12月21日 相手思い、点字打つ

岡崎市光ヶ丘女子高校の“点訳部”は、今年なんとか廃部の危機を免れた部活動。

1~3年生で計6人の部員全員が、今春から入部したばかりです。部員がいなくなると聞いて、「せっかく特色ある部活なのに、なくなるともったいない」と入部しました。

点訳部の歴史は古く、発足は1972年。その翌年から現在まで、県立岡崎盲学校との交流が続いています。

活動は週に2,3回、1時間半ほど。点字器を使った打ち込み作業でカレンダーや絵本を作成し、岡崎盲学校へ寄贈するほか、携帯ストラップやクッキーを委託販売し、売り上げを盲導犬育成の団体へ収める活動などに携わりました。

1年の鈴木萌花さんは駅などで点字プレートを見かけ、「実際に点字が役に立っているのを知るとうれしい」と話します。一方、全員が口をそろえるのは、バリアフリーで気になることが多いということ。「トイレの音声案内とか、新しい施設は充実しているけど、古い施設は対応できていない所が多いことに気がついた」など、見えてきたものも多いようです。

「時には世間話もしながら楽しくやってます」「入部して良かった」と笑う部員たち。

この学校の芳野教諭は、「視覚障害者のことをどんなに本で読んでも分からないことがある。盲学校などで実際に触れ合い、一緒に時間を過ごすことが大切。」「生徒たちには、相手の事を思って点訳作業に打ち込める人になってほしい」と語っています。

 

(朝日新聞 12月8日)

12月11日 このポーズ、あなたへのSOS!?

image001

 

これは、「『白杖(はくじょう)SOSシグナル』普及啓発シンボルマーク」。

視覚障害のある人が周囲に助けを求めるポーズを岐阜市が図案化し、内閣府のホームページに掲載された。

この白杖を頭上五十センチ程度に掲げるポーズは、視覚障害のある人が道に迷った時などに、周囲に「SOS」と伝えるもの。口頭で叫ぶだけでは、雑踏の中で気づいてもらえない恐れもあるため、福岡県盲人協会が1977年に考案した。

しかし、浸透は十分とはいえない。実際には、点字ブロックの場所が分からなくなった時などに白杖を掲げても、素通りする人は多いという。

ポーズの意味を伝えるマークがないことに着目した岐阜市は、今年五月に視覚障害者団体の全国大会で発表し、視覚障害者の全国組織「日本盲人会連合(日盲連)」も利用促進を決めた。

市は県と協力して、マークを紹介するパンフレットとポスターも配布。マークは市に連絡すれば、印刷物などに自由に使えるようにもした。

マークが普及することで、思いやりの心が育つことを担当者は望んでいる。

 

(中日新聞 11月30日)

12月11日 老眼鏡選び、ヒントは「生活スタイル」

40代になると、近くのものが見えづらくなってくる人は多い。それは年を重ねていくと目の調節力が衰える「老眼」になるため。

目は眼球の中にある水晶体の厚さを調節してピントを合わせている。しかし、加齢により水晶体の弾力性が失われたり、水晶体の厚さを変える毛様体という筋肉が衰えたりすると、水晶体を十分に厚くすることができなくなり、近くのピント合わせが難しくなる。

老眼は老化によって起きるが、実は調節力の低下は10代からゆっくり始まっていて45歳を過ぎるころから症状が表れる。目から30センチくらい離さないと本が読みづらくなるのが老眼と判断する際の目安となるという。しかし、中には目の調節力が衰える老眼ではなく、白内障や緑内障など病気が潜んでいる例もあるため、目が激しく疲れたり、生活に支障が出たりした場合は眼科専門医に相談することが大切。

 

では、老眼鏡が必要になったらどう選べばいいのだろうか。その際に大切なのは、自分の生活様式に合わせること。既製品で安価な老眼鏡はピントなどが合っていないケースがあり、使い続けると激しく疲れることが多いという。

たとえば、外を歩き回る営業職なのかデスクワークが中心の内勤なのかによって手元を見る回数が違うほか、趣味などによっても眼鏡の使い方が異なる。

 

さらに、老眼鏡には大きく分けて3つの種類がある。レンズ全体が近くのピントだけに合わせてある「単焦点レンズ」と、1枚のレンズに遠用と近用の2カ所にピントが合う「二重焦点レンズ」、遠くから近くまでピントが段階的に合う「累進屈折力レンズ」だ。

レンズによって目の疲れやすさや利便性等は様々なので、眼鏡店で相談することをおすすめしたい。

また、老眼は年をとるに従って進むため、いったん老眼鏡を作っても時間が経過したら眼鏡店でみてもらうことも大切だ。目安は長くても3年半から4年半が望ましい。

老眼鏡にはコンタクトレンズもあり、眼鏡とは仕組みが違うものの、二重焦点では近用と遠用の2つが1枚のレンズに入っている。眼鏡とコンタクトレンズを組み合わせる人もいる。最近は眼鏡よりもコンタクトレンズを好む人も増えてきているが、乾燥や疲れなどの症状が出ることもあるので、使う際は気を付けたい。

 

人が五感で得る情報のうちの約8割は目からといわれる。手元が見えにくくなって生活に支障が出るようになったら、眼科医に診てもらうことが大切だ。

 

                           (日本経済新聞 11月26日)

12月4日 気分華やぐメイク術。見えなくても自信に

目が不自由でもきれいに仕上げられるお化粧法があるって、ご存知でしたか?

“ブラインドメイク”は、自分で化粧をしたいという目の不自由な女性たちのために考案されたメイク法。日本福祉大学院研究生の大石華法さん(50)が、「お化粧ができない」という視覚障害者の悩みに触れたことで考案したものです。

試行錯誤の末にたどり着いたのは、スポンジや筆などの道具は使わず手や指で施す方法。ファンデーションは液状のものを両手のひらで温めてから、顔に何度も押しこむようにのせるとムラながなく、アイシャドー、チーク、口紅は指先にのせて両手を左右対称に動かすと、きれいに仕上がるそうです。

「引きこもりがちだった私が、こんな風に外を歩けるなんて思いもしませんでした。」「自分に自信が持てるようになった気がします。」と話すのは、視力を失った女性や生まれつき目の見えない女性たち。“ブラインドメイク”のレッスンを数回受け、一人でできるようになりました。

大石さんはこれまで、同行援護従業者や視能訓練士にその教授法を伝えてきましたが、来春からは大阪市内の美容や医療福祉の専門学校で講座をスタート。さらに裾野を広げる予定です。

このブラインドメイクについて、視覚障害者のケアに詳しい眼科医の安藤伸朗さん(62)は「個人の幸せ、尊厳の回復をもたらすものだ」と語ります。

自信をとり戻し、気分をパッと明るくさせることができるブラインドメイク。問い合わせは日本ケアメイク協会にメール(info@caremake.jp)で。

                           (朝日新聞 11月12日)

  • 最近のエントリー

  • カレンダー

    2015年12月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031  
  • アーカイブ

先頭に戻る