悼む   2010.8.17

残暑が厳しいですね。お墓参りをするとおばあさん子だった私は祖母を偲びますが、今年でもう33回忌です。高齢の患者さんを往診するうちに、お別れすることも多くあります。眼科医は最後の看取りはしませんが、私の心の中で悼む人として刻まれていきます。医師と患者、そんなつながりもあると、お盆だからこそ思います。

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初恋のこうさん   2010.7.25

ある90歳の患者さんはバスで少し離れた所から長く通われています。先日‘ここの医院の名前が好きだからね。私の初恋の人も同じ名前でね~’初恋の大正時代の‘こうさん’は私とは似ても似つかぬ乙女だったのでしょう。若かりし頃の思い出を、今は孫ほどの‘こうさん’(私)に話していただけるのはうれしいことです。いくつになっても、人を想った時の引き出しを出せることは素敵だなと思います。

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心療眼科研究会   2010.7.12

当院は眼科にもかかわらず、眼科領域を超えた小さな悩みから、精神(科)的なご相談まで!受けることはよくあります。眼を合わせる(もちろんこの時点で診療開始モード)、眼をしっかり見て話すことで、眼科以外のことも話そうと思われるのもかもしれません。眼科といえども精神科的な知識も必要で、今回東京での心療眼科研究会に参加し、新しい知識と刺激を得てきました。眼科医でもできること、眼科医だからできること。模索しつつ日々の診療に生かしていきたいものです。

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カモガヤブレイク   2010.6.26

眼科は春から夏が忙しいのですが、今年はスギ花粉が少なく、カモガヤでブレイク!忙しくなるにつれて、大抵この時期‘家事イヤイヤ病’になります。救世主は家電製品と夫(と一部子供)。忙しすぎると家事イヤイヤ病はスタッフに伝染するので、院長としてはもう少ししたらお休みを取ってもらえるよう、今は頑張ってもらっています。長く待たれても、スタッフをねぎらってくださる患者さんの一言が清涼剤です。そして、私たちもささやかながら患者さんの清涼剤になりたいという思いです。

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眼科検診:小学校編   2008.6.2

保健室に入るや否や「あっ!知っとる!」「見たことあるー!こー先生や!」の声。小学校の検診ではまだ初々しい1年生が緊張の面持ちで並んでいます。きっと受診したことのある、もしくは就学時検診で見たことのある眼科医でホッとして出る言葉なのでしょう。小学1年生の反応は本当に可愛いものです。就学時検診では保護者と一緒でもあり、まだ保育園や幼稚園が違う知らない物同士で、泣きべそで検診を受ける子もいます。しかし、1年生になると大方の子供たちは、先生の言いつけ通り覚えたての台詞で挨拶が出来るようになります。私の検診スタイルは、名前を呼ばれたら’ハイ’の返事をするか、自分でフルネームを名乗る(学校によって違う)ことが前提です。私の子供時代なら当たり前だったことでも、最近の子供たちは検診の時の特別なことかもしれません。目の前で名前を呼ばれても無言‥(この場合くどいほど私は名前を連発する)の生徒。苗字のみ(同姓があるので下の名前まで言ってもらう)名乗る生徒。名前のみ!(低学年に多い。欧米風?かもしれないがこの場合もフルネームで言い直し)名乗る生徒と、様々です。そういう生徒には、人違いを防ぐためにも、自分の存在を確認させるためにも返事や自分の名をきちんと名乗ることは基本的なことと、やや説教じみてしまう私です。さて、今年ある小学校では1年生から「私は××です。よろしくお願いします。」と始まり非常に爽やかなスタートでした。同じあいさつの繰り返しに、瞼を下げながら’My name is ****.’と英語の基本構文が浮かんできます。上級生になると文体丸暗記の自己紹介派は減少し、’礼儀正しい派’と’とりあえず言う派’に分かれていくのも興味深いものがありました。学年が上がるに連れ、私の腕は下方運度から上方運動に変わり、高学年(中にはびっくりするような体格の子もいるので)では、生徒に椅子に座ってもらい検診することになります。校医歴が長くなってくると就学時から卒業(場合によっては中学も)までその子を検診することになり、毎年子供たちの成長も検診時の楽しみです。学校行事にほとんど参加できない母親(私)が校医として検診に来ることをすごく喜んで興奮していたうちの息子たちも、高学年になると照れ臭く他人行儀なのも成長を感じるひとコマでもあります。さて、帰り道My name is***.の後の「よろしくお願いします」はI’m glad to see you.でいいの??この場合ちょっと違う気もする?うーん??とはまり込んでしまった私。旧知のアメリカ人の友人(日本語ペラペラ)に尋ねると、この表現を教えてくれました。Thank you for seeing me today.

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眼科検診:中学編   2008.5.13

この季節、校医の仕事として検診があります。まず第一弾は隣の学区の中学校へ。昔は10クラスずつありましたが、今は中学が新設され各7クラスに減りました。それでもわりと大きい規模です。校医で検診の際に楽しみなのは生徒たちの成長ぶりを実感することです。特に今年はこの中学校は長男が通っていた保育園がある学区が入っているので6年ぶりに見る見覚えのある顔が多くうれしくなってしまいました。眼瞼をめくりながら(これは健診の仕事)、成長した姿にもまだハイハイをしていた頃の面影を感じてしまいました。若いときは親の昔の知人に会うと「小さい頃の面影があるわ」とか「××しとったよねー」などと当の本人の記憶に無い言葉をかけられても返す言葉も無く、ただ親と知人の昔話が終わるのを待っていましたが、子供もある程度大きくなったこの年齢になるとそのような言葉が出てきた気持ちもわかります。しかし、ここはあまり前面に’×ちゃんの母’を出さず(もういつまでも子供ではないと思い始める思春期にそんな声かけをされたら嫌でしょうし、忘れられているのがオチ!)、感慨にふけりつつも、そつなく検診をすすめました(お母さんに会えばもちろん昔話に花が咲くでしょうが)。さて中学生といっても1年生は初々しい。特に男の子はまだ小さい子が多く、制服にもかなり余裕があり可愛い少年が多いのですが、学年が上がるにつれ、身体も雰囲気も男の子から男性らしくなってきます。返事(私の検診は名前を呼ばれたらハイ!と返事をすることが必須)の声も太くなってきます。それでも男子学生は元気でのりがいいので、そのあたりはまだ幼さが残っています。女の子は少し早く二次成長が始まるせいか、小学校高学年から中1くらいまでは男の子より背が高いのですが中2以降はほとんど伸びず、その代わり女性らしさが加わり、はじけるような丸みを帯びた顔、身体になってきます。制服が弾けんばかりの腕は、単に太っているおばさんの腕の感触とは確実に違う若さゆえに存在するもの(経験済み)。それに比して返事は小さく恥ずかしそうな声で「はい」。私の中学時代もそうだったわー(あんパンというあだ名を想像してください)。でもこの数年で、みんな男子はかっこよく女子は綺麗になりますからね(日々の診療で実証済み)。若いってうらやましい!

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診察室の椅子   2007.11.18

一日で一番長く座っている椅子は診察室の椅子です。薄ピンクの布張り肘置き付きの椅子は、当初事務椅子と同じものを診察用にしようとしていた際に、業者から勧められたそれなりにいいもの(もちろん値段は高い!)です。しかし、けっこう立派な椅子にもかかわらず、いまひとつしっくりくる椅子ではなかったのが実情でした。とはいえ、10年の間使い続け、診察が終わるたびに椅子の後方に身体を動かしている自分におかしいのでは?と気になりだしたのはつい最近のことです。こうなると気になって仕方なくなるのが私。この椅子はリクライニングもよく、椅子の座面は深く、肘置きもしっかりしており、椅子そのものはいいのですが、私にしっくりこないのは何故??座面には両足を載せた中央はやや盛り上がったデザインですが、私には座面の3分の2あれば十分(もう一人子供が座れてしまう)です。しかも奥行きの深さも私がしっかり座ると膝関節まで座面に載ってしまうので、仕事には向かずどうしても前へ浅く腰掛けて診察をし、その結果ずり落ちそうになり、その体勢を立て直しているのでした。つまり、これは結構大柄な人で椅子に肘をかけふんぞりかえっていられる偉い人用、私には体型にも用途にも合っていなかったのです。試しに受付から持ってきた事務椅子に座ってみると座面の深さといい大きさといい私にぴったりのサイズ。椅子もコンパクトになって診察室も広くなりました。高い買い物をしたからというもったいない精神から、こんな簡単なことに気づかなかった(気づかないふりをしていたのかも)のですね。10年目にして反省。

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開業月   2007.8.1

8月は我がクリニックにとっては特別の月です。というのは開院の月だから。この時期になると開院顛末記といってもいい位いろいろあった当時のことを思い出します。今でこそそれほど珍しくありませんが、当時大学とも関連病院とも縁もゆかりもない土地での開業はめったになく、また不利(その地では無名で実績なども不明ですから)でもありました。しかも乳児、幼児を抱えてまだまだ医師としても若輩の私は、若さゆえ清水の舞台から飛び降りたのでした。まずは、1年。石の上にも3年(その間に無謀ながら三男出産)。5年目にしてまたまた無謀ながら大学院入学。そんなこんなでも、今年で10年を迎えることが出来ました。今までのカルテ分の患者さんがうちの宝です。患者さんによって現在の自分の力をつけてもらえたと思っています。毎日こつこつ漢字ドリルをやってきて、たまには書き順を間違えたりしつつも(漢字としては合っていても)、繰り返しと復習で、漢字ドリルを始めたときよりはずっとたくさんの漢字を書き順も間違えずにすらすらきれいに書けるようになった、そんな感じです。時々のごほうびは、患者さんからの’ありがとう’とか、’先生に診てもらってよかった’の言葉。うちを選んで来院された患者さんとのご縁を大切に、そしてたくさんのうれしい言葉を診療の糧に、これからも地域の眼科医として歩んで生きたいと思います。よろしくお願いします。

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鏡開き   2007.1.11

1月11日は鏡開きです。当院ではカウンターに飾ってあったお鏡餅でぜんざいを食べるのが慣例です。今年は11日が休診日だったので1日早い鏡開きです。午前診療が終わると、ぜんざいとお餅を温め箸休めの漬物を添えて、スタッフ全員でいただきました。最近のお鏡餅は中に個包装の切り餅が入っていて便利になりました。子供の頃、鏡餅はいつもひび割れて硬いものでした(真空パックなどなかったので。さらに切り餅はアオカビが生えると削って水に浸していました。最近はアオカビも見ませんね)。お餅は簡易的にレンジでチンですが、ぜんざいはずっと私の手作りです。結婚前は小豆を煮たこともなかったので、ぜんざいなんて缶詰で事足りるのでは?と思っていた私ですが、一度興味本位に作ってみると市販のものとは一味もふた味も違い、今では我が家の母(私のこと)の味として、公センセーの味として定番になっています。いつもはスピード料理がほとんどなので、小豆をことこと煮るのは毎日をばたばたしている私としては、ちょっとなごんだ時間の流れを感じる時でもあります。煮えた小豆特有の匂いがしてきた時、さらにお砂糖を入れてもう一度似た後の甘い香りは、食する前から幸せにしてくれます。もちろんお餅を入れて食べればとっても幸せです。中学生の時’あんちゃん’のニックネームもあった私、あの‘あん’は餡でもあったりして!?

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よいお年をお迎え下さい   2006.12.28

毎年12月に入ると1,2ヶ月に一回受診される常連の患者さんには今年一年のその方の病状のまとめをお話し、最後にはお互いに’よいお年をお迎えくださいね’の挨拶になります。毎月受診でも12月は今年最後の月ということで、病状のみならず患者さんの一年を振り返って話が弾むことも多々あります。うれしかったニュースもあれば悲しかったニュースもあります。眼科でもご高齢の患者さんの中には亡くなられた方もあります。当院は新年には猫柳を飾っていました。暮れになると毎年いつもにこやかなお顔のTさんが、曲がった腰で持ってきてくださったのです。開院依頼のお付き合いでした。思いもよらず心臓疾患で亡くなられたそうです。来年猫柳はありませんが私たちにとってTさんとの大切な思い出です。
今年もたくさんの人(患者様)との出会いがありました。診療を通して学ぶこともたくさんありました。みなさま良いお年をお迎えください。来年も、微力ですが地域の眼科医としてお手伝いできるよう精進していきます。

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