2023.2.21  今年もスギ花粉症

新聞やテレビ、ネットで花粉飛散情報が流れるようになってきたこの頃。

毎年の院長のアドバイスを守って初期療法(花粉飛散前から、症状が出る前から点眼や内服)を始めている模範患者さんも多数。

きっと一年の自分のスケジュールに、「花粉症治療を開始する・こうクリニック受診」などと覚え書きされているのだと思います。

点眼開始第1、第2クールが終わる頃ですが、未だ自覚症状はなし。

それでもきちんと点眼を続行。

素晴らしい!

 

院長が眼科医になった頃は、高齢者は花粉症になりにくい…と言われていました。

実際、60歳以上のスギ花粉症推定有病率は1987年では5%弱、1996年では10%です。

しかし、H28年度東京福祉保健局の調査では、都内のスギ花粉症指定有病率(全体)は増加傾向がみられ、60歳以上でも同様の傾向(35%弱)が見られたと報告されています。

院長研修医の頃から比較すると、子供だけでなく成人・高齢者とも花粉症患者さんが増加している印象を受けます。

院長も40代にスギ花粉症を発症しました

また、今では、どちらかというと高齢者(60歳以上)に近い年代になっています(とほほ)。

 

現在2月半ばを過ぎましたが、ちらほらアレルギー性結膜炎の患者さんが。

「かゆい」はもちろんですが、「ショボショボ」「涙っぽい」「白っぽい目やに」などの訴えもあります。

そのうち、花粉飛散量がmaxになると「白目(しろめ)がぶよぶよ」も。

 

少しでも早く来院されることをお勧めします。

そして、プロアクティブ点眼を勧めます。

プロアクティブ点眼とは…

発症期間中は症状の有無に関わらず、抗アレルギー点眼薬を用法通りに使用する点眼治療のことを言います。

プロアクティブ点眼により、結膜中の薬物濃度を維持し、目のかゆみの発生を持続的に抑制できます。

 

「かゆい時だけ点せばいいですか?』

「かゆくなったら、2~3滴さしていいですか?』

の質問をよく聞きます。

「いけません!処方通りの回数でさしましょう。片眼1滴で十分です」

 

一般に、自覚症状があると点眼したくなり、症状がないと点眼忘れ…は、よくあるパターンです。

アレルギー性結膜炎の場合は、目の中のかゆみを抑える薬物濃度をいつも一定にしておくことで、急に花粉が大量に入っても、一気にかゆくなるのを抑えてくれます。

かゆい時に何回かさしても、目の中の薬物濃度がさした分だけ上がるわけではないので、あまり効果がありません。

 

これは、結膜炎やものもらい、白内障、緑内障などどんな病気にも当てはまることで、処方通りに点眼することで、目の中の薬物濃度が保たれ、治療効果を最大に発揮します。

 

コンタクトレンズ装用者は、花粉症の時期は、1day使い捨てSCL(ソフトコンタクトレンズ)や眼鏡をお勧めします。

SCLの材質分類で、グループⅣ(高含水率・イオン性)のものは、汚れや防腐剤を吸着しやすいので2weekタイプなどでは要注意です。

また、抗アレルギー剤を含んだ1day使い捨てSCLもお勧めです。

 

これからますます花粉飛散が多くなります。

新型コロナ禍でのマスク生活は、花粉症対策にも有効ですが、目のケアも!

 

「スギ花粉症のない北海道(シラカバ花粉症はあり)に、花粉症の時期だけ住みたいね~』と知人。

高齢者の仲間入りしたら、その時期だけ北海道に出稼ぎに行くのもいいかも!?

今度は、北の果ての医療が気になります…

 

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2020.1.28 花粉と初期療法

1月も下旬、あっという間に2月です。

 

『そろそろスギ花粉症の時期なので…』と、点眼や内服を希望される患者さんが増えてきました。

『また、次のシーズン前に来院してくださいね』の院長の指示に、毎年この時期に来院(再会)される律儀な患者さんも。

 

『初期療法』という言葉が浸透してきたように思います。

『初期療法』とは、花粉の本格飛散開始の約2週間前から、抗アレルギー点眼薬や内服を開始する治療法のことです。

症状の発症を遅らせ(自覚症状が出にくくなる)、花粉飛散ピーク時の症状も軽減させると言われています。

 

眼科雑誌に、ちょうどアレルギー性結膜炎の予防投与の論文がありました。

 

初期療法のメカニズムには3つ考えられていて…

 

①本格飛散の前から少しずつ花粉は飛んでいるので、自覚症状(かゆみなど)はなくても、局所では炎症が起こっている可能性がある。

無症状だけど、水面下で炎症が起こっている状態を早めに抑えることで、本格飛散時の炎症を抑えられる。

 

②アレルギー反応は一度起こると、肥満細胞の脱顆粒(医学用語。俗にいう肥満とは無関係)により激しいかゆみが引き起こされる。

続いて、炎症細胞が動員され、ドミノ倒し的にかゆみが増加。

掻くことで目の表面のバリア機能も低下し、少し(10分の1から100分の1)の抗原(花粉)でも反応を起こしやすくなってしまう。

掻かないようになることで、アレルギー反応のドミノ倒しが起こらないようにする。

 

③抗ヒスタミン点眼薬は、かゆみに即効性があるので、近年処方されている(当院も処方しています)。

インバースアゴニスト活性の高い(医学用語)抗ヒスタミン点眼薬をさすことで、ヒスタミンH1受容体の数を減らし、かゆみを感じにくくすると考えられる。

 

実際、初期療法開始グループと通常療法(飛散してから処方)グループで比較したところ、『目のかゆみ』『目の異物感』『目の充血』『涙目』『目やに』の各項目に置いて、初期投与グループで有意(統計的に)に抑制されています。

また、QOL(生活の質)も低下が認められませんでした。

つまり、花粉の時期も快適に過ごせるということ。

 

以上が論文の大雑把な要約です。

 

『初期療法』は有効なので、1月下旬(今ですね)から2月初旬頃までには、点眼・内服を開始しましょう。

かゆみスイッチを減らすことで、かゆみを感じにくくする作用(予防)のある点眼・内服を開始しましょう。

また、一日何回の用法を守らず(忘れて?)、かゆくなったらさす人が多いのですが、定期的に点眼することで、かゆい感覚を抑えます。

 

今年は、例年よりは少ないと予想されています。

でも、油断は禁物!

東海地区は、2月中旬が飛散開始予測日です。

2月下旬から3月上旬にピークとなります。

 

院長は、スギ花粉に初めて発症の年(開業してから)、散々な目に遭いました。

あの恐ろしさを二度と味わいたくないと、毎年初期療法を行っています。

ゴルフもしばらくお休みです(だから上手くなれない…と言い訳)。

 

スギ・ヒノキ花粉症の方は、ぜひ、早めにご相談ください。

カテゴリー:眼に関すること

2019.2.5 そろそろ花粉症

今年の花粉(スギ+ヒノキ)飛散予想は、東海地方では例年比やや多(110%)です。

2月中旬からはスギ花粉の飛散が始まります。

花粉症の対策開始です。

 

スギ花粉症の院長は、2月に入り点眼・内服を開始しました。

 

最近は、医療的な『メディカルケア』だけではなく、患者さん自身も『セルフケア』をしましょう!という動きが。

 

代表的なアレルギー性結膜炎・鼻炎の原因は、スギ・ヒノキ・カモガヤ(初夏)・ブタクサ・ダニ・ハウスダスト・イヌ・ネコなどです。

自分が何に反応するかは、血液検査で調べることが出来ます。

 

(スギ・ヒノキ)花粉アレルギーと分かったら…

①飛散の多い日の外出や洗濯物の外干しを控える

②マスク、メガネ、帽子を着用する

③外出の時間帯を工夫して、花粉飛散の多い昼前後の外出は控える

④花粉を室内に持ち込まない

⑤コンタクトレンズ装用者は、出来るだけメガネに切り替える

 

これが『セルフケア』です。

 

そしてやはり『メディカルケア』も必要です。

眼科受診をされた患者さんには、症状に応じて、点眼薬や内服薬を処方します。

 

アレルギー性結膜炎が強い場合は、コンタクトレンズ中止を指示し、治療を優先してもらうこともあります。

コンタクトレンズが角膜や結膜を刺激し、炎症を悪化→分泌物(めやに)がコンタクトレンズに付着し汚れる→汚れがさらに角膜や結膜を刺激→さらに悪化という悪循環に陥るからです。

『メガネ、マスクなし群』と『花粉症用メガネ・花粉症用マスク装用群』では、結膜内花粉数が約6分の1に減少したデータもあります。

コンタクトレンズを装用する場合は、1日使い捨てのタイプ、素材として花粉が付着しにくいレンズを選びます。

 

人工涙液による洗眼は、抗原(花粉・ホコリなど)を洗い流すのに有用です。

水道水は、涙液の安定性を低下させるため、出来れば避けた方が。

 

カップ式の洗眼器具は、眼周囲の皮膚の汚れや付いた抗原をかえって眼表面に触れさせる可能性があるので、お勧めしません。

 

目薬を点しても『かゆくてたまらない!』時は、瞼を冷やすことも有効です。

 

 

3月のウィメンズマラソンに向けて、マスク・サングラス着用で、名古屋駅まで走っていた頃が懐かしい。

今は、ジムで、花粉を気にせず、ゆるゆると走っている、マラソンリタイアの院長です。

 

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