4月27日 遠視の矯正 調整は定期的に

遠視というと、遠くがよく見えるような印象がありますが、遠くも近くも見にくい屈折の異常で、カメラに例えると、フィルムの後ろに焦点が結ばれる状態が遠視です。

 

赤ちゃんは遠視の状態で生まれ、成長とともに網膜に焦点が合うようになります。

子どもは水晶体の調節力が強く、遠視があっても比較的良い視力が保たれます。

ただ、遠視が強すぎると、片方の目が鼻側に寄る内斜視や、視力が十分発達しない弱視になることもあります。

 

大人になるとこの調節力が弱り、ピントを合わせにくくなります。遠視の人は、近視の人よりも調節力が必要なため、その力が弱くなると、早くから老眼を自覚するようになります。目が疲れやすく、頭痛・眼痛が出ることも。

遠視の子どもも集中力に欠け、勉強に身が入らなくなります。

 

治療法は、眼鏡やコンタクトレンズによる屈折矯正につきます。子どもの場合は、水晶体を支える毛様体筋(もうようたいきん)の緊張を目薬で一時的にまひさせ、正確な視力を測ってから、合う眼鏡をかけます。成長とともに度数が変化するため、定期的な調整が必要です。

大人でも、遠視用の眼鏡をかけることで目の状態が安定します。コンピューターなど近くを見る作業が多い人は、近くを見る専用の眼鏡を使うのも良い方法です。

 

(4月19日 中日新聞)

4月22日 遠くをみれば、近視予防に…

近くは見えるが、遠くが見にくい状態を「近視」といいます。

私たちが見る対象物は、眼球内の網膜の中心部に焦点を結ぶことで認知されます。

網膜は昔のカメラに例えるとフィルムにあたり、網膜より前に焦点が結ばれるとピンボケの状態になるのです。

日本では小学生の3割、中学生の5割、高校生の6割強と、海外と比べても若年の近視の割合が非常に高く、全体で国民の半数近くは近視だと思われます。

 

原因は諸説ありますが、遺伝的、環境的要因が大きいと言われています。

両親が強い近視の場合、子供が近視となる確率は5割ほど。

読書、コンピューター、携帯端末などで継続的に近くを見ていると近視になりやすい傾向があります。ヒヨコを使って、近視になる仕組みを調べた研究では、網膜の中心部だけでなく、周辺部にも焦点が合わないと近視が進行するようです。

 

予防法として、度の弱い眼鏡や、網膜周辺部への焦点が合わせやすいコンタクトレンズを着けると良いとの報告もあります。

また、お子さんの場合はゲームやテレビなど近くを見る時間を制限し、外で遊ぶなどして遠くを見る機会を増やすようにしていきましょう。

 

(4月12日 中日新聞)

4月22日 若くても要注意!? スマホ老眼

情報の約80%は目から入ると言われています。

近年では、瞳の虹彩(こうさい)部分を個人識別に利用したり、眼鏡に付けたウエアラブル端末から画像が見えるようにするなど、情報技術の進歩で目に関連する情報機器や機能も向上しています。

半面、目はIT機器に酷使されています。電車の中を観察してみると、ほとんどの人がスマートフォンを見ているという光景も珍しくありません。

そんな若い世代でも起こりうるのが、「スマホ老眼」。

近くを見る状態が長く続くと、目のピント調節を行う毛様体筋(もうようたいきん)が酷使され、目が疲れます。

その状態で遠くを見るとものがぼやけ、近くを見るのも辛くなります。これは、老化で水晶体が硬くなり、ピント調節機能が弱る老眼と似た症状といわれています。

 

特に、ゲームのように物体が小刻みに動く画面は、まばたきが少なくなり、目の乾燥も助長させます。

スマートフォンに限らず、本を読むときも目を近づけすぎると、同じ状態になります。

ただ、本当の老眼と異なり、スマホの使い方を改めれば回復や予防もできます。

そのためにも、画面から時折目を離して遠くを見たり、意図的にまばたきしたりして、目を休めるようにしましょう。

 

(4月5日 中日新聞)

4月13日 デメリット理解して、満足度アップ。

年を重ねれば誰もがなると言われる白内障。濁った水晶体を取り出して新しく「眼内レンズ」を入れる白内障手術はポピュラーなものとなりましたが、術前の理解がその後の満足度を大きく左右します。眼内レンズには2種類あって、一方は“単焦点レンズ”もう一方は“多焦点レンズ”です。それぞれの特徴をご紹介します。

 

★単焦点レンズ

一定の距離だけに焦点が合うもの。生活に合った焦点距離のレンズを選べば、比較的はっきりとした見え方が期待できます。ただし、それ以外の距離を見るときはメガネが必要です。公的医療保険が適用され、機関によって差はありますが3割負担なら5~6万円ほどの費用。

★多焦点レンズ

主に二つの距離に焦点が合うもの。眼鏡なしに生活できるかも?という期待は持てますが、レンズの構造上くっきり感は落ち、夜間の街灯や車のライトがまぶしい・にじんで見えるといった現象も起こり得ます。公的医療保険は適用外ですが、先進医療として検査費などには保険適用され、片目30~50万ほどの費用。

 

このようにそれぞれのレンズにはメリットとデメリットがあります。見え方に慣れるまで数週間かかる場合があることも知っておくとよいでしょう。

術後の不満を訴える声の中には、術前の期待とのギャップがあるケースも多いようですが、一方で欠点をよく理解し、満足度を高く感じている人も少なくはありません。医師ともよく相談し、自分に合った選択ができるといいですね!

(3月29日 朝日新聞)

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