10月22日 加齢黄斑変性 人工網膜で視力改善

視力が低下する加齢黄斑変性の患者に、人口網膜の技術を使うことで、一年後に文字が読めるようになった、と欧米の研究チームが発表した。

加齢黄斑変性は、視神経が集まる黄斑部の細胞が失われ、失明の原因になる病気で、進行を遅らせることはできるが視力を改善させる方法はない。

人工網膜は、視細胞が失われた患者の網膜にデバイス(チップ)を入れ、目の中に残っている細胞に電気的な刺激を与え、脳に信号を送る仕組み。

今回の臨床試験は、視力が落ちている60歳以上の患者に移植し、1年後に視力を評価すると、32人のうち26人で一定の視力改善が確認された。参加した半数に眼圧の上昇や網膜下の出血などがあったが全員が2カ月以内に回復した。

眼科医で人工網膜の開発に関わる大阪大の不二門尚特任教授は、「視力が低下した患者が本を読めるようになったのはすばらしいことだ」と評価する。

一方で、見え方に不自然さが残り、「技術的にはもっと良くなることが期待される」と話す。

(2025年10月21日 朝日新聞)

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