2020.9.29 色・明るさと交通事故

少し前まで、診療終了直後も『まだ明るいね~』と話していたのに、すっかり日が暮れるのが早くなりました。

 

眼科の患者さんは、視力低下の方や高齢者も多いので、『気を付けて帰ってくださいね~』と願いながら、診療終了です。

 

眼科専門誌の『眼科と自動車運転』の特集から…

 

運転には、様々な要素が絡み合いますが、視力(見え方)というのは、大変重要な要素です。

運転者からは、『歩行者や自転車・標識を見落とさないこと、ナビなどの情報を素早く視認できる』ことが大事です。

歩行者や自転車運転者からは、『自動車運転者から見られるようにする工夫、事故につながりそうな予測のできる視覚情報を素早く得ること』が大事です。

 

まずは、明るさです。

どんな色でも、明るい条件下では視認しやすくなります。

昼間ははっきり見えている標識も、夕方にはかなり見にくくなるのは自明です。

ただ、物理的明るさと、心理的な明るさとは単純に比例しません。

感覚の強さは刺激強度の対数に比例して増大するという法則があります。

例えば、真っ暗な部屋で、灯りをつけたら、すごく明るいという感覚がありますが、その明るさをどんどん上げても「明るくなった!」という感じはだんだん緩やかになるということです。

 

さらに、明るさの感覚は、脳で補正されてしまうこともあります。

例えば、薄暮で周りがかなり暗くなっていても、自分が暗いと感じない(思わない)ことがあります(個人差あり)。

この場合、運転者は「はっきり見えている」と思い込み、歩行者や自転車を見落とす危険が高まります。

 

交通事故は、夕方4時から6時が多く、月別では9月から12月が多くなります。

『人(自転車)は思ったより見えていないし、見られていない』

 

では、工夫できることは?

実験解析結果では、早期ライト点灯・明るい服装で注意が高まることがわかっています。

また、別の画像分析結果では、早期ライト点灯や反射材が有効でした。

目立つ服の色としては、蛍光オレンジや蛍光イエローが見やすく、白と黄色のストライプ、白と赤のストライプとなりました。

洋服の色を蛍光色にするのは、なかなか難しいですが、反射板を利用したり、夕方以降外に出る場合は、白や黄色など明るめの服を着たほうがより安全です。

 

『あと1秒早く視認できれば9割の交通事故を減らすことができる』

 

色やコントラスト(対比)以外には、焦点の合いづらさも関係しています。

度の合ったメガネやコンタクトレンズ装用での運転は、もちろん必須です。

(更新のためだけに眼鏡処方希望の人が、時に来院されます!?裸眼や度の弱い眼鏡で見えていると思い込んで運転しているのは、本人だけです!)

また、白内障やドライアイがあっても、光の散乱などが強くなります。

 

誰でも、夕方~夜間視力は低下するので、出来るだけ、夕方・夜の運転は避けることが賢明です。

眼科医としては、患者さんが交通事故に巻き込んだり巻き込まれないよう啓発・注意もしていきます。

 

高齢者・ロービジョン(低視力・狭視野)患者さんの運転も、今後の大きな課題です。

 

かくいう院長も、夜ランニング中に交通事故に遭った経験あり。

信号のない横断歩道を走って横断中、対向右折車に跳ねられました(運転は高齢者)。

額に小さなLEDライト(ちょうちんアンコウみたいな)を点けていたのに~

跳ねられたのに、『搬送先の病院に知り合いがいたら恥ずかしい…』などと、どうでもいいことを考え『大丈夫です!大丈夫です!』を繰り返した院長です。

幸い下半身の打撲で済みましたが、夜ランニングは、以後きっぱりやめました。

 

『人(自転車)は思ったより見えていないし、見られていない』

気を付けましょう。

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2020.9.15  経年劣化

自分では、カレーをもう10年ほど作っていない院長です。

フルで働く母であっても、子供達には栄養のあるものを手作りしたい!のモットーで、あれこれ毎日料理をしていたのですが…

ある日『よく、こんなに美味しくないカレー作れるね』と長男。

材料は、一通りのものですが、野菜不足にならないようにたっぷりの野菜(時には変わり種も)、早く煮えるように薄切り肉。

すごく美味しいわけではないが、まずくもない…程度。

三男には、最後まで持て余すカレーではありましたが…

 

『超忙しい中、母さん頑張っているんだからね!そんなこと言うなら〇〇(長男)が自分で作ったらどう?』

 

『僕が作ろうか』と夫。

材料を自分で調達して、圧力鍋で作ってくれました。

『美味しい~何、これ!?』

『お店のみたい』

『どうやって作ったの?』

牛ブロック肉、玉ねぎ、にんじん、マッシュルーム。

圧力鍋で30分。

調味料・隠し味は秘密!?

『父さんが作ったほうがいいわ~』子供たち絶賛。

 

以後、カレー担当の家人は、カレー作りに情熱を注いでいます。

家庭料理を超えた材料と時間のかけ方。

調理中は『話しかけないで~』と集中!

家族と話しながら、わいわい料理するのも好きな女性(院長)とは対照的。

 

ある時『圧力鍋欲しいな~』

『2個もあるよ』

『でも、取っ手が…。共用だし…』

長年愛用の圧力鍋は、院長のうっかりが重なり、度々コンロの真ん中に置くので、取っ手がガス火で溶けて変形しています(機能に問題なし)。

『自分用のがあるといいよね~買おう』(カレーのためだけに!?と思いつつ)

圧力鍋を色々探したようですが、結局、今ある鍋と同じメーカーのものを注文。

同じ圧力鍋が3個になりました。

 

ピカピカの鍋で、早速カレー作り。

『新品の鍋だから、スペシャルにする!』

お任せします。

お皿に盛りつけられたカレーを、一口食べると、いつも以上に美味しい!

 

『鼻紋付の牛なんだよ!名前も付いていた』

『…』(びっくり)

『隠し味に、ちょっといい赤ワイン入れてみた。深みが出てるでしょ』

『…』(再びびっくり)

食前、とっておきのワインがなくなっていたので、もしや息子が飲んだ?と疑っていたら、答えはここに。

原価どんだけ~?

『最高!』

でない、はずがない。

家人のカレー作りは、趣味。

試食はお披露目会。

そう認識した妻(院長)でした。

 

それでも、家人にお任せの仕事(専任)を作ってしまうと、働く妻は楽になります。

趣味の料理(カレー)以外にも、家にある材料での料理も任せると、一週間に何回かは食事作りから解放されます(一任がポイント)。

 

『新しい鍋で作ったら、水分が今までより減らなかったんだ』

『へー。なんで?』

『前の2つの鍋は、パッキンが緩んでいて、水蒸気が漏れているんだと思う』

院長は、毎日古い圧力鍋を使っていますが、加圧が数分なので、気になったことがありませんでした。

『鍋も人も、古くなると漏れるんだね』

加齢により、男性は前立腺肥大、女性は骨盤底筋の緩みで尿漏れが起こりやすくなります。

『男性も女性も尿漏れの認知度が高まってきたから、患者さんが相談しやすくなったね』

『いろいろケア用品が出てるしね』

そこからは、食事中ながら、夫婦でパッキンと尿漏れの話。

絶品カレーを食べながら、同業者だから許される『あるある』。

 

それ以来、圧力鍋の『しゅんしゅん』おもりの回る音を聞くと、『漏れ』が気になる院長です。

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2020.9.7 茶目のケガ

指先を紙でスーッと切ってしまったとき。

わずかに、『痛っ!』

すぐに、血も止まり、痛みも忘れ、それでも指先の一直線の傷が治るまで何度も見てしまう小心者(院長)。

角膜に同じことが起こったら、激痛!です。

 

日々、目の痛い患者さんが来院されます。

『目』が痛い原因も、部位も様々ですが、角膜(茶目)に病変を起こし場合が『痛い』原因、第1位です。

 

その中でも、急に痛みが起こるのは、外傷(ケガ)です。

 

学校医の関係上、授業中に来院する子供に多いのは

『紙の端が目に当たった』

『友達の指が、目に入った』

『定規が当たった』

『砂が入った』

ボールや肘や足も多い(この場合、奥も検査)。

 

大人では

『子供の指が入った』

『てんぷら油がはねて入った』

『木の枝が目に入った』

『猫の爪が入った』

『漂白剤が入った』

『研磨中に鉄粉が入った』など。

 

角膜(茶目)は厚さ約0.5ミリの透明な組織です。

虹彩(こうさい)の前面にあるので、一般には茶目で通しますが、茶色いのは虹彩です。

角膜は表面から5層構造をしており、『角膜上皮』『ボーマン膜』『角膜実質』『デスメ膜』『角膜内皮』からなっています。

角膜上皮には、たくさんの知覚神経が走っており、網目状の集まり(神経叢・しんけいそう)を作っています。

角膜にある知覚神経終末(末梢神経の先っぽ)は、皮膚の約300倍密集しているので、少しの刺激でも痛みをすごく感じるのです。

元々、眼球自体が他の臓器に比べてすごく小さいのに、その傷と言ったら…顕微鏡でしか確認できない程度のことがほとんどですが。

 

 

紙の縁に相当する一直線の傷。

爪の先の形にえぐれたと思われる丸い傷。

こすったせいで起こしたひっかき傷の固まり、などなど。

 

痛みがあっても、範囲が広くても、角膜上皮だけであれば、割と早く、点眼できれいに治ります。

きちんと治癒するまで、決められた用法を守ることが重要です。

鉄粉の場合は、刺さっている鉄粉を取り除きます。

数日経っていると錆も出ているので削り取ります。

 

外傷(ケガ)以外にも、感染性(細菌・真菌(カビ)・ウイルス)、コンタクトレンズによるものもあります。

長期のコンタクトレンズユーザーは、角膜知覚が低下しています。

(初めて、コンタクトレンズを入れる患者さんは違和感・異物感を感じます(特にハードレンズ)。角膜知覚神経叢が正常なら当たり前のことです)

診察時、角膜に傷があっても、少々の場合は、痛みや違和感を感じません。

だからこそ、定期検査で眼科医のチェックを受けてほしいのです。

 

角膜だけにとどまっているケガは、当院で対応しますが、それより奥は、手術のできる施設へ紹介します。

印象的だったのは、釘が刺さったと、来院された患者さん。

速いスピードで刺さったため、眼球形状は保たれていました(視力も出ていた)。

しかし、角膜より奥(水晶体)にも刺さっていたため、紹介。

無事、手術で回復されました。

 

小学校5年生の時に読んだ『春琴抄』(谷崎潤一郎)。

盲目のお琴に仕える丁稚の佐助。

お琴が賊から熱湯を浴びせられ、その顔を佐助に見られたくないと言ったので、お琴を愛する佐助は、両目を針で突き、失明します。

『わて、針で目を突きました』

想像するだけで、ぞっとし、怖くて怖くて仕方がありませんでした。

(今だと、眼科的考察を述べられますが)

 

今では、どんな眼外傷にも動じず、眼科医一筋の院長です。

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2020.9.1 これが大根おろし!?

注文した品が3か月半してやっと届きました。

平たい箱を開けると…

『お~!』

銅製のおろし金が鎮座。

刃は規則正しく鋭く立っています。

ずっしりした重量感。

『その辺のおろし金じゃありませんよ!切れ者ですぜ!』という迫力。

 

我が家の大根おろしは、一般的な汎用品です。

プラスチック製で丸い穴が開いていて、その周りに小さなプラスチック製の刃が並んでいるもの。

受ける容器がセットとなり、底には滑り止めがついている優れもの。

このおろし器に出会うまでに、アルミやステンレス製のものを色々試しましたが、必ずやめる(処分する)きっかけとなったのが、指先のケガ。

貧乏性なのか、最後まですりおろそうとして『あ、痛っ!』

指先を刃に引っ掛けてしまい、そこから血が滲みます。

白い大根おろしに滲む赤…

サスペンスドラマの一場面のよう…

医師と言えども、自分の血には弱い院長。

ヘナヘナ…

この恐怖の体験を繰り返し、現在のプラスチック製に落ち着いたわけです。

 

ある日、テレビで、伝統工芸士の作るおろし金が放送されていました。

現在、東京で銅製おろし金を作る職人さんは唯一人とのこと。

鏨(たがね)から成型して、生地板を作り、一つ一つ目立てをしていき…

たかがおろし金と言うなかれ。

この道何十年とかかって一人前になれるのだそう。

『いいな~』

家人が『いいな~』と言う時は、よっぽど欲しい時です。

長年の付き合いで、『いいね~買ったら!?買おうよ!』と相槌を打つのが、うまくいくコツ。

少量の大根おろしは、自分でおろすのですが、量を必要とするときは、家人担当となっている我が家。

大根おろしを極めたくなった?

『金属製は怖いから、私は使わない。これからは、大根おろし専従でお願いします』

『オッケー』

 

価格は…

たかがおろし金、と考えればびっくり!

されど、伝統工芸士の作る一生ものと考えれば納得!

 

おろし金が届いたので、早速大根を買ってきました。

おろす方向に対して、刃が、細かく前後向かい合うように、目立てられています。

注文したおろし金は、男性に丁度良い大きさ(サイズは色々)。

下に受ける小鉢を置き、おろし開始。

シャリ、シャリ、静かな時間。

細かいみぞれのような大根おろしがどんどん出来ていきます。

『すごくスムーズ。おろし感がいいね~やってみる?』

『やらない(怖い)』

 

茹でたてのおそばに、大根おろしを添えます。

大根おろしって、こんなにふわふわ?なめらか?

そして『辛い!』

いつもと同じ部位なのに??

プラスチック製のおろし器で大根おろしを作ってみると、歴然の差。

いつものは、辛みは少ないけれど、ザラザラ感がはっきりします。

 

大根は、おろすと辛みの成分であるイソチオシアネートが出てきます。

大根の繊維がたくさん壊れるほど辛み成分は増大します。

銅製のおろし金は、細かくおろせる分、辛みが強くなるのです。

『辛い!辛い!』

 

これが本物の?大根おろしなのね~

 

郡上八幡で勤務していた時、郡上踊りのプロモーションで福井に遠征(院長、郡上踊り保存会からお免状をいただいています)。

そこで食べた越前おろしそば、大根おろしが強烈に辛かったことを思い出しました。

 

おろし金の裏面は、しょうが・山芋・にんにく用。

『大根おろしお願いしま~す』

『は~い』

『山芋お願いしま~す』

『は~い』

楽しそうにおろす家人。

高いおもちゃみたいな感じもありますが、『おろす』調理から完全に開放された妻(院長)となりました。

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