12月8日 「自由に歩き回りたい」原動力に…

目の不自由な人たちが道に迷わないようにと、愛知視覚障害者協議会の会員15人が自ら歩いて点字の地図を作りました。地図は名古屋駅・金山総合駅・市営地下鉄上前津駅・新瑞橋駅・久屋大通駅の駅構内とその周辺。
3年を費やして完成した地図は、「右へ5歩、左へ3歩」…と、改札口からトイレ・タクシー乗り場・銀行などまでの経路がわかるようになっています。

もともと公共施設には触地図(凹凸や点字があり指先で経路が分かるようにした地図)が設置されているものの、視覚障害者にとっては設置場所を知ること自体が難しく、発行されていた持ち運び用の触地図も大きくかさばり使いにくいものでした。
「持ち歩きができて分かりやすい地図が欲しい」と、点字でわかる地図の作成を行政機関などに求めるも芳しい反応は得られず、「ならば自分たちで」と始めたのが3年前。
実際に歩いて歩数を測り、その平均値を記す作業には苦労がたくさん。ホームでの計測では何度も危ない思いをし、製作途中では本当に正しいか確かめようがないという不安もありました。
完成後、参加したボランティアと一緒に歩き改めてチェック。地図は方角やメートルの概念を把握しづらい視覚障害者向けに“東西南北”でなく“前後左右”で表記されていて、会員の一人は「正確で一人で歩く時の安心材料になる。」と話します。
人に頼らず自由に歩きたいという願いを原動力に完成した地図。
配布に関して等、お問い合わせは同会事務所まで。

                             (12月2日 朝日新聞)

11月5日 氷山の一角…理解ない行動に悩み

今年、全盲の女子生徒が蹴られたり盲導犬が刺されたりするニュースが相次いだが、事件は“氷山の一角”だとする声があがっている。事件を受け埼玉県視覚障害者福祉協会が緊急に実施したアンケートでは回答者112人のうち約4割が体・白杖の接触や、暴行・暴言を受けたりする対人トラブルを経験したことがあると判明した。
「電車内で盲導犬を蹴られたり、犬の頭に落書きされたりした」
「白杖が当たり、おなかにパンチされた”」
「点字ブロックを歩行中『邪魔だ、どけ』と言われた」
…などの他、「スマホを操作しながら歩く人によくぶつかる」
といった実例があり、視覚障害者がトラブルを恐れて引きこもる可能性など社会参加の妨げになりかねないとの懸念も。
筑波大の徳田克己教授(障害理解論)は、「障害への無関心・無理解がトラブルにつながっている。なぜ盲導犬や点字ブロックが必要なのか、障害者の日常生活を学べば、互いに違いを認め合い尊重できるようになるのでは」と話す。

                           (日経新聞10月24日)

11月5日 障害あっても人生楽しむ

「食べる事は見えている人と同じようにできるのだから、出来る事は楽しまないともったいない。」と話すのは、“視覚障害者の食生活自立体験コンクール”で農林水産大臣賞を獲得した本母圭吾さん(51)。
小学1年生で網膜色素変性症が発覚し今は中心がほんの少し見える程度だが、44歳までは工夫に苦労しながら日常を過ごしてきた。飲み会の場所までは事前に行き、道順や店内配置を覚えてから当日は何気ない素振りで仲間と談笑。コンピューターを使ったプラスチック加工の仕事でも、限界がきて上司に打ち明け退職するまでは同僚も気付いていなかったようで驚かれた。
その後職業訓練校に通い、視覚障害者の情報処理コースを卒業。福祉施設でパソコンを教えるかたわら、視覚障害者を中心としたグループを結成した。メーリングリストで料理レシピなどを流し、皆が集まるサロンやライブなどを企画している。

「視覚障害者というと全盲をイメージするかもしれないが、障害も見え方もいろいろ。僕は全く見えなくなるまで今できる事を精一杯楽しみたいし、仲間にも人生を楽しんでほしい」。と話し、見えていたころのカンを頼りに釣りに出かけ、専用の包丁で刺身も作っている。

                             (日経新聞10月24日)

10月30日 そのカラコン、あなたの目に合ってますか!?

「瞳が大きく見える」「好きな色にできる」と、若者に人気のカラーコンタクトレンズ。
このカラーコンタクトレンズに関するトラブルが後を絶たない。

ある女子高校生は、「目を大きく見せたい」と、事前に眼科医は受診せず、雑貨店でカラーコンタクトレンズを購入したが、そのレンズに替えると目がかすむようになった。念のため眼科を受診し、受けた診断は「点状表層角膜症」。両方の黒目のほぼ全体に細かい傷があったという。
国民生活センターによると、カラーコンタクトレンズに関する相談は2004年4月から10年間で、計737件。利用が拡大してきたこの5年間で、541件を占めている。

よくある原因の一つは、コンタクトのカーブが目に対してきつすぎるために起きる「タイトフィッティング」。
目の表面にある角膜は、主に涙から酸素を取り込んでいて、コンタクトをしている場合でもレンズが動いて涙が入れ替わるので、酸素を取り込むことができる。しかし、タイトフィッティングだと、涙の入れ替わりがなく、酸素不足に陥る。長期間続くと、本来透明な角膜に濁りが生じることも。中には親に内緒で着けている10代の中高生は、症状があっても訴えないため、悪化させることも。正しいコンタクトの着け方や洗浄法を知らないまま使用することが、トラブルの多発につながっている。

このような事態を受け、国民生活センターは日本コンタクトレンズ学会や日本眼科医会と、共同でテストを実施。10人が8時間レンズを装着し、目への影響を調べた。
承認を受けた16銘柄で、酸素不足になると生じる角膜浮腫の症状を調べると、12銘柄で軽度な症状が確認された。12銘柄はいずれも酸素を通しにくい素材を使用していて、さらに1銘柄では、着色剤によるとみられる角膜上皮障害も起きていた。

カラーコンタクトには、透明なコンタクトよりも障害を起こしやすい商品がある。トラブルを防ぐには、リスクを十分理解すること、眼科を受診した上で処方してもらうことが重要だ。

(10月23日 中日新聞)

10月27日 期待のiPS細胞、実用には課題も…

iPS細胞(人口多能性幹細胞)を使った世界初の移植手術が、「加齢黄斑変性」の患者に実施されて1か月あまり。これまでに問題は起きていないとみられるが、誰でも受けられる安全な治療として確立されるにはまだ道のりがありそうだ。

▼加齢黄斑変性とは
近年患者が急増し、50歳以上の約1%にみられるという難病で、日本人の失明原因の4位。
加齢によって網膜の中心部である黄斑に異常が生じ、視覚の中心が「歪む」「暗くなる」などするが根治療法はなく、悪化すれば失明の可能性もある。進行を抑える薬の注射やレーザーなどの治療法があるが、いずれも機能低下を遅らせるもので傷ついた組織の再生はできず、iPS細胞を使った治療に期待がかかる。

▼手術実用化への道のり
iPS細胞を使った今回の手術は、安全性を確認するための臨床研究。
移植を受けた女性は黄斑変性の進行を抑える注射を18回受けたが、視力が落ち続けた。移植後の効果について、「視力がどれだけ回復するかはわからないが、視力を維持できて注射から解放されるのは大きい」と執刀した財団先端医療センター病院・栗本康夫総括部長は語る。
この女性にも、今後4年間は定期検査を受けてもらい安全性・有効性を確かめる必要がある。さらに移植する細胞の作製には1年近くかかるうえ、多額の費用がかかることも課題。

最新の医療の裏には、じっくりと時間をかけた検証が必要不可欠だ。

(10月21日 朝日新聞)

10月14日 今すぐチェック!気になる来春の花粉量は?

気象情報会社ウェザーニューズが、来春のスギ・ヒノキの花粉飛散量の予測を発表しました!
全国平均は平年(2008~14年)の1割増。今年との比較では5割増で、東北・近畿・山陰までの広い範囲で2~3倍となる地域もある見込みです。

スギやヒノキ花粉の発生源となる雄花の成長は夏の天候に関係するそうで、今夏暑い日が少なく育ちにくかったとされる西日本を除いては広い場所で平年比・今春比が同じ。または多いと予想されています。
東京都が今春の3倍、神奈川・茨城県が2.9倍などで、気になる東海地方は特に飛散量が増えるとの予想……。

毎年2月以降からは徐々に花粉が増えてきます。早め早めの対策をたてて乗り切りましょう!

(10月9日 日経新聞)

10月3日 目元にご褒美!アイケア情報

毎日のパソコン、スマートフォン…。あなたの目、疲れていませんか?
リフレッシュしたいあなたに、話題のアイケア製品をご紹介!

☆発熱ローラーで目元を温めながらマッサージ
http://www.mtgec.jp/beauty/inbeaute/hotrolleri/?xadid=100331&gclid=CITCntPQhcECFZcnvQodf4oARA

☆3つのタッチリズムでマッサージ&ぽかぽかスチーム
http://panasonic.jp/face/products/EH-SW53/

☆サウンド内蔵で癒されながら蒸気保湿
http://www.atex-net.co.jp/products/lourdes/kx500/kx500.html

どちらも目元を温めて血行を促進。ハリを与えるので、メークのノリも良くなると好評の製品です。ぜひお試しあれ…

                           (9月23日 日経新聞)

9月29日 よく見えることは、長生きの秘訣!?

7年前から、奈良県立医大の地域健康医学講座では、高齢者4千人以上を対象に「元気のひけつ」を探る大規模疫学調査が行われている。
その調査の中で、視力と認知機能を調べたところ、視力が悪い人は、視力が良い人より約2倍、認知機能が低下しやすい、という結果が出た。
また、昨年出た海外の論文では、白内障手術で視力を改善した人は、手術せず視力が悪いままの人と比べて死亡率が4割下がると報告されている。

さらに、体内時計の調節に深く関わるとされる、“ブルーライト”に一つの鍵があるとみている研究者もいる。ブルーライトとは、目に見える光のうち最も波長が短い青色成分のこと。白内障になると、ブルーライトが目の奥に届かず、体内時計が狂い、脳や体にさまざまな悪影響が起きると考えられている。

目の若さを知るために、一度眼科を受診して、視力を調べてみてはいかがでしょうか。

                              (朝日新聞 9月23日)

9月29日 「怖い」「危ない」…視覚障害者の日常

埼玉県内で白杖を持った全盲の女子生徒が脚を蹴られたり、盲導犬が傷付けられたりする事件が相次いだことを受け、埼玉県視覚障害者福祉協会は今月、県内や東京都内などの視覚障害者を対象にアンケートを実施。
回答者112人のうち75人が、「外出時に恐怖や危険にさらされた。」と答えた。さらにこのうち47人は、「肩がぶつかった際、舌打ちされたり文句を言われたりした。」「顔や体を叩かれたり、足を絡めて倒された。」 …など、厳しい言動を受けたことも明らかにした。

状況はここ東海地方の視覚障害者にとっても同じだ。愛知県盲人福祉連合会の彦坂和夫会長は、「肩や白杖が当たったりして怒鳴られる事は視覚障害者なら日常的にある。視覚障害者には何の悪意もない。」と話し、理解を求める。

また最近では“歩きスマホ”や、点字ブロックの上に立ち止まったり車を駐車したりする人も多いが、目の見えない側には対策のしようがない。走行音の小さい電気自動車も危険を感じる対象として挙がっている。
通行中にぶつかるなどして危ない目に会うのは、お年寄りや子供も同じ。他人を思いやり、皆が安全に暮らせる街づくりが求められている。

(中日新聞 9月23日)

9月29日 デコボコと穴を触って、服の色がわかる!?

「着ている服の色を知りたい」と話す全盲の女性との会話からヒントを得て、触れば衣服の色が認識できるという“触覚タグ”が開発された。
視覚障害者の生活支援の研究に携わる、開発者の日本女子大学の非常勤講師・佐川賢教授は、「目の不自由な人の服選びに活用してほしい」と話す。

このタグは、突起と穴の配置で計23色を表現できるという。
開発にあたり注目したのは、彩度、明度と並ぶ三属性の一つである色相と、色を似た順で隣り合わせて円形に配置した「色相環」の存在。
4年がかりで完成させたタグは、彩度のある10色を意味する突起が円形に並ぶ。
円上部の突起を赤と決め、円内の中心部には、黒・白・灰色の無彩色を示す突起を上下に配置した。例えば、淡い赤の場合、赤を示す突起のすぐ内側に穴が開いている、という仕組みだ。

すでに、都内のタグメーカーが6月に商品化しており、衣服の製造会社と価格交渉を進めている。また、すでに購入した衣服にも付けられるよう、視覚障害者向けに1枚50円で直接販売することも検討している。
このような開発によって、目の不自由な人でも色の楽しさを実感できる社会が広がっていくことに期待していきたい。

(日本経済新聞 9月18日)

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