20234.1.9  たき火だ♪たき火だ♪

新聞を読んでいたら『サルがたき火』の記事が。

サル好き、特に二ホンサル好きな院長。

サル山は動物園で大好きな場所です。

 

今回の記事の場所は、日本モンキーセンター。

たき火にあたるサルは冬の風物詩とのこと。

 

期間限定、早速見に行かねば。

駅でモンキーパークきっぷを購入。

名古屋・犬山往復切符。

犬山からバス1日乗り放題(といっても1時間に1本のダイヤだと後から知る)。

モンキーパーク入場券。

 

久しぶりの犬山。

駅からは丁度バスが待っていて、思いのほか満員。

モンキーパーク経由リトルワールド行きなので、みんな観光客です。

一駅目のモンキーパークで下車した人は数人。

 

モンキーパークの入り口に向かっていくと長蛇の列。

反対方向に動物園の案内。

サルを見に来たから、動物園側から入ろう…

こちらはガラガラ、ほぼ人がいません。

先ほど買ったチケットを見せると『これはモンキーパーク用なので、モンキーセンターは別に購入してください』

『えっ!?モンキーパークとモンキーセンターは違うんですか?』(一緒の認識の院長)

『9年前からモンキーパークとモンキーセンターは経営が別々になったんですよ』

最後に来たのは20年以上前。

と言うことで別に購入する羽目に。

 

たき火までは時間があったので、他のサルを見たりインフォメーションセンターの展示を見たり。

ワオキツネザル(原猿類)の眼窩(目の窪み)は骨の輪があるだけなのに、ニホンザル(真猿類)の眼窩は完全に骨で囲まれているそう。

ヒトの眼窩は当然しっかりと骨で囲まれています。

眼窩も進化しているのです。

 

網膜の裏側にある反射板(タペータム)を持たないため、眼球が非常に大きくなっているメガネザルは、片方の眼球だけでも脳より大きいとのこと。

 

ヒト専門の眼科医なので、サル(動物)については知らない事ばかり。

新鮮な情報です。

どの世界も奥が深い。

 

さて、お待ちかねのたき火にあたるサルがいるモンキーバレイに。

観光客は、谷のサルたちを見下ろします。

 

ここのサルは屋久島に生息するニホンザルの亜種ヤクニホンザル。

1956年に屋久島から来た子孫たちだそう。

煙がもうもうと立ち上る傍に、サルたちが暖まろうと集まっています。

一般には、火を怖がるはずのサルたち。

1962年から60年以上続く冬の風物詩だそうです。

最初の誰か(サル)が、好奇心旺盛でたき火に近づいてみたのでしょう。

危険ではなく、むしろ有益(暖まる)を実証して見せ、周りに伝え、周りも真似して…

そして代々モンキーセンターのヤクニホンザルだけが、たき火を安全安心なものだという認識(先代や周囲の行動から)を持ったのでしょう。

人間だってそうですが、サルだってそういう経験に基づいた習慣が出来るようです。

 

温泉に入るサルもそう。

地獄谷野猿公苑の温泉に入るサル(とても素敵な写真絵本があります)。

湯の川熱帯植物園のサルも。

 

ニホンザルは、個々の行動が違っていて面白いから好きです。

子どものサルは、追いかけたり追いかけられたり、喧嘩したり。

大人のサルは、たき火にもどっしり。

温泉にもゆったり。

 

知人にたき火の画像を送ったら『いいね!』のスタンプと『私もサルみたいに生きたいな』の返事。

って、どんな生き方?

 

今年も宜しくお願い致します。

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.12.12 簡単に手に入るけど…

『コンタクトレンズが欲しい』

コンタクトレンズ(CL)希望の患者さんは毎日来院されます。

ただし、CL量販店やネット購入が容易に出来るようになったせいか、当院のような専門医のいる眼科で処方・定期検査を受ける患者さんは以前より少なくなっています(日本コンタクトレンズ学会調べ)。

一般眼科の併設CL店では、量販店やネットほど安くはありません。

ただし、一流メーカーオリジナルの定期購入お得プランはあります。

 

当院の強みは、院長が患者さんを把握、生活や訴えに応じてレンズの種類や度数を決定していること。

その時のヒアリングはとても重要です。

何を一番見たいか?

どんな仕事に対応?

どんな趣味に対応?などなど。

しっかり聞くことで患者さんとの距離も近くなります。

トライ&エラーもあり。

最終的に満足(もしくは妥協)のレンズを探します。

 

また、CL処方の可否だけでなく、『他に病気は、ねーが?(秋田弁)』を意識して他の病気の早期発見・早期治療を心がけていること。

 

さらに、CL以外のお悩み相談?にも速やかに対応するところ、だと思っています。

 

先日、患者さん(中学生)が、度が合わなくなったからソフトとソフトコンタクトレンズ(SCL)希望で来院。

装用してきたレンズの度数は、現在の近視の半分。

聞けば、2年前に量販店で処方された度数をそのままネットで購入し続けていたとのこと。

もちろん定期検査はなし。

そして充血がひどい。

本人も家族も『いつものことだから』

いやいや…

重度のアレルギー性結膜炎。

CLを中止して治療です。

眼鏡も持っていないので、すぐに作るように話しました。

CLは眼鏡と併用で。

眼科医の定期検査を必ず受けること(自覚と他覚は違います)。

 

CL店(みどりコンタクト)を併設する眼科医(院長)は、毎年、『コンタクトレンズ販売管理者継続的研修』を受けます。

 

CLは高度管理医療機器なのでそれに伴う法律の確認や、CLの合併症(権威ある眼科医の講義)など再度勉強します。

 

SCLの合併症は20~30代(最近は10代も)が最も多い。

1デイSCLでも、正しく使用しないと合併症が起こります(使用は1回限り)。

合併症の中でも、失明に至ることもあるのは、角膜炎。

緑膿菌とアカントアメーバが2大原因菌。

SCLは水道水は禁忌・こすり洗いも保存も専用液でしましょう。

こすり洗いが重要。

オールインワンタイプの洗浄液は便利ですが、消毒力では過酸化水素やポピヨンヨードが優れています。

レンズケースも意外に汚染されているので、自然乾燥を心がけ、SCLは1.5~3か月毎、HCLは半年から1年毎に新品に。

HCLは長期使用しない場合でも、週に1度は保存液を換えましょう。

 

長く当院でCL定期検査を継続される患者さんには、急にドカン!としたことは起こりません。

CL処方が目的ですが、いくらかは院長(の診察)目当てで来院されているなら嬉しいです(勝手な妄想)。

 

正しく使用すれば、生活の質を向上させる優れた高度管理医療機器。

でも…簡単に手に入る世の中。

正しい知識も価値も取り扱いも知らないまま手に入れられることは、一見ラッキーに見えます。

 

コスパもタイパもその時は良いかもしれません。

でも長い人生、ドカン!が起こり得ること・その代償も考えると、コスパもタイパも均(なら)されるのでは…と、オバサン院長は思います。

 

眼科医によるCL処方・定期検査を受けましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:眼に関すること

2023.11.28  出来ない事=しないこと?

今日は往診日。

スタッフは介助兼ドライバーです。

『あれ!?給油ランプが点灯してますけど…』

『では先に給油しましょう』

 

ガソリンスタンドでタッチパネルを押すのは院長の仕事。

給油口を開けてガソリンを入れるのはスタッフの仕事。

自分で給油…院長の出来ない(しない)事のひとつです。

給油計が停止し、スタッフが無事ノズルを抜いたのを確認する院長。

 

店員さんが給油をし、窓ガラスを拭いて、ゴミまで捨ててくれた時代がありました。

息子たちが保育園児の頃、園児のお母さんがガソリンスタンドで働いていて、給油の担当になると『○○ちゃんのママだ!』(知っている人を見つけると嬉しくなる年頃)と懐かしい思い出も…

いつの間にか、アメリカナイズ・コスト削減のため、セルフ式が広がり、今では周辺では全く見かけません。

 

さて、そんなセルフ式が導入され始めた頃。

ひと月に1~2人程度『ガソリンが目に入った!』と駆け込んでくる患者さんが。

待合室から診察室までガソリンの臭いが充満します。

聞けば…

給油口にノズルがきちんと入っていないままレバーを引いたら、ガソリンが吹き出した。

満タンのガソリンの給油口からノズルが外れて吹き出した。

などなど。

目の中に大量に入っていなくても、ガソリンは刺激性なので痛くてたまりません。

大量の生理食塩水で洗浄。

白目(結膜)や茶目(角膜)に炎症がないかを確認し、場合によっては薬を処方。

当時、院長はまだ有人スタンドを利用していたので、『恐怖のセルフ式』とインプット。

給油は自分でしない!と決意。

 

それから幾年月。

息子たちも運転をするようになり、セルフ式が当たり前の時代に。

それでも一貫して自分で給油出来ない(しない)院長です。

 

眼科には、ガソリン以外にも、何かの液体が目に入った患者さんが来られます。

 

掃除中の洗剤・漂白剤。

シャンプー・ボディソープ。

パーマ(まつ毛パーマが意外に多い)液・毛染め液。

新型コロナ流行以降は、アルコールスプレーも多くなりました。

 

目の中に薬剤が入った場合、その薬剤の性質・濃度・時間によって症状は大きく異なります。

また、酸性とアルカリ性では、アルカリ性の方が悪化することが多いです。

酸性薬剤としては、漂白剤が知られていますが、その他、酸性洗剤や実験等で使用する塩酸・硫酸があります。

酸は組織への透過性(粘膜に入り込む力)が低いので、障害は表層に留まることが多いです。

アルカリ性薬剤としては、アルカリ性洗剤・パーマ液・毛染め液・生石灰・セメントなどです。

アルカリは組織への透過性が高いので、時間が経つと目の奥(深層)までひどい障害を起こします。

 

昔は、運動場のライン引きに石灰が使われており、アルカリ外傷の代表例でした。

今の子は石灰なんて知らないかも…

 

目に何か入ったら、まず大量の水(水道水で可)で目を洗い流しましょう。

目安は10分以上。

 

眼科では、視力や目に異常がないかを確認します。

勤務医時代は、悲惨な結末になる症例も経験しました。

 

眼科医ゆえに、目にリスクがありそうなことは回避する傾向があります。

セルフ式の給油。

気になるまつ毛パーマも。

意外に小心者の院長です。

どちらもずっと出来ない(しない)だろうな…

 

 

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2023.11.14  おしょりん

『おしょりん』田畑を覆う雪が固く凍った状態を示す福井の方言です。

雪で覆われれば、回り道しないで田んぼをまっすぐ突っ切れる。

そんな思いで始まった福井の眼鏡作り。

実話にまつわる映画『おしょりん』を見てきました。

 

国産眼鏡の95%が福井県(鯖江)で生産されています。

なぜ福井?と考えたことはなかった院長。

 

北陸福井は豪雪地帯で、冬は農作業が出来ません。

当時の地元の権力者増永五座衛門(小泉孝太郎)に弟幸八(森崎ウィン)は、勤め先の大阪で目にした眼鏡をいくつか持って帰ります。

村を挙げて眼鏡作りに取り組み、地場産業としてやっていけたらと、兄たちに熱心に勧めます。

眼鏡を見たことも掛けたこともない五座衛門はじめ村人たちには、何に役立つかもわかりません。

その時、学校では黒板の字が見えず勉強ができないと思われていた女の子が、眼前5センチくらいの距離では教科書をすらすら読むのに気づき、試しに眼鏡をいくつか試してみます。

すると…ある眼鏡をかけた途端、『見える!お母ちゃんはこんな顔だったのか…向こうの景色はあんなのだったのか…』とびっくりします。

その女の子は、生来、目の弱い子だと思われていたので、眼鏡で改善したことに周囲は驚きます。

五座衛門は、技術者を呼び工場を作ります。

しかし、なかなか売り物になる眼鏡は完成せず、資金繰りに苦しくなっていきます。

技術の挫折、資金繰りの挫折、内輪もめなど、完成品となるまでの紆余曲折が描かれています。

男性たちを支えるのが、五座衛門の妻むめ(北乃きい)。

帳場制を取り入れての眼鏡作りは、切磋琢磨し合い、最後は万国博覧会で金賞を取るまでになります。

 

ものづくりは、こころづくり。

眼鏡は身体の一部や、使う人のことを考えなあかん。

眼鏡は視力の弱い人を救う。

 

鑑賞しながら涙・涙・涙…

 

女の子は、強度近視(院長推測)のため、遠くは見えず、近くはかなりの至近距離でピントが合っていたのです(だから本は読めた)。

遠視の場合、遠く近くともにピントが合わないので、早期に見つけて眼鏡常用が必要です。

映画の女の子は、その後ぐんぐんと成績が上がり女医を目指すようになります(またまた涙)。

 

眼鏡を掛けることで、鮮明な像が網膜に写る→脳に良い刺激を与える→理解しやすくなるという良い図式になります。

ぼんやり見えていると、刺激もあいまいです。

 

しかし、眼鏡店で直接作成した場合、強すぎる(過矯正)場合が多々あります。

屈折検査通りに入れれば、最高視力は出ますが、日常使う視力とは違います。

強めの度数でも、若年では調節力で自分の眼を眼鏡に合わせます(本末転倒)が、中年以降は確実に眼精疲労や頭痛を引き起こします。

また、他の病気があるかどうかは考慮されません。

眼科医に処方してもらうのがベストです。

 

さて、院長の眼鏡も福井(鯖江)製です。

新型コロナ以降、コンタクトレンズをやめて眼鏡で診療することに。

毎日かける眼鏡はフレーム選びにも、今まで以上に慎重になりました。

素材や作業工程などを知ると、やはり日本製品は優秀・安心です。

 

そして、眼鏡店選びも重要。

眼鏡の知識、メンテナンスの技術など、眼鏡店(スタッフ)によってかなり違います。

ファッションでもあるけれど、医療(矯正具)として使う人のことを考えてくれる眼鏡屋さんに出会えますように。

 

 

 

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2023.11.7  マイボーム腺問題

ドライアイは、誰でも知る病気となってきました。

涙の分泌が少ないか、蒸発が多くて目が乾く自覚があります。

涙は、3層構造になっていて、表層から水分・油分・ムチンとなっています。

ムチンは涙と角膜をくっつける役割をしています。

つまり、目の表面に涙を均一に乗せてしっとりさせる役割があります。

 

油分は、涙の蒸発を防ぎます。

ヒトの瞼の際には、マイボーム腺という油分の出る分泌腺があります。

まつ毛の生え際より内側の、通常は透明の目立たない小さな穴口です。

ここから出る脂がとても重要です。

 

マイボーム腺は、しっかり開口していると、穴口は目立たず、透明な油がさらさらと分泌され、目の表面を覆います。

マイボーム腺機能が上手く働かないと、まぶたの辺縁もギザギザ(不整)になったり、毛細血管がまぶたの際に浮き出てきます。

また、脂がまぶたの際やまつ毛にまとわり付いていることもあります。

穴口が詰まると、際にぷつっとした油のふくらみ(タピオカサイン)や、白い粒のようなものが出来ます。

 

眼科医がふくらみを圧出すると、粘度のあるねっとりした脂が出てきます。

 

今年、日本眼科学会から『マイボーム腺機能不全診療ガイドライン』が出たくらい、マイボーム腺問題?もホットな昨今です(眼科医にとって)。

 

マイボーム腺をきれいに、健康的に保つためには、

1.目の温めを。

眼科では温罨法(おんあんぽう)と言います。

ガイドラインで、実施を強く推奨!です。

院長が研修医の頃には、古い病院に温罨法の器具もありましたが、現代とは用途が違ったかもしれません(使用経験なし)。

最近の温罨法は、蒸しタオルや市販の温かくなるアイマスクのことです。

脂の線を開口させ、きれいな脂が出るのを促します。

リラックス効果もあるので、眼精疲労にも効果大です。

 

2.まぶたの洗浄を。

ぬるま湯か専用のアイシャンプー(当院で取り扱いあり)で目元を優しく5回くらいなでるように洗う癖を付けましょう。

冷たい水はお勧めしません。

アイシャンプー使用で格段にまぶたがきれいになり、すっきりします。

アイメイク落としにも良いですし、高齢者の目の周りの不快感には特に有効です。

 

マイボーム腺機能不全は、加齢になるほど増加し、50代で32.8%・60代で41.9%・70代で48.4%・80代で63.9%と報告されています。

加齢に伴い、マイボーム腺が要因の目に不快感が増えてくるのも納得です。

院長は50代ですが、毎日の温罨法とまぶたの洗浄のお陰か、マイボーム腺機能は健全です(32.8%に入っていない)。

 

毎日患者さんの眼球も眼瞼(まぶた)もしっかり観察(診察)している院長。

もちろんアイメイクも見ています(目に入る)。

 

かなり遅まきながら、少し前から美に目覚めた!?院長。

メイクアップ教室に通ったし、化粧品も良質なものを使うように。

 

先日、新しいアイラインを付けたら、夕方スタッフに『センセイ、目、ぶつけました?』

鏡を見ると、無残なパンダ目。

早速、お店に行き、メイクの仕方をもう一度習います(申し訳ないので、何か買う羽目に。その繰り返しです…)。

 

ナチュラル(すっぴん)は恥ずかしいお年頃(院長です)。

メイクは念入りに(マイボーム腺まで埋めないように)。

そして、クレンジングは更に念入りに。

お肌もマイボーム腺もケアは大事です。

オバサンだって(それなりに)綺麗に見られたい願望はエンドレスです。

 

 

 

 

 

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2023.10.31 縦置き?横置き?

自分をご機嫌にしないと~そういう気分~の時は美味しいものを食べに行きます。

今回は、年に1回か2回しか行かないフレンチのお店に。

自分のスケジュールと気分と体調から行動を起こすので、今回もおひとり様です。

 

きっかり開店時間に入店。

まだ誰もいない店内に通されます。

おひとり様なので、ほとんどの場合一番奥。

窓際は大好きなのですが、それは誰かとの別の時に。

 

メニューの説明。

アミューズが運ばれてきます。

この日は、午後から仕事があったため、アルコールはなしで。

次のスープが運ばれる頃には何組かの来客が。

 

自分の直線方向窓際には、男女のカップル。

最初から高級シャンパンを開けています。

エスコートの仕方や女性の振る舞いから見て…夫婦じゃないよね~とオバサン(院長)の勘。

 

自分のテーブルひとつ置いて水平方向は男性2人組。

商談みたいですが、昼からワインなのは、もう商談成立の祝杯かしらとオバサン(院長)。

 

お料理はゆっくり運ばれてきますが、一人だと人間ウオッチングが出来ます(視界の範囲で)。

テーブルとテーブルとの間隔が広いので、会話は聞こえませんが、その分、想像妄想に事欠きません。

次々に来客が入るので、意外と脳は(くだらない)フル回転です。

 

メインのお料理に。

イトヨリダイのポワレ

アーモンドとソッシソンのパネ

魚介のソーセージとソラマメ

かぼちゃのピューレ

ソース・ムータルド

 

説明を聞きながら、知っている単語(イトヨリダイ・アーモンド・ソーセージ・ソラマメ・かぼちゃ)と未知の単語を組み合わせていきます。

分からない事は、聞けば必ず丁寧に説明してくれます。

自分は、知らないことをよく尋ねる方なので、期待を上回る回答をしてもらえるとすごく嬉しいです(知識が増えた)。

逆に、『少々お待ちください』と言われると、プロだと思って尋ねているのに…と残念な気に。

そういう場合は、反面教師に。

 

さて、出てきたお料理は素敵なのですが、お皿の向きが。

『あの~この向きのままいただくのでしょうか?』

メインを載せた長方形のお皿は、縦長でサーブされました。

『はい、さようでございます。シェフの斬新な発想でして』

ナイフとフォークを取り、向こうから切り分けていきます。

なんか食べにくい。

両腕を伸ばすからか、やや前傾になるからでしょうか?

結局、お皿を横方向が長くなるように(一般的な長皿の置き方)並べ直してみました。

何という安心感。

先ほどよりも落ち着いて食べられます。

視覚的にも美味しい様に思いました。

縦方向に手腕を動かすよりも、横方向に動かす方がスムーズ。

特に一皿ずつ出てくる大皿の西洋料理の場合、縦方向より横方向に盛られているほうが、距離の間隔が捉え易い。

 

美味しいお料理でしたが、お皿の置き方でずいぶん違うという新しい気づきでした。

 

家に帰って、サンマの乗った長皿を縦にして置いてみました。

焼き鳥も。

和食で試したら、違和感しかない。

ソーセージ(一応洋食)でも、違和感。

 

丸皿でも料理の盛り付けによって美味しさの感じ方が違うという研究があります。

『長皿の縦置き横置きにおける美味しさの感じ方の違い(視覚情報から)』と言うテーマで誰か研究してほしいものです。

 

おひとり様だからこそ楽しめたランチでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2023.10.24 見える!

秋の学校視力検査、就学時健診が始まりました。

学校での視力検査は、ABCDと4段階で判定しています。

A 1.0以上

B 1.0指標が見えない

C 0.7指標が見えない

D 0.3指標が見えない

眼科での視力検査のような詳細な値は示されません。

 

それでも、学校生活を送る上での目安になります。

A 教室の一番後ろからでも、黒板の字がよく見えている。

B 後ろの方でも黒板の字はほとんど読めるが、近視の始まりの可能性が高い。

C 後ろの方では、黒板の字が見づらく、近視になっていたり他の病気があるかも。

D 前の方でも黒板の字ははっきり見えていない可能性があるので、眼科で診察対処を。

 

就学時健診時は、初めての場所(小学校)のせいか、泣いたり緊張している新一年生も見受けられます。

院長は必ず就学時健診の際に、目の病気の有無と視力検査の結果を伝えます。

B以下があった場合、程度に応じて、もう一度(速やかに~就学までに)視力検査を受けるよう勧めます。

 

結果を聞いて、子供に『○○ちゃん、目悪かったの!?』と聞くお母さん。

子供からしたら『知らんがな~』

小さな子供に視力低下の自覚はありません。

『たまたま緊張していただけです』

『視力検査が理解できてないんだと思います』と、受診する必要はないと言い張るお母さん。

悪い結果は信じたくないけれど、再度眼科で検査して問題なければよいし、何か見つかれば就学に備えて対処することが出来ます。

 

学校からの受診のお勧め用紙を持参される患者さんたち。

Dでも『見えている』『困っていません』と言う人もあります。

見えるは、その人の感じ方もあるので、はっきり見えてなくても『見える』と言うのは事実です。

ただし、学校生活に支障ないように必要な(はっきり見える)視力が必要とされています。

免許を取るにも、自分の『見えている』では通らないのと同様に。

 

視力検査で受診された時、子どもは、ピント合わせの力が強いため、通常の屈折検査では正しい状態(近視?遠視?乱視?また程度)が分かりません。

そのため検査用点眼薬で毛様体筋の緊張を取り、正確な屈折程度を確かめます。

 

点眼薬で近視に出れば、間違いなく近視で、回復は見込めません。

 

当院でも行っているオルソケラトロジーは、初めて近視と診断された時にスタートするのが好機です。

もちろん近視と既に診断された方にも適応です。

コンタクトレンズを付けて就寝、起床したら外す。

昼間は裸眼(1.0~1.2)で生活できます。

特に水泳や接触スポーツ・バレエなどの習い事にも安心です。

 

当院のオルソケラトロジーの患者さんたちも、良好な視力で学校生活を楽しんでいます。

もちろん定期検査をしっかりし、院長が責任を持ってフォローしています。

 

親(大抵母親)が、コンタクトの管理をすることになります。

母と子のスキンシップが朝晩出来る(せざるを得ない)ので、母子のスキンシップは遥か昔になってしまった(息子たちは成人)院長としては羨ましい限り。

朝起きてコンタクトレンズを外したら、子供が『見える!』って言ったんです。

お母さんからの嬉しい報告。

 

次男はアトピーがひどく、一時期、毎晩処方された軟膏を指に塗って、布で巻き、その上にネットをかぶせていました。

『最後に帽子(ネットをそう呼んでいた)被せようね、帽子並んだね(5本指)~良くなるといいね~』で終了。

面倒な時もあった指の治療も今となっては懐かしい思い出です。

 

オルソケラトロジーも、きっと母子(主に母)の良い思い出になるはずです。

 

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カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの家族・恩師・友人など 眼に関すること

2023.10.17  目の神様 in平泉

『平泉に眼の神様のお守りをいただきに行ってきた』

知人からの情報。

 

平泉…院長にとっては、初一人旅の思い出の地です。

再訪をいつか…と片隅にありましたが、知人の一言で決行することに。

 

岐阜の片田舎からの一人旅に、東北を選んだのは、ペンフレンド(死語?)に会いに行くため。

高3時、受験雑誌の文通相手募集欄にRちゃんの名が。

当時は住所も名前もオープンだった時代。

めでたく文通成立。

合格目指して頑張りました(というより息抜き)。

仙台の大学に進学した彼女に会う+αの一人旅です。

 

まだスマホなどない時代。

父は、紙の時刻表から旅程を作ってくれました。

○○に着いたら家へ電話する(もちろん公衆電話)こと、と注釈も書かれています。

 

初めて会ったRちゃんは、とてもきれいな子でした(当時のアルバムに感想が)。

仙台を案内してもらい、一人旅にわくわく。

不思議な縁で、今も二人の文通(手書きです)はほぼ毎月続いています。

 

別れてから平泉を目指します。

 

当時は、東北本線オンリー鈍行の旅。

今回は何十年の時を経て、飛行機・新幹線で東北本線は一駅のみ。

時間はあるけどお金がない時代から、お金を時間で買って行動する時代に。

 

中尊寺に向かいます。

特に藤原氏の富の象徴ともいえる豪華絢爛な金色堂は有名です。

ここは、初代清衡公・基衡公・秀衡公の御遺体と泰衡公の首級が納められています。

ミイラが祀られているんだ~と単純な感想しかなかった無知な大学生だった自分を内省します。

 

ひとつひとつ建物、仏様、装飾など,解説を読みながら見ていると、あっという間に時間が立っています。

 

今回の旅の目的は峯薬師堂に参拝して、『目のお守り』をいただくこと。

以前中尊寺に行ったときに参拝した記憶はありません(目に関心無かったし)。

境内に入ると、ひらがなで『め』と書かれた絵馬や、『め』がいくつも描かれた旗など。

絵馬の数を見るに、目の病気の平癒祈願をしている人がいかに多いか…

院長も薬師如来様にお祈りします。

患者さんの眼がよくなりますように。

院長がより良い眼科医療を提供できますように。(いつもながら他力本願)

お守りには『め』と縫ってありインパクト大です。

 

同町内の毛越寺も訪ねるべき場所。

中尊寺とともに世界遺産です。

この境内の片隅にあるYH(ユースホステル)に泊ったのでした。

建物は当時のままでしたが、今は使われていないとのこと。

何年か前にYHも閉館したそうです。

池を囲む庭園(浄土庭園)が素晴らしく、しばし鑑賞。

あの頃と同じ場所で池をバックに写真を。

 

前回、初めての一人旅で緊張していたのですが、同室の25歳の女性の話しを聞くうちに打ち解けました。

社会人で仙台から車でひとり旅。

かっこいい~憧れる~

その彼女に撮ってもらいました。

毛越寺の素晴らしさもわからず、毛越寺で出会ったひとり旅の若干(今の自分から見たら)25歳のお姉さんと過ごした一晩のほうが記憶に残っています。

YH懐かしい~

当時YHは、若者が泊まるには一番安心安全安価だったので、父の意向で毛越寺YHに泊ることになったのだと思います。

 

今、臆することもなく、自由に一人旅もし、物事をもっと深く見たり聞いたりしたいオバサンになっています。

池の傍で立っている少女の私へ…こんな未来、想像できた?

 

再訪・再読など時を経て感じることの変化も楽しもうと思います。

目の神様シリーズはこちらからご覧ください

目の神様 in 仙台

やりなおしたい?

初めての御朱印

身代わりどじょう

目の霊山

余呉へGO,GO

鎌倉好き

医者も祈願する!?

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.9.12 目と性感染症

梅毒罹患者が増加というニュースをよく耳にします。

眼科と関係ある?

目にも性感染症は起こります。

 

性感染症により眼症状が起こる主なものは

淋菌

クラミジア

梅毒

HIV

 

患者さんの受診のきっかけとしては

1.既に性感染症を診断されており、それに伴う(疑う)眼症状が出た。

2.たまたま目に自覚症状が出たため、眼科受診をして性感染症が発見された。

 

1は、他科からの紹介で院内眼科に受診と言うパターンが多いです。

梅毒やHIVの場合、全身の症状も強く、視力低下や目の奥(網膜や視神経)の症状も強いことが多いので、一般に入院治療となります。

大学病院では、高齢の梅毒の患者さんを何人か診ました。

長い年月をかけて、身体中を蝕んでいく様子に、新米眼科医は身を震わせたものです。

 

また先天梅毒では特有の三兆候(歯・難聴・目)が見られます。

 

地域のクリニックにも性感染症の患者さんは稀に来院されます。

クラミジアによる結膜炎は、以前の日本ではトラコーマとして猛威を振るっていました。

トラコーマは、角結膜(白目茶目)にかなりひどい瘢痕が起こり失明に至る病気です。

衛生状態の悪い国(発展途上国)では発生しています。

日本では現在ほとんど見られません。

 

同じクラミジアが原因でも、違う型で起こる性感染症由来のクラミジアの患者さんは来院されます。

ほとんどは、充血・めやに。

めやには、やや粘っているけれどすごくべたべたでもない。

まぶたの裏には濾胞(ぶつぶつ)があります。

明らかに自分で性感染のことを口にされない限りは、アレルギーとも細菌感染とも考えられるので様子を見ます。

治療に反応しなかった場合は、クラミジア結膜炎を疑い検査・治療をします。

本人に自覚がある場合はいいのですが、そうでない場合にお伝えするのは、少々ためらいます。

しかし、ちゃんと治るので最後まで治療に専念してほしいものです。

 

また、母親からの産道感染によって新生児に起こるクラミジア結膜炎もあります。

充血・目やにが主症状です。

 

淋菌性結膜炎は、膿様の目やにがすごい!

教科書で見た写真が忘れられません。

20年くらい前、生後数日の赤ちゃんが目やにで受診されました。

教科書通りの特徴的な目やに・結膜炎!

産道感染による新生児の淋菌性結膜炎です。

新生児の場合、治療が遅れると角膜穿孔(茶目に穴が開く)し失明することもあります。

母体も安定しないため毎日往診。

穿孔しないで~と祈りながら治療。

幸い完治となりました。

淋菌性結膜炎(培養でも確認)ということをお話ししないといけません。

母親に覚えがなく…ということは…

赤ちゃんが生まれておめでたいはずの家庭に嵐が起こりました。

性感染症はひとりでは起こらない。

誰かを知らないうちに感染させています。

 

性感染症のニュースを見るたびにあの赤ちゃん(唯一の淋菌性結膜炎患者さんです)を思い出します。

勉強させてもらった貴重な一症例を忘れることはありません。

 

 

 

カテゴリー:眼に関すること

2023.9.5 何しにカンボジア?  その3

*前々回・前回からの続きです*

 

おそらく、カンボジアではゼロ(正視)から遠視の人の割合が高いのだと思います。

近視は、近くにピントを合わせられるので、老眼になっても距離を合わせれば、自分の目で見ることは可能です。

遠視の場合、老眼が始まると自分の目で近くを見るのは困難になります。

日本人と比べて、あまり細かな書物を読んだり書いたりする文化はそれほど根付いてない(ように思える)ため、老眼に対しても積極的に眼鏡を使おうという意識(必要性)がないかもしれません。

 

10年ほど前の緑内障に関する沖縄久米島のスタディでは、遠視の割合は34%(近視は29.5%)と報告されています。

また、日本の都市部に比べ近視の割合がかなり低かったとも。

視力が良い人が多いと言うことです。

しかし、狭隅角の人が多く、閉塞隅角緑内障に多く罹患していることもわかりました(今、日本人に多いのは正常眼圧緑内障)。

それゆえ、急性緑内障発作も多くなります。

現在では、沖縄でも近視の人が多くなり、本州とあまり変わらなくなっています。

 

カンボジアに来て、そのスタディを思い出しました。

恐らく、カンボジアの人は狭隅角が多い。

強い紫外線を年中浴びて、若くして白内障になる人は多いはず。

急性緑内障発作もかなり発症していると思われます。

かなり激しい頭痛と眼痛が特徴ですが、医療制度の体制が不備な地では、なんとかでやり過ごして失明してしまう人もいるかも。

日本では、予防法・治療法は確立していますが。

ただし、カンボジアの平均寿命が69歳(健康寿命は58.1歳)と聞くと、不具合が生じる前に寿命が尽きてしまう可能性も。

それゆえ、日本で多い緑内障や加齢性黄斑変性症など加齢に伴う病気も多くないと思います。

 

翌日、今度はコンタクトレンズの購入について、別の眼鏡屋さんに行きます。

今すぐ用意できるメーカーは米国製の有名なブランド。

単焦点です。

ジッパーの袋に度数ごとに入っています。

トライアルレンズか?と聞くと、売り物とのこと。

ここでは1ペア〇ドルで購入できるとのこと。

ただし、すぐ入手できるレンズは中等度度数以下。

それ以上強い近視は、箱買い(日本では通常)のオーダーで2週間後受け取りとのこと。

ちなみに院長装用の遠近コンタクトレンズは、オーダー後2か月かかるとのこと。

発注はすべて外国に。

当然自国ブランドは無し。

時間もお金もかかります。

近視大国の日本、コンタクトレンズの需要が高いこともありますが、自国ブランドであれ海外ブランドであれ入手できる環境にあることは、恵まれています。

カンボジアでは、コンタクトの需要も低いのでしょう。

それにしても、眼鏡やコンタクトにも、こんなに国の差があることは驚きでした。

 

まだまだ発展途上のカンボジア。

若年人口が多いこの国はどう変化していくのでしょう?

 

カンボジアの歴史と医療・文化に少しだけ触れた旅。

短い旅でしたが、衝撃は大きかったです。

もしカンボジア人なら…『老後の始末を考えないといけない年齢』

そう思うと、身が引き締まります。

 

こちらもご覧ください

何しに台湾?  その1

何しに台湾?  その2

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