3月24日 日本人起業ベンチャー、新薬を開発

加齢黄斑変性は、「目の難病」とも言われるように進行すると失明することもある。
その失明を防ぐ治療薬を、日本人研究者が米国で起業した創薬ベンチャー、アキュセラ社が開発した。

開発したのは、加齢黄斑変性のうちの「ドライ(萎縮)型」向けの飲み薬。
日本人の患者に多い、網膜の下の血管から新しく細い血管が出てくる「ウェット(滲出=しんしゅつ)型」には治療薬があるが、黄斑部の細胞が衰える「ドライ型」には治療薬がない。
日本人と違って欧米人は、患者の約9割がドライ型であり、治療薬がないために米国の失明原因1位とされている。

この治療薬は、目の網膜の細胞に老廃物を送り込む酵素の働きを阻害し、老廃物がたまって細胞の機能が衰えるのを防ぐ効果が期待される。
これまでの治験では、酵素の働きを90%以上抑えることが確認されており、服用を続ければ失明に至らない可能性が高いとみられている。

月内にも、実用化にむけた最終試験が大塚製薬と共同で行われ、約440人を対象に2年間毎日服用し、その効果を確認する予定だ。
新薬として承認されれば、米国ではアキュセラ社と大塚製薬が共同販売するとのこと。実現すれば、巨大製薬企業が主導権を握る創薬ビジネスに一石を投じることになりそうだ。

(日本経済新聞 3月24日)

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