3月18日 普及進む!?「無花粉スギ」「少花粉スギ」

 ◆   「無花粉スギ」の現状
花粉症のシーズンが到来し、「花粉を減らしてほしい」と思う方も多いのでは。
その期待に応えようと、国や都道府県などが無花粉や少花粉のスギの品種開発を進め、そうした品種を植える実用段階に入ってきた。
無花粉スギは1992年、富山県農林水産総合技術センター森林研究所の研究員で元新潟大大学院教授の平英彰さんが世界で初めて発見した。
その後、研究を引き継いだ岐阜大大学院出身の斎藤研究員が、悪戦苦闘しながらも林業用品種の開発に成功。今は、無花粉スギを富山県が組織的にバックアップする。研究所には、優良無花粉スギの苗を育てるためのビニールハウスが四棟整備され、事業者の費用も県が負担。出荷本数は2012年は5000本だったが、2020年には10万本にできる見通しだ。富山県内ではスギ苗木を植える本数は年間4~5万本程度。「県内で植えるスギの全部が無花粉スギになる」という年も遠くはない。
しかし、毎年伐採するスギの本数はスギの全体の本数の一部にすぎないので、無花粉スギの効果は徐々にしか見えてこない。斎藤さんは「花粉症の人は都市部に多いので、都市近郊から重点的に無花粉スギに切り替えていくのがいいのでは」と話す。 

 関東で普及進む「少花粉」品種
実用段階に入り始めた無花粉スギより普及が先行しているのが、花粉飛散量が通常の1%以下の「少花粉スギ」。同研究所が品種を開発し、都道府県などを経由して森林の所有者などが植林するルートができていて、関東の都県の取り組みが早い。
ヒノキでも「少花粉ヒノキ」の開発が先行しているのに比べ、「無花粉ヒノキ」は昨年12月、神奈川県が「全国で初めて発見した」と発表した段階にとどまる。
スギやヒノキを伐採して木材に加工するサイクルが順調に回らないと、無花粉・少花粉の品種の普及は進みにくい。はっきりした効果が出てくるのは数十年先かもしれないが、今後の普及に期待したい。

 (中日新聞 3月17日)

3月18日 世界で初成功!角膜内皮細胞の移植手術に光

京都府立医大が今月12日、目の角膜が濁り、視力が低下する<水疱(すいほう)性角膜症>の患者に対して行った、角膜内皮細胞の移植手術に世界で初めて成功したことを発表した。
水疱性角膜症は、角膜内皮細胞が生まれつき弱かったり、事故や病気で傷つくことで発症する。患者は国内に約1万人、世界で数十万人。移植手術には、アイバンクを通じて提供される角膜が必要だが、慢性的に不足している。一つの角膜から、必要な細胞を培養で増やし、これを移植する今回の手術が定着すれば、角膜不足を補える。
京都府立医大の木下茂教授(眼科学)らは、米国から取り寄せたヒトの角膜から角膜内皮細胞を取り出し、3種類の化合物を使うことで培養。約10倍に増やすことに成功した。サルに移植し安全性などを確認した後、3人の移植手術を実施したところ、いずれも0.05~0.06だった視力が0.1~0.9に回復した。
この培養法で、数年以内には細胞を2~300倍に増やすことが可能という。
今後2年間で30人に移植手術を行い、有効性を確認する予定だ。
移植は、高齢者より若い人から提供された細胞の方が、移植後も安定するといい、木下教授は「若いドナーの細胞を増やし、移植できる効果もある」と話している。

(中日新聞 3月13日)

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