7月31日 子どもの視力低下放っておかないで

2018年度の文部科学省の調査によると、裸眼視力1.0未満の小学生が過去最高の34%となりました。眼鏡などで矯正をしていない小学生の内、約14%が教室の真ん中より前の席でも黒板の小さい字が見えない視力0.7未満という結果。

こうした子どもたちの視力の悪化には、スマホやゲームの影響、視力や眼鏡に関する保護者の誤解などが、原因となっている場合も。

スマホやゲームが近視の原因と立証した研究はまだないですが、小さい文字に近い距離での光は、目には過酷な刺激。常に寄り目に近い状態が続くので、内斜視になる心配が。視覚をつかさどる脳が発達する小学校低学年ごろまでは、スマホなどには触れない方がよいとも言われています。

また、「眼鏡をかけると近視が進む」「眼鏡は弱めに作った方がいい」「医師の治療以外でも治せる」などの誤解も根強いです。

眼鏡をかけずにいる、眼鏡が弱すぎる・強すぎる場合も、網膜への像がぼやけた状態のままとなり近視がすすむ恐れがあります。

近視は一度なるとほぼ元には戻らず、眼球の発達に伴い進行していくためその進行を抑えるのが治療となりますが、 近視の治療をうたったもの中には科学的根拠が認められていないものも少なからずあり注意も必要です。

 

子どもは自分が見えている状態がおかしいのかどうか分かりません。

大人が目つきや目の動きに気をつけ、近視を正しく理解し、早めの対処を。

(7月4日朝日新聞)

7月29日 白杖が支える歩く安心

2cm。

横断歩道と手前の歩道の段差はそう決められています。 段差がない方が良いのでは?と思うかもしれませんが、 この2cmが視覚障害者にとって歩道と車道を区別する大切な数字であり、それを識別する際に使うのが「白杖」です。

 

白杖は、周囲や路面の情報入手・安全確保・視覚障害者と知らせる、等の役割があります。盲学校では主に小学部低学年で渡され、通っていた人によると「これで1人でも歩ける」と楽しみだったそうです。

一方、成長してから失明した場合「白杖で外出するのが嫌だった」という人も多く、歩行訓練などを通じて歩く快適さを思い出したりし、心理的な壁を乗り越えて使うようになります。

半世紀以上白杖を作り続ける盲人福祉研究会の斯波千秋さんは「バリアフリーという言葉が、白杖や盲導大で歩く様子が、当たり前な時代になった。中途失明の人たちに、『世の中は変わったよ。白杖を持つと安心だよ』と伝えたい」という。

(6月29日日本経済新聞)

7月8日 ひろがる芸術鑑賞へのサポート

「障害者文化芸術活動推進法」が施行されて1年経ち、舞台芸術鑑賞のための障害者支援が広がっています。障害者サポートというと限られた人向けと思われがちですが、年を取って聞こえにくくなったり見えにくくなったりした人の助けにもなります。

 

劇団四季では眼鏡型のディスプレイに字幕が表示されるサービス、新国立劇場ではポータブル字幕機の貸出や音声プログラムが作られたりしています。

 

臨場感にも一工夫が。

例えば字幕サービスの場合、単にセリフを表示するだけでなく「低くより恐ろしい声で」など、効果音や声の調子などの視覚では分からない情報を補います。またある劇場では、劇団の俳優による、情景や表情・動きなどの実況解説をイヤホンで聞きながらの観劇も!

 

利用者からは「リアルタイムでセリフが分かり、皆と拍手するタイミングが一緒なのが嬉しかった」など喜びの声が。

まだ各劇場試行錯誤の中ですが、ノウハウの共有などもしていて、これからサポートを行う施設が増えるのではないかと期待されます。

 

(2019年6月15日 日本経済新聞)

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