2016.8.2 お世辞だったとしても…

ひとりお出かけのある日、電車を待っていたら…

60代とおぼしきオバサンがダーッとやってきて「ちょっと、ちょっと」

「何でしょう?」

「その服作ったの?」

「いえ、買ったんですけど…」

「すっごく素敵。あなたにピッタリよ!」

と言うや、サーッと走り去っていきました。

突然のことに「?」

少し経ってから「褒められた?」

一気に気分はウキウキ。

この日来ていたのは、今夏買った、黒紺の生地に白い切り替えが前にあるワンピース。

夏のお嬢さん(古い言い方?)スタイル。

オバサン(私)が着ていたのですが。

 

電車到着。

おばあさんの隣に座ると、「素敵な服ね~とってもお似合いよ」

またまた?この日2度目のお褒めの言葉。

余程洋服が素敵なのか、着ている人(私)とマッチしているのか?

「ありがとうございます!」

「女学校の時は戦争中だったから、とてもお洒落なんか出来なかったわ~私も着たかったわ~そういう服。あなた達は幸せね~」

ウキウキ気分アップで、ひとしきり米寿のおばあさんとお洒落談義。

乗換駅で「さようなら、お気をつけて~」

 

目的の駅に着き、降車して歩き始めると…

「すいません~」

20代の好青年が追いかけてきます。

またまた「???」そうなら3度目、超嬉しい。

「あの~ハンカチ落としましたよ」

いやはや…ご親切にどうも。

 

それにしても、見ず知らずの他人を褒めることは、なかなか出来ません。

前述の二人の女性はすごい!

私の気分をぐいっと引き上げてくれました。

自らの感性に従って、誰かを、何かを褒めること。

相手にとっては、思いがけない嬉しいプレゼント。

変なオバサンと思われたらと躊躇しますが、褒められて嫌な人はいないはず。

さらっと褒められる人になりたいものです。

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事

2016.7.26 ポケモンGO

「母さん、散歩行こ」

週末の夕食後。

「今日は夕食前に(日課のウオーキング)済ませた」

なんで、突然のお誘い?

「いいじゃん、ポケモン探しに行こうよ~見たいでしょう?」

まんざらでもなく快諾。

 

スマホゲーム『ポケモンGO』が国内配信され、早速インストールした愚息。

どんなものか気になるし、付き合ってやるかと、川沿いの遊歩道へ。

 

画面を覗くと、自分たちが立っている位置、その周辺の地図がリアルに映されています。

「おーっ、すごーい!」

他愛もない会話をしながら、ぶらぶら。

「おっ!出た、出た!」

「やっぱ、川沿いは多いな~」

スタスタ歩いていたと思ったら、急に低速、停止。

「○○だ!ゲットしなあかん。よっしゃ~」

 

その姿は、小さかった頃の息子との散歩にリンク。

少し歩いては立ち止まり、虫がいたとしゃがみ込み、珍しい?石ころを拾い、木の幹を見上げては、クワガタやセミを見つけてみたり、一向に進まなかったあの頃。

 

「レアなポケモンだ。!母さん、見てみ~!」

それがレアなのかどうか。

昔、子供たちに付き合って、一緒にポケモン遊びをした家人(父)ならわかるでしょうが、娯楽担当は父任せにした母にはさっぱり?

 

気が付くと、同様にスマホを持った人たちが、集まっていました。

小学生くらいの男の子は、お父さんが同伴。

きっとお父さんのスマホを借りているのでしょう。

やっている本人たちは夢中で気が付かないけれど、第3者から見ると、とても不思議な光景。

「やったぜ、ゲットした。ポケスト(ポケモンゲットのためのモンスターボール補充エリア)に寄ってかないと、次ゲット出来ん」

 

今回の散歩で、『ポケモンGO』について、にわか知識がついた母。

親の知らない息子の日常も、世間話に多々盛り込まれていたし。

「いや~久々にこんなに歩いたわ~。母さん、付き合ってくれてありがと」

「明日も散歩しよっか」

ポケモンGOが目的とはいえ、息子と出かけられて嬉しい母。

なんだか、周囲に目を配りながら、犬の散歩をしている飼い主みたいですが。

 

 

今回は、遊歩道だったのでまだ良かったのですが、『歩きスマホ』は危険です。

『歩きスマホ』は視野が通常時の20分の1になるとも言われています。

また、常に歩きながら画面を見ている状態では、ピント合わせを常にしなければならず、目への負担も大きくなります。

『外へ出るようになった、歩くようになった』などと健康に良い面もありますから、上手に付き合っていきましょう。

 

 

 

 

 

 

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2016.7.19 学校保健委員会

学校保健委員会の時期です。

校医は、学校検診・保健委員会(各校1~2回)・就学時検診・就学時委員会は最低限の任務です。

 

今年の学校保健委員会では、眼科医の立場からは、まず色覚検査のこと。

希望調査になっていますので、予想よりも希望者は少なかったのですが、自分の色覚の特性を知るためにも、来年度学校で、もしくは年中眼科で検査ができますので、関心を持ってください。

 

次に視力のお話。

視力検査は、A・B・C・Dで分けられます。

A(1.0以上)は、一番後ろの席からでも、黒板の文字はよく見えている

B(0.7~0.9)は、後ろの方でも黒板の文字は、ほとんど読めるが、眼科受診を勧める

C(0.3~0.6)は、後ろの方では黒板の文字は見えにくく、眼科受診が必要

D(0.2以下)は、前の方でも黒板の見え方は十分ではないので、すぐ眼科受診を

一般にBでは、近視の始まりのことが多くC・Dでは、それ以外に目の病気も隠れている可能性があります。

また、低学年では、遠視や弱視の可能性もあります。

受診のお勧め用紙をもらっても1~2年放置している家庭もありますが、速やかに受診をお勧めします。

 

眼の病気に関しては、主に、瞼や結膜(白目)の部分を中心に診ます。

これも急を要する病気の場合もあるので、用紙をもらったら、速やかな受診を勧めます。

ここまでが、検診の結果のコメントで、あとは、トピックスをいくつか話します。

 

院長は、眼科学校医でもあり、日本医師会認定スポーツ医でもあるので、その立場からもお話。

学校現場では、眼外傷の多くはスポーツによるもので、球技(野球・サッカー・バスケット・テニス・バドミントンなど)が圧倒的に多くなっています。

後遺障害となった怪我のうち、20%以上が目の怪我となっています。

一度起きると重症になりやすいということです。

 

スポーツ外傷の9割は、保護メガネ(スポーツメガネ)で防ぐことができると考えられています。

 

球技をするから、コンタクトレンズを教師や友人から勧められる場合がありますが安易に勧めるのはどうか…という眼科医からの見解です。

 

などなど、他にも保健委員会でお話に、教師や保護者の方は熱心に耳を傾けてくださいました。

子供の成長を見られる検診とともに、保健委員会も好きな活動です。

 

歩いて行ったので、校門で、役員らしきお母さんに「PTAの方ですか?」と尋ねられました。

まだ、小学生の子供を持つ母で行けますか~?

 

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2016.7.12 安心安全のCL

これだけ暑いと、眼鏡がうっとうしくなることも多くなり、コンタクトレンズ装用者も増えてきます。

現在コンタクトレンズのシェアは、ハードレンズ(以下HCL)とソフトレンズ(以下SCL)では2:8と、圧倒的にSCL装用者が占めています。

SCLの内訳では、1日使い捨てタイプが48%、2週間までの頻回交換用レンズが48%です。

使いやすさ、清潔さが好まれている結果といえます。

さらに、乾燥を感じない、ゴロゴロ感を感じないものは、より快適性が良いとの評価が高くなります。

また、40歳以上では、老眼にも対応する利便性も追加されてきます。

 

どんなレンズを選択するか?

レンズの素材、厚み、含水率やデザインなど。

コンタクトレンズの使用の仕方(生活様式、職業など)、ドライアイなど患者さんの状態。

それらを総合して選択できるのは、眼科受診者ならではの特典です。

インターネットや量販ショップではそうはいきません。

そういう特典に加え、?と思う質問を何でもできるのは、対面の診察ならでは。

近頃、医師の診察なしで、コンタクトを購入して、『こんなことになっちゃって~』という患者さんが増えています。

 

診察時の顔、目の印象は大切。

まず目を見つめます。

そして会話。

瞼の表面を観察。

瞼を裏返し、内側の異常の有無を確認。

角膜(茶目)結膜(白目)の状態もチェック。

症状、人によっては、この限りではありませんが。

問題なければ、最後に『安心してお使い下さい』の決め台詞(うちだけ?)。

この言葉に、院長が責任を持って『今回、選択したコンタクトレンズを安心安全に使える目である』ことを保証する意味が込められています。

安心安全を買いませんか?

 

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2016.7.5 飛んでみた

「バスツアーで山梨まで、サクランボ狩りに行ってきた。良かったわよ~」と母の電話。

「いいな~サクランボ食べ放題。一度でいいから行ってみたい!」

 

早速休診日に催行されるツアーを探すも皆無。

個人で行くしかないと、家人をドライブに誘うと「4時間近く運転してまで、サクランボ食べたくない」

 

思えば思うほど、サクランボが気になってしまった今年。

調べてみると、『佐藤錦』の発祥地、サクランボ生産日本一の町が、名古屋から日帰り圏内にあることを発見。

山形県東根市。

『山形空港』があり、名古屋からは1時間5分のフライト。

 

お盆休みもお正月休みも旅行に行かなくなって久しい我が家。

家族全員は無理だけど、お盆休みの前倒しということで、果物を好んで食べない家人との『日帰りサクランボ狩り』を計画することに決定。

それぞれの日曜日の予定を考慮した挙句、予定した決行日は、サクランボも終盤戦とのこと。

 

当日、山形は雨。

傘をさしてサクランボ狩り?かと心配していましたが、ビニール屋根があり、全天候型で安心。

「食べ方はわかってるから、もぎ方を教えます。サクランボの実と反対側(上)に枝を引っ張って軸ごと取って。種はその辺に捨てていいから。んだ、んだ(全部山形弁なので、大体こんな内容)」

わーい。

たわわになるサクランボ。

どの木にしようか、あれこれ食べてみると、木によって甘さが違います。

お気に入りの木を見つけて、取る、食べる、種を捨てるを黙々と繰り返します。

最初は自分の背丈くらいのを取っていたのですが、脚立に上り上の方の実を食べてみたところ、更に甘みが強いことを発見。

枝を大きく張った老木?の上の方の太陽をたくさん浴びた、まん丸艶々の実が最高。

50個までは数えていたものの、どうでもよくなり、とにかく食べる、食べる。

制限時間は1時間ですが、さすがに20分も食べ続けると満腹。

我に返って、家人を見つけ「何個たべた?」

「20個くらい」

「え~!?たった20個!?少な~」

「食べすぎるとお腹痛くなるから~」

その分も頑張って食べよ。と、しばし休憩をしてラストスパート。

 

帰りのタクシーで「お客さん、サクランボたくさん食べました?(実際は山形弁)」

「思う存分食べましたよ~」

「夜、お腹ひどいことにならんといいですがね~」

ん?調べてみると、サクランボ中のソルビトール(糖アルコール)が、下痢や腹痛、ガス(おなら)産生を誘発するそう。

食べすぎれば…ですが。

明らかに食べすぎています…

 

 

せっかくなのでと、予約した名物の麩料理も食べて、胃はパンパン、あとは散策。

 

山形に到着から出発まで、わずか5時間半の滞在でしたが、思い切って飛んでみて良かったです。

でないと、この先も『サクランボ狩り、サクランボ狩り』と気になって仕方がないかも。

先取りした夏休み(お盆休み)の一日でした。

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事

2016.6.28 イレギュラーな日曜の夜

日曜日の夕方は余程のことがない限り、『笑点』を見てゆっくりとした時間を過ごします。

月曜日からの仕事に備えて充電。

日曜日の夜の外出は極力しないことに決めたのは、いつ(何歳)頃からでしょうか?

 

珍しく日曜日の夕方から街へ。

新栄の名古屋市休日診療所の夜間当番。

午後5時30分より9時までの出務。

いつもは副交感神経優位になる時間帯なのに、今日は交感神経優位。

頭も冴えます(冴えないと困りますが)。

 

少し前に到着すると、患者さんらしき人々が待合室に。

今回はどんな患者さんに出会うのだろう?

 

子供は、結膜炎、アレルギーがほとんど。

犬を触って、目やその周囲がパンパンに腫れてしまった子も(おそらく犬アレルギー)。

コンタクトレンズによる角膜の傷は、「飲み会で外すの遅くなって~」と言い訳するカラーコンタクトの若い女の子。

鉄粉が入った、業務用洗剤が入ったなどの緊急性のある男性陣は、きっと日曜の夜まで仕事なんだろうな~と同情を寄せながら、診察。

処置と今後の対応を説明。

何となく心配で来て、心配がないことを確認して帰る高齢の方も。

何はともあれ、無事終了。

 

地下鉄への道すがら、カフェやバーが目につきます。

こんな時間に、一人で入ったらカッコいいだろうな~などと、ドラマのような『仕事する都会の女性』(一応私も仕事してきた女性)に憧れるも、その勇気もなく、家路を急ぎます。

よい子は早く帰って寝る。

帰宅して、自分に『お疲れ~』とビールで行きたいところでしたが、ただでさえ興奮している身、飲んだらますます眠れません。

ビールよりも睡眠を優先させるオバサン。

 

週の始めのお楽しみは、録画『笑点』から始まります。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事

2016.6.21 B級グルメ

6月はスタッフとお出かけの月。

「どこがいいですか?ドライブ中心なら結構遠出できますよ」

「お任せするわ~」

 

当日8時出発。

「ラーメン食べに高山に行きます」

お~!『高山B級グルメツアー』に決定。

 

途中SAで岐阜銘菓の鮎菓子とコーヒーで一服。

3時間余で高山到着です。

 

古い町並み散策と食べ歩きが今回の目的。

まずは、目的の『高山ラーメン』。

お店を検索して探しながらも、道すがら見つけた『手打ち』に惹かれ、そちらのお店へ。

「手打ちは蕎麦だけです」と言われるも、席に着いた手前、注文した高山ラーメンは、細く縮れて、あっさりスープで満足。

 

「まずはひとつ制覇」と、街歩き開始。

古い町並みは、大多数が土産物屋さんで、他に酒屋さん、味噌屋さん、駄菓子屋さんなど。

「ぶらぶら見るだけでも楽しいんですよね~」

と、わいわい品定めをしたり、試食をしたり。

 

「飛騨牛肉まんだ~」

「食べよう、食べよう」

蒸したてをハフハフ。

飛騨牛を味わうというより、飛騨牛という付加価値にありがたく肉まんをいただきます。

 

再び散策。

平日のせいか、周りは中国人と英語圏の人々ばかり。

遠くに修学旅行?の学生団体を見つけたときは、ほっ。

「飛騨牛コロッケ。食べた~い」

「食べよう。食べよう」

揚げたての飛騨牛コロッケ&メンチカツ。

サクサク、ジュワーと口の周りは油だらけ。

合わせて、ご当地パイン牛乳をゴクリ、ゴクリ。

 

「次、何食べる?みたらしとか、五平餅とか、アイスとか…」

「もうお腹いっぱいでーす。しばらくは、食べられないかも」

そんなこんなで、あっという間に高山を後にする時間。

 

駐車場に戻ると

「どうしよう、駐車券がありません!どっかで落としたのかな~」青ざめるスタッフ。

あちらを探して、こちらも探して、と手分けするも見つからず。

「管理会社に電話して、入った時間言えば何とかなるんじゃない?」

電話の結果…「紛失ボタンを押せば出られるそうです」

出庫のゲートで『紛失』ボタンを押すと『3000円』の表示が。

3時間弱の滞在だったのに、10時間も居たことになるの~!?

「すみませんでした~」

「いいよ~仕方ないよ~」

みたらしと、五平餅を食べたつもりで…

『紛失』時の対応は(痛いが、よい)勉強になったし…

 

ひるがの高原SAでご当地アイスを食べ、今回のB級グルメ満喫ツアーも打ち止め。

雨の中を企画、運転してくれたスタッフ達に感謝。

 

「駐車券見つかったら払い戻してくれるそうです」

また高山に行くほうが高くついちゃいます。

もう、見つからなくていいから。

 

 

 

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2016.6.7 左側通行?

ランニング中、ポツポツと雨が降り始め、家路に急ぐ日曜日の朝。

川沿いの遊歩道をいつものように右側を走っていると…

前方向かって右側の道路から、40歳くらいのサラリーマン風の男性が歩いてくるのが見えました。

傘は少し前方に傾けてさしています。

そして遊歩道に入り始めました。

てっきり右側に行くと思いきや…

右側を走っていた私は、急に現れた傘の帆に衝突し、びっくり。

「きゃあ、すみません」と、とっさの一言。

これで終わるかと思いきや…

「おい、歩行者は左側だろーが!」と、びっくりするような怒鳴り声。

ひゃあー。

怖くなり、全力疾走で、逃走?

100メートルくらい走ったところで、振り向くと、誰も追いかけてこない。

ふぅー。

歩行者は右側通行だよねー?

しかも、人とぶつかったのではなくて、開いた傘にぶつかった状況。
この頃『自己啓発の父』と呼ばれているアドラー心理学(要約本)を読んでいる私。

フロイト、ユングと並び『心理学の三大巨頭』と称されるアドラー。

『相手を支配するために「怒り」という感情を創り出して利用する』とあります。

この場合もアドラー流に解釈するなら、『言葉で説明する手順を面倒に感じ、無抵抗な相手を、より安直な手段で屈服させようとし、その道具として、怒りの感情を使った』ことになるそう。

アドラーを読んでから、少々精神的に成長したような…

 

朝から何かむしゃくしゃしてたのかな~

イヤイヤの出勤だったのかな~

あんな風に怒鳴って怒って、気の毒な人だな~

 

でも、『歩行者は右側通行』ですよ。

 

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2016.5.31 そこ笑う?

学校検診シリーズも終了した午後、映画を見に行ってきました。

 

『海よりもまだ深く』

前日インターネットで予約した時には、話題作にも関わらず座席はガラガラ。

後列真ん中の一番いい席をゲット。

スタッフ曰く「サミットの最中だから名駅は警備強化で映画見る人も少ないんじゃないですかね~」

当日行ってみると、満席に近い盛況ぶり。

ざっと見渡したところ、自分が最年少のようです。

オバサマの二人連れからグループ、熟年夫婦といった具合。

 

文学賞を一回受賞したきりの売れない作家良多(阿部寛)が主人公。

愛想を尽かされ離婚した元妻と息子に未練たらたら。

しかし、ギャンブル好きで養育費も滞る。

月に一度の息子との再会が楽しみ。

夫に先立たれ団地に独りで住む母(樹木希林)。

 

ある日、母の家に息子を連れてきた良多。

元妻が迎えに来るも、台風のため、母の計らいで、元家族が思いがけず一夜を過ごすことになる。

と言うお話。

 

淡々としているのですが、時々じ~んとする場面が。

樹木希林演じる母がとても絶妙です。

気に行った場面としては…

団地のベランダにあるミカンの木。

良多が、中学だか高校の時に食べたミカンの種から芽を出し大きくなった木。

母『花も実もつかないんだけどね、あんただと思って毎日水やってんのよ』

良多『いやなこと言うな~』

母『青虫が葉っぱ食べて育つのよ。何かの役には立ってんのよ』

皮肉っぽい言葉の中に、母の愛情を深く感じました。

元気で生きているだけで十分という思いが伝わってきました。

まだ、息子には、花も実も付けてほしい母ではありますが、何十年もすれば、達観するのかもしれません。

この会話の直後、どっと『ハハハ~』の笑い声が。そしてボソボソ『~なのよね~』

…ここで笑うの?

自分は映画館では声を出さないので、なんで~?

それ以外の場面でも、笑いの渦が…どうもオバサマたちには笑いのツボがたくさん存在するようです。

映画館では自分の世界に浸りたい~願望の自分は、『くすり』心の中で一人笑い。

 

決してコメディではない、『なりたかった大人』になれなかった大人たちのお話です。

DVDが出たら、今度は一人きりで見ようっと。

 

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2016.4.26 引っかかり

倉庫にあった朽ちそうな段ボール箱の中から見つけた中学の卒業文集。

中学時代に一番心に残ったことについての内容。

題名は…『絶体絶命』

以下抜粋。

中1の文化祭の終了時、舞台の後ろに行こうとして、私のセーラー服の裾が、どういうわけか緞帳(どんちょう・客席から舞台を隠す幕)の棒の端に引っかかってしまった。

「外さねば」と考える余裕もなく、緞帳は上がり始めた。

演劇部員が知らずにボタンを押している。

私はステージを見下ろせるように、宙に浮いてきた。

「助けて~。誰か助けて~」と言っても下にいる誰にも気づいてもらえない。

緞帳も最高位で停止したので、真下とその周り少ししか見えなくなってしまった。

みんなが体育館にいるうちに、何が何でも助けてもらわなければならない。

無我夢中で「助けて~」の連呼。

誰かが気づいて先生に知らせてくれた。

「1年生が引っかかっとる」

「えー!?引っかかっとる?」

「緞帳を下ろせ~」

「手を離すな~死んでしまうぞ!」

左手には眼鏡、残る右手と引っかかったセーラー服のみで自分を支える。

セーラー服の裾が破れたらおしまい!

 

徐々に身体が下へ降りて行き、みんなの声が大きくなる。

足が地に着いた。

手はしびれて足はがくがくしたが、それでも私は、安心感で一杯だった。

あの時、小説みたいにうまく助かったが、もし、誰も気づいてくれなかったら、耐えられず手を放してしまっていたら…と思うとゾッとする。

今ではテレ笑いで話せることも、あの時は絶体絶命だったのである。

戦争を知らない私にとっては、あの時ほど無事で良かったと思えたことはない。

 

中学3年生の私が中学1年の私を回顧して書いています。

あれから30年以上人生を歩んできましたが、あの時の自分の幸いなる命に改めて感謝です。

 

それにしても、ドアノブでよく服の袖口を引っかける私。

白衣が引っかかることもあり、弱い生地なら破れることも。

ドアノブを下げて開け、絶妙に袖口に引っかかる方向を向いて進むのだと思いますが。

袖口で済んでいますが、『引っかかり癖』があるようです。

 

 

 

 

 

 

 

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