11月5日 氷山の一角…理解ない行動に悩み

今年、全盲の女子生徒が蹴られたり盲導犬が刺されたりするニュースが相次いだが、事件は“氷山の一角”だとする声があがっている。事件を受け埼玉県視覚障害者福祉協会が緊急に実施したアンケートでは回答者112人のうち約4割が体・白杖の接触や、暴行・暴言を受けたりする対人トラブルを経験したことがあると判明した。
「電車内で盲導犬を蹴られたり、犬の頭に落書きされたりした」
「白杖が当たり、おなかにパンチされた”」
「点字ブロックを歩行中『邪魔だ、どけ』と言われた」
…などの他、「スマホを操作しながら歩く人によくぶつかる」
といった実例があり、視覚障害者がトラブルを恐れて引きこもる可能性など社会参加の妨げになりかねないとの懸念も。
筑波大の徳田克己教授(障害理解論)は、「障害への無関心・無理解がトラブルにつながっている。なぜ盲導犬や点字ブロックが必要なのか、障害者の日常生活を学べば、互いに違いを認め合い尊重できるようになるのでは」と話す。

                           (日経新聞10月24日)

11月5日 障害あっても人生楽しむ

「食べる事は見えている人と同じようにできるのだから、出来る事は楽しまないともったいない。」と話すのは、“視覚障害者の食生活自立体験コンクール”で農林水産大臣賞を獲得した本母圭吾さん(51)。
小学1年生で網膜色素変性症が発覚し今は中心がほんの少し見える程度だが、44歳までは工夫に苦労しながら日常を過ごしてきた。飲み会の場所までは事前に行き、道順や店内配置を覚えてから当日は何気ない素振りで仲間と談笑。コンピューターを使ったプラスチック加工の仕事でも、限界がきて上司に打ち明け退職するまでは同僚も気付いていなかったようで驚かれた。
その後職業訓練校に通い、視覚障害者の情報処理コースを卒業。福祉施設でパソコンを教えるかたわら、視覚障害者を中心としたグループを結成した。メーリングリストで料理レシピなどを流し、皆が集まるサロンやライブなどを企画している。

「視覚障害者というと全盲をイメージするかもしれないが、障害も見え方もいろいろ。僕は全く見えなくなるまで今できる事を精一杯楽しみたいし、仲間にも人生を楽しんでほしい」。と話し、見えていたころのカンを頼りに釣りに出かけ、専用の包丁で刺身も作っている。

                             (日経新聞10月24日)

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