2023.3.14   今日にかぎって~

気分転換にデパ地下巡りをするのが好きな院長です。

デパ地下と言えども、街に行くには違い無し(緑区も名古屋市ですが)。

気合が入ります。

THE お出かけ、です。

 

さて、職業柄指輪をする習慣がありません。

微生物学の授業や、オペ室での手洗い指導で、いかに指輪(と指の間)に雑菌が多いかを繰り返し叩き込まれた医学生は、仕事中は決して指輪をしません。

結婚指輪でさえ。

指輪の習慣がないので、せっかくのお出かけでも指輪無しで行くことがほとんど。

若い時は、人並みに、指輪を買うのももらうのも嬉しかったし、もちろん婚約指輪と結婚指輪は特別です。

しかし、結婚生活30年弱でそれらは何回日の目を見たのやら…

ということで、最近になって物は使ってこそ!(先を考えるとジュエリーに申し訳ない)と思うようになりました。

 

ある日のデパ地下巡りに。

少し前に買ったワンピースにイヤリングとネックレス、指輪も。

ふだん選ばない指輪を今日は選んでみました。

誰かと会うわけではないのですが、街に行く気合です。

 

その日のデパ地下の催しコーナーは大人気のお菓子。

通常並ぶことは極力避けるタイプですが、長蛇の列の最後尾に並びます。

始めは商品さえ見ることが出来ないのですが、少しずつですが前進。

ショーケースが見え始め、具体的に何を買うかを決定。

あと4~5人先が自分の番です。

何気なく指輪の石を触りながら、じっと待ちます。

少し前に進んだ時、左手の薬指を見ると、空洞の指輪が!

一体何が!?

ついさっきまでは、緑のオパールが埋め込んでありました。

この指輪は、新婚旅行先のオーストラリアで家人が買ってくれたもの。

誕生石の可愛いファッションリングでした。

すぐ下の床を見てみるも、それらしきものは見つからず。

その場でしゃがんで探してみる…

とか

『すみませーん!指輪落としたので、ちょっと動かないでください!』(昔、ハードコンタクトレンズを落とした人は、このように叫んでいました)

とかは、もうオバサン(院長)勇気がありません。

上の空で品物を買った後も、しばらく下ばかり注視。

おむすびころりんみたいにどこへ行ったの?

おい、お~い。

 

終了後の清掃できっと見つかるはず、と信じて、デパートの遺失物係へ。

今も連絡がないということは、もう拾われたか捨てられたかは不明です。

小さいので、ごみの中で見分けがつかなかったのでしょうか?

 

多くのものの中からひとつを見つけるのが困難なことは、大人でもあります。

 

子どもの場合には顕著で、視力検査時の『読み分け困難』と言います。

通常、視力検査は、視力表を用い『どちらの方向に開いていますか?』と、どんどん尋ねていき視力を決定します。

しかし、視力が未発達な子供は、多くのものの中から一つのもの(指標)を選び出すことが困難なので、通常の視力検査がうまく出来ません。

そのため、ひとつだけCの指標(ランドルト環指標)を見せていくと、すらすらと答えてくれます。

 

オパールの石を落とした瞬間から

『どうしてなの~今日にかぎって~♫』(DESTINY 松任谷由実)のフレーズがリフレイン。

 

思い出の中には存在する!(と、前向きに)

空洞の指輪の先に未来を見ましょう(と、前向きに)

それでもまだまだ『どうしてなの~今日にかぎって~♪』と流れています。

 

*来週21日(祝)はお休みします

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.2.28  行きずりの進路相談

先日、所用でμ(ミュー)スカイに乗りました。

μスカイは、中部国際空港と岐阜・名古屋を結ぶ名鉄特急の愛称で、ほぼ全席(一部自由席の場合も)指定券を買わないと乗れません。

指定券を別途購入だけあって、車内は広いし、静かだし、空港まで最短で着きます。

 

乗車すると自分の席を探します。

今回は、一番後ろの座席。

繁忙期はともかく、平常は2列かけシートを一人で独占できるμスカイ。

なのに、指定席の横に先客が。

他の席も空いているのに、こんなことってある?

『すみません』と断り、窓際の指定席に着席、指定券をカードホルダーに差し込みます。

 

隣の男性と言っても10代の青年がもぞもぞ。

怪しい…

『すみません、その切符ってマナカ(名古屋の交通系ICカード)で買えますか?○○駅で乗ったら、なんか違っててて…』

『この列車は全席指定だから、車掌さんが回ってきたら買えばいいですよ。でも、車内はマナカでなくて現金のみだけど』

μスカイは、車掌さんのチェックが怠りないので、指定席なしで乗車したとしても、必ず買うことになります。(乗車して車内で買うつもりならOK)

丁度、車掌さんが歩いてきたので、世話好きオバサン(院長)が事情を話し、滞りなく指定券購入。

 

『助かりました~良かった~これから修学旅行に行くんです!』

『そうなの?どこへ?』

『沖縄。飛行機も初めてなんですよ!』

『いいわね~何時に集合?』

旅行のしおりを取り出します。

『見せてもらっていい?』

『どうぞ』

ひめゆりの塔など戦争に関する学習場所もあれば、美ら海水族館や国際通りなどのお楽しみも。

『よく考えてある行程だわ。楽しんできてね。○○では、このお店がお勧め(余計なお世話かも)』

 

聞けば、定時制の高校生とのこと。

夕方から授業。

4年間で何か資格を取るのだそう。

溶接関係の資格を目指して勉強中とのこと。

昼間はファストフードでバイト。

アルバイトも段階があり、仕事内容によっても呼び名が変わり、彼は現在マネージャーの下だそう。

時給も当初から50円アップ。

『えらいね~関心するわ~』

学校のことも、バイトのことも知らなかった話ばかりで新鮮。

50過ぎても知らないことだらけのオバサン(院長)です。

 

『人とのコミュニケーションが上手だから、人と関わる仕事が合ってるかもね』

『そうなんですよ~溶接選んだけど、ちょっと迷ってて…』

確かに、溶接は一人で黙々と作業するイメージがあります。

『でも、資格あったほうがいいし…』

『そうね、資格はあったほうがいいよね。

でも、取ってからが本当の仕事だよ。

まずは、その資格で出来る仕事に就いて頑張ったら。

コミュニケーション能力は高い方が、どんな仕事にもプラスだし』

『頑張って見ます!』

 

行きずりの進路相談?で列車は終着駅に。

『じゃあ』

『さようなら』

 

その後、売店をうろうろしていたら…

若い男の子たち3人組。

『あれっ!?』

『あっ!さっきの!?』

『無事合流できて良かったね。修学旅行楽しんでね~』

 

背後から

『誰?あのオバサン?』

『電車で隣だった人。色々話聞いてくれた』の声が。

 

若い子から見たら、不審なオバサンに映ったに違いないわ~

 

これから人生の荒波に飛び込んでいく君に幸あれ!

人生の少しだけ?先輩のオバサン(院長)の言葉も、いつか何かのはずみで思い出す時が来るかも?

そう思いながら保安検査場に向かった院長でした。

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事

2023.2.21  今年もスギ花粉症

新聞やテレビ、ネットで花粉飛散情報が流れるようになってきたこの頃。

毎年の院長のアドバイスを守って初期療法(花粉飛散前から、症状が出る前から点眼や内服)を始めている模範患者さんも多数。

きっと一年の自分のスケジュールに、「花粉症治療を開始する・こうクリニック受診」などと覚え書きされているのだと思います。

点眼開始第1、第2クールが終わる頃ですが、未だ自覚症状はなし。

それでもきちんと点眼を続行。

素晴らしい!

 

院長が眼科医になった頃は、高齢者は花粉症になりにくい…と言われていました。

実際、60歳以上のスギ花粉症推定有病率は1987年では5%弱、1996年では10%です。

しかし、H28年度東京福祉保健局の調査では、都内のスギ花粉症指定有病率(全体)は増加傾向がみられ、60歳以上でも同様の傾向(35%弱)が見られたと報告されています。

院長研修医の頃から比較すると、子供だけでなく成人・高齢者とも花粉症患者さんが増加している印象を受けます。

院長も40代にスギ花粉症を発症しました

また、今では、どちらかというと高齢者(60歳以上)に近い年代になっています(とほほ)。

 

現在2月半ばを過ぎましたが、ちらほらアレルギー性結膜炎の患者さんが。

「かゆい」はもちろんですが、「ショボショボ」「涙っぽい」「白っぽい目やに」などの訴えもあります。

そのうち、花粉飛散量がmaxになると「白目(しろめ)がぶよぶよ」も。

 

少しでも早く来院されることをお勧めします。

そして、プロアクティブ点眼を勧めます。

プロアクティブ点眼とは…

発症期間中は症状の有無に関わらず、抗アレルギー点眼薬を用法通りに使用する点眼治療のことを言います。

プロアクティブ点眼により、結膜中の薬物濃度を維持し、目のかゆみの発生を持続的に抑制できます。

 

「かゆい時だけ点せばいいですか?』

「かゆくなったら、2~3滴さしていいですか?』

の質問をよく聞きます。

「いけません!処方通りの回数でさしましょう。片眼1滴で十分です」

 

一般に、自覚症状があると点眼したくなり、症状がないと点眼忘れ…は、よくあるパターンです。

アレルギー性結膜炎の場合は、目の中のかゆみを抑える薬物濃度をいつも一定にしておくことで、急に花粉が大量に入っても、一気にかゆくなるのを抑えてくれます。

かゆい時に何回かさしても、目の中の薬物濃度がさした分だけ上がるわけではないので、あまり効果がありません。

 

これは、結膜炎やものもらい、白内障、緑内障などどんな病気にも当てはまることで、処方通りに点眼することで、目の中の薬物濃度が保たれ、治療効果を最大に発揮します。

 

コンタクトレンズ装用者は、花粉症の時期は、1day使い捨てSCL(ソフトコンタクトレンズ)や眼鏡をお勧めします。

SCLの材質分類で、グループⅣ(高含水率・イオン性)のものは、汚れや防腐剤を吸着しやすいので2weekタイプなどでは要注意です。

また、抗アレルギー剤を含んだ1day使い捨てSCLもお勧めです。

 

これからますます花粉飛散が多くなります。

新型コロナ禍でのマスク生活は、花粉症対策にも有効ですが、目のケアも!

 

「スギ花粉症のない北海道(シラカバ花粉症はあり)に、花粉症の時期だけ住みたいね~』と知人。

高齢者の仲間入りしたら、その時期だけ北海道に出稼ぎに行くのもいいかも!?

今度は、北の果ての医療が気になります…

 

こちらもご覧ください

めんぼ・ものもらい・何?

花粉症ゴホゴホ

そろそろ花粉症

花粉そろそろ

花粉そろそろ

スギ飛んでる、飛んでる

今年の花粉症(自身編)

ヨーグルトと花粉症

耳がダンボ

そろそろスギ花粉

今年も花粉症

スギ,日本の財産

マラソン再び  そして花粉症

そろそろ花粉症…

インペアード・パフォーマンス

そろそろ花粉症の予防を

そろそろ花粉症シーズン

花粉症 とあるスギ花粉患者さんとのエピソード

うれしかった患者さんの来院

食べながら偲ぶ

 

カテゴリー:クリニックに関すること 健康 眼に関すること

2023.2.14 とっさの一言

早速、フロアーバレーボールの練習見学日を決めた院長です。(前回より続く)

いつも訪問する際には、相手の情報を予備知識として入れておきます。

 

フロアーバレーボールとは…

・コートの中に立てるプレイヤーは前衛3名と後衛3名の6名。

・前衛プレイヤーはアイマスク(アイシェード)を着用して目隠し。

・スタートのポジションがあり、ポジション番号が振られる。ポジションはローテーションにより試合中変わる。

・ローテーションは前衛と後衛それぞれ、ネットに向かって左方向へずれる。

(一番左は一番右にずれる)

・3打以内に相手のコートにボールを返す。

 

HPやYouTubeで一通り知識が付きました。

見学チーム(ドリーム・ラブ・ワールド)のYouTubeも見つけたので、視聴しておきます。

 

さて当日、指定された体育館へ。

10名以上のメンバー。

先日のAさん、Bさんを含めて全員自己紹介。

自身の病気を言う人も、残存視力や視野を言う人も。

院長が眼科医だからこその紹介かもしれませんが。

晴眼者のCさん(メンバー及びコーチ)や、ボランティアサークルの大学生も参加します。

 

練習が始まります。

後衛は、晴眼者及び軽度弱視者が担当。

前衛は、アイマスクをしているので誰でもOKですが、メンバーの数によっては、全盲・弱視者が担当になる事が多いです。

後衛プレーヤーが、サーブを打ちます。

すくい投げのサーブですが、これが結構速くて強いのでびっくり。

 

2打目(トス)は、後衛が受けることも、前衛が受けることも。

前衛は、視覚障害のハンディキャップが大きいので、後衛がボールの位置を時計方向で知らせたり、拍手をして(音で)知らせます。

ゴールボールと違い、鈴が入っていない(中学校までは鈴入り)ので、目隠しだと探すのに大変です。

3打目のアタック(これも下投げ)も、選手によっては結構速くて強い!(キャプテンのボールの勢いはすごい!)

当然ですが、素手なので痛そう。

 

前衛の3人が中央で並んで待機しますが、後衛の『オープン!』の指示で、左右の端に広がります(カーテンみたい)。

後衛は、ボールの動きを見て、前衛に的確に指示。

前衛は、後衛の指示(聴覚のみ)で素早く反応します。

 

この日は、隣の半面で高齢者の卓球クラブの練習が。

見学の院長でさえ、ピンポンの音が気になっていたのですが、尋ねるとやはり。

晴眼者以外、日常生活では白杖使用なのに、コートの中では白杖なし、声・音だけでプレイします。

雑音(卓球クラブの音)が多く、その日の練習はやりにくかったそう。

 

ミーティングで、メンバーの一人DさんがAさんの斜め後ろに。

『Dさん、どこだー?俺、視覚障害者だから見えないんだよな~。まだ、健常者だと思っているから(中途視覚障害)~』

『僕も視覚障害者です!』とDさん。

メンバー大笑い。

院長笑っていいものなのか…

 

終わり際、『来月県大会があるんですけど、チームドクターになってもらえませんか?』

えっ!?

『は、はい。わかりました』

とっさの一言。

サークルといえども、チームドクター拝命。

返事をしてから重責に気づきます。

まぁ、これも何かの縁、頑張ります!

 

それにしても、30年近く前にも同じシチュエーションが。

知人の知り合いと3回目の食事時、『チームドクター』の代わりに『結婚…』の下りを言われました。

とっさの一言は同じ。

(帰宅してから、とっさの一言の重みに気づいた次第…)

何の縁なのか、お陰様で現在まで一緒にいます。

 

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事

2023.2.7  SHE SAID(シー・セッド)  

新聞(紙)は毎朝のルーティンのひとつ。

毎日3紙をざーっと見て、目に付いた記事・興味ある記事を読みます。

文化欄も好き。

紹介されていた映画『SHE SAID』を見に行きました。

 

実話に基づいた映画。

2017年、ニューヨークタイムズ紙が報じた記事。

ハリウッド映画の大物プロデューサーのセクハラ・性的暴行事件を告発。

その後、映画業界のみならず国を超えて性犯罪の被害の声を促し、#Me Too運動の起爆となったそうです。

 

そして、この映画上映中のつい先日、性犯罪要件8例が日本でも提示されました(タイムリー!)。

 

2人の女性記者の取材によって、過去の被害者が表面上の示談で泣き寝入(というか、過去を封印)していたこと、隠蔽が暗黙の了解である業界・社会であることが掘り起こされていきます。

 

被害に遭った女性への聞き取り、面会、実名公表までのやり取り。

また、加害者側の関係者・弁護士などへの聞き取り・面会など。

調査を妨害されながらも、チーム一丸となり事実を突き詰め、報道公開します。

 

この映画では、性的暴行事件の告発記事を公表する過程において、2人の女性記者の行動がカッコイイのです。

ジャーナリストとしての使命と責任、プライドを映画の中で感じます。

夜中でも、海外でも、取材依頼があれば出かけていく。

相手が年上でも、男性でも、地位が高くても、屈せず取材に飛び込んでいく。

性被害に遭った女性たちには、寄り添い共感して取材をする。

 

バリバリのキャリアウーマンたちですが、私生活では妻であり母である様子を描き出しています。

キッチンやダイニングでも原稿を書き、ベビーカーを押しながらでも仕事の電話に応えます。

仕事となれば、夜でも子供たちを夫に預けて出先に。

夫は妻の働きを阻止したり揶揄しないし、子供も何となく母は大事な仕事をしているのだろうと感じている。

夫は妻を自分のサブ(従人)ではなく、対等の人間・パートナーとして静かに応援。

子どもの寝顔で癒され、子供の言動で母親としての自己嫌悪に陥るシーン。

仕事の停滞に落ち込んだり、ちょっとした成功にまた頑張ろうと奮い立つシーン。

 

映画キャストみたいに、美人でカッコ良くはないけれども、昔の自分に重なるものが。

そんな時代もあったよね~(♪中島みゆき♪)

いわゆる男性的働きを、妻母の役割もしながら女性が続けることは、結構大変。

しかし、仕事が、社会に関わる一個人(属性ではない)としての自分を発揮できた場所(今現在も)であったと思います。

映画の中でも、高齢出産で産後鬱と診断された記者が、復帰して元気を取り戻します。

これからの時代は、性差に関わらず、相手を尊重し認めていくことがより求められると思います。

 

脇役で、登場する女性上司。

的確な指示をし、時には子育て中の彼女たちを気遣い深夜に残業します。

彼女もカッコイイ。

むしろ、今はこちら側にシフトチェンジです。

 

自分より年上の素敵な女性たちを目標に。

自分より年下の女性たちに賢明な助言を出来るよう。

 

社会派映画としても、働く女性としての視点からも見応えのある映画でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの想い 公センセの日常の出来事

2023.1.31 白い杖の来客

『…バレーのAさんからお電話です』と受付スタッフから。

…バレー?バレエ??

 

昨夏のある日の朝刊。

視覚障害者と健常者が一緒に楽しめるフロアーバレーの記事が。

眼科医ゆえ、目に関する記事やニュースには特に目が行きます。

更に、『健康スポーツ医』であり『障がい者スポーツ医』の院長。

興味深く読みました。

 

『視覚障害者用補装具適合判定医師』養成講座でも『障がいスポーツ医』養成講座でも、実習で障害者スポーツの勉強や体験をしましたが、『フロアーバレー』は知りませんでした。

プレイの様子と、キャプテンAさんの写真が。

そして連絡先のAさん携帯番号も併記。

 

気になる…気になる…

面識のない個人の携帯電話にかけるとなるとオバサン(院長)でもハードルが高い…

どうしよう、気になるけど…

迷いつつ2週間。

思い切って電話をかけます。

相手は、写真よりも若い声。

体験する予定か聞かれ、まずはどんなものか知りたいので見学を、と伝えます。

 

2か月先までの練習日を聞きメモします。

一応連絡先を、と聞かれたのでクリニックの番号を(携帯番号よりは…)。

 

土曜日は絶対無理だし、日曜日も既に所用が入っており、結局行けずじまいに。

 

そして年が明けた1月。

クリニックに電話があったという次第。

『びっくりしました。眼科の先生だったんですね~それなら尚更説明しに行ってもいいですか?』

『もちろんです』

 

約束の日にクリニックに現れたのは白杖の二人の青年。

ウサギ小屋みたいな院長室で話すことに。

ドアを開けて室内へ。

ガッチャーン!

早速大きな音がします。

『すみません!』

いえいえ、『すみません』は当方です。

入ってすぐの仕事机の角に、文具を入れたプラスチックケースが置いてあったのでした。

初めての場所だと、視覚障がい者は、白杖、手指の感覚で空間把握をします。

ですので、角には物を置いたりしてはいけません(眼科医として反省)。

 

二人が自己紹介をしてくれます。

Aさんは、高校生の時、突然視力障害に。

その後、盲学校に転校しています。

Bさんは、幼少時から見えにくかったのですが、進行により中学校から盲学校に。

『Aさんは○○の病気、Bさんは○○の病気ですよね!?』

『正解です、さすがです』(エピソードを聞くと…眼科医ですから)

 

フロアバレーボールとは…

6人制バレーボールに沿った、視覚障がい者と晴眼者(視覚障害がない健常者)が一緒に楽しめるスポーツ。

ネットの下で床を転がるボールを打ち合う。

ネット前で目隠しをする3人の前衛と、コートの後ろの後衛(弱視者でも晴眼者でも)が1チームとなり、競技をする。

 

フロアーバレーボールチームは、他にもいくつかあり、交流試合もするそう。

また、年に一回は、愛知県大会も開催されているそうです。

『一度見学に来てください』

 

白杖を持つ程度になると、回復と言うより現状確認のための大きな病院での定期検査となる事が多いです。

したがって、町の眼科医は接点がなくなってしまいがちです。

『なんか目が乾くなとか、目やにが出るなと言う時に行ける眼科がないんですよね。行ってる病院は、完全予約制だし』

見える見えないだけでなく、もっと日常の病気(結膜炎とかドライアイとか)は誰にでも起こりうるはず。

『そういう時は、町の眼科に来院してね~』

 

見学、ぜひ行かねば。

またまた未知なる世界へサーブ!

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.1.24  ロボ発熱

始業前に、スーパーの入り口の掲示板に貼ってある『お客様の声』を読む院長。

今日も産業医(帰りはお客)としてやってきた職場のスーパー。

 

例えば…

ゴミ箱の設置についての苦情・提案(家庭から持ち込む人がいる)

レジの横入りについての苦情

セルフレジ台に水がたまっていたので商品が濡れてしまった

パックが甘くて、中身が飛び出してバラバラだった

店内が寒すぎる

などなど。

怒りのあまり、『ふざけんな!』とか『本部にも報告する!』と書いている人も。

匿名なので誰かかは不明ですが、お客様に違い無し。

店長は、それぞれの声に真摯に回答しています。

 

中には

とてもいい感じ、頑張ってください!

とか

○○パン大好きです。パンは○○(当スーパーのベーカリー)と決めています!

と嬉しい声も。

 

当院は小さなクリニックなので、患者様の声カードは設けてありません。

そのためか院長が、苦情や提案を受けることが多いように思います。

もちろん、お褒めやエールも。

スタッフが受けた場合も院長にすぐ報告が来ます。

事実を確認し、お詫びするべき事項はする。

改善すべき点あれば善処する。

ただし、現時点でクリニックとして無理・不可能で受け入れ難いことについては、説明し了承をしていただく。

苦情を聞く事は嬉しいわけはないですが、話しやすい院長であることは、有難いとも考えています。

気になる事を何も言わずに帰られるより、何でも言っていただけることで、患者さんとの距離は縮まると思っています。

今の時代、かなりアナログですが。

 

 

さて、先月他店舗で、台車に引っ掛かり転倒骨折と言う労災事故が発生。

視界に入らず引っ掛けたよう。

あの大きな台車(ペットボトルなどの飲料ケース用)が目に付かなかった!?

視野は大丈夫か?

などと考えながら巡視。

 

『どうやって引っ掛けたのでしょう?』

『台車も色々な種類がありますよ』

菓子パンのケースを乗せる台車。

軽い野菜を載せる台車。

魚を載せる台車、など。

手押しがなくても台車と言うそうです。

用途に応じて大きさ、重さも変わっていきます。

特に、ほぼステンレスの枠組みだけの台車は、ケースが載っていない場合、骨組みのみです。

『これはうっかりしていると引っ掛かり転倒するわ~』

対策としては、使用後は速やかに定位置に戻す。

ケースの段が低い、もしくはケースがない状況を作らないことです。

 

実は、買い物かごがたくさん積んであるのも同じ理由なのだそうです。

買い物かごが少ないと、お客さんの視界に入らずつまづいたりする恐れがあるそう。

院長も、スーパーに行くたびに、買い物客数に比してカゴが高く(多く)積んであることに気づいていましたが、その理由を知って納得。

 

 

惣菜部門では、寿司ロボの調子が悪いとの事。

少し熱を持っているようです(ロボットも発熱?)。

寿司ロボは、上から酢飯を投入すると、下に10個の握りとして出てくるというもの。

それぞれにネタを載せて握り寿司の完成です。

そういう仕組みだったのね~

総菜部門には、家庭にない珍しい調理器があり、『ちょっと欲しい…』と思うことも。

(そんなに握り寿司食べる?やっぱりいらんわ~)

 

もうすぐ節分。

恵方巻と合わせて、握り寿司は売れ筋商品となります。

ロボットも治療(修理)してもらい回復なるか?

 

スーパーに並んでいる握り寿司を見るたび、寿司ロボを思い出す院長です。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 産業医

2023.1.17 リンゴのバカー!自分が馬鹿。

ある日、スマホのカメラの背面カバーが欠けているのに気付いた院長。

落とした?ぶつけた?記憶にない…

新機種に買い替えてまだ数か月。

ショック!

粗相をしたことを隠す子供のように、何故か誰(家族)にも知られてはいけない、言わないでおこうと決めました。

(何も悪いことをしていないし、自前で購入しているのに…)

カメラを囲うフレームの一部分、目立たないと言えば目立たない。

カメラのレンズ中心にはかかっていないので、カメラ機能にも支障ありません。

しばらくそのままにしておいたところ、何となく亀裂が広がっているよう。

何とか食い止めねば。

考えたのは、セロハンテープでの補強。

細めに切って、囲んで終了。

 

またしばらくすると、テープがめくれかけてきました。

またまた補強。

テープを貼っているうちに、窓ガラスのひびをテープで止めて補修している家を連想してしまいました。

 

地下鉄に乗るたびに、対面の乗客のスマホに目が行くようになったのもこの頃。

スマホ全体ではなく、背面のガラスケースにテープなどを貼っている人はいないかな?

『泣く子はいね~が?』みたいに『テープ貼ってる人はいね~が?』と、観察。

結果、皆無。

 

おしゃれして地下鉄に乗っているのに、手にしているのはテープでツギを当てたようなスマホ。

惨めな気分から解放されるには、ちゃんと修理するしかない!

 

決めると早い院長。

お店はなかなか予約が取れないので、リンゴさんに連絡。

『背面のカメラのひび割れですが、修理お願いします』

『12,900円です』

『わずかなこのひび割れがそんなに高いんですか!?保障に入っているのに!』

『保障に入っているからその価格です』

は~

新品の同機種が送られてくるので、バックアップ諸々をして、交換返却をするようにとのこと。

ゆっくりやろう…と思う間もなく、すぐ新しいスマホが到着。

配送業者が引き取りもしてくれるのですが、こちらは全く準備が出来ておらず。

 

さて、社会的立場  母(院長)>>息子

経済力 母>>息子

知識 母>>息子

図式の我が家ですが、ことスマホ関係に於いては、母<<息子。

不測の事態に対処できない可能性もあり、息子にお願いせざるを得ません。

平常、お願いする機会・回数は圧倒的に母少なし。

息子のお願いばかり聞く母です。

何か言われる覚悟で事情を話します。

 

旧スマホ(現在使用中)を触りながら

『母さん、何処が壊れてる?全然問題ないぞ』

『えっ?だって、ここのテープ貼ってあるとこ』

『これは、俺が貼ってやった保護ケースが割れているだけ。ほら(ケースをはがして)、新しいのと変わらん』

ガーン!!

『キャンセルできるか聞いてみる!』

『ダメだと思うよ、小さな店じゃないんやで』

『やってみる!』

リンゴさんへ連絡。

実は壊れてなくて、新品にもまだ何も触っていないこと等々。

自分の非を認めつつ、ひたすら下手に丁寧に品よく…(オバサン、粘ります)

 

結果…

『一度申し込んだらキャンセルは出来ません』

『12,900円で新しいスマホを手に入れたということです(交換で)』とのこと。

いらんがな!

『リンゴのバカー!自分が一番馬鹿だけど』

送り返すスマホをぶつけたい気持ちを理性が抑えた院長です。

『母さん、わからんのに行動するな。まずは聞けよ。そのうちオレオレ詐欺にひっかかるぞ~』

(今回は詐欺ではありません。院長の不注意)

息子、マウント取っているのか、優しいのか!?

立場逆転。

 

高い勉強代でした。

トホホ…

『リンゴに払うくらいなら、俺にくれた方がよかったのに』

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事

2023.1.10 めでたいたい焼き

昨年師走の診察室。

Aさん(75歳過ぎ、男性)入って来るなり、『センセイ、こんなものもらっちまったわ~』

『血糖値上がりました?』(いつもの血液検査の結果?)

『そっちは調子いいけど…』と、差し出したのは、違反切符。

一方通行を侵入してしまい、ミニパトの御用になったそう。

あの道は、昔は一方通行でなかったような…

『そうなんだわ、最近一方通行になったらしいわ』

更にもう一枚の紙を。

『後期高齢者だからボケてないか、認知症の検査して来い!だってさ。

センセイ、認知症の検査やってよ~』

当院は名古屋市の認知症早期発見事業として、もの忘れ検診を実施しています。

結果は、問題なし。

まぁ想定内でしたが。

 

眼科と言えども、患者さんとの会話が比較的多い当院では、会話がかみ合わなくなってきたら『あれ?』

認知症疑いや認知症を発見することもあります。

『この紙を出して、罰金払ってきておしまいだけど、痛い出費やな~

有馬記念(競馬)で頑張らんと!

センセイは何に賭ける?』

院長は、息子の影響で競馬は少々かじりますが、ビギナーズラックの後の落差が大きすぎて、以後賭けない!と誓ったのでした。

『幸運を祈ります!』

 

先日、かかりつけ医の認知症対応向上研修を受けてきました。

認知症は75-79歳で約10%(後期高齢者の入り口)

80-84歳ではその倍の約20%

85-89歳では約40%と増えていきます。

もの忘れ検診は、認知症早期発見・早期対応を推進する名古屋市の事業の一環です。

認知症サポート医になるには養成研修を受け、さらにフォローアップ研修を受けます。

 

よく、やれない事とやらない事を混同される場合があります。

例えば『掃除はきちんとできているか?』の問いに

1.もともとやったことがない(機会がない、経験がない)。

2.以前は、やっていたが(誰かが代わりにやるようになり)やる機会がない。

3.意欲低下でやれない。

4.やろうとしてもうまく出来ない。

と色々返答はありますが、認知症では『以前はきちんとできていたのに、出来なくなった』

4番の答えが該当します。

 

名古屋市には、『名古屋市認知症の人と家族は安心して暮らせるまちづくり条例』があります(院長も初めて知りました)。

いきいき支援センター(地域包括支援センター)では、認知症の人を介護する家族への支援も行っています。

徘徊する認知症の人のために、

『はいかい高齢者お帰り支援事業』(捜索協力メールが配信される)

『なごや認知症の人おでかけあんしん保険事業』(徘徊した人が起こした事故の補償などを支払う。名古屋市が保険料負担。医師の診断書要)

 

65歳以上がもの忘れ検診の対象です。

子供じみた検査と思わないで、もし見つかったら怖いと思わないで。

どんな結果でも意義ある検診です。

 

さて、年内最終日。

受付スタッフから『Aさんから差し入れです』

まだほんのり温かいたい焼き。

『いただいたときは熱々だったんですよ』

Aさん、きっと有馬記念上手く当てたのね!?

1着のイクイノックス単勝ってわけでなく、いつものように3連単買いなのかな~

 

Aさんにとって、めでたいたい焼きだったと信じたい。

人間万事塞翁が馬というように。

院長もスタッフも、たい焼きでめでたい(ハッピー)気分。

こちらもご覧ください

1.1倍

趣味の始まり

リアルに並べば

母の日に愛をもらう

 

小さなめでたい!を見つけて感謝していきたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事

2022.12.20 リアルDr.コトー  その3

翌朝、前日の雨風は止み(と言っても時々降ってくるのが島の気候らしく、何回か降ります)、島内を電動自転車で周ることにしました。  →前回の記事はこちら

与那国島は一周27キロとはいえ起伏が激しいとのこと。

島に沿って道があるので、走っていきます。

サトウキビ畑を横に、ひびの入ったアスファルトを進んでいきます。

晴れると一気に日差しが強い!

日焼け止め塗っておいてよかった。

石垣島の子供には瞼裂斑(瞼裂班)が多いという論文がありましたが、納得。 → 「目が黄色い」

加えて、白内障も進行しやすいだろうな~

展望台に行っても、与那国馬の放牧場を通っても人はいません。

念のため、グーグルマップに次の目的地を入れることにしました。

 

Dr.コトーの診療所を目指します。

ひどい急斜面を降りることになり、途中自転車は置いて進みます。

テレビで見たDr.コトーの志木那島診療所。

一昔前の診療所(昭和~)って感じです。

既にリアル診療所に行き、リアルDr.コトーに会った後もあり、感動はそれほどでも。

でも、自身が離島医療を勉強するきっかけとなったので、見ておかねば。

 

自転車を置いた場所までの上りの急勾配、更に自転車を押しての急勾配に泣きそうになります。

徒歩用にマップを設定していたようで、狭い獣道みたいな経路にはまり込んでしまったのです。

人影は全くない。

役場か診療所にヘルプ!?は避けなければ(いい迷惑)。

過酷な筋トレを課された…のだと言い聞かせ、歯を食いしばり脱出。

 

日本国最西端之碑。

ついに日本の最西端に。

2019年に丸木舟で男女5人が台湾から45時間かけて与那国島にたどり着いた記録が。

それだけ近いということ。

事実、以前は台湾との行き来が盛んな島だったそうです。

 

クルマエビの養殖場・製糖工場を通れば、ここの産業医は?

小・中学校を通れば、学校医も診療所医師が兼務だけど、眼科医は?歯科医は?と、思うこと色々。

 

約半日で1周出来ました。

起伏の多さと急斜面獣道迷い込みにより、体力消耗激しい院長。

ほぼ誰にも会わない道路。

ただの観光というより、ダイビング・釣りの客が多いようです。

 

もし眼科の診療のお手伝いができる日が来たら…

不安もありますが、自身の経験があれば役に立つのでは…とも。

目下、自身のフィールドは『眼科はせ川こうクリニック』。

20年以上にわたる患者さんの眼の健康を最後まで守ることが、一番の使命だと思っています。

離島よりは恵まれた立場ですが、地域医療の信念は変わらない。

総合内科ではないですが、総合眼科(造語)として何でも受け入れる姿勢は貫きたいと思います。

 

与那国空港はとても小さな空港です。

Dr.コトーのポスターが貼ってあります。

島には映画館がないのですが、町の体育館で上映会が開催されたとのこと。

映画館もなくてもいいけれど、あると嬉しい施設のひとつ。

商店も島に数件あるのみで、商品は非常に限られています。

厳しい現実はこんな所にも。

 

なぜか空港の待合室は賑やかというか騒々しい。

中学生たちがおしゃべりしたり、ふざけあったり。

行き先は石垣島。

『何かあるんですか?』気になるオバサン(院長)質問。

『バスケの試合に行くんです』

飛行機に乗って、バスケの試合に!?

離島の飛行機は、こちらの地下鉄と言う感じでしょうか?

島で生まれず(産科施設がない)、生後少し経ってから島に戻ってきた子たち。

高校がないので、15歳になれば島を出ることになる子たち。

 

今回、いつもと違う学びや、考えることが大容量。

離島医療の重みを感じた与那国島の医療体験でした。

 

**********************************************

 

県立八重山病院(石垣島)は別の機会に。

今年も一年ありがとうございました。

 

こちらもご覧ください

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの想い
  • カテゴリー

  • 最近のエントリー

  • カレンダー

    2024年3月
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031
  • アーカイブ

  • タグ

先頭に戻る