6月23日 手遅れになるまえに…

糖尿病三大合併症の一つである“糖尿病網膜症”。失明の可能性もあるこの病気、実は症状が出てからでは遅いのです。

都内のある男性(38)のこと。20年前に糖尿病と診断され、しばらくは定期受診をしていましたがその後何年も受診は途絶えていました。昨年6月、右目の視界の一部にモザイクがかかったようになり眼科を受診。糖尿病網膜症と診断されレーザー治療を受けるも進行は止まらず、5月には硝子体を取り除く手術を受けました。視力低下によって退職も余儀なくされた男性は「もっと前から病気の怖さを自覚していれば」と語ります。

この病気には3段階あり、初期の段階で血糖管理を徹底すれば、改善もしくは現状維持が見込めます。ところが網膜の血管が閉塞するなどの段階にきてもまだ、自覚症状がない人も多いのです。症状をはっきりと自覚する頃には最終段階まで来ていることも…。硝子体に新生血管が生えては出血し、網膜剥離を起こしやすくなります。この段階での治療は手術が基本で、リスク面では非常に進歩してきましたが、施術はできるだけ早くなければなりません。そうなる前に、血糖値はもちろん血圧や脂質を管理し合併症の進行を防ぐことが大切です。

糖尿病と診断されたら、眼科も忘れずに定期受診しましょう。

(朝日新聞 6月9日)

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