2019.8.27 知名度上げたい?

『先生、本出しませんか?』某出版社から面会依頼。

このHPを見て当院のことを知ったらしいのですが。

 

名の通っている出版社なので、会ってみると…

HPを見て、是非、本を出版する手伝いをしたいとのこと。

何冊かの一般向け医学本(専門書ではない)を見せてくれました。

全国津々浦々、市内の知っているドクターの名も。

ちょっと目を引きそうなタイトルに、どきっとさせる帯文句。

『これ一冊まるごと、○○先生が自分で書かれたのですか?』と驚いた院長(私)。

『いえいえ、先生が直接執筆する必要はありません。次回、企画書持ってきます』

どういうこと?

 

別日に提案された企画は3つ。

眼科Q&A方式で公センセ(私です)が答えるというもの。

専門の緑内障についてわかりやすい本。

ブログに書いてきたような女医ライフのエッセイ。

 

いずれも、依頼者(著者)の意向や基本情報を聴取。

本の構成・企画・編集方針を決定。

依頼者に数回取材を行い、ライターが原稿を執筆。

原稿・デザイン確認後、印刷・製本へ。

出版社がPR活動や、書店の平積みコーナーなど手配。

と言った流れらしいです。

 

初版5000部~と、自費出版とは大きく異なります。

 

全ての本ではないけれど、物書きを本業にしていない著者の大衆本は、こういうからくりがあったのか~と唖然。

 

『新しい患者さんが、遠くからも来院されますよ』

『本を通じて先生の思いが伝わりますよ』

『集患力がアップしますよ』

『知名度が高まりますよ』

『緑内障に力を入れていることをアピールできますよ』

 

不思議なことに、これらの言葉に少しも心動かされなかった院長でした。

 

企画書の最後にあったのは、びっくりするような初期費用。

 

見せてもらった本の著者のドクター達は、こうやって本を出版したのね~

費用が掛かっても本を出したい人はたくさんいるのだと思います。

 

自身は、自費出版すら考えたことはありません。

また、医学書以外で一般向けに出ている書籍で、その道のスペシャリストは少ないように思います。

医師としての学術的なレベルは、学会での活躍具合や論文の投稿などで判断します。

素人なら食いつくような『○○で目が良くなる』などの内容は、学会・医学雑誌では出てきません。

 

一開業医として、地元密着で診療してきました。

10年20年のお付き合いの患者さん、3世代にわたる患者さん、数年ぶり十数年ぶりに再来の患者さんなどもおられます。

手を広げて、広域の知名度を上げるよりは、ちょっとしたことでも気軽に受診でき相談できるかかりつけのクリニックが、自身の目指すところです。

緑内障には特に力を入れていますが、師匠(岐阜大学眼科学教授・日本緑内障学会理事長)には、到底(一生)力が及ばず、1ミリでも近づけるべく日々勉強するのみです。

 

書籍化しなくても、HPの拙文(公センセの部屋)を読んで、『かかりつけ医』にしたいと思っていただければ幸いです。

一定数の高齢の患者さんは、前回受診からの『公センセの部屋』のコピーを希望されます。

帰ってから読むのが楽しいそうです(感謝)。

 

そんな折、新しい検査機器の講習会の案内が。

今年の春、OCTA講習会に行き、早速、最新のOCTAを導入しました。

確実に患者さんの診断・治療に役立っています。

書籍出版に使うなら、新しい検査機器を導入した方が、満足度は高いはず。

小さなクリニックに、最新のブランド機器をどんどん導入…分相応?

いやいや、常に新しい機器と知識・技術の取得のためには、投資・投資!

 

出版業界の裏?を知り、書店の本を疑念を持って眺めてしまう院長です。

こちらもご覧ください

OCTA(オクタ)講習会

検査機器導入のお知らせ

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