3月18日 世界で初成功!角膜内皮細胞の移植手術に光

京都府立医大が今月12日、目の角膜が濁り、視力が低下する<水疱(すいほう)性角膜症>の患者に対して行った、角膜内皮細胞の移植手術に世界で初めて成功したことを発表した。
水疱性角膜症は、角膜内皮細胞が生まれつき弱かったり、事故や病気で傷つくことで発症する。患者は国内に約1万人、世界で数十万人。移植手術には、アイバンクを通じて提供される角膜が必要だが、慢性的に不足している。一つの角膜から、必要な細胞を培養で増やし、これを移植する今回の手術が定着すれば、角膜不足を補える。
京都府立医大の木下茂教授(眼科学)らは、米国から取り寄せたヒトの角膜から角膜内皮細胞を取り出し、3種類の化合物を使うことで培養。約10倍に増やすことに成功した。サルに移植し安全性などを確認した後、3人の移植手術を実施したところ、いずれも0.05~0.06だった視力が0.1~0.9に回復した。
この培養法で、数年以内には細胞を2~300倍に増やすことが可能という。
今後2年間で30人に移植手術を行い、有効性を確認する予定だ。
移植は、高齢者より若い人から提供された細胞の方が、移植後も安定するといい、木下教授は「若いドナーの細胞を増やし、移植できる効果もある」と話している。

(中日新聞 3月13日)

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