9月29日 よく見えることは、長生きの秘訣!?

7年前から、奈良県立医大の地域健康医学講座では、高齢者4千人以上を対象に「元気のひけつ」を探る大規模疫学調査が行われている。
その調査の中で、視力と認知機能を調べたところ、視力が悪い人は、視力が良い人より約2倍、認知機能が低下しやすい、という結果が出た。
また、昨年出た海外の論文では、白内障手術で視力を改善した人は、手術せず視力が悪いままの人と比べて死亡率が4割下がると報告されている。

さらに、体内時計の調節に深く関わるとされる、“ブルーライト”に一つの鍵があるとみている研究者もいる。ブルーライトとは、目に見える光のうち最も波長が短い青色成分のこと。白内障になると、ブルーライトが目の奥に届かず、体内時計が狂い、脳や体にさまざまな悪影響が起きると考えられている。

目の若さを知るために、一度眼科を受診して、視力を調べてみてはいかがでしょうか。

                              (朝日新聞 9月23日)

9月29日 「怖い」「危ない」…視覚障害者の日常

埼玉県内で白杖を持った全盲の女子生徒が脚を蹴られたり、盲導犬が傷付けられたりする事件が相次いだことを受け、埼玉県視覚障害者福祉協会は今月、県内や東京都内などの視覚障害者を対象にアンケートを実施。
回答者112人のうち75人が、「外出時に恐怖や危険にさらされた。」と答えた。さらにこのうち47人は、「肩がぶつかった際、舌打ちされたり文句を言われたりした。」「顔や体を叩かれたり、足を絡めて倒された。」 …など、厳しい言動を受けたことも明らかにした。

状況はここ東海地方の視覚障害者にとっても同じだ。愛知県盲人福祉連合会の彦坂和夫会長は、「肩や白杖が当たったりして怒鳴られる事は視覚障害者なら日常的にある。視覚障害者には何の悪意もない。」と話し、理解を求める。

また最近では“歩きスマホ”や、点字ブロックの上に立ち止まったり車を駐車したりする人も多いが、目の見えない側には対策のしようがない。走行音の小さい電気自動車も危険を感じる対象として挙がっている。
通行中にぶつかるなどして危ない目に会うのは、お年寄りや子供も同じ。他人を思いやり、皆が安全に暮らせる街づくりが求められている。

(中日新聞 9月23日)

9月29日 デコボコと穴を触って、服の色がわかる!?

「着ている服の色を知りたい」と話す全盲の女性との会話からヒントを得て、触れば衣服の色が認識できるという“触覚タグ”が開発された。
視覚障害者の生活支援の研究に携わる、開発者の日本女子大学の非常勤講師・佐川賢教授は、「目の不自由な人の服選びに活用してほしい」と話す。

このタグは、突起と穴の配置で計23色を表現できるという。
開発にあたり注目したのは、彩度、明度と並ぶ三属性の一つである色相と、色を似た順で隣り合わせて円形に配置した「色相環」の存在。
4年がかりで完成させたタグは、彩度のある10色を意味する突起が円形に並ぶ。
円上部の突起を赤と決め、円内の中心部には、黒・白・灰色の無彩色を示す突起を上下に配置した。例えば、淡い赤の場合、赤を示す突起のすぐ内側に穴が開いている、という仕組みだ。

すでに、都内のタグメーカーが6月に商品化しており、衣服の製造会社と価格交渉を進めている。また、すでに購入した衣服にも付けられるよう、視覚障害者向けに1枚50円で直接販売することも検討している。
このような開発によって、目の不自由な人でも色の楽しさを実感できる社会が広がっていくことに期待していきたい。

(日本経済新聞 9月18日)

9月24日 油断していませんか?生活習慣は目にも出る!

心臓や脳の病気をもたらすことで知られる“動脈硬化”は目にも起きるとご存じだろうか?
ある50代の男性会社員のこと…車の運転中、視界がぼやける事に気づいた。数か月放っておいたが、テレビを見る時もぼやけるようになり病院を受診。目の動脈硬化によって発症する『網膜静脈閉塞症』と診断された。高血圧・糖尿病など生活習慣病を持っている人に多い病気だ。
男性が「思いもよらなかった」と話すこの病気だが、40歳以上の日本人の約50人に1人が発症しているという。早期の治療が重要だというこの病気、一体どんな症状に気をつければいいのだろう?

▼症状
大まかに2つのタイプがあるが、どちらも目の動脈硬化によって静脈の血流が滞ることが
原因だ。
①    「網膜静脈分枝閉塞症」
閉塞が網膜内で起きるタイプ。眼底出血や網膜のむくみを引き起こして、ものが歪んでみえる・視力が低下するなどの症状が出る。
②    「網膜中心静脈閉塞症」
脳からつながる視神経で起きるタイプで、急激な視力低下を伴うのが特徴。出血の範囲が広がりやすく、見ているところが黒っぽくなるなど視界が遮られるケースもある。
▼治療法
薬物治療やレーザーによる治療などがあるが、静脈の閉塞そのものを取り除くのは難しい。
網膜の浮腫の改善を目指したり、進行を抑えたりするための治療法を医師が選択する
が、どの治療法でも効果には個人差がある。
▼予防法
日頃から、発症リスクを高める高血圧や糖尿病にならないよう注意することが大切。塩分
控えめでバランスのとれた食事・適度な運動・禁煙などの実践は、他の生活習慣病対策に
も欠かせない。

自覚症状はいずれのタイプにおいても様々。視力が落ちないケースもあるため、その他
で少しでも異変を感じたら、早急に眼科を受診する事が重要だ。

                            (9月12日 日経新聞)

9月17日 目だってアンチエイジング

茶色地に金色の文字。レストランのおしゃれなお品書きが読みづらくなったら…それは白内障かも知れない。
クリスタリンという透明なタンパク質でできている水晶体は、新陳代謝をしない。
生まれたときのまま一生使う水晶体は、年齢を重ねるごとに次第に濁り視力も落ちてくる。
それが白内障だ。
一生ものの水晶体。大事に長持ちさせたいところだが、何にどう気をつけたらいいのだろう? 眼科医からの豆知識をご紹介。

濁りを防ぐにはまず、紫外線対策。目に入る紫外線はUVカット眼鏡で3割、帽子や日傘をプラスすると8割も減らすことができるという。

ビタミンCが良いという報告もある。国立がん研究センターなどの研究報告では、食事でビタミンCをよくとる人は少ない人より白内障になるリスクが4割少なかった。
不思議な事に、サプリメントでは同じ効果はないのだそうだ。

逆に最悪なのが、喫煙。白内障だけでなく、失明の可能性もある加齢黄斑変性のリスクも4~5倍に跳ね上がる。

禁煙、ビタミンたっぷりの食事…。若さを保つ努力は、お品書きが読みづらくなってから
でも遅くはない。

                             (朝日新聞 9月9日)

9月10日 秋でも花粉症!?アレルゲンは身近なところに!

▼ 秋の花粉の特徴は?
花粉症といえば春のスギ花粉が有名ですが、実は秋もアレルギーの原因となる花粉が増えます。代表的なのは、道ばたや土手、河川敷など身近な場所に生育しているブタクサやヨモギ、ゴルフ場や公園に植えられたバミューダグラスなどの芝草などのイネ科の雑草で、9月から11月にかけて花粉を飛ばします。
風に乗って広範囲に舞い落ちるスギ花粉とは違って、このような雑草の花粉は背丈が低く、草の近くで局所的に花粉が多くなるので、花粉を吸いこんだり、体に付着する確率が高いといわれています。
一番の対策は、花粉のあるところに近づかないこと。それが難しければ、マスクや眼鏡で防御しましょう。症状が辛ければ、抗ヒスタミン薬など花粉症の抑える薬を使うという手もあります。市販薬で改善しなければ、医療機関への受診をおすすめします。

▼ ハウスダストにも要注意!
注意すべきなのは雑草の花粉だけではありません。秋になると、夏場に繁殖したダニの死骸が乾燥して粉々になり、屋内のホコリと一緒にハウスダストとなることがあります。また、知らない間に侵入したゴキブリや蛾などの昆虫の死骸もアレルギーの原因となります。
対策は、やはりこまめな掃除。週に2回以上の掃除機がけが理想的です。特に、ハウスダストは四隅に溜まりやすいので隅も忘れずにかけましょう。
フローリングの拭き掃除や、ダニの温床になりやすい布団の掃除機がけも効果的です。

今は症状が出ていない人でも、医療機関などの検査によって何に反応しやすいかがわかります。事前にアレルゲンを把握し、発症を防ぐこともおすすめです。

▼ 春の花粉症対策にも朗報が!
この10月から、スギ花粉症の治療法として注目されていた「舌下免疫療法」に健康保険が適用されます。
「舌下免疫療法」…少量のスギ花粉を毎日摂取することで体を慣らし、アレルギー反応を弱める治療。舌の下にスギ花粉のエキスを滴下し飲み込む。
2年以上続けることで7割の人が症状が軽くなったり、中には完全に治る人もいるといれています。この秋から始めれば来年のスギ花粉症も軽くなる可能性も。

今回ご紹介したアレルギー対策をしっかり行い、1年中快適に過ごしていきましょう。

 

                             (日経新聞 9月6日)

9月1日 使い分けは大人の魅力

本が、携帯の文字が、見えない…!?
あるとき急にそう思ったことはないだろうか。そう、「老眼」だ。
年を重ねるごとにレンズの役割である水晶体は硬くなり、ピント合わせの筋力も衰えていくのだが、実はこの眼の衰えは10代からすでに始まっている。読書の距離に焦点が合わせられなくなった時、ようやく自覚するのだ。

残念ながら現代の医学で老眼の予防や根治はできないが、見えづらさを和らげる手段は次々と開発されている。
角膜をレーザーで切る、樹脂製のリングを入れる、瞳孔を縮める点眼薬で手元を見やすくする…。白内障手術で使う眼内レンズでは、手元にもピントが合わせられる多焦点レンズも登場している。

だが、どれも一長一短。眼科医がまず勧めるのは手軽な眼鏡の使用だ。着け外しが面倒かもしれないが、状況に応じた眼鏡の着脱が出来るのは「成熟した大人の印」だそう。
目にも大人の装いをしてみては?

                             (朝日新聞 8月26日)

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