10月4日 くらしの作文 83才女性

見えなくなっても楽しくネ
ねえ、皆さん聞いてください。私はとても変な状態でした。もともと私は重度の視覚障害者でした。ところが最近、住み慣れてた我が家で柱にぶつかったり、家具の位置がわからなかったり。一番困ったことは、玄関のチャイムが鳴っても自分の立ち位置がわからずウロウロすることです。そして夫がいるのに気づかず、ぶつかって「邪魔!」と叱られる始末です。「どうしたのだろう」ハッと気が付きました。「私は全盲になったのだ」見事に何も見えない状態に。目を開ける、目を閉じる、目を開ける、目を閉じる...。何度やっても目の前には何もありません。うすい灰色だけの世界。いつかはこの時が来ると覚悟をしていたのですが...。いよいよその時が来たのです。
心は意外と平静でした。幸い、私には元気な手がある。足がある。耳も、口も。今朝も念入りにお風呂とトイレの掃除をした。包丁だって使える。ウォーキングが大好きで、ボランティアさんやガイドさんの手を借りてドンドン歩いている。スポーツセンターには気のいい仲間がいる。
大丈夫、何とかやっていける。皆さんに助けていただいて、夫の邪魔をしないように気を付けて。負けないヨ。ねえ視覚障害者の皆さん、元気に楽しく、明るく過ごしましょうね。

中日新聞 2023.9.27

9月29日 視覚障害者 切なる願い

エスカレーター上では立ち止まることを義務付ける条例が10月1日、名古屋市で施行される。
条例制定のきっかけは、2004年。障害者や高齢者から『エスカレーターで歩かれると、突き飛ばされそうになる』といった声が市交通局に寄せられ、『エスカレーターでは歩かないで』と呼びかける啓発が始まった。
2008年には地下鉄久屋大通駅でエスカレーターが緊急停止し、14人がけがをする事故も起きた。啓発を続けてきたが普及には限界があったとして条例化に踏み切った。
条例はエスカレーターを利用する場合、左側右側にかかわらず、段上では立ち止まることを義務付ける。交通各社や商業施設といったエスカレーターの設置者、製造や点検を担う事業者にも立ち止まり利用の周囲啓発を義務付けた。

この条例について名古屋市視覚障害者協会は『視覚障害者が気兼ねなく、介助者と並んで乗れるようになる。身体の不自由な人や小さな子ども連れなど、とっさの動きができない人や、右側にしか立てない人にもいいことだと思う。』と話していた。

中日新聞 2023.9.26

 

9月20日 視覚障害者の歩行ナビ開発

足に感じる振動で目的地まで誘導する、視覚障害者向けの歩行ナビサービス「あしらせ」を、東京の新興企業「Ashirase」が展開しています。

「あしらせ」とは

視覚障害者向けの歩行ナビゲーションサービスで、柔らかな板状の装置を足のかかと付近と側面、甲の3か所に触れるよう、両方の靴に入れて利用します。装置は専用のスマートフォンアプリと連動しています。アプリで目的地を設定すると、装置が振動し始めます。甲付近が震えていれば方角が合っている証拠で、道順案内が始まります。例えば、30メートル先を左折するとします。そうすると、左側の装置だけが振動します。そのまま歩くと、徐々に振動の間隔が早まり、曲がり角に来たところを知らせる。この連続で、目的地まで案内します。

健常者が情報の約8割を視覚から得ている一方、視覚障害者は聴覚や足の裏、白杖など多種多様なインターフェース(接点)から情報を得ています。そのため、情報処理に忙しく、脳内で処理中に情報同士が衝突すると道に迷ったり、事故に遭ったりするというのです。

足で知らせる今の装置は、靴に取り付けたまま玄関で靴を着脱できるので、保管場所を決める必要がない。機械を管理するということを極力減らせる装置である方が、彼らの生活に溶け込んで長く愛用してもらえる。

中日新聞2023.9.16

7月21日 コンタクトレンズによる眼瞼下垂リスク

松波総合病院形成外科部長の北澤健さんは2009年4月から2012年3月に眼瞼下垂で受診した30~60代の女性51人を調査したところ、約9割にあたる46人がハードコンタクトレンズの使用歴があった。
結果を統計学的に分析すると、ハードコンタクトレンズの使用者は非装用者と比べて眼瞼下垂になるリスクが約20倍高いと言える。また、ソフトコンタクトレンズの場合でもリスクが約8倍高まるということが、海外の論文で報告されている。

なぜ、コンタクトレンズが影響されているのか。人は毎日1万回~2万回まばたきをするため、まばたきをするたびに挙筋腱膜という瞼の内側の組織がコンタクトレンズでこすられ、摩擦により腱膜が伸ばされてしまい眼瞼下垂となる。
治療は手術が基本となるが、手術をして眼瞼下垂が治っても、コンタクトレンズを使用すると再発の可能性もある。

最近では若い世代にカラーコンタクトレンズが人気であるが『見た目をよくするために、コンタクトレンズを使用して、将来的に眼瞼下垂となり見た目が悪くなるだけでなく視界が狭くなるリスクがあることを知っておいた方がいい』と北澤さんは注意を促している。

中日新聞 2023.7/11

7月4日 側面に点字と英字 色を読める靴下

靴下商社のマリモ(名古屋市)は、視覚障害がある人に配慮した靴下「みちる」シリーズの販売を始めた。点字や英字を側面に貼り付け、色や裏表をわかりやすくした。色は白、グレーの濃淡二種類、紺、黒の五色。靴下をはくときに必ず触れるはき口に近い二か所に、色を示す点字と、黒なら「BLK」などの英字三文字が記されている。点字や文字はロゴマークの役割も果たし、デザイン性も高めた。視覚障害者向けの用具展で五月に展示し、好評だったという。日比野社長は「加齢で視力が弱くなった人などさまざまな人に使ってほしい。色柄なども今後増やしていきたい」と期待を込めた。

中日新聞 2023.6.29

7月3日 網膜の病気 iPS治験へ

住友ファーマ(大阪市)は23日、iPS細胞を使って網膜の病気の治療をめざす臨床試験(治験)を始めると発表した。対象は「網膜色素上皮裂孔」の患者。この病気は、目の奥で光を感じる「網膜」が部分的に損なわれ、視野が欠けたり、視力が落ちたりする。網膜に余分な血管がつくられて視力が落ちる「加齢黄斑変性」が原因のひとつだという。治験の主な目的は安全性の検証で、初期段階のものという位置づけ。有効性が推定できれば、最終段階の治験の前に製品を販売できる「条件期限つき承認制度」もあり、同社は承認申請も視野に入れている。

2023.6.24 朝日新聞

6月9日 ハイビーム 顔だけ避ける

日亜化学工業が開発した微細な発光ダイオード(LED)が、最新の車のヘッドライトに採用された。
対向車や歩行者を検知すると、顔の部分だけハイビームが当たらないように自動で調節し、まぶしくないようにできる。
今秋にもドイツの高級車メーカー『ポルシェ』の新型車に搭載され、初の実用化となる。
将来的にはヘッドライトで路面に文字やマークを投射できる。
法整備が進めば、路面に速度制限を表示したり、一時停車の際に横断歩道のマークを映して歩行者に横断を促したりできる。

中日新聞 2023.6.6

5月31日 花粉発生量半減へ

花粉症に関する関係閣僚会議を首相官邸で開き、30年後に花粉の発生量の半減を目指すなど健康被害を抑えるための対策を公表した。

政府の花粉症対策のポイント

・30年後に花粉の発生量の半減を目指す

・花粉発生源のスギ人工林の伐採規模を現在の年間約5万ヘクタールから約7万ヘクタールに拡大し、10年後に面積を2割程度減らす

・10年後には苗木生産の9割以上を花粉飛散の少ない品種にし、植え替えも進める。

・「舌下免疫療法」普及に向け、治療薬生産を年間25万人分から100万人分に増やす

・スーパーコンピューターや人工知能(AI)を活用し、飛散量予測システム精度向上

中日新聞 2023.5.31

5月29日 視覚障害の遺伝子治療薬

米国では1億円を超える価格がついている遺伝子治療薬が、日本で承認される見通しになった。

遺伝子の視覚障害に対する薬で、厚生労働省の専門家部会が26日、承認を了承した。正式に承認されれば、目の病気では国内初の遺伝子治療薬となる。

この薬は、製薬大手ノバルティスファーマが製造販売する『ルクスターナ注』。米国での価格は両眼で計85万ドル(約1億2000万円)で、同国の最も高額な薬の一つになっている。

対象は『RPE65』という遺伝子の異常で生じる『遺伝子性網膜ジストロフィー』の患者。眼球の奥にある網膜で光を感じる仕組みがうまく働かなくなる難病で、治療法がなかった。はっきりした推計は、ないもののRPE65に異常のある患者数は少ないとされる。

ルクスターナ注の国内価格は今後決まる。国の高額療養費制度などが使えれば、患者負担は抑えられる。

朝日新聞 2023.5/27

5月29日 視覚障害者に囲碁の楽しみを

アイゴは基盤の格子状の線が立体的に作られ、裏に溝のある碁石を交点にはめ込んで固定する。表面に突起や模様がある碁石が黒で、何もないのが白。盤面を手で触って全体の状況を把握するため、碁石が動かないよう工夫されている。

1980年代、奈良県の男性が失明した親族のために考案。「目(アイ)(ゴー)」との思いから名付けられた。金型がさびて生産停止状態だったのを、普及に努める日本視覚障害者囲碁協会代表理事で全盲の棋士である柿島光晴さんらが2013年に復活させた。

日本経済新聞(夕刊)

 

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