9月24日 「不同視弱視」と診断されたら…

 ◆    不同視弱視とは?
ヒトの視力が発達するのは生後9〜10週ごろ。この時期に遠視や乱視、斜視など目に何らかの異常や病気があり、視力が十分に発達しない状態が弱視です。
不同視弱視は、両目に遠視や乱視があり、その度数に大きな差がある「不同視」が原因の弱視です。どんなにピントを合わせても片目にぼけた状態が残り、見えにくい目を使わなくなるために起きます。

◆    治療法は?
両目の遠視や乱視を測り、その差がなくなるよう完全矯正する眼鏡を掛けることから始めます。これは、弱視のある目から入ってくる刺激を、脳の視覚中枢が十分に受けられるようにするためです。
この眼鏡は一時的ではなく、起きている間は常に掛ける必要があります。

また、両目で見ていないようであれば、パッチなどで健康な目を隠し、弱視のある目のみを使う「健眼遮閉(けんがんしゃへい)」も必要です。

視力の発達は8〜9歳ごろ終了すると言われていますが、不同視弱視は治療を始める年齢が遅れても視力の改善が得られたという報告もあるそうです。

まずは、なるべく早めに眼科医に相談されることをお勧めします。

 (中日新聞 9月24日)

 

9月17日 白内障手術のギモン

白内障は目の水晶体が白濁し、かすみ、まぶしさ、視力低下が起こる病気です。

主に加齢が原因で、四十代からも始まりますが、手術が必要になるのは多くは六十歳以上。強度近視の人は若いうちに発症する傾向にあります。

▼治療法は?
・進行を遅らせるには・・・点眼治療があります。
・治すには     ・・・手術が必要です。

▼  手術法、手術時期は?
・濁った水晶体を摘出し、人工レンズを入れる方法が一般的で、安全性、効果ともに高い手術です。
・症状が進み、日常生活で不自由さを感じたら手術をお勧めします。

▼  術後の注意点、コンタクトレンズ使用は?
・術後は激しい運動を控え、目をぶつけない、こすらない、汚い水がはいらないよう気をつけて、感染症に注意してください。
・コンタクトは術後一か月以上たち、目の状態が落ち着いていれば使用できます。

※ネット販売されている白内障の点眼薬の中には、医学的データや安全性の確認がされておらず日本での認可がされていないものもあります。

点眼薬の処方には眼科の受診が必要です。

                              (中日新聞 9月17日)

9月17日 「見る力」を鍛えて、生活力アップ!?

一瞬で多くの情報をつかんだり、一度に広範囲を見たりする「見る力」を鍛える取り組みが進んでいる。
健康診断の「視力」は、静止した小さなものの形を見分ける力で、目の焦点が合っている程度を調べる。
愛知工業大でスポーツ視覚学を研究する石垣尚男(ひさお)教授によると、それに加え、目には動いているものをはっきり見る「動体視力」、一瞬で多くの情報をつかむ「瞬間視」、素早く目を動かす「眼球運動」、広範囲を見る「周辺視野」などがあり、これらを総合して「見る力」になる。見る力は、眼球を動かす六つの筋肉と、コントロールする脳の影響を受け、二十歳をピークに年齢とともに衰える。だが鍛えれば、どの年代でも能力が伸びる可能性があるそうだ。

 この「見る力」を鍛えることで、読書の速度や運転能力の向上も期待できるという。
20代の男子学生に、両手の親指の爪を交互に見る眼球の往復運動を三カ月間続けてもらった結果、二分間で読める読書の速度が約50%増えた。
また、高齢者向けにはゲーム機の画面上に不規則表示された1~20の数字を、制限時間内に順番に押すなどのトレーニングを行ったところ、参加者からは、「車の運転時、交差点で右左をしっかり、素早く確認できるようになった気がする」という声もあった。

石垣教授は「目を速く大きく動かすことが大事。楽しみながら見る力を鍛えて」と呼び掛けている。

 (中日新聞 9月17日)

8月20日 “見えない空間”で距離が縮まる

以前ご紹介した、ブラインドサッカーを初めとする「暗闇体験」が、今人気を集めている。

視覚障害者のサッカーを目が見える人がプレイしてみようという、日本ブラインドサッカー協会主催のイベントには、口コミだけで毎回満員。

今年度から毎月3~4回開催されていて、7月末に東京都内の小学校で開かれたこのイベントには男女12人が参加。初対面であることで恥ずかしさはあるものの、アイマスクを着用していて見えないため、一人一人が声を出さざるを得ない状況となる。何度も繰り返すことで相手への信頼も高まり、触れる回数も増える。

「これなら人との距離を縮めるスピードが早くなる」と楽しげに語る参加者も。

もともとはブラインドサッカーの知名度を上げるためのイベントだったが、武蔵野大学は今春、新入生のオリエンテーションに導入し、「入学時にお互いがわかっているため、グループワークにスムーズに行うことができた」と効果を実感したようだ。

このようなブラインドワークを職場でのコミュニケーション力の改善に利用している例もある。一般社団法人中小企業基盤研究所は経営者向けにアイマスクで目隠しをして木製ブロックを指示された形にする作業をした。まずは、どんな形にするか全員で共通理解をし、1人ずつ行う作業では自分がどんな作業をして、どんな形になっているかを次の人に正確に伝えなければならない。

このワークを提供した久保博揮さんは難病で失明した全盲者。

暗闇ブームについて「職場や家庭で人と繋がりたいという欲求を満たされない人が多いのでは。暗闇の中だと、無条件で誰でも対等につながれる。」と解説する。

普通の人でも気軽に暗闇体験できる施設「ダイヤログ・イン・ザ・ダーク(DID)」も注目されている。集まった見知らぬ6人に視覚障害者が同行し、照度ゼロの空間を歩きながら、懐かしい家に帰ったような体験ができるというこの施設は、東京の常設会場に加え、大阪駅前の商業ビル内にある積水ハウスのショールームにもオープンした。同社の久保新吾さんは、「家族間の会話が生まれる家造りに繋がるヒントを集めたい」と取り組んだ理由を説明する。

昔に比べ、近頃は他人に対する関心が希薄になってきていると感じる人も多いのでは。暗闇を知ることで、思いやりの気持ちを見直してみてはいかがでしょうか。

(日本経済新聞 8月20日)

  • 最近のエントリー

  • カレンダー

    2013年9月
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    30  
  • アーカイブ

先頭に戻る