6月14日 世界初!再生医療で難病に光?

理研・住友化学は、(※1)ES細胞から、立体構造をした網膜組織の作製を世界で初めて成功させた。視覚をつかさどる視細胞を含む6種類の細胞が重なった構造は、より本物の目に近づき、移植治療の可能性が出ている。今後は光を感じ取る機能があるかどうかを調べ、5年後をめどに患者で臨床研究を目指す。視力が衰える難病の、(※2)網膜色素変性症の再生医療に道をひらく成果といえるだろう。

※1…ES細胞とは、受精卵の一部を取り出してつくる胚性幹細胞。さまざまな組織や細胞に分化する能力を持ち、万能細胞とも呼ばれている。病気や事故で傷ついたり失われたりした組織などの機能を回復させる再生医療や、病気の原因解明、創薬への応用が期待されるが、受精卵を壊してつくるため、生命倫理の観点から問題も指摘されている。また、作製した組織のがん化や拒絶反応が起きたりする課題がある。

※2…網膜色素変性症は遺伝子の異常で視覚を担う視細胞が変性し消失したりする遺伝病。失明原因にもなる。患者数は国内推定3万人以上。有効な治療法がない。

(2012年6月14日/日経新聞)

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