2019.1.24  運転どうする?

高齢ドライバーの事故が増えています。
中でも認知機能の衰えによる運転技術の低下が問題視されています。

改正道路交通法では、75歳以上に免許更新時の認知機能検査が義務付けられており、今年3月からは検査で認知症の疑いがあると判定されれば、医療機関を受診しないといけません。
認知症は、眼科医の専門ではありませんが、時には『認知症かも?』と思うような患者さんに遭遇します。
まだ未診断の患者さんには、専門医の受診を勧めています。

眼科医で心配するのは、視力・視野です。
運転免許可能な0.7でさえ、実際に運転するとなると、かなり怖いです。
眼鏡をかけて1.2出る視力の人が、0.7の視力の疑似体験をしてみると、その視力で運転しようという気になりません。
しかし、実際は両眼0.7に満たなくても、眼鏡を装用していない人も多く、『無いほうが運転しやすい』と言い切る強者も。
多くは、高齢の方が多く、免許更新時限りの眼鏡のようです。

また、視野欠損があっても、余程でない限り、免許取得は可能ですが、緑内障などで、徐々に視野が欠けてきている場合、自覚症状のないことも多くあります。
上半分の視野が欠損すれば、信号機の見落としも起こりえます(帽子を目深にかぶってみてください)。
側方の視野欠損があれば、飛び出しや駐停車両に気づくのが遅れたり、駐車の際に車体を傷つけてしまう可能性もあります。
眼科分野では、緑内障など視野狭窄を伴うドライバーに対する、『ドライビング・シュミレーター』での研究も話題になっています。

免許証があれば『運転する権利はあるが、安全に運転する義務もある』という言葉は、ずっしり響きます。

ちなみに高齢者安全運転支援研究会の『運転時認知障害早期発見チェックリスト30』(一部表現簡略化)。

1:車のキーや免許証を探し回ることがある
2:カーステレオやナビの操作が出来なくなった
3:メーターや時計の合わせ方がわからなくなった
4:機器や装置の名前を思い出せないことがある
5:道路標識の意味が思い出せないことがある
6:駐車場で停車位置がわからなくなることがある
7:よく行く場所への道順を思い出せないことがある
8:途中で行き先を忘れてしまったことがある
9:よく通る道で曲がる場所を間違えることがある
10:車で行ったのに他の交通手段で帰ったことがある
11:運転中、バックミラーをあまり見なくなった
12:アクセルとブレーキを間違えることがある
13:曲がる際にウインカーを出し忘れることがある
14:反対車線を走ってしまった(走りそうになった)
15:右折時、対向車の速度や距離の感覚がつかみにくい
16:自分が先頭を走り後ろに車列が出来ることがある
17:車間距離を一定に保つことが苦手になった
18:高速道路を利用することが怖く(苦手)になった
19:合流が怖く(苦手)になった
20:車庫入れで壁やフェンスにこすることが多くなった
21:駐車場の線に合わせ停車することが難しくなった
22:日時を間違えて目的地に行くことが多くなった
23:急発進や急ブレーキなど運転が荒くなった
24:右左折時、歩行者や自転車が現れて驚くことがある
25:ミスしたり危険な目に合うと頭の中が真っ白になる
26:好きだったドライブに行く回数が減った
27:同乗者と会話しながらの運転が難しくなった
28:車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった
29:運転自体に興味がなくなった
30:運転すると妙に疲れるようになった

5個以上当てはまると要注意!です。

一時は、マニュアルのスポーツカーにも外車にも乗っていたのに…
ぶんぶんドライブに出かけていたのに…
最近はめっきり…26.29該当の院長です。

足腰を鍛え少々の距離は徒歩・自転車で。
公共機関の利用に慣れておくことも、豊かな老後に備えてです。

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