12月4日 デジタル端末 指導に工夫

子どもの視力低下が止まらない。裸眼視力1.0未満の小中高生の割合は過去最多。文科省は、学習端末を使う際は30分に1回は目を離すことを訴えるリーフレットを配布している。「三つの20」を紹介する紙芝居を県内の幼稚園と保育園に贈った。「画面を20分見たら20秒、20フィート(約6メートル)先を見る」というもので、幼少期からの定着を狙う。新型コロナウイルス禍でオンライン授業やスマホ、ゲームの時間が長くなり、世界的に近視の子どもが増えたと指摘。近視は緑内障などのリスクが高まるとし、予防には目の休憩と外遊びが効果的という。

 

2023.11.29 中日新聞

12月4日 メニコン、コンタクト増産

メニコンは国内外でコンタクトレンズを増産する。岐阜県の主力工場でラインを増強して生産能力を1割高めるほか、シンガーポールでもラインを増やす。合計の投資規模は40億円ほどになる。シンガポールでは、より汎用的な1日使い捨ての「マジック」の生産ラインを25年春までに現在の7本から10本に増やす。ライン増強に伴う投資額は1本あたり10億円強を見込む。日本のほか欧米や中国に出荷する。手ごろな価格を武器に新興国にも売り込む。増産の背景には若年者向けの需要拡大がある。川浦社長は「スマートフォンや携帯ゲーム機の普及で若年層の近視が増えている」と説明する。

 

2023.10.18 日本経済新聞

12月4日 読者の楽しさ伝える障害者の「目」

録音図書の利用対象は著作権法の改正で、視覚障害者だけではなく、識字障害や上肢障害のある人たちなどにも広がった。サピエ(※ 1)のダウンロード数も伸び、音声デイジー(※2)だけで年400万を突破。だが、毎年の音声デイジーの新規登録は1万ほどで、書籍の新刊数の7分の1程度。保有タイトル数も、1千万以上という国立国会図書館の図書に比べれば微々たるものだ。一方で、音訳ボランティアは後継者不足と高齢化が進む。

19年に成立した読書バリアフリー法は、誰もが読書できる社会の実現を掲げ、サピエなどへの支援と音訳者らの人材確保もうたっている。高い技術がいる音訳ボランティアの正当な位置づけと活動への支援なしにバリアフリー法の理念は実現されない。

 

※1:全視情協が運営するネット上の図書館

※2:1枚のCDに50時間以上も登録でき、検索なども容易な国際標準規格の録音図書

 

2023.9.30 朝日新聞

10月4日 視覚障害に高額の遺伝子治療薬

この薬は、「ルクスターナ」1回分の薬の価格は約4960万円で、患者の両目に1回ずつ投与すると、1人あたり計約1億円になる。対象は、遺伝性の視覚障害「遺伝性網膜ジストロフィー」で、そのなかでも、目の奥にある網膜で光を感じるはたらきに関わる遺伝子「RPE65」
に変異のある患者。ルクスターナを目の奥に注射することで、正常なRPE65遺伝子を患者の網膜の細胞に入れて、光を感じる仕組みがはたらくようにする。ルクスターナは6月、厚生労働省の部会から製造販売の承認を受けた。国内治験の患者数が非常に少ないため、販売後、使用したすべての患者での安全性や有効性を調べることや、十分な知識と経験がある医師が使うことなどの条件がついた。超高額薬のため、効果が見込めない人にまで使ってしまうと、国の医療財政へ負担は必要以上に大きくなる。目の前の患者に使うべきかどうかの見極めが重要になる。遺伝性の病気のため、本人や家族への適切な遺伝子カウンセリングができる体制も求められる。
日本網膜硝子体学会は保険適応に先立つ7月、ルクスターナの適正使用指針を公表。その後、指針にもとづいて、東京医療センターと、神戸アイセンター病院の2施設がこの薬を扱える医療機関として認められた。
全員に効果がみられるとは限らないので、過大な期待は禁物だ。本当に効果がある方に対して、適切な使い方をしていく必要がある」と話している。

2023.9.27朝日新聞

10月4日 くらしの作文 83才女性

見えなくなっても楽しくネ
ねえ、皆さん聞いてください。私はとても変な状態でした。もともと私は重度の視覚障害者でした。ところが最近、住み慣れてた我が家で柱にぶつかったり、家具の位置がわからなかったり。一番困ったことは、玄関のチャイムが鳴っても自分の立ち位置がわからずウロウロすることです。そして夫がいるのに気づかず、ぶつかって「邪魔!」と叱られる始末です。「どうしたのだろう」ハッと気が付きました。「私は全盲になったのだ」見事に何も見えない状態に。目を開ける、目を閉じる、目を開ける、目を閉じる...。何度やっても目の前には何もありません。うすい灰色だけの世界。いつかはこの時が来ると覚悟をしていたのですが...。いよいよその時が来たのです。
心は意外と平静でした。幸い、私には元気な手がある。足がある。耳も、口も。今朝も念入りにお風呂とトイレの掃除をした。包丁だって使える。ウォーキングが大好きで、ボランティアさんやガイドさんの手を借りてドンドン歩いている。スポーツセンターには気のいい仲間がいる。
大丈夫、何とかやっていける。皆さんに助けていただいて、夫の邪魔をしないように気を付けて。負けないヨ。ねえ視覚障害者の皆さん、元気に楽しく、明るく過ごしましょうね。

中日新聞 2023.9.27

9月29日 視覚障害者 切なる願い

エスカレーター上では立ち止まることを義務付ける条例が10月1日、名古屋市で施行される。
条例制定のきっかけは、2004年。障害者や高齢者から『エスカレーターで歩かれると、突き飛ばされそうになる』といった声が市交通局に寄せられ、『エスカレーターでは歩かないで』と呼びかける啓発が始まった。
2008年には地下鉄久屋大通駅でエスカレーターが緊急停止し、14人がけがをする事故も起きた。啓発を続けてきたが普及には限界があったとして条例化に踏み切った。
条例はエスカレーターを利用する場合、左側右側にかかわらず、段上では立ち止まることを義務付ける。交通各社や商業施設といったエスカレーターの設置者、製造や点検を担う事業者にも立ち止まり利用の周囲啓発を義務付けた。

この条例について名古屋市視覚障害者協会は『視覚障害者が気兼ねなく、介助者と並んで乗れるようになる。身体の不自由な人や小さな子ども連れなど、とっさの動きができない人や、右側にしか立てない人にもいいことだと思う。』と話していた。

中日新聞 2023.9.26

 

9月20日 視覚障害者の歩行ナビ開発

足に感じる振動で目的地まで誘導する、視覚障害者向けの歩行ナビサービス「あしらせ」を、東京の新興企業「Ashirase」が展開しています。

「あしらせ」とは

視覚障害者向けの歩行ナビゲーションサービスで、柔らかな板状の装置を足のかかと付近と側面、甲の3か所に触れるよう、両方の靴に入れて利用します。装置は専用のスマートフォンアプリと連動しています。アプリで目的地を設定すると、装置が振動し始めます。甲付近が震えていれば方角が合っている証拠で、道順案内が始まります。例えば、30メートル先を左折するとします。そうすると、左側の装置だけが振動します。そのまま歩くと、徐々に振動の間隔が早まり、曲がり角に来たところを知らせる。この連続で、目的地まで案内します。

健常者が情報の約8割を視覚から得ている一方、視覚障害者は聴覚や足の裏、白杖など多種多様なインターフェース(接点)から情報を得ています。そのため、情報処理に忙しく、脳内で処理中に情報同士が衝突すると道に迷ったり、事故に遭ったりするというのです。

足で知らせる今の装置は、靴に取り付けたまま玄関で靴を着脱できるので、保管場所を決める必要がない。機械を管理するということを極力減らせる装置である方が、彼らの生活に溶け込んで長く愛用してもらえる。

中日新聞2023.9.16

7月21日 コンタクトレンズによる眼瞼下垂リスク

松波総合病院形成外科部長の北澤健さんは2009年4月から2012年3月に眼瞼下垂で受診した30~60代の女性51人を調査したところ、約9割にあたる46人がハードコンタクトレンズの使用歴があった。
結果を統計学的に分析すると、ハードコンタクトレンズの使用者は非装用者と比べて眼瞼下垂になるリスクが約20倍高いと言える。また、ソフトコンタクトレンズの場合でもリスクが約8倍高まるということが、海外の論文で報告されている。

なぜ、コンタクトレンズが影響されているのか。人は毎日1万回~2万回まばたきをするため、まばたきをするたびに挙筋腱膜という瞼の内側の組織がコンタクトレンズでこすられ、摩擦により腱膜が伸ばされてしまい眼瞼下垂となる。
治療は手術が基本となるが、手術をして眼瞼下垂が治っても、コンタクトレンズを使用すると再発の可能性もある。

最近では若い世代にカラーコンタクトレンズが人気であるが『見た目をよくするために、コンタクトレンズを使用して、将来的に眼瞼下垂となり見た目が悪くなるだけでなく視界が狭くなるリスクがあることを知っておいた方がいい』と北澤さんは注意を促している。

中日新聞 2023.7/11

7月4日 側面に点字と英字 色を読める靴下

靴下商社のマリモ(名古屋市)は、視覚障害がある人に配慮した靴下「みちる」シリーズの販売を始めた。点字や英字を側面に貼り付け、色や裏表をわかりやすくした。色は白、グレーの濃淡二種類、紺、黒の五色。靴下をはくときに必ず触れるはき口に近い二か所に、色を示す点字と、黒なら「BLK」などの英字三文字が記されている。点字や文字はロゴマークの役割も果たし、デザイン性も高めた。視覚障害者向けの用具展で五月に展示し、好評だったという。日比野社長は「加齢で視力が弱くなった人などさまざまな人に使ってほしい。色柄なども今後増やしていきたい」と期待を込めた。

中日新聞 2023.6.29

7月3日 網膜の病気 iPS治験へ

住友ファーマ(大阪市)は23日、iPS細胞を使って網膜の病気の治療をめざす臨床試験(治験)を始めると発表した。対象は「網膜色素上皮裂孔」の患者。この病気は、目の奥で光を感じる「網膜」が部分的に損なわれ、視野が欠けたり、視力が落ちたりする。網膜に余分な血管がつくられて視力が落ちる「加齢黄斑変性」が原因のひとつだという。治験の主な目的は安全性の検証で、初期段階のものという位置づけ。有効性が推定できれば、最終段階の治験の前に製品を販売できる「条件期限つき承認制度」もあり、同社は承認申請も視野に入れている。

2023.6.24 朝日新聞

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