5月7日 花粉 飛ばぬ日を夢見て

国民の3割が悩んでいると言われるスギ花粉症。今年も花粉が飛び交う時期を迎えた。花粉をつくらない、飛ばさない技術開発は進むが、課題も多い。

花粉が出ない「無花粉スギ」とは研修者が一本ずつ棒でたたき、数千本に一本の割合で雄花が花粉を作らない突然変異のスギである。無花粉スギを増やして、植え替えを進めれば花粉が飛ばないスギ林に変えられるかもしれない。しかし無花粉スギは成長も遅く木材としての質も良くない。優れた木材になるには「精英樹」と交配させて品質改良する必要がある。普通に交配させただけでは半分以上が花粉を作るスギになってしまう。花粉の有無が分かるのは成長し2~3年ほどかかる。そこで森林総研はスギのDNAを調べて無花粉スギを大量に増やす技術を開発中だ。また遺伝子操作で効率よく無花粉スギを作り出す研究も進む。今年2月DNAを操る「ゲノム編集」を応用し、花粉を作れなくしたスギができた。しかし他の生態系への影響など慎重に見極める必要がある。また、今あるスギ花粉を作らせない飛ばさない方法の開発も進む。「シドウィア・ジャポニカ」という菌を使う方法や天然油脂由来の界面活性剤の成分の薬剤を吹きかけるなどの方法もある。しかし予算の問題や農作物や人体への影響がないのか課題も多い。

4月23日 朝日新聞

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