります。

風邪症状が強い(熱やリンパの腫れ)場合は、先に小児科や内科を受診されることもあります。

『はやり目』を疑う場合は、アデノウイルス検出キットにて確認。

小児科や内科では喉のぬぐい液ですが、眼科ではまぶたの裏を擦ります。

陽性ならば、点眼薬を処方し、人に伝染させない注意(家族全員に感染することもある)をし、1週間後に再診します。

 

何十年とはやり目の患者さんを診療して、気になっていたことがあります。

『はやり目』は、一般的には潜伏期が1週間くらいで、1週間後の再診時にはほぼ症状もなく治癒している例が多いのですが…

症状が2週間以上と長引き、回復まで時間のかかる例が、多くなってきました。

 

コロナウイルスと同様にアデノウイルスも変異します。

院長が眼科医になった頃は、『流行性角結膜炎』を起こすアデノウイルスの型、『咽頭結膜熱』を起こすアデノウイルスの型は分かっていましたが、数個でした。

それが…ウイルスの変異とともに、新型がいくつか出現。

その中でも、潜伏期間も長く、罹患期間も長引かせるウイルスが、合併症や後遺症も起こしやすいことが分かってきました。

目やにの他に、角膜にもキズが出来たり、結膜に膜様物が出来たり…の合併症。

やっと治癒しても、当院では数週間後の再診を勧めています。

後遺症で、角膜に点状の濁りが生じ、視力低下を起こすことがあるからです。

 

新型コロナウイルスに感染しても、特効薬はなく、軽症では対症療法(休養・鎮痛消炎剤など)が主になります。

アデノウイルスによる『はやり目』も、実は特効薬はありません。

ただ、他の感染を防ぐために抗生物質の点眼薬や、角膜の濁り(多発性角膜上皮下浸潤)の発生を少しでも抑えるために抗炎症の点眼薬を処方します。

 

そして…ちょっと熱いニュースが!

ヨードの消毒薬(うがい薬で馴染みがありますね)は、ウイルスの膜たんぱくを変性させ、ウイルスを死活化させます。

アデノウイルスを殺滅する点眼用ヨード剤が発売されました。

特に、新型アデノウイルスの『はやり目』に効果が期待されます。

症状の緩和や後遺症の発生低下など。

 

ただし、この点眼用ヨード剤は、医師が処方する薬ではありません(処方箋は出ない)。

要指導医薬品と言って、薬剤師が対面で販売調剤するものです。

眼科医が必要に応じて購入を勧めます。

点眼タイプのヨード剤、眼科医にとってはホットな話題です。

 

こちらもぜひご覧ください

眼科で隔離

 

カテゴリー:眼に関すること

2022.8.30 きれいな目

8月の終わりは、長男の誕生日。

成人しても、バースデーケーキを用意してしまう親バカのバカ母(院長)。

どの息子も、もう自分の誕生日にそれほど特別な思いはないのですが、誕生日当日朝にケーキが登場します。

バカ母に付き合っている感がしないでもないけれど、まんざらでもない?

『○○(息子)ちゃん、お誕生日おめでとう!』のプレート。

『何歳までやるの?』(未定)

『ろうそくは、いらんやろ』(せっかくもらったのに)

ろうそくの火を一息で消すのを楽しみにしていた小さな息子たちは何処に…

ケーキ選びも楽しいし、自己満足(のみ?)かもしれませんが、もう少し続けます。

 

 

子どもの誕生日と言うのは、出産の日。

そのエピソードは、子供ごとに母親は覚えていると思います。

長男の予定日が1週間後に迫った日。

知り合いの知り合い(面識なし)の先生が、急な代診を探しているとの連絡。

産休生活もすることもなく、予定日まで1週間あるし…と引き受けました。

岐阜から名古屋まで、駅の階段を上がり降りし、電車に乗り…

久しぶりの仕事に充実した翌朝、破水が。

その晩生まれた長男は、9月生まれの予定が8月に。

小さな息子を抱きかかえて、退院日に病院の玄関に立つと、もう秋の風。

世界も変わって見えました。

1週間前の暑い朝は一人だったのに。

ここから院長、試練が始まります。

 

さて、妊娠中、よく食べたのがあわび(貝)です。

目のきれいな子が生まれる…という言い伝えがあるらしく、この際(普段は、なかなか食べられない)だからと、アワビのお刺身、お寿司、カレーなどなど、あちこちで食べました。

この言い伝えに、根拠は不明ですが、胎児に良いと言われることは信じる(信じてしまう)のが、妊婦。

 

きれいな目って何?

まだ眼科学も発展していない昔、見た目(外見)に異常がなければ、病気はないと一安心した名残ではないでしょうか?

 

赤ちゃんの白眼は透き通るようなグレーかかった白です。

これは、白眼(強膜)が薄いからです。

角膜の下に見えるはっきりした虹彩の色(茶目)。

乳児は黒目(瞳孔)が成人より大きく澄んでいます。

瞳孔の黒・虹彩・白目のコントラストがはっきりしています。

だから、きれいで、つぶらで、可愛く見えます。

実際には、外見的にきれいな目だからと言って、眼科学的に問題がないわけではありません。

外見的には問題がなくても、小さな眼球のどこか、もしくは脳など他の部位に問題があっても、視力はうまく発達しません。

眼科学が発達し、赤ちゃんの眼の病気の治療も大きく進歩しています。

 

時に、『目が黄色い』とか『汚い気がする』と、心配されて来院される中高年の患者さん。

紫外線や加齢に伴い、強膜や結膜(強膜のうえにある透明な膜)が厚くなり黄色身を帯びてくるためですので、病気ではありません(もちろん診察したうえで)。

見た目は問題あり?(本人)でも、機能的に問題ない場合もあります。

 

 

顔の中でも、目は一番先に視線が向くパーツです。

見た目は大事ですが、それが全てではありません。

お化粧やカラーコンタクトレンズ(カラコン)で盛ったら、俗にいうきれいな目に見えます。

でも、やはり、内からくる目力・底力の方がパワーがある!

視力障害の患者さんを長年診て思います。

見た目より本質!

それでも、カラコンはしないまでも、アイメイクはマストのオバサン(院長)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2022.8.23 跡がついてます

3年前買った、お気に入りのポロシャツ。

サイズは変わらないのに、腕に袖口の跡が付くようになりました。

腕、太くなった?

オバサンにしては、良い意味で太くなってきています。

そうです!

筋トレの賜物、貯筋(ちょきん)の結果です。

嬉しい反面、ノースリーブの服が増える傾向にあります。

華奢な腕はたくましい腕に。

箸しか持てなかった腕?は、ちょっとした男性並みの重量を持てるように。

見た目より実利。

 

跡がつくのは、その部分が押されているから。

腕だけでなく、身体のどこにでも、締め付けや圧がかかれば、跡が付きます。

開放されれば、跡は消えますが。

 

眼科の診療でも、跡がついている患者さんを診ることがあります。

ハードレンズ(HCL)ユーザーに見られます。

 

HCLは、硬いプラスチック素材の角膜(茶目)より小さいコンタクトレンズ(CL)です。

患者さんの角膜カーブに合わせて処方します。

瞬きすることで涙液交換が起こり、酸素が目に取り込まれます。

涙が減少し、レンズが動きにくくなると、角膜に傷がつきます。

特に、HCLのエッジによるリング状の圧痕がある場合は、レンズがほとんど動かず(貼り付き)、涙の交換が出来ていない状態です。

一過性の貼り付きは、瞬目や人口涙液で改善されます。

しかし、貼り付き状態が長い(固着)と、リング状に圧痕がつき、角膜に変形が起きている可能性もあります。

 

多くは、長年のユーザーで、同じレンズを長期使用。

ドライアイあり。

瞬きが浅い。

長時間のネット環境(瞬き減少)、などなど。

レンズを中止して1~2週間後、角膜のカーブを再検。

処方レンズの見直しも検討します。

 

昭和時代、日本での第一選択はHCLでした。

院長の初CLも、もちろんHCL 。

使い捨てや頻回交換型SCLが日本に導入され約30年。

今では、CLユーザーのほとんどがSCLです。

それでも、HCLのほうがお勧めの場合もあります。

強度近視や乱視などは、HCLのほうが、よりシャープに視力が出ます。

当院で実感する限り、HCLユーザーは院長年代以上の患者さんがほとんど。

最高年齢は強度近視の80歳。

強度近視になると、眼鏡よりHCLのほうが矯正視力が上がるので、高齢でも使用されています(定期検査もしっかり)。

 

今は、ネットでもコンタクトレンズが購入できますが、角膜に傷や跡がついているかどうかなんて、自分で見てもわかりません。

また、HCLユーザーは、強度近視の傾向にあるので、緑内障発症の頻度も高まります。

最近は、強い近視でもSCLユーザーが多いので、啓蒙活動や早期発見を心がけています。

 

ジャストフィットする服が好きな院長です。

洋服は好みですが、コンタクトレンズは高度医療機器なのでジャストフィットでなくてはいけません。

 

目の前の眼科医は、あなたの角膜にジャストフィットするコンタクトを選び、トラブルシューティングにも対応します。

ネットの世界に行かないでくださいね~

 

 

 

 

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