8月6日 iPS細胞から角膜をつくる

再生医療分野のスタートアップ企業、 セルージョンは慶応大学と2020年4月にi ps 細胞から角膜製品をつくるための研究開発に着手する。角膜の治療法は移植しかなく、世界の待機患者は1000万人を超える。 検証を重ね、 23年に製造販売の承認を申請したい考え。

1年間に手術を受けられるのは約18万人にとどまる。角膜は慢性的に不足しており移植以外の治療法が求められている。

セルージョンの技術では、他人の健常者の皮膚や血液などから作成されたi p s細胞を原料に「角膜内皮細胞」に分化させ、目に注入する。

注射での治療のため、移植手術と比べ患者の負担が比較的軽くなると見込まれている。

7月6日  日経新聞

 

8月2日 花粉を水に変える根拠なし

「花粉を水に変える」とうたったマスクについて消費者庁が対策に乗り出した。 合理的な根拠がなく消費者の誤解を招くとして、 景品表示法違反 (優良誤認) でメーカー4社に消費者への周知、再発防止策を求める措置命令を出した。

4社(DR.C医薬・アイリスオーヤマ・大正製薬・玉川衛材)はマスクに含まれる光触媒の効果によって、花粉に由来するアレルギーの原因となる物質やウイルスが化学的に分解され、体内への吸収を防ぐ効果があるかのように表示していた。

使い捨てマスクで想定される使用時間や環境下では、水とニ酸化炭素に分解されるとまでは認められないと同庁は判断したという。

これに対し、大正製薬は法的対応や措置を検討しているとしている。

7月5日朝日新聞

7月31日 子どもの視力低下放っておかないで

2018年度の文部科学省の調査によると、裸眼視力1.0未満の小学生が過去最高の34%となりました。眼鏡などで矯正をしていない小学生の内、約14%が教室の真ん中より前の席でも黒板の小さい字が見えない視力0.7未満という結果。

こうした子どもたちの視力の悪化には、スマホやゲームの影響、視力や眼鏡に関する保護者の誤解などが、原因となっている場合も。

スマホやゲームが近視の原因と立証した研究はまだないですが、小さい文字に近い距離での光は、目には過酷な刺激。常に寄り目に近い状態が続くので、内斜視になる心配が。視覚をつかさどる脳が発達する小学校低学年ごろまでは、スマホなどには触れない方がよいとも言われています。

また、「眼鏡をかけると近視が進む」「眼鏡は弱めに作った方がいい」「医師の治療以外でも治せる」などの誤解も根強いです。

眼鏡をかけずにいる、眼鏡が弱すぎる・強すぎる場合も、網膜への像がぼやけた状態のままとなり近視がすすむ恐れがあります。

近視は一度なるとほぼ元には戻らず、眼球の発達に伴い進行していくためその進行を抑えるのが治療となりますが、 近視の治療をうたったもの中には科学的根拠が認められていないものも少なからずあり注意も必要です。

 

子どもは自分が見えている状態がおかしいのかどうか分かりません。

大人が目つきや目の動きに気をつけ、近視を正しく理解し、早めの対処を。

(7月4日朝日新聞)

7月29日 白杖が支える歩く安心

2cm。

横断歩道と手前の歩道の段差はそう決められています。 段差がない方が良いのでは?と思うかもしれませんが、 この2cmが視覚障害者にとって歩道と車道を区別する大切な数字であり、それを識別する際に使うのが「白杖」です。

 

白杖は、周囲や路面の情報入手・安全確保・視覚障害者と知らせる、等の役割があります。盲学校では主に小学部低学年で渡され、通っていた人によると「これで1人でも歩ける」と楽しみだったそうです。

一方、成長してから失明した場合「白杖で外出するのが嫌だった」という人も多く、歩行訓練などを通じて歩く快適さを思い出したりし、心理的な壁を乗り越えて使うようになります。

半世紀以上白杖を作り続ける盲人福祉研究会の斯波千秋さんは「バリアフリーという言葉が、白杖や盲導大で歩く様子が、当たり前な時代になった。中途失明の人たちに、『世の中は変わったよ。白杖を持つと安心だよ』と伝えたい」という。

(6月29日日本経済新聞)

7月8日 ひろがる芸術鑑賞へのサポート

「障害者文化芸術活動推進法」が施行されて1年経ち、舞台芸術鑑賞のための障害者支援が広がっています。障害者サポートというと限られた人向けと思われがちですが、年を取って聞こえにくくなったり見えにくくなったりした人の助けにもなります。

 

劇団四季では眼鏡型のディスプレイに字幕が表示されるサービス、新国立劇場ではポータブル字幕機の貸出や音声プログラムが作られたりしています。

 

臨場感にも一工夫が。

例えば字幕サービスの場合、単にセリフを表示するだけでなく「低くより恐ろしい声で」など、効果音や声の調子などの視覚では分からない情報を補います。またある劇場では、劇団の俳優による、情景や表情・動きなどの実況解説をイヤホンで聞きながらの観劇も!

 

利用者からは「リアルタイムでセリフが分かり、皆と拍手するタイミングが一緒なのが嬉しかった」など喜びの声が。

まだ各劇場試行錯誤の中ですが、ノウハウの共有などもしていて、これからサポートを行う施設が増えるのではないかと期待されます。

 

(2019年6月15日 日本経済新聞)

5月28日 ゴールボール知っていますか?

この競技は視覚に障害のある選手が幅9メートルのゴールに向け、鈴の入った球を交互に投げて得点を競う。12分ハーフでチームの3人全員が視力で差がつかないようアイシェード(目隠し)をつける。

朝日新聞パラリンピック・スペシャルナビゲーターの香取慎吾さんが、パラリンピックの団体競技で日本が唯一金メダルに輝いたゴールボールを、天摩由貴主将と安室早姫選手と体験した。

音を聞き分け体をどう反応させるのか。それは体と顔を正面に向け、自分に対して音が来る方向が右か左か。それで軌道を見極める。

選手たちは想像力の大切さを強調した。「頭の中にはコート図があって足音などで3人の動きを想像し、鈴の音の鳴り方や強弱でボールの行方をイメージしています」

観客が拍手や声援を送れるのは、審判の笛が鳴って試合が止まった後。開催まで500日を切った。自国開催だからこそ、競技も応援の仕方も知っておきたい。

2019年4月26日 朝日新聞

5月24日 他人iPS移植 臨床研究の経過

理化学研究所などは備蓄した他人のiPS細胞から育てた網膜の細胞を目の難病患者に移植する臨床研究の経過を発表した。5人に移植し1年たった段階での経過は良好で安全だと確認した。

研究チームと連携する大日本住友製薬などは国の承認を目指した臨床試験(治験)を準備中。同社は2022年度の実用化を目指している。

様々な細胞に成長できるiPS細胞は再生医療の切り札とされる。理研などが初めて人に移植する臨床研究に着手した「加齢性黄斑変性」は国内患者が約70万人に上る。異常な血管が成長するのを防ぐ薬などが使われる。しかし、効きにくい人もいるので根治が難しい病気の一つだ。

2019年4月18日 日本経済新聞

5月7日 盲目アザラシ 支える飼育員

子どもから大人まで楽しめる水族館、南知多ビーチランド(愛知県美浜町)では飼育員の努力もあり、目の見えない高齢のアザラシがいまも現役で活躍している。

アザラシの雌のコウと雄のジャックは白内障で何年も前からほとんど目が見えない。かなり高齢の部類に入るが、来園者と触れ合うイベントに出演を続けている。飼育員のサインは声のほか、ひげや体に触れる方法で伝えている。目が見えなくなった動物の活躍は多くはないというが、これには飼育員の思いがある。

「目が見えなくても、とても健康。いろんな事が出来る事を知ってほしい。」「動かないでいると筋力は衰えていく。お客さんと一緒に遊ぶことは動物にとってもいい刺激」これらのトレーニングは健康管理でも重要な役割を果たしている。サインを使って体重計に誘導したり、採血するのを待機のサインでじっと我慢させたりする。特に目が見えなくなると警戒心が強まり、動物と飼育員の信頼関係がないとできない作業という。「飼育動物をトレーニングする最大の目的は、ショーではなく健康管理」と飼育員さんは力を込める。

 

4月23日 朝日新聞

5月7日 花粉 飛ばぬ日を夢見て

国民の3割が悩んでいると言われるスギ花粉症。今年も花粉が飛び交う時期を迎えた。花粉をつくらない、飛ばさない技術開発は進むが、課題も多い。

花粉が出ない「無花粉スギ」とは研修者が一本ずつ棒でたたき、数千本に一本の割合で雄花が花粉を作らない突然変異のスギである。無花粉スギを増やして、植え替えを進めれば花粉が飛ばないスギ林に変えられるかもしれない。しかし無花粉スギは成長も遅く木材としての質も良くない。優れた木材になるには「精英樹」と交配させて品質改良する必要がある。普通に交配させただけでは半分以上が花粉を作るスギになってしまう。花粉の有無が分かるのは成長し2~3年ほどかかる。そこで森林総研はスギのDNAを調べて無花粉スギを大量に増やす技術を開発中だ。また遺伝子操作で効率よく無花粉スギを作り出す研究も進む。今年2月DNAを操る「ゲノム編集」を応用し、花粉を作れなくしたスギができた。しかし他の生態系への影響など慎重に見極める必要がある。また、今あるスギ花粉を作らせない飛ばさない方法の開発も進む。「シドウィア・ジャポニカ」という菌を使う方法や天然油脂由来の界面活性剤の成分の薬剤を吹きかけるなどの方法もある。しかし予算の問題や農作物や人体への影響がないのか課題も多い。

4月23日 朝日新聞

5月7日 教室、誰もが学びやすく

京都市立高野中は2018年9月までに、教室の黒板周辺に貼っていたプリントや写真を全て後ろの壁などに移動した。1年の教室は汚れていた壁のペンキも塗り直した。発達障害は掲示物や壁の汚れに気をとられて授業に集中出来ないケースがあり、そうした生徒への配慮だ。同校は障害のある複数の生徒が通常の学級で学ぶ。特別支援教育のモデル校に指定された17年度から校内環境の見直しを始めた。赤や青が見えづらい色覚障害への配慮で、板書は原則、白と黄に限定。文章を読むのが苦手な生徒には、読み上げ機能付きのタブレット端末を配布した。板書が見えづらかったという生徒は「黒板が見やすくなり、授業に集中できるようになった。」教員も「理解することをあきらめてしまったり、途中で寝てしまったりする生徒がいなくなった」と効果を実感する。

 

3月30日 日経新聞

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