12月11日 このポーズ、あなたへのSOS!?

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これは、「『白杖(はくじょう)SOSシグナル』普及啓発シンボルマーク」。

視覚障害のある人が周囲に助けを求めるポーズを岐阜市が図案化し、内閣府のホームページに掲載された。

この白杖を頭上五十センチ程度に掲げるポーズは、視覚障害のある人が道に迷った時などに、周囲に「SOS」と伝えるもの。口頭で叫ぶだけでは、雑踏の中で気づいてもらえない恐れもあるため、福岡県盲人協会が1977年に考案した。

しかし、浸透は十分とはいえない。実際には、点字ブロックの場所が分からなくなった時などに白杖を掲げても、素通りする人は多いという。

ポーズの意味を伝えるマークがないことに着目した岐阜市は、今年五月に視覚障害者団体の全国大会で発表し、視覚障害者の全国組織「日本盲人会連合(日盲連)」も利用促進を決めた。

市は県と協力して、マークを紹介するパンフレットとポスターも配布。マークは市に連絡すれば、印刷物などに自由に使えるようにもした。

マークが普及することで、思いやりの心が育つことを担当者は望んでいる。

 

(中日新聞 11月30日)

12月11日 老眼鏡選び、ヒントは「生活スタイル」

40代になると、近くのものが見えづらくなってくる人は多い。それは年を重ねていくと目の調節力が衰える「老眼」になるため。

目は眼球の中にある水晶体の厚さを調節してピントを合わせている。しかし、加齢により水晶体の弾力性が失われたり、水晶体の厚さを変える毛様体という筋肉が衰えたりすると、水晶体を十分に厚くすることができなくなり、近くのピント合わせが難しくなる。

老眼は老化によって起きるが、実は調節力の低下は10代からゆっくり始まっていて45歳を過ぎるころから症状が表れる。目から30センチくらい離さないと本が読みづらくなるのが老眼と判断する際の目安となるという。しかし、中には目の調節力が衰える老眼ではなく、白内障や緑内障など病気が潜んでいる例もあるため、目が激しく疲れたり、生活に支障が出たりした場合は眼科専門医に相談することが大切。

 

では、老眼鏡が必要になったらどう選べばいいのだろうか。その際に大切なのは、自分の生活様式に合わせること。既製品で安価な老眼鏡はピントなどが合っていないケースがあり、使い続けると激しく疲れることが多いという。

たとえば、外を歩き回る営業職なのかデスクワークが中心の内勤なのかによって手元を見る回数が違うほか、趣味などによっても眼鏡の使い方が異なる。

 

さらに、老眼鏡には大きく分けて3つの種類がある。レンズ全体が近くのピントだけに合わせてある「単焦点レンズ」と、1枚のレンズに遠用と近用の2カ所にピントが合う「二重焦点レンズ」、遠くから近くまでピントが段階的に合う「累進屈折力レンズ」だ。

レンズによって目の疲れやすさや利便性等は様々なので、眼鏡店で相談することをおすすめしたい。

また、老眼は年をとるに従って進むため、いったん老眼鏡を作っても時間が経過したら眼鏡店でみてもらうことも大切だ。目安は長くても3年半から4年半が望ましい。

老眼鏡にはコンタクトレンズもあり、眼鏡とは仕組みが違うものの、二重焦点では近用と遠用の2つが1枚のレンズに入っている。眼鏡とコンタクトレンズを組み合わせる人もいる。最近は眼鏡よりもコンタクトレンズを好む人も増えてきているが、乾燥や疲れなどの症状が出ることもあるので、使う際は気を付けたい。

 

人が五感で得る情報のうちの約8割は目からといわれる。手元が見えにくくなって生活に支障が出るようになったら、眼科医に診てもらうことが大切だ。

 

                           (日本経済新聞 11月26日)

12月4日 気分華やぐメイク術。見えなくても自信に

目が不自由でもきれいに仕上げられるお化粧法があるって、ご存知でしたか?

“ブラインドメイク”は、自分で化粧をしたいという目の不自由な女性たちのために考案されたメイク法。日本福祉大学院研究生の大石華法さん(50)が、「お化粧ができない」という視覚障害者の悩みに触れたことで考案したものです。

試行錯誤の末にたどり着いたのは、スポンジや筆などの道具は使わず手や指で施す方法。ファンデーションは液状のものを両手のひらで温めてから、顔に何度も押しこむようにのせるとムラながなく、アイシャドー、チーク、口紅は指先にのせて両手を左右対称に動かすと、きれいに仕上がるそうです。

「引きこもりがちだった私が、こんな風に外を歩けるなんて思いもしませんでした。」「自分に自信が持てるようになった気がします。」と話すのは、視力を失った女性や生まれつき目の見えない女性たち。“ブラインドメイク”のレッスンを数回受け、一人でできるようになりました。

大石さんはこれまで、同行援護従業者や視能訓練士にその教授法を伝えてきましたが、来春からは大阪市内の美容や医療福祉の専門学校で講座をスタート。さらに裾野を広げる予定です。

このブラインドメイクについて、視覚障害者のケアに詳しい眼科医の安藤伸朗さん(62)は「個人の幸せ、尊厳の回復をもたらすものだ」と語ります。

自信をとり戻し、気分をパッと明るくさせることができるブラインドメイク。問い合わせは日本ケアメイク協会にメール(info@caremake.jp)で。

                           (朝日新聞 11月12日)

11月30日 日本チーム、リオへ

リオデジャネイロ・パラリンピックの種目の一つ、「ゴールボール」。攻撃側が鈴の入ったボールを転がしてゴールを狙い、守備が鈴の音を頼りに防御するという視覚障害者による競技だ。

12日中国の杭州で行われたアジア・パシフィック選手権は、リオへの出場権を懸けた戦い。結果は日本女子が1-0で中国を下し、四大会連続の出場を決めた。一次リーグで敗れていた中国から先制点を奪った日本は、持ち味の堅守で逃げ切った。

日本男子は3位決定戦で3-8と韓国に敗れたが、今後の日本チームの活躍に注目したい。

                            (中日新聞 11月13日)

11月9日 冬になっても流行続く!? 今年の「はやり目」は要注意!

「はやり目」と呼ばれる流行性角結膜炎の流行が例年よりも拡大していることが4日、国立感染症研究所の調査で分かった。

 

流行性角結膜炎はアデノウイルスの感染で起こる目の病気で、結膜の充血や涙、目やにが特徴。涙や目やにを介して感染し、特別な治療法はなく対症療法が中心となる。

 

例年であれば秋には患者が減るが、今年は勢いが衰えないまま患者が増える冬場に突入する恐れがあり、注意が必要だ。今季は過去5年以上大きな流行がなかったウイルスのタイプが主流であることが、患者数が増えた原因とみられている。

 

アデノウイルスは感染力が強く、かかった場合は学校保健安全法の規定で幼稚園から大学までの学校で出席停止となる。停止期間は感染を広げる恐れがなくなるまでで、7~10日間程度が多い。

 

さらに、今年は家庭内感染が多いとのこと。感染を防ぐため、タオルの共有はせず、手洗い、うがいを徹底することが大切だ。

 

                           (日経新聞 11月5日)

11月9日 盲導犬を連れていても… 視覚障害者被害の事故

視覚障害者が巻き込まれた交通事故が1~9月、全国で32件あったことが4日、警察庁への取材でわかった。盲導犬を連れていて巻き込まれた例も5件あった。

 

徳島市で10月3日、徒歩で勤務先に向かっていたマッサージ師の山橋衛二さん(当時50)がダンプカーにはねられ、盲導犬と共に死亡した事故を受けて、警察庁が初めて実態を調べた。対象は、失明かそれに近い人が歩行中などに巻き込まれたケース。

 

被害者が歩行用の杖を持っていた事故も25件あった。山橋さんは建設資材置き場にバックで入ろうとしていたダンプカーにはねられたとみられているが、同じように被害者が、後退してきた車にはねられたり接触されたりした事故は9件あった。その他の状況をみると、「横断中」が18件、道路での「通常歩行」中が12件だった。

また事故があったのは群馬、東京、大阪、愛知、福岡など21都府県。事故の相手は乗用車が22件、貨物自動車が8件、自転車も2件あった。そのうち21件は60歳以上だった。

「交通弱者をドライバーが保護するのは当然。守る意識を持って運転して欲しい」

担当者は話す。

 

                           (朝日新聞 11月5日)

11月9日 原因いろいろ。光が見えるわけ…

時々目の前に見えるギザギザした光、小さな斑点、黄色や紫のひし形…。目の病気かもと心配されたこと、ありませんか?

 

ピカッとした光など、実際にはないはずの光が見えるのは「光視症」。斑点やひし形が見えて、目を動かすと一緒に動くような症状を「飛蚊症」と呼びます。

これらの多くは老化現象の一つで、眼球を形成するゼリー状の硝子体が網膜から剥がれる事が原因です。この場合ほぼ治療の必要はありません。

ところが、硝子体がはがれる時に網膜を一緒に引っ張ると、出血や網膜剥離を起こして入院や手術が必要になるケースも存在します。症状がでたら眼科で検査してもらいましょう。

またギザギザした光が見えた直後に片頭痛を伴う場合は、脳梗塞や脳腫瘍など、脳に病気が隠れている可能性も。神経内科や脳外科で精密検査を受けるのをお勧めします。

 

このように、同じ症状でも考えられる原因はさまざま。少しでも異常を感じたらすぐに受診をしましょう!

                           (中日新聞 10月27日)

10月10日 緑内障、見え方自覚し安全運転

国内の失明原因で最も多い緑内障。視野に異常が出始めても自覚のない人も多い。現在、矯正視力が両目で0・7以上でかつ、片目で0・3以上あれば視野異常の検査はなく、普通運転免許は失効しない。しかし、視野の異常に気付かないまま車を運転すると、事故につながりかない。

たじみ岩瀬眼科(岐阜県多治見市)の岩瀬愛子院長は2013~14年、警察庁からの委託で緑内障の患者約70人と視野が正常な約120人を対象に、自動車の運転シミュレーターを使った運転実験をした。

視野が欠けている度合いが高い60代男性の緑内障患者は、左右からの車の飛び出しに反応できず、「急に車が出てきた。全然気がつかなかった」と何度も「事故」を起こした。

しかし、同じように緑内障で視野の欠けた70代の男性の場合、「左から来る車が見えにくい」との自覚があるといい、視線をあちこちに移動させながら運転、見えにくい所では徐行した。

東北大病院による運転シミュレーターを使った実験でも、視野が正常な人に比べ、症状が進んだ緑内障患者の方が事故が3倍多く、視野の欠損部分から車が入ってくる時に事故が起きやすいことが確認された。例えば、視野の下方が欠けていれば左右の飛び出しを見落としやすく、上方が欠けていれば信号を見落としやすい。

 

緑内障と診断されたからといって運転をすぐにやめなくてはいけない訳ではない。

気をつけなければいけない場面を知ることで、事故を防ぐことも十分可能だという。

もっとも危険なのは運転ができなくなるのを恐れ、眼科を受診しなくなることだ。

 

緑内障は早期に治療すれば進行を抑えることができるが、自分では視野の異常に気づきにくい。多治見市内で実施した調査では、40歳以上の20人に1人が緑内障と診断され、そのうち9割は無自覚で治療していなかった。

緑内障の診断では、視神経の状態をみる「眼底検査」と視野計で視野を調べることが重要だ。視野計の検査は専門の眼科で受けることができ、自分自身の視野異常を把握できる。

健康診断では視力や眼圧、眼底の検査が主で、視野検査はほとんどされない。そこで、精度の高い簡易型視野計を使って視野異常を調べる試みがある。視野計を使った測定が30分程度かかるのに対して、簡易型だと数分程度で済む。一部の病院が健康診断にこの機械を導入、3次元画像解析で眼底を定量的に評価できる小型機器も出てきた。健康診断への導入や普及が期待されている。

一方、異常を指摘されても、受診する人の割合が低いという問題もある。

緑内障には早期治療が重要。現在、症状の自覚がなくても、一度眼科を受診し視野計などを使った検査をしておくこともおすすめしたい。

(朝日新聞 9月29日)

9月9日 増える4,50代、目安は医師と相談を!

加齢変化の一つで、80歳代ならほぼ全員に見られるという白内障。『白内障手術』はこれまで高齢者のためのものと考えられてきました。

ところが近年、4、50代の比較的若い人たちがより快適な見え方を求め手術に踏み切るケースが増えているようです。

今の白内障手術は技術進歩により体への負担が少ないことや、日帰りで受けられる医療機関も増えてきたことがその理由とみられますが、手術にはメリットとデメリットがあるためよく考えて選ぶよう注意が呼びかけられています。

 

例えば、「手術で老眼も近視も治る」というのはよくある誤解。術後の見え方に過度の期待を抱いたり、気軽に考え過ぎてしまったりする人ほど後で失望することも多いそう。

白内障にはケガやステロイド薬の使用などが関係して起こる「若年性白内障」も存在しますが、近年は加齢性の白内障が早いうちから進む場合が多く、糖尿病や高血圧、強い紫外線などが影響していると考えられています。

加齢性白内障は少しずつ進行するもの。普段の食生活改善や適度な運動、紫外線対策などは進行防止につながります。

中には早めの手術が必要な症例もありますが、自己判断せず「いつ治療を受けるか」の目安は定期的に医師と相談することが大切です。

 

生活改善や、リスクを知り自分に合った治療を受ける事で快適に過ごせるといいですね。

 

(日経新聞 8月22日)

8月25日 音を頼りにホームラン!? 「静かな甲子園」始まる

20日から岡崎市で、目が不自由な盲学校の生徒らによる全国盲学校野球大会が始まる。今年で30回目のこの大会は全国9地区の代表チームが出場する。

愛知からは県立岡崎盲学校(同市)と県立名古屋盲学校(名古屋市千種区)の連合チームが出場し、地元での優勝を目指す。

 

岡崎市内のグラウンドで連合チームによる練習試合。投手がハンドボールの球を打者に向かって転がす。打者が空振りし、捕手の手に収まるまで、選手らは黙って見守った。目が不自由な選手にとって打撃も守備も、地面を転がるボールのかすかな音が頼り。プレーの間は、周囲は静かにしていなければならない。そのため、大会は「静かな甲子園」とも呼ばれている。

 

チームには岡崎盲学校から10人、名古屋盲学校から5人が参加。矯正しても視力が低いなどの弱視の選手と、全く見えない全盲の選手がいる。年齢は14~44歳と幅広い。

チーム最年長で捕手を務めるのは、岡崎盲学校高等部専攻科2年の河東さん。以前はトラックの運転手をしていたが、5年ほど前に急性網膜壊死(えし)と診断され、右目が見えなくなり、左目の視力は0・03。今は手に職をつけようと盲学校でマッサージなどの勉強をしている。

 

岡崎盲学校と名古屋盲学校は普段は別々に練習し、チームの結成も2か月前。距離や時間の面で集まれる機会があまりないだけに、選手たちがどれだけ親密になれるかということを課題にしていた。しかし、5回ほどの合同練習を通し、「練習をしているうちに徐々に打ち解けてきた」という声もメンバーからあがっている。

 

予選リーグは20日。メンバーは、「歴史ある大会に出られてうれしい。出場する以上、優勝を目指したい」と意気込む。

(朝日新聞 8月19日)

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